1話目 出会い(脚本)
〇美しい草原
風神 早弥(かざかみ さや)「はぁ、はぁ・・・」
風神 早弥(かざかみ さや)「こ、ここなら・・・」
風神 早弥(かざかみ さや)「・・・あっ、誰かいるっ!?」
?「・・・・・・」
?「・・・誰?」
風神 早弥(かざかみ さや)「あ、私の名前は、さやって言います!」
風神 早弥(かざかみ さや)「え、えっと、あ、あなたは・・・」
?「・・・・・・」
?「・・・なまえ?」
風神 早弥(かざかみ さや)「名前だよ、名前!」
?「・・・名前、わかんない」
風神 早弥(かざかみ さや)「え、名前、わからないの!?」
?「気が付いたら、この星に、生まれてたの」
風神 早弥(かざかみ さや)「そ、そうなんだ・・・」
風神 早弥(かざかみ さや)「んん~・・・」
風神 早弥(かざかみ さや)「じゃあ、星ちゃん!」
?「ほ、星ちゃん?」
風神 早弥(かざかみ さや)「うん、星から生まれた星ちゃん!」
?「ほ、星ちゃん・・・」
?「星ちゃん・・・///」
星ちゃん「・・・早弥ちゃんは、どうしたの?」
風神 早弥(かざかみ さや)「あっ・・・」
風神 早弥(かざかみ さや)「さ、さやね、毎日病院にいるの。今日は特別、お外に出て良いって言わたんだけど」
風神 早弥(かざかみ さや)「ママに見つかったら、また病院に戻らなきゃいけないの・・・」
星ちゃん「・・・そうなの」
風神 早弥(かざかみ さや)「だから、つい走ってきちゃったの。ママに怒られちゃう・・・」
風神 早弥(かざかみ さや)「でも、病院、戻りたくない・・・」
星ちゃん「・・・・・・」
星ちゃん「こっちに、来て」
風神 早弥(かざかみ さや)「・・・ぇ?」
〇空
そう言って、あの子は私に抱き着いた。
その瞬間、私の体に地球が流れてきた
〇朝日
ありとあらゆる景色が私の中に流れてきて、通り過ぎていった
〇アクアリウム
海が私を包み込んでくれるような、それでいて太陽が温めてくれるような
〇北極点
凄く寒い雪山、凄く熱い火山、そのどれもがどこか心地よくて
〇白
ずっと包まれていたい、
そんな気持ちになって・・・
〇教室の教壇
風神 早弥(かざかみ さや)「・・・っていう事が昔あってね」
峰木 実(みねぎ みのり)「ふーん」
峰木 実(みねぎ みのり)「ねー、今度の土日でダブルデートしようよ~、しのぶ~」
内海 しのぶ(うつみ しのぶ)「いや、私も別に男友達いないし・・・」
風神 早弥(かざかみ さや)「あれ、私の話は・・・?」
峰木 実(みねぎ みのり)「えー、だって”出会い”が無いって話をしてたじゃん。早弥こそどうしたの、いきなりそんな話をして」
風神 早弥(かざかみ さや)「だから、私の昔の出会いの話を・・・」
峰木 実(みねぎ みのり)「ちっがーうっ!! 出会いと言えば男の話でしょうがぁっ!! このとんちんかんてん!!」
内海 しのぶ(うつみ しのぶ)「実、落ち着いてってば。早弥、実に適当に合わせて」
風神 早弥(かざかみ さや)「出会いって、恋愛話の出会いね! そかそか!」
風神 早弥(かざかみ さや)「私も、男の人の事は詳しくなくて・・・」
峰木 実(みねぎ みのり)「知ってるー。早弥には元々、期待なし!」
内海 しのぶ(うつみ しのぶ)「早弥が恋バナで求められているのは、丁度良い相槌だけ! 安心して!」
風神 早弥(かざかみ さや)「なんか二人とも、酷っ!」
内海 しのぶ(うつみ しのぶ)「でも、出会いなんてどうするの? もう当分イベントも無いし、クラスの男子とは何度か遊んじゃっているし」
峰木 実(みねぎ みのり)「ねー、本当に。運命的な出会いが欲しいなぁと、欲が止まらぬ今日この頃・・・」
峰木 実(みねぎ みのり)「ねぇ、早弥~。さっきの女の子に会ったら、私も幸せになれるかな~?」
