21 クリムゾンとの決闘(脚本)
〇兵舎
3日後。
受付屋「おぉい!誰かいないかぁ!?」
武藤和樹「あれ?どうしたんです?」
受付屋「お前ら宛の手紙が来た!きっとこの前の奴だ!」
武藤和樹「えぇ!ここの所音沙汰無かったけど、もしかして・・・」
武藤和樹「わ、分かりました!後は僕達でやります!」
受付屋「おう!頑張って来いよ!」
それから、俺達は武藤さんに招集される。
武藤和樹「皆集まったね!早速だけどこれを見て欲しいんだ・・・」
陣内香織「武藤さん、これは?」
武藤和樹「これは僕達宛の物だ・・・多分例の奴に関係してると思うから、今から中身を確認するよ・・・」
飯塚隼人「地図に手紙?内容は?」
『俺様に喧嘩を売った奴に告ぐ!この俺様に殺される覚悟があるなら、地図に記された場所に来い!』
『もし来なかったら俺様がお前を見つけて息の根を止めてやる!』
陣内香織「んげ、結構乱暴な物言いね・・・しかも、ここで逃げたら確実に目を付けられる・・・」
飯塚隼人「でも良かったよ・・・地図も用意してくれて、道に迷わなくて済みそうだし・・・」
遠藤かな恵「ねぇ、本当にやるの?やっぱり皆でやった方が・・・」
飯塚隼人「・・・大丈夫だよ、一応特訓もして来たし、何よりもう決めたから・・・」
遠藤かな恵「そっか・・・」
武藤和樹「何がともあれだ、準備が出来次第出発しよう・・・地図を見た感じ海を渡る見たいだし、皆乗り物とか大丈夫?」
遠藤かな恵「あ、大丈夫ですよ・・・」
武藤和樹「良し、それじゃあ行こうか・・・」
俺達は準備を済ませ、地図に記された目的地へと向かった。
〇闇の要塞
それから数時間後。俺達は街にあった船に乗せて貰い、目的の場所へと辿り着く。
飯塚隼人「ここが約束の場所か・・・」
船乗り「ここは嘗て、大魔王プルートの軍勢が世界征服の前線基地として使っていた場所の一つです・・・」
船乗り「今となっては禁断の地として誰も立ち入る事は出来ませんが、先日街を襲った奴が皆様をお呼びと言うのであれば・・・」
武藤和樹「いえ、こちらこそ無理を言ってすみません!後は大丈夫ですので!」
船乗り「はい!それでは、くれぐれもお気を付けて・・・また街にお戻りになるなら、また私にお声を掛けて下さい・・・」
武藤和樹「はい!」
武藤和樹「それじゃあ皆、行こう!」
〇闇の闘技場
武藤和樹「ここだな・・・」
陣内香織「如何にもそれっぽい雰囲気だけど、あいつはどこに?」
飯塚隼人「あ!あそこだ!」
クリムゾン「よぉ!待ってたぜ!俺様に喧嘩を売ったのはどこのどいつだ?」
飯塚隼人「お、俺だ!」
クリムゾン「あぁ、あの時の蛇に睨まれた蛙か!自分から殺されに来るとは良い度胸だな!」
飯塚隼人「お前、この前何で街を襲ってたんだ?」
クリムゾン「はぁ?そんなの決まってるだろ?楽しいからだよ・・・」
飯塚隼人「え?」
クリムゾン「最近どう言う訳かプルートの旦那が街で好きに暴れて欲しいって言って来てよ・・・久し振りに人様の物ぶっ壊して見たら、」
クリムゾン「もう最高に楽しくてよぉ!他人の苦しんだり悲しんだりしてる顔を見てるのがもう最高でよぉ!やっぱ俺達はこうでなくちゃな!!」
飯塚隼人「・・・500年前もこうしてたってのか?」
クリムゾン「たりめぇだろ!他人を傷付けるってのはこれ以上無い程に楽しいからな!」
クリムゾン「ま、俺様を傷付けたらそれ相応の罰をくれてやるけどよ!」
飯塚隼人「・・・・・・」
飯塚隼人「・・・・・・」
飯塚隼人「そっか・・・自分は傷付けられたらいけないけど、他人なら傷付いて良いのか・・・」
クリムゾン「たりめぇじゃん!誰も俺様を傷付けるなんて事は許されねぇからな!」
飯塚隼人「そうか・・・それなら・・・」
飯塚隼人「俺は、お前だけは絶対に許さないからな!」
クリムゾン「お!やんのか?掛かって来いやぁ!」
陣内香織「あぁ、始まった・・・」
武藤和樹「皆、一旦ここを離れよう!」
遠藤かな恵「は、はい!でも隼人君大丈夫かな・・・」
陣内香織「大丈夫!イザって時はあたしが麻酔撃ち込むから!」
武藤和樹「そうだね・・・さぁ早く!」
クリムゾン「ははは!やっぱ他人を傷付けるって楽しいよなぁ!お前もさっさと俺に傷付けられろ!」
飯塚隼人「なぁ、一つ聞いて良いか?」
クリムゾン「あん?何だ?」
飯塚隼人「他人を傷付けてそんなに楽しいか?自分が傷付けられるってそんなに駄目な事なのか?」
クリムゾン「あぁ楽しい!もうすんげぇ楽しいよ!他人を傷付けると何か強くなった気がしてな!やってやったぜって気持ちにもなって」
クリムゾン「もう快感なんだ!でも逆に俺が傷付けられると死ぬ程ムカ付いてな・・・傷付けて来た奴にはもう容赦なんかしねぇ!」
飯塚隼人「・・・!?(そうか、だからあいつらも止めてくれなかったのか・・・)」
飯塚隼人「なぁお前、何でプルートの下に着いてるんだ?」
クリムゾン「あん?決まってんだろ?そりゃプルートの旦那が強過ぎるからだよ!」
飯塚隼人「え?」
クリムゾン「プルートの旦那はこの俺様でさえビビる程の強さだ、幾らやっても俺様じゃ倒せなかった!」
クリムゾン「けどなぁ!俺様もそんなプルート様の下にいれば、もっと面白ぇ事が出来ると踏んでなぁ!500年前からずっと暴れてる訳なんだ!」
クリムゾン「だからテメェも、俺様の快楽の為にくたばりやがれぇ!!」
飯塚隼人「ぐはっ!!」
クリムゾン「おらおらぁ!まだまだ行くぜぇ!!」
飯塚隼人「か、かはぁ!!」
ウェヌス「おぉ!やってるやってる!ポップコーンでも買ってくれば良かったわね!」
プルート「全く、命が消えるかも知れないと言う状況で良くそんな事が言えるな・・・」
ウェヌス「だってだってぇ!こう言う盛り上がる状況にはやっぱポップコーンでしょ?」
プルート「生憎そんな物はここには無い・・・欲しければ自分で何とかするんだな・・・」
飯塚隼人「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」