第一部『開会挨拶並びに大河タップノベル、地域振興ドラマ風タップノベルのご紹介』(脚本)
〇白
〇劇場の舞台
七三「こんにちわー!99クレージーでーす!」
七三「さあ今回は令和の子泣き爺の 60作品記念企画でございます!」
七三「何故50回目にやらなかったのか? その理由は・・・」
七三「え?50作品くらい余裕ですけど何か?」
七三「みたいなクソつまらんプライドで しれっと済ませたはいいが 誰も褒めてくれなかったし そもそも注目すらされてませんでした!」
七三「ですので60回目はゴリッゴリに媚びて 盛大に自画自賛大会を催そうと思います!」
七三「申し遅れました! 私司会進行を務めさせて頂きます 無責任改め有言実行型ハッスル陰陽師、 九十九昭でございます!」
七三「・・・」
七三「うん?」
七三「いつもならこの辺りで例の天パ男の 「ちょいちょ~い待って下さいよ~」 的なツッコミが入るはずだが」
天パ「誰が雛段芸人だ」
七三「出たな和泉成」
七三「今回の企画意図、理解してるかい?」
天パ「ようはCM大会でしょ?」
七三「いかにも」
七三「僕はね、気づいてしまったんだよ。 何故我々が注目されないのか?」
七三「看板作品にも関わらず どうして埋もれてしまっているのか?」
天パ「壊滅的更新頻度の低さ。 遅遅として進まない物語。 鼻につくメタ演出の乱発。 目先の笑いを欲しがり脱線につぐ脱線」
ヤブニラミ「あと主人公がブサイク」
七三「よおしお前ら一人ずつかかって来いやあ!」
天パ「ほらまたこのBGMでキレる」
ヤブニラミ「笑いどころが昭和で止まってんのよ。 読者層考えろや」
七三「なんだ?今回は反省会じゃないぞ」
ヤブニラミ「ようはあれでしょ?」
ヤブニラミ「初期作品がスクロールの下の方に 沈んじゃってるから、 ここらで一回浮上させて 皆様の御機嫌を伺おうって企画でしょ」
七三「そう。我々のお話なんて、 スクロールの半ばくらいで カビ生えちゃってるじゃない」
天パ「その頭、カビだったんですか?」
ヤブニラミ「元に戻せ気色悪い」
七三「ふむ。ではCM一発目は 露払いも兼ねて我らが99クレージーから」
七三「さあカッコよくキメようじゃないか!」
〇渋谷の雑踏
かの敗戦からの復興と高度経済成長により未曽有の発展を遂げ、総合製造企業ヤオヨロズが実質支配を行使するニッポン国。
大量生産大量消費社会の影響により出現した妖怪、付喪神は『禍異物(カイブツ)』となり人々を襲い始める。
ヤオヨロズは禍異物を物質的に破壊する清掃夫『警備違士』と霊的に浄化する陰陽師『対魔士』を創設し対処に当たらせていた。
「ニッポンの平和は我らが守る!」
「うおおおおおおおおーっ!」
〇劇場の舞台
「寝るなああああああーっ!」
公春「だって専門用語多すぎて 訳わかんないんですもの」
公春「ファ〇シのル〇が コ〇ーンで〇ージ的な?」
ヤブニラミ「ただでさえ戦後だの高度経済成長だの、 今の若い人に全く刺さらん世界観なのに その上陰陽師だの付喪神だの」
公春「情報量多すぎてついていけませ~ん♪」
公春「アマチュアさんですか~♪ 元気があっていいですね~♪ 今後のご活躍お祈りしてま~す♪」
ヤブニラミ「に、なっちゃうわな。そりゃ」
七三「結局反省会じゃないか。 そういうオバサンは誰だい?」
公春「誰がオバサンよ」
七三「え?オジサン?」
ヤブニラミ「お前、ぶっ殺されたいのか?」
公春「いえいえ構いません。 私達そういう ファジーな世界観でやっておりますので」
七三「ファジー?どういう意味だね?」
公春「宝塚(ズカ)的アプローチです。 詳しくはタップして下さいね」
公春「自己紹介が遅れました。 私2025年度大河タップノベル、 『ハレの惡左府』より参りました。 公春(こうしゅん)と申します」
公春「政務多忙により欠席させて頂きました 我が主にして主人公、藤原頼長様より 本作の宣伝を仰せつかっております」
天パ「なるほど。御多忙とは主役の鑑。 日々サボることしか頭にない、 誰かとはえらい違いですね」
七三「・・・ほう」
公春「我が主は何ごとも 迅速を旨としております。 故に宣伝も明瞭簡潔に行います」
公春「それでは左大臣藤原頼長様よりの伝言です」
〇後宮前の広場
藤原頼長「藤原左府である。苦しゅうない」
藤原頼長「この物語は私こと戦慄の最強左大臣が 滅びゆかんとする平安王朝を舞台に、 とにかく無双する話である」
藤原頼長「見たければ見ろ、以上」
〇劇場の舞台
七三「ほ、ほう。なかなか値打ちこいてますな」
公春「我が君は閲覧数ごときで一喜一憂する 小人ではありませぬゆえ」
『いかん!いかんぞその態度は!』
『エンターテイメントはサービス!』
タイツマン「読者あっての我々なのであーる!」
大神姫子「左大臣だか何だか知りませんが、 その「私、本気出してませんよ」 感が逆にダサいですことよ」
〇雑居ビル
地方都市を舞台にした、その名も
『地域振興ドラマ風タップノベル』
さびれた町を興す為、
東京のエンタメと戦う為、
少ない財源で日夜孤軍奮闘する
謎のローカルヒーロー
『噂のタイツマン』
タイツマン「タイツパーーーーンチ!」
害獣被害に脅かされる山村を舞台に、
旧態然とした男社会の猟友会に背を向け
己が道を突き進む天才ハンター大神姫子
またの名を『ジビエの姫』
大神姫子「悪いケモノはおしおきよ♪」
〇劇場の舞台
天パ「地方都市の穏やかさゼロっすね」
タイツマン「いえいえ、我々など序の口」
大神姫子「地域振興ドラマ風三部作、 もっともイカレたレディが この後遅れて参りますことよ」
「括目して待て!」
七三「以上、一話切りコンビのお二人でした~」
七三「く、口が過ぎました。 同病相憐れむということでひとつ・・・」
天パ「さ~て、空気も殺伐としてきた所で 第一部のラストは この方に締めて頂きましょう♪」
ヤブニラミ「大正浪漫の歌姫、松音未来子さんで 『ティアラの歌』でーす♪」
『第二部につづく』