勇者にはほしい才能がある

東龍

45/ ──才能 関係なく(脚本)

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〇空
  ──── 4日後。

〇戦線のテント
キン・ユルシャ「あの後、遅れて 城からの救援‥‥‥ 軍が雪山の奥に向かったんだが‥‥‥」
キン・ユルシャ「魔物が『シルシルシシシ』 だったそうな」
マモ「‥‥‥『死屍累々』ですか?」
マモ「で、アイツは?」
キン・ユルシャ「わからん‥‥‥ 探しても見つからなかったらしい」
マモ「んなワケないだろ!」
マモ「あいつが、やられるわけがない‥‥‥」
マモ「死体‥‥‥には、なっていないだろうから 絶対どっかで生きてるだろぅがよ」
キン・ユルシャ「じゃあ、迷子になった ── とか?」
マモ「わかりませんよ、もぉ〜〜〜」
マモ「怪我も治ったし、俺が探しに行く!」
キン・ユルシャ「その事なんだが‥‥‥マーたんは ルムナ町に戻りなさい」
  ※ルムナ町
   最近やっと決めた、ギンマモの最初の町
マモ「何故‥‥‥です?」
キン・ユルシャ「すっかり忘れてたから、マーたん 目覚めたら言おうと思っていた事あって‥‥‥」
キン・ユルシャ「ご両親が、マーたんに帰ってきてほしいんだと」
マモ「は? 急に?」
キン・ユルシャ「実は、マーたん‥‥‥ お兄ちゃんになったんだと」
マモ「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ん?」
キン・ユルシャ「『双子が産まれてメチャクチャ忙しいから、  手伝いに帰ってきて』って伝言」
マモ「あぁん?!?!」
マモ「いや?!?!  マミー、いつから妊娠してたん?!」
キン・ユルシャ「マーたんが旅立って、けっこうすぐ後に おめでたが判明してぇ」
キン・ユルシャ「で、最近 双子が産まれたんだよ」
マモ「性別はどっちスか?!」
マモ「前々から、ねぇね は「妹がほしい」。 俺は「弟がほしい」で小競り合い してたんですよ」
キン・ユルシャ「‥‥‥‥‥‥」
キン・ユルシャ「それが気になるのなら、帰ろう!!」
マモ「ふぬぅ‥‥‥‥」
マモ「‥‥‥わかりました。帰ります」
キン・ユルシャ「陸路は時間がかかるから、海から行こう!」
キン・ユルシャ「俺の上に、また乗りなさい!」
マモ「いや、オヤジさんはココでギンを 探したり待ったりして下さいよ‥‥‥!」
キン・ユルシャ「だぁいじょぶ!  俺の息子だから 死なない×2!!」
マモ((アンタ、別の意味で“死んだ”やん?!))
キン・ユルシャ「あいつ、おウチ大好きだもん。 ほっといても 絶対帰ってくるって!」
キン・ユルシャ「それに道中で、君に何かある方が ギンは悲しむだろう‥‥‥」
キン・ユルシャ「君に何かあったら‥‥‥あいつに祟られそうだ」
マモ「『祟る』って‥‥‥それ、ギン死んでません?」
マッチョ兵士「いや! 帰りの船くらい 出させていただきますから!」
キン・ユルシャ「え? そう? いいの?」
マッチョ兵士「もちろん!!!!!」

〇沖合
  「行きの時に船に乗りたかったな」と
   元も子もない事に気がついたが、
  そうすると、ギンが陸路で救った人らは
  今頃どうなっていたのだろうと思ったので
  陸路で良かったのだ。
  ──── きっと。

〇海沿いの街
  双子は『男と女』な二卵性双生児だった。
  「妹がほしい」「弟がほしい」という
  我々の要望に見事に応えたマミーはスゲェ(素)。

〇森の中
  魔物は相変わらず 出るっちゃあ出るが、
  以前ほどの数ではない。
  元の“複数で囲めば、まぁ倒せる程度”
  にまで 少なくなった。

〇西洋の城
  「やっぱり、ユルシャの人は強いなぁ」
  「仕事が早いなぁ」との再評価のおかげで
  あの『キン募金』の募金が増えたそうな。
キン・ユルシャ「いえ、今回は俺 何もやってないので‥‥‥」
オウシ・ヤマ王「じゃあ 今度は『ギン募金』作る?」
キン・ユルシャ「いや、いやいやいや‥‥‥」
オウシ・ヤマ王「じゃあ、大人しく受け取りましょうね ”先生”」
キン・ユルシャ「“先生”?」
キン・ユルシャ「── あと、あいつに」
キン・ユルシャ「あいつに 会いに行っていいですか?」

