4 和人との再会 後編(脚本)
〇学校の廊下
それからあたしは、和人君を連れて学校のあちこちを案内して、あたしは自分のこれまでの事を話していた。
江戸川和人「そっか、カレンは剣道部に入ってたんだ・・・何かイメージと違うね・・・」
桜木カレン「まぁ、そうだよね・・・元が世間知らずのお嬢様な訳だし・・・」
江戸川和人「始めようと思ったキッカケはあるの?」
桜木カレン「和人君がいなくなった後、あたしは勉強やってく過程で強いって何なのかなって思ってね・・・お祖父様に聞いて見たの・・・」
桜木カレン「そしたら、強さは想いと力が両立されて初めて成り立つ物だって教えられたわ・・・でもその時子供だったから、」
桜木カレン「あたしは理解出来なかったの・・・だから、それをどうしたら形に出来るのか聞いて見たら、剣道を紹介して貰ったの・・・」
桜木カレン「まぁ、最初の内は慣れるのが大変だったかな・・・両手は使うし、痛いのは怖かったし・・・」
桜木カレン「何より竹刀落としちゃいけないし、ガッツポーズ決めたらいけないから・・・」
江戸川和人「でも未だに続けてるんでしょ?続けるって立派な才能だよ・・・」
桜木カレン「・・・うん、和人君が助けてくれたからだよ・・・和人君の事考えたら、あたしも頑張れたと思うよ・・・」
江戸川和人「・・・何か照れ臭いな・・・」
「どうです?やっぱ駄目そうですか?」
「う〜ん、これは業者に連絡するしか・・・」
桜木カレン「ん?何かな?」
江戸川和人「職員室からだな・・・ちょっと行って見ないか?」
桜木カレン「あ、うん・・・」
〇散らかった職員室
女性教員「やっぱそうなりますよね?」
男性教員「まぁ、仕方無いですよね・・・現に動かなくなった訳ですから・・・」
桜木カレン「失礼します・・・」
女性教員「あら、どうしたのあなた達?」
江戸川和人「すみません、話し声が聞こえたんです・・・何か困ってるっぽい感じで・・・」
女性教員「あぁ、聞こえてたのね・・・職員室のエアコンが壊れた見たいで・・・」
江戸川和人「え?そうなんですか?」
男性教員「あぁ、だからこれから業者の人を呼ぼうと思ってな・・・」
江戸川和人「そうなんですね・・・あの、そのエアコン俺に見せて貰えませんか?」
男性教員「え?何をする気だい?」
江戸川和人「俺、工具持ち歩いてるんです・・・10歳の頃から整備習ってるんで、もしかしたら直せるかも・・・」
男性教員「えぇ!出来るのかい!?」
江戸川和人「はい、でも先ずは見せて貰わないと・・・」
男性教員「わ、分かった!見てくれるかい?」
そこから和人君はエアコンを見せて貰い、上着の中から工具を取り出した。
江戸川和人「なるほど、この辺のパーツが古くなってるんだな・・・でもこれなら別の奴で代用出来るな・・・」
桜木カレン「ね、ねぇ、直せそうなの?」
江戸川和人「あぁ、直せる・・・代用出来るパーツがここにあれば直ぐにだけど・・・カレン、悪いけど探してくれるかい?」
桜木カレン「あ、うん!何を探せば良いの?」
江戸川和人「あぁ、今メモするから・・・」
桜木カレン「え?本当にこれで代用出来るの?まぁ、これなら理科室にありそうだけど・・・先生、行かせてくれますか?」
男性教員「分かった、戸締まりは忘れずにな・・・」
桜木カレン「ありがとうございます!行って来ます!」
男性教員「所で君、見慣れない生徒だが、もしかして転校生かい?」
江戸川和人「はい、今日転校して来た江戸川です・・・」
男性教員「あぁ、やっぱりな・・・それで直せるのかい?」
江戸川和人「そうですね・・・見た感じちゃんと手入れして無いですね・・・小まめに掃除しないと何処かで詰まりが生じますし、」