風神 早弥(かざかみ さや)「どうなんだろう? 私、疲れた時にたまに会いに行っているけど・・・」
峰木 実(みねぎ みのり)「えっ・・・」
峰木 実(みねぎ みのり)「・・・・・・」
峰木 実(みねぎ みのり)「まだ会えるの? ご存命っ!?」
風神 早弥(かざかみ さや)「いや、勝手に殺さないでよ・・・」
峰木 実(みねぎ みのり)「ねぇ、どこに行けばその星ちゃんって人に会えるかな!? 住所、教えて!!」
風神 早弥(かざかみ さや)「え、いや、いいのかな。星ちゃん、人見知りみたいだし・・・」
峰木 実(みねぎ みのり)「大丈夫、私が許可するっ!!」
内海 しのぶ(うつみ しのぶ)「いや、実の独断じゃん・・・」
峰木 実(みねぎ みのり)「よし、星ちゃんから力を貰って、」
峰木 実(みねぎ みのり)「王子様、見つけるぞーっ!!」
風神 早弥(かざかみ さや)「・・・・・・」
〇美しい草原
峰木 実(みねぎ みのり)「え、えっと・・・。え、あっ! 本当に居たっ!!」
星ちゃん「・・・誰?」
峰木 実(みねぎ みのり)「あ、ご、ごめんね! 私は早弥の友達の実って言います!」
星ちゃん「・・・早弥の、お友達さん」
峰木 実(みねぎ みのり)「突然のお願いで、ごめんなさいなんだけど・・・」
峰木 実(みねぎ みのり)「私に、運命の出会いをさせてください!」
星ちゃん「え、な、なに・・・?」
峰木 実(みねぎ みのり)「早弥から話は聞いたの。星ちゃんに会って、幸せをもらったって・・・」
峰木 実(みねぎ みのり)「私にも、その力をください! 少しで、ほんっとうに少しで良いので!!」
峰木 実(みねぎ みのり)「そして、私を王子様に出会わせて!!」
星ちゃん「そ、そんな事、出来るかな・・・」
星ちゃん「で、でも、力だけなら、少し・・・」
峰木 実(みねぎ みのり)「えっ、や、やった・・・」
峰木 実(みねぎ みのり)「あ、ありがとう! ほんっとうにありがとうございます!!」
星ちゃん「じゃ、じゃあ、私の指に指を付けて・・・」
峰木 実(みねぎ みのり)「え、指? は、はい・・・」
峰木 実(みねぎ みのり)(指を付けるだけ? そんなんじゃ運気なんてほとんど・・・)
〇沖合
(実(え、な、何これ・・・))
〇山並み
(実(す、すごい、私の体の中に、色んな空気が、景色が、流れ込んでくる・・・))
〇霧の中
(実(体の中に、心の中に、全部、全部入ってくる・・・))
〇美しい草原
星ちゃん「こ、これでよければ・・・」
峰木 実(みねぎ みのり)「ありがとう! すっごい力が湧いて来た!」
峰木 実(みねぎ みのり)「これで、王子様を見つけるからっ!!」
星ちゃん「あ、は、はい・・・」
〇教室
内海 しのぶ(うつみ しのぶ)「それで、寝不足になっちゃって・・・」
風神 早弥(かざかみ さや)「あはは・・・、ど、ドンマイっ!!」
風神 早弥(かざかみ さや)「・・・・・・」
風神 早弥(かざかみ さや)「あ、あれ? 実は?」
内海 しのぶ(うつみ しのぶ)「え、まだ来てなかったっけ? もう、先生、来ちゃうよ?」
峰木 実(みねぎ みのり)「はぁ、はぁ・・・」
内海 しのぶ(うつみ しのぶ)「あ、実! もう、先生来ちゃうよ!」
峰木 実(みねぎ みのり)「ねぇ、しのぶ、早弥、あ、あのね・・・」
峰木 実(みねぎ みのり)「さっき道端でイケメンとぶつかって、なんやかんやで・・・」
峰木 実(みねぎ みのり)「今度、デートすることになっちゃった!!」
内海 しのぶ(うつみ しのぶ)「・・・・・・」
風神 早弥(かざかみ さや)「・・・・・・」
内海 しのぶ(うつみ しのぶ)「えぇぇっ!! 本当にっ!!??」
風神 早弥(かざかみ さや)(だ、大丈夫、かな・・・)