〇刑務所の牢屋
オージュ・ウォゲ「なぁに? 見物?」
キン・ユルシャ「右腕は 大丈夫か?」
オージュ・ウォゲ「くっついているだけで、全然動かないよ」
オージュ・ウォゲ「でも、それも一興というか‥‥‥ 『己と意思疎通がまるで出来なくなった 部位』って面白いよ」
オージュ・ウォゲ「そういえば、北国で言った事 謝るぜ」
オージュ・ウォゲ「どうなろうとさ “お前”が頑張った結果が“ソレ”だからな」
オージュ・ウォゲ「認める‥‥‥認めるよ。”お前”も立派×2」
キン・ユルシャ「‥‥‥‥」
キン・ユルシャ「お前のこと、漠然と『友人』と思ってたが‥‥‥」
キン・ユルシャ「よくよく思い返したら、何の思い出も 覚えてなかったよ」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥ウケるぅ」
キン・ユルシャ「── いや、でもメッチャ仲良かったよな?」
キン・ユルシャ「たしか」
キン・ユルシャ「多分」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥仲良く、ないない」
オージュ・ウォゲ「記憶違いでは?」
キン・ユルシャ「そこで!」
キン・ユルシャ「何か思い出すきっかけにならないかと、 オージュ先生の小説 読んでみました!」
キン・ユルシャ「昔、ちょっと読めてたんだけど 最新作辺りは読んでなかったので‥‥‥」
キン・ユルシャ「時間をかければ ポンコツの俺だって 読めはするんだぞ!」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥別にいいよ。無理するなよ」
オージュ・ウォゲ「マト外れな感想もらっても、いらつくだけだぞ」
キン・ユルシャ「── いやぁ、どれも超怖かったぞ!」
キン・ユルシャ「『砂漠の友人』なんて、主人公に 感情移入しすぎてちょっと人間不信になったよ!」
キン・ユルシャ「『サウス養豚場の春』は、しばらく肉が 食べれなくなったし!(´;ω;`)」
オージュ・ウォゲ「正しい感想、ありがとう」
キン・ユルシャ「なぁ、何でこんな 性格悪くて 後味悪い小説 書くの?」
キン・ユルシャ「他のもそうだけど、特に 『汚濁カルテット』の後味の悪ささぁ‥‥‥」
キン・ユルシャ「せっかく「助かった! 生きてる!」と 思ったのに、そう思わせてからの アレはヒドくない?」
キン・ユルシャ「「嘘だろオイ!」って思わず、本を投げ飛ばしちゃったじゃない!最後のは余計でしょ!素直にそのまま皆を生かしておきなよ!」
キン・ユルシャ「オージュ作品の何がヒドイって『私が思った理想の展開』といつもいつも真逆の展開に行くコトだよ!希望もクソもないよね!」
キン・ユルシャ?「あー、こんな性格悪いホラーなモン書く奴と私が友達なわけないわ!私だったら、キャラにこんな可哀想な事しないわぁ〜〜〜!!!」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥そうそう」
オージュ・ウォゲ「お前を、そう わめかせてやりたかったんだ」

〇海沿いの街
  あと、お前ん家 エライことになってるから
  早く帰ってこい。

〇英国風の部屋
町人B(本好き)「キンさん‥‥‥ 無事に帰ってきて本当によかった」
キン・ユルシャ「大げさだなぁ ちょっと 泳いできただけじゃないか」
町人B(本好き)「だって「もし 海の中で腰痛が発症して 溺れちゃったら」とか‥‥‥」
町人B(本好き)「また、あなたを失う事になるかと思うと‥‥‥」
キン・ユルシャ「『また』?」
町人B(本好き)「あのぉ」
町人B(本好き)「街の人とも相談して、許可は得たんだけど‥‥‥」
キン・ユルシャ「許可?」
町人B(本好き)「私を、そばに置いてくれませんか‥‥‥?」
町人B(本好き)「ずっと 好きでした!」
キン・ユルシャ「?!?!?!?!」
町人B(本好き)「街の『ファンの方々』からも 許可はとりました!」
キン・ユルシャ「いや、ギンと相談しないと‥‥‥」
町人B(本好き)「実は、ギン君から会う度に」
  「親父を貰ってくれませんか?」
  「そんなに世話やいてくれるなら、
   いっそ くっついてくれません?」
  「お母さん、ほしいな〜」
  「俺、というコブ付きだから嫌なんすか?」
町人B「違う違う!💦」
町人B(本好き)「‥‥‥‥とは、催促されてて」
キン・ユルシャ「‥‥‥‥‥‥‥」
町人B(本好き)「あっ。でも、キンさんがイヤなら もう全然‥‥‥大丈夫です」
キン・ユルシャ「イヤな事はない、が‥‥‥」
キン・ユルシャ「こんな 筋肉バカの何がいいんだろうかと‥‥‥」
町人B 改め フォン・イティーズ「私は‥‥‥」

