1 飲食店の3人(脚本)
〇大衆居酒屋
モブ「えーっと、あたしはラーメンセット1人分で、この子は・・・」
モブ「お子様ランチ下さい!」
雨宮香織「お子様ランチ1つと、ラーメンセット1つですね?畏まりました!注文は以上ですか?」
モブ「はい!お願いします!」
雨宮香織「畏まりました!今暫くお待ち下さいませ!」
〇広い厨房
雨宮香織「冬弥!注文入ったわ!ラーメンセットとお子様ランチ1つずつよ!」
榊原冬弥「了解!メモはいつもの所にお願い!こっちは出来上がってるから!」
雨宮香織「あ、分かった!直ぐ行くわね!」
榊原冬弥「さて、まだまだ忙しくなりそうだ・・・」
俺の名前は榊原冬弥。大学を卒業した後に調理の専門学校に入って料理人となり、今は親友の楽と
恋人の香織と共に飲食店を経営していた。企業するのはかなりの勇気があったが、経験を積んだ事もあり、
店を繁盛させていた。
安藤楽「冬弥!そっちはどうだ?」
榊原冬弥「あぁ、楽か・・・こっちは順調だけど、何かあったら呼ぶよ・・・」
安藤楽「おう!任せな!それまでお絞りとかお冷補充しないとな・・・」
榊原冬弥「さてと・・・」
榊原冬弥「出来た・・・」
雨宮香織「冬弥!次の注文来たわ!前の奴は?」
榊原冬弥「あぁ、今出来上がった・・・」
雨宮香織「分かった!持ってくね!」
榊原冬弥「・・・・・・」
榊原冬弥「良し、やるか・・・」
〇大衆居酒屋
雨宮香織「お待たせ致しました!ご注文のお品物になります!」
モブ「わぁ!ありがとうございます!」
雨宮香織「ご注文は以上でお揃いですか?」
モブ「はい!大丈夫です!」
雨宮香織「ありがとうございます!それでは、ごゆっくり!」
モブ「えへへ!いっただっきまーす!」
モブ「こらこら、ちゃんとお絞りで手を拭いてから食べなさい・・・」
安藤楽「えーっと、お会計は合計4998円になります!」
神楽坂裕也「分かりました・・・んじゃあこれで・・・」
天上院聖奈「待って下さい隊長・・・今日は私が出しますよ?」
神楽坂裕也「おいおい何言ってるんだ?偶には上官らしい事させろって・・・」
天上院聖奈「駄目ですよ・・・隊長ばかりに負担を掛けてたら私達の勤務態度が疑われます・・・」
天上院聖奈「何より、藤堂君達にホワハラだと上に言われたりしたらどうするおつもりで?」
神楽坂裕也「おいおい、それ言われたら敵わねぇだろ・・・」
安藤楽「あ、あのお客さん・・・どんなお仕事してるか知りませんが、お会計、早めにお願い出来ますか?」
安藤楽「滞ってもこちらが困るので・・・」
神楽坂裕也「あ、あぁ!大変失礼致しました!取り合えずこれで!」
安藤楽「はい!1万円お預かり致します!少々お待ちを!」
天上院聖奈「それじゃあ、後で割り勘ですね・・・」
神楽坂裕也「お、おう・・・もう何も言わねぇから・・・」
部長「そうだな・・・私はカツ丼単品と烏龍茶をお願いします・・・」
モブ「こっちは、うどん単品で・・・」
雨宮香織「畏まりました!今暫くお待ち下さい!」
親友の楽と恋人の香織。料理が出来る俺。この3人ならどんな事があっても大丈夫。この時の俺はそう思っていた。
〇大衆居酒屋
深夜、閉店時間。
安藤楽「今日もお疲れ〜!」
雨宮香織「あ〜!やり切ったわぁ!!」
榊原冬弥「あぁ、やっと洗い物終わった・・・」
雨宮香織「あ!冬弥お帰り!」
榊原冬弥「あぁ、楽も香織もお疲れ・・・今日はどんな感じだった?」
安藤楽「へへ!今日もバリバリお客さんが足運んで来てくれてたぜ!」
榊原冬弥「そっか・・・俺も偶にはこっち見てみたいな・・・」
雨宮香織「そう言わないでよ・・・冬弥が頑張ってくれるから、お客さんも来てくれるから・・・」
榊原冬弥「俺だけの力じゃ無いよ・・・香織がレビューしてくれたり、楽が店の事確り管理してくれてるから、」
榊原冬弥「俺も心置き無く料理に専念出来る訳だからさ・・・」
安藤楽「本当!俺達なら怖い物無しってな!」
榊原冬弥「あはは!本当それ!」
安藤楽「あ、そうだ!お前ら最近こんな話知ってるか?」
雨宮香織「え?どんな話?」
安藤楽「俺の父さんが夏目工房の重役だって話はしたよな?」
榊原冬弥「夏目工房?あぁ、ロボット業界で一番の有名所・・・確かに前に話してくれたな・・・」
雨宮香織「それがどうかしたの?」
安藤楽「実はな、俺の父さんがこの店でモニターして欲しいロボットがあるって話をしてくれてな・・・」
榊原冬弥「え?俺らがロボットのモニターを!?」
雨宮香織「何それ!?すっごく面白そうじゃん!」
安藤楽「あぁ、内容はAIに料理をさせるって話なんだ・・・レシピをインプットするだけでロボットが料理をしてくれるって話でな・・・」
安藤楽「その性能テストを俺達にやって欲しいってよ!上手く行けば、オートメーションで料理が出来るし、」
安藤楽「俺達の負担も一気に軽減されるからよ!この話に乗らない手は無いんじゃ無いかなって!」
雨宮香織「確かに!AIに任せちゃえば私達も負担が減るし、一つの仕事にも集中出来るわね!冬弥もそう思うでしょ?」
榊原冬弥「・・・・・・」
雨宮香織「ん?冬弥?」
榊原冬弥「いや、あのさぁ、モニターするのは別に良いんだけどさぁ・・・」
安藤楽「何だ?何か不安でもあるのか?」
榊原冬弥「いや、別に悪いとは思わないけど、テストの結果が良かったら、そのロボット俺らにくれる訳だよな?話の流れ的に・・・」
安藤楽「ん?確かにそうだぜ?そもそも、持ち運びロボットも欲しいって前から父さんに話してたし・・・」
榊原冬弥「そうか・・・でも俺としては持ち運びロボットだけで良いかなって思うし・・・料理なら俺がやりたいし・・・」
雨宮香織「ちょっとちょっと!冬弥、あなた一体何が言いたい訳?」
榊原冬弥「レシピと言っても山の様にあるのは本当だし、色んな見方をすれば改良だって出来る・・・」
榊原冬弥「オートメーションやAIに頼るのは良いけど、何か俺には引っかかるんだよ・・・仮に良好だったとしても、」
榊原冬弥「そう言うのに頼るのはちょっと・・・」
安藤楽「おいおい冬弥!決め付けるのはまだ早いだろ!?どうせなら、実際やって見て決めた方が良いだろ!な!?」
榊原冬弥「・・・まぁ、確かに・・・」
雨宮香織「そうよ!こんな面白そうな話は滅多に無いし!」
安藤楽「まぁそう言う事だ!1週間後には届くからそれまでは普段通りにな!」
榊原冬弥「・・・何か納得行かないなぁ・・・」