4 それぞれの新天地(脚本)
〇オフィスのフロア
翌日。
望月望「部長!資料出来上がりました!」
部長「おぉ!そうか!直ぐに確認するから待っててくれ・・・」
部長「ふむふむ・・・」
部長「あ、望月君、ここだけ修正してくれないか?」
望月望「えぇ?今回は上手く行ったと思ったんだけどなぁ・・・分かりました・・・」
望月望「あ、そう言えば部長・・・」
部長「ん?どうしたんだい?」
望月望「朝方から気になってたんですが、雨宮と木島のデスクにある荷物が全部無くなってるし、しかも2人の姿を見てないんですが、」
望月望「何かありました?」
部長「あぁ、もう隠す必要は無いか・・・彼らは今日から田舎の支社に異動となったよ・・・」
望月望「は、はぁ!?何ですかそれ!?初耳なんですけど!?」
部長「本人達の希望で秘匿してくれとの事でな・・・今の時間帯なら既に電車に乗り込んだ頃だろう・・・」
望月望「(ま、マジかよ・・・雨宮さんはともかく、木島の奴なんで一言も言わなかったんだ?)」
望月望「(これまで面倒見て来て感謝の一つも無いとは、とんだ恩知らずだなあいつ・・・)」
部長「まぁ、最近内も新人を雇っているからな・・・成長すれば彼らの穴埋めにもなる・・・望月君も今後とも頼むよ・・・」
望月望「あ!勿論です部長!資料直して来ますね!」
部長「(全く・・・昨日は本当酷い目にあった・・・折角の晴れ舞台と言う事だから来て見たが、まさかあんな応対をされるとは・・・)」
部長「(人様の結婚にとやかく言うつもりは無いが、望月君達はあの調子で大丈夫だろうか・・・)」
部長「(・・・もう気にするのは辞めよう・・・)」
〇海辺の街
一方、俺達は。
〇海岸沿いの駅
木島昂輝「くぁ〜!やっと着いた!」
雨宮ヒカリ「海だぁ!今日からここで新しい仕事するんですね!」
木島昂輝「何だろう・・・不安が無い訳じゃ無いんだけどさぁ、凄く心が軽くなったと言うか・・・」
雨宮ヒカリ「多分、苦手な人から離れられたからじゃ無いですかね?無理に苦手な人と一緒にいても良い事ありませんし・・・」
木島昂輝「あぁ、思い返せば嫌な思い出が溢れ返って来るぜ・・・」
雨宮ヒカリ「あ、あはは・・・ドンマイです・・・」
雨宮ヒカリ「しんどかったと思いますが、これからを変えましょう・・・」
木島昂輝「・・・そうだな、行こうか・・・支社の人達が待ってる・・・」
雨宮ヒカリ「はい!」
〇作業場の全景
数分後。俺達は目的地に到着した。
〇役所のオフィス
木島昂輝「ここだな・・・」
雨宮ヒカリ「すみません!誰かいませんかぁ!?」
宮下まどか「あ、来たわね!」
木島昂輝「あ、お早うございます!」
宮下まどか「あなた達が来るのを待ってたわ・・・私はここの支社長をしている宮下よ・・・ここに来たからには、」
宮下まどか「ルーキーになった気持ちで仕事に挑んで欲しいわ・・・」
雨宮ヒカリ「はい!宜しくお願いします!」
五月女リリカ「お早うございます、支社長・・・」
宮下まどか「あ、お早うリリカ!前から話してた子達が今日からここでやる事になったから、困ってる所見たら助けて上げてね!」
五月女リリカ「はい・・・」
五月女リリカ「君達とは初めましてだな・・・私は五月女リリカ・・・支社長の右腕をやっている・・・分からない事があれば聞いてくれ・・・」
木島昂輝「はい!今日から宜しくお願いします!」
各々の自己紹介を済ませ、俺達はまた1から仕事を覚えに行くのだった。
〇田舎の一人部屋
数時間後。
木島昂輝「ふわぁ・・・何とか今日はやり切ったな・・・」
木島昂輝「ん?どうぞ!」
雨宮ヒカリ「あ、お疲れ様です先輩・・・」
木島昂輝「あ、雨宮さんか・・・何かあった?」
雨宮ヒカリ「いえ、あたしは大丈夫です・・・先輩、今日ここで仕事してどうでしたか?あたしはここでなら大丈夫かなって思うんですが・・・」
木島昂輝「そっか・・・俺はまだ何とも言えないけど、望先輩がいないから、前よりは本当楽になったよ?」
雨宮ヒカリ「・・・!良かったぁ!思い切った甲斐がありましたね!」
木島昂輝「本当だよ・・・今頃望先輩、アカリさんと楽しくやってそうだよね・・・」
雨宮ヒカリ「・・・本当にそう思います?」
木島昂輝「ん?どう言う事だ?」
雨宮ヒカリ「先輩って、直ぐ別れるカップルの特徴って知ってますよね?」
木島昂輝「直ぐ別れる?そうだな・・・外見だけで見たり、LINEとかのし過ぎとか、生活リズムが合わなかったり、」
木島昂輝「後は、過度な期待を掛けたり、いつも同じ事をしてるとか・・・かな?」
雨宮ヒカリ「そうなんですよね・・・後はちゃんとした話し合いが出来ないと確実に崩壊します・・・何より、ずっと長く一緒にいれば」
雨宮ヒカリ「お互いの悪い所とか見えて来ますし、最初は我慢出来ても後でそれが重りになったりしたら、」
雨宮ヒカリ「それまでやって来た事が全部台無しになります・・・それを頭で分かってても、実際にやらないと気付けませんから・・・」
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