幼い頃の思い出

夏目心 KOKORONATSUME

6 自立への一歩(脚本)

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〇散らかった職員室
  それから暫く。
江戸川和人「良し!これでバッチリの筈です!」
暗森敬一「凄いなぁ!噂には聞いていたが、本当にパソコンを直してしまうだなんてな!」
江戸川和人「どうって事無いです・・・極めてったら自然とこうなりましたから・・・」
江戸川和人「えっと、あん、もり先生?」
暗森敬一「あ、そう言えばちゃんと自己紹介して無かったね・・・僕はくらもり、剣道部顧問だよ・・・」
江戸川和人「え、あぁ、そう言う名前でしたか!すみません、見慣れない名字だったから・・・」
暗森敬一「うん、良く言われるよ・・・ともあれ引き受けてくれてありがとう・・・」
江戸川和人「はい!また何かあれば言って下さい!」

〇学校の廊下
江戸川和人「ん?あれは・・・」
熊野敦「なぁ、最近どう思うよ・・・」
白川美羽「どうもこうも無いわよ・・・最近親衛隊を解散させられてから、全くカレン様の為に尽くせなくなったもの・・・」
白川美羽「お陰で心が満たされないわ・・・」
江戸川和人「よぉ、君らここで何してるんだ?」
熊野敦「あぁ!!お前は諸悪の根源!!」
江戸川和人「え?何だって?」
白川美羽「とぼけないで頂戴!あなたのせいで親衛隊は解散になったのよ!この責任どう取ってくれるのよ!!」
江戸川和人「おいおい、カレンはそもそも親衛隊なんて望んで無かっただろ?カレンもカレンで思う所がある訳だしさ・・・」
熊野敦「ふざけるな!カレン様に尽くす事は俺達の生き甲斐だったんだぞ!それを奪われる事がどれだけ苦痛なのか、」
熊野敦「お前には分からないだろうな!!」
江戸川和人「・・・なぁ、一つ良いか?」
白川美羽「何よ?」
江戸川和人「別にお前らの考えが間違ってるとは言わないよ・・・けど、さっきからカレンの為に尽くすとかどうとかって、」
江戸川和人「それで本当にカレンは満足してるのか?」
白川美羽「え?何が言いたい訳?」
江戸川和人「カレンは自分から強くなりたいって思ってるんだ・・・それをお前らが邪魔して、カレンがチャレンジ精神とか失くしたりしたら、」
江戸川和人「それこそどうやって責任取るんだよ?大体親衛隊って言ってもいつまで守ってやれるんだ?」
熊野敦「う、そ、それは・・・」
江戸川和人「学生生活なんて無限じゃ無いんだ・・・このまま相手の為に尽くしたり、尽くさせたりしてもお互いの為にならないぜ?」
白川美羽「じゃあ、どうしろってのよ?」
江戸川和人「う〜ん、確かにお互い納得出来る事が必要だよな・・・口で説明するより何か行動出来る事があれば・・・」
江戸川和人「あ!あれならどうかな!?」
熊野敦「何だ?言って見ろよ?」

〇散らかった職員室
  それから、和人君はあたしに事情を話してくれてあたしは和人君と親衛隊の子達と共に職員室に赴く。
暗森敬一「それで、剣道で僕と勝負して欲しいと?」
江戸川和人「はい、そうなんです・・・カレンにも話して、納得して貰ってますので・・・」
桜木カレン「あたしからもお願いします!練習試合の相手になって貰えませんか?」
暗森敬一「なるほどね、確かに自分の力で未来を勝ち取る事は凄く大事だ・・・何より、その一歩を踏み出そうとしてるのに、」
暗森敬一「断るのは相手に失礼だな・・・」
暗森敬一「分かった!桜木との練習試合を受けよう!但しやるのは放課後だ・・・それまで僕も、人を集めて置くから・・・」
桜木カレン「・・・!ありがとうございます!」
白川美羽「えぇ、これ本当にやるの?しかもカレン様凄くやる気だし・・・」
熊野敦「冗談じゃ無いぜ・・・カレン様に痣とか出来たらどうするんだよ?」
桜木カレン「ねぇ、あたしが剣道やったら不都合でもある訳?」
熊野敦「あ、いえ!何と言うかその!」
白川美羽「カレン様にもしもの事があったらと考えたら・・・」
桜木カレン「だから、あたしもうそう言うのウンザリしてるのよ・・・」
白川美羽「カレン様?」
桜木カレン「お金持ちとか、お嬢様とか、そんなのあたしに言わせればついでよ・・・そんなの大人になったら何の役にも立ちやしないし、」
桜木カレン「何より自分の道は自分で開かなきゃ意味無いから・・・痣が出来る?傷が出来る?そんなの上等よ・・・」
熊野敦「カレン様・・・」
桜木カレン「何より、折角和人君が提案してくれたのよ?これを逃すては無いでしょ?あたしも和人君に、」
桜木カレン「あたし強くなったよって見せたいから・・・」
白川美羽「カレン様・・・」
熊野敦「だ、駄目だ・・・俺にはカレン様を止められない・・・いや、止めたく無い・・・」
桜木カレン「決まりね・・・」
桜木カレン「暗森先生、放課後宜しくお願いします!」
暗森敬一「あぁ、桜木の成長、見せて貰うぞ・・・それまで怪我しない様にな?」
桜木カレン「・・・はい!」

次のエピソード:7 真剣勝負

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