江戸川和人「後は何処かで部品が何か異常をキタして無いか点検しないと・・・」
男性教員「え?思ったより本格的と言うか・・・」
桜木カレン「和人君お待たせ!頼まれた奴持って来たよ!」
江戸川和人「あ、ありがとう!これで直せる!」
あたしが持って来た部品を受け取った和人君は手慣れた手付きでエアコンを触り出した。中にあった埃を取り出したり、
古いパーツを交換して、元に戻した後にスイッチを入れる。
江戸川和人「どれどれ?」
江戸川和人「あ、良かった!ちゃんと風が出てる!」
男性教員「おぉ!本当に直してしまうとは!」
桜木カレン「えぇ!和人君凄いよ!本当に直しちゃうなんて!」
男性教員「いやぁ良くやってくれたよ江戸川君!また何か壊れたら頼んで良いかな!?」
江戸川和人「あ、是非やらせて下さい!」
エアコンを直して事なきを得たので、あたし達は職員室を出るのだった。
〇田舎の学校
放課後。
熊野敦「あぁ!やっと見つけたぞ!」
江戸川和人「あれ?さっきの・・・」
白川美羽「聞いたわよ!あなたカレン様に物を持って来させたんですってね!!」
江戸川和人「え?あぁ、確かにやらせたな・・・でもそれが何だって?」
熊野敦「ふざけるな!何でそんな下っ端のやる事をカレン様にやらせたんだ!やっぱりお前はカレン様に近付かせるべきじゃ無いな!!」
江戸川和人「お、おいおい、その下っ端のやる事が出来なくさせられたらどうなるよ・・・」
白川美羽「私達は親衛隊よ!あらゆる外敵からカレン様を守るのが使命よ!それを邪魔するなら!」
熊野敦「貴様、二度とお日様を拝めなくしてやる!!」
桜木カレン「ちょっとあなた達!何をしてるの!?」
白川美羽「あぁ!カレン様!!」
熊野敦「カレン様聞きましたよ!このぽっと出のパシリにされたって!だから俺らがこのふざけた野郎を・・・」
桜木カレン「ふざけてるのはどっちよ!!」
熊野敦「ひ、ひぃ!!」
桜木カレン「何度言ったら分かるの!?和人君はあたしの恩人で、あたしの憧れなのよ!それをこれ以上悪く言うなら、」
桜木カレン「あたしの権限であなた達を南極の氷の下にでも放り込んで、二度と起きなくて良い様にしてあげるわよ!?」
白川美羽「えぇぇええ!!そんな事されるのは困りますよ!!」
熊野敦「俺達は、カレン様の為に!!」
桜木カレン「・・・そう言ってくれるなら命令よ、親衛隊は今日で解散、もうあたしの事守ろうとしないで・・・」
熊野敦「か、カレン様!?」
桜木カレン「二度は言わないわ・・・あたしはもうそんなの望んで無いから・・・」
白川美羽「わ、分かりました!でも、私達はカレン様の幸せを願ってますから!!」
桜木カレン「全く、これで懲りてくれたら良いんだけど・・・」
江戸川和人「か、カレン、ありがとう・・・また助けて貰っちゃって・・・」
桜木カレン「和人君があたしにしてくれた事と比べたら大した事無いよ・・・このお詫びは必ずするからね?」
江戸川和人「あ、あぁ・・・」
桜木カレン「あの子達が変に引き止めてごめんね・・・和人君これから何するの?」
江戸川和人「あぁ、これからバイト募集してる整備屋を探そうと思っててさ・・・」
桜木カレン「あ、そうなんだね・・・宛はあるの?」
江戸川和人「先生方から聞いて、この辺りだと夏目モータースって名前の施設があるから、そこへ行こうと思う・・・」
桜木カレン「そっか・・・あのさ、良かったら一緒に行かない?あたしの家の車で送ろうと思うんだけど・・・」
江戸川和人「あ、お願いしようかな?」
桜木カレン「・・・!決まりね!」
それから、あたしは和人君を家の車に乗せて、夏目モータースへと送り届けて、また学校に戻って学生寮へと送るのだった。