依存症の弟

夏目心 KOKORONATSUME

1 網島家(脚本)

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〇オフィスのフロア
網島茜「良し!これでバッチリです!」
滝澤拓哉「本当すまないな・・・また気付いて貰っちゃって・・・」
網島茜「本当そうですよ・・・滝澤先輩、仕事は出来るのに夢中になると自分に対して無沈着になるから・・・」
網島茜「きっと先輩、外で走るのに夢中になって自分が言われるまで身体が泥だらけになってるの気付かないタイプですよ?」
滝澤拓哉「お、おう!そこまで言われたら流石に気を付けないとだな!さて、俺も準備してるから!」
網島茜「全く、まぁそこが先輩の良い所だけど・・・」
  あたしの名前は網島茜。夏目商事に勤めるOLだ。この職場には高卒で入社しており、さっきネクタイを直した彼、
  滝澤拓哉先輩の教え子だ。滝澤先輩は実務等の成績はトップクラスなのだが、一度夢中になったら周りが見えなくなってしまう人で、
  今さっきあたしが彼のネクタイがズレているのを見て直したのだった。
網島茜「さて、あたしも次の資料纏めないと・・・」
部長「おぉ、網島さんお早う・・・」
網島茜「あ、部長!お早うございます!」
  あたしはあたしで出来る事をやっている。実績を積んで行けば出世するだろうし、あたしは今やれる事をやるのだった。

〇おしゃれなリビングダイニング
網島茜「只今〜!」
網島母「あ、お帰り茜!今日はどうだったの?」
網島茜「あ、お母さんあのね!今日も先輩のネクタイ直したの!お昼休憩の時に先輩とランチ一緒出来てさぁ!」
網島母「ちょっとちょっと!誰も誰々先輩どうだったなんて言って無いわよ!お仕事の方よ!」
網島茜「あぁ!ごめんごめん!いつも通りだったよ!」
網島母「そう・・・何事も健康が一番だからね・・・具合が悪かったり、誰かに嫌がらせとかされたら、必ず周囲の人に頼るのよ?」
網島茜「・・・お母さん、大丈夫!ちゃんと分かってるつもりだから!手ぇ洗って来るからちょっと待ってて!」

〇白いバスルーム
  それからあたしは、手洗いを済ませて一息着く。
網島茜「さて、早く合流しないと・・・」
網島茜「ん?この音は?」

〇男の子の一人部屋
網島秀幸「うひょ〜!まさか偶然俺が欲しかったレアアイテムがゲット出来るだなんて!欲を言えばもっと欲しかったなぁ!」
網島茜「秀幸、入るわよ・・・」
網島秀幸「あん?何だ姉貴か・・・何しに来たんだ?」
網島茜「いや、何だか無駄にデカい音が聞こえたから何事かなって・・・」
網島秀幸「あぁ!さっきガチャ回したら欲しかったレアアイテムが出てさぁ!もうウッハウハだよ!」
網島茜「えぇ?ガチャ?レアアイテム?秀幸、それってゲームか何か?てかあんた大学はどうしたのよ?」
網島秀幸「当たり前じゃん!ずっと前から狙ってたし欲しかった奴で暴れるともう爽快でさぁ!」
網島秀幸「てか言わなかったか?俺もう面倒臭いから大学辞めたんだけど?」
網島茜「は、はぁ!?大学辞めたって、あんたこれからどうするのよ!?就職先とか決めてるの!?」
網島秀幸「決まってんだろ?俺はこれからプロゲーマーになるんだよ!元からゲーム好きな訳だし、俺にピッタリな仕事は」
網島秀幸「これしか無いからなぁ!」
網島茜「えぇ・・・プロゲーマーって大丈夫なの?ヨウツベとか、そう言うの競争率高いって言うし・・・」
網島茜「もっとこう、まともな道を探しても・・・」
網島秀幸「あぁ煩いなぁ!今良い所なんだから黙っててくれよ!」
網島茜「ちょ、ちょっと・・・せめて話位は・・・」
網島秀幸「よっ!よっ!よっしゃ!かは〜!快感!」
網島茜「・・・あたしこれから夕飯作るの手伝って来るから、出来たら部屋から出なさいね?」
網島秀幸「あぁ、俺忙しいから飯は部屋の前に持って来て・・・」
網島茜「(・・・何が忙しいよ・・・それ本当に仕事してる人の言葉だし・・・)」

〇おしゃれなリビングダイニング
  それから、あたし達は夕飯の時間となった。父も帰って来たので一家団欒となる筈だったが。
網島父「何だ?秀幸はまた部屋に籠もってるのか?」
網島母「そうなのよ・・・ここの所外に出た所も見た事無くて・・・」
網島父「そうか・・・プロゲーマーを目指してるのは本気見たいだから、先ずは様子を見ない事にはな・・・」
網島茜「て言うかさ・・・あたしとしては勝手に大学辞めた事が心配なんだけど・・・本当にプロゲーマーだけで大丈夫なのかって」
網島茜「聞きたいんだけど・・・」
網島父「まぁ、確かに私も反対したよ・・・でももう辞めたから手遅れだとか・・・」
網島父「あ、茜、後でこれを秀幸に渡してくれないか?」
  父から預かったお金。総計3万。
網島茜「えぇ、3万って・・・ちょっと甘くない?」
網島父「まぁ、夢があるなら応援するべきだよ・・・私達が心配してるって分かってくれれば、あいつも考え直してくれる・・・」
網島茜「・・・だと良いんだけどね・・・」
網島茜「ご馳走様!後で洗い物やるから!」
網島母「・・・ねぇあなた、秀幸はこのままで本当に良いのかしら・・・」
網島父「先ずは信じよう・・・形はどうあれ、私達の子供なのだからな・・・」

次のエピソード:2 依存への第一歩

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