〇西洋風の部屋
フォン・イティーズ「お姿を拝見する前から‥‥‥‥」

〇本屋
フォン・イティーズ「女性だと思っていたけど、違かった事が 判明した後も‥‥‥」

〇ヨーロッパの街並み
フォン・イティーズ「今のあなたになっても‥‥‥」

〇英国風の部屋
町人B(本好き)「この愛しさ、変わってないので‥‥‥」
キン・ユルシャ「‥‥‥‥? え、えぇ、はぁ‥‥‥」
キン・ユルシャ「実は「フォンさんがギンのお母さんだったら いいなぁ」とは思った事あって」
キン・ユルシャ「‥‥‥‥‥‥‥‥‥///////」
町人B(本好き)「そうと決まったら‥‥‥」
町人B(本好き)「子作りしませんか?!」
キン・ユルシャ「?!?!?!????!!」
町人B(本好き)「私、もうトシなので! 一刻も早く子供がほしいです!!!」
キン・ユルシャ「ま、待って、心の、準備が‥‥‥」
フォン・イティーズ「好き!!!!! ずっと好きでした!!!!」

〇空

〇レンガ造りの家
マモ「‥‥‥‥‥」
マモ「ふにゅうわ‥‥‥‥ ギンのしょおせつゥ‥‥‥‥!」
  ※盲目信者、悶絶中
マモ((来月『ヘドロ』最終回か‥‥‥))
マモ「帰ってこないまま、6ヶ月‥‥‥か」
  今更、北に探しに行っても‥‥‥‥
マモ「‥‥‥‥‥‥‥‥ん?」

〇空
(ㆆ ㆆ)「ほぉほぉ、こっちに連絡もよこさずに ずいぶんゴキゲンなお帰りだなぁ オイ」
(ㆆ ㆆ)「”俺が好きなギンのまま”のようで 何よりです嬉しいですぅ」
;( ´ᯅ`):「えっと、久しぶりに1人になったから ゆっくりと‥‥‥」
;( ´ᯅ`):「『アホになっていた時』に チェックし忘れてた本屋に寄ってたん‥‥」
(ㆆ ㆆ)「あぁハイハイ 俺が常に世話やいてて ずっと1人に なれなくてストレスでしたか。サーセン」
;( ´⚰`):「いやいやいや、そんな事はなぃ‥‥‥」
;( ´⚰`):「あと、他にもいろいろ してきてまして‥‥」
(ㆆ ㆆ)「── まぁ、なんにせよ」
(ㆆ v ㆆ)「おかえり」

〇レンガ造りの家
ギン「‥‥‥‥‥//////」
ギン「あのさ、」
ギン「もしかしたらさ、俺 お前が期待するほど 小説で認められることないかもしれない‥‥‥」
ギン「けど、書き続けていいかな?」
ギン「もうさ、文才うんぬん関係なく 『書く事』が好きだわ」
ギン「アホになった時、心底 絶望したもん」
ギン「書くのも好き。読むのも好き ‥‥‥‥楽しい」
ギン「それでいいや」
ギン「‥‥‥‥それ ”が” いいや」

〇古書店

次のエピソード:【番外①】「お前、6ヶ月間 何してたん?」

コメント

  • オージュ先生の笑顔ぉ……更新お疲れ様でした!
    ギンマモギンマモ!→オージュギン!→ナキュオジュナキュ!!!???と、大変美味しかったです……
    やっとログインしたので、また巡ってポチポチ応援するかもしれません^^;
    コミカライズ!洪水🌊の部分どうなるやらで楽しみです!(鬼)

  • 挿絵の破壊力!!!!!!笑顔!!!!!!!!!
    相変わらずのギンくん!!!!📚️📚️📚️📚️
    わぁ待ってカップル乱立じゃないですか美味しいですぅ🥲🥲
    カップル出来たし産まれたし産まれるしでワぁァ……😭
    更新お疲れ様でした……と言いつつ、展開がまだ全然あるので寂しくない!いろんな形で勇才見れるのこれからも楽しみです!😭マジお疲れ様です!

  • ブラボー!!!!!👏😭
    マジ最高エンディング😭書き続けて勇者様!!🥹
    獄中先生とキンさんの会話…友達としての記憶全く無いのツラ過ぎ…もういっそ記憶違いだと言う先生、対して少しでも今からでも先生を知ろうと作品を読んだキンさん。感想を連ねていく彼に在りし日の友を見て笑う先生がっ(泣)そこから先が涙で見えないのに自動タップだったからどんどん進む!もっかい読んでも同じ所で泣く自信しかない🥹

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