〇原っぱ
武藤和樹「取り合えず邪魔者は蹴散らして損は無いけど、道はこっちであってるのかい？」
飯塚隼人「はい、街の人から聞いたんですが、この先に盗賊がウロウロしてるのを見た事があるって話です・・・」
武藤和樹「やっぱりアジトにするなら人目に付かない場所が一番だよな・・・」
武藤和樹「ともあれ、助けるなら早めに越した事は無いし、早く行こうか・・・」
飯塚隼人「はい・・・」
遠藤かな恵「う！げほっ！ごほっ！」
武藤和樹「え！ちょ！かな恵ちゃん大丈夫!?」
遠藤かな恵「ご、ごめんなさい・・・ちょっとむせただけで、あたしは大丈夫なんで・・・」
飯塚隼人「えぇ、本当に大丈夫？ここは俺と武藤さんだけで・・・」
遠藤かな恵「だ、駄目だよ！あたしがいない時に怪我したらどうするの!?」
飯塚隼人「そ、そうは言うけど・・・」
武藤和樹「・・・分かった、でも戦闘は僕らだけでやるから・・・危なくなったら君だけで逃げてよ？」
遠藤かな恵「・・・ありがとうございます！早く行きましょう！」
飯塚隼人「ね、ねぇ武藤さん・・・俺前から気になってたんだけど、俺達確かに寄せ集めとは言え、かな恵さん何か俺らに隠してないかと」
飯塚隼人「思うんですが・・・」
武藤和樹「あぁ、やっぱ僕だけじゃ無かったか・・・流石にここまで見せられると違和感感じずにはいられないけど、」
武藤和樹「今は依頼を優先しよう・・・それが終わったら、彼女から話を聞いて見よう・・・」
飯塚隼人「そうですね・・・」
遠藤かな恵「２人共何してるの？早く行きましょう！」
飯塚隼人「あぁ、かな恵さん！」

〇洞窟の入口（看板無し）
遠藤かな恵「あ、ここは・・・」
飯塚隼人「かな恵さん！」
武藤和樹「早る気持ちは分かるけど、僕らの事置いてかないで・・・」
遠藤かな恵「あ、ご、ごめんなさい！あたしったらつい・・・」
飯塚隼人「・・・まぁ、余り無理はしないで・・・って、」
飯塚隼人「ん？この穴は？」
遠藤かな恵「多分例の盗賊のアジトの入り口だと思うよ・・・」
武藤和樹「・・・いよいよ突入か・・・皆、準備を終わらせたら中に入ろう・・・」
飯塚隼人「はい！」
陣内香織「あぁ！良かった！追い付いた！」
飯塚隼人「あれ？香織？何でここに!?」
陣内香織「ご、ごめん・・・街の人達から皆がこっちに向かってるって聞いたから・・・」
遠藤かな恵「え？でも、香織ちゃん今回の仕事、乗り気じゃ無かったんじゃ・・・」
陣内香織「乗り気じゃ無いのは本当よ・・・でも、１人で悶々としてたら落ち着いたの・・・あのままぼーっとしてても良い事無いと思って、」
陣内香織「皆の事追い掛けたの・・・ごめん、あたし勝手だったよね・・・」
飯塚隼人「いや、寧ろ良かったよ・・・香織がちゃんと戻って来てくれてさ・・・」
陣内香織「隼人・・・」
武藤和樹「本当だよ・・・誰にでも思う所はあるし、納得出来ない事も沢山あるから・・・」
武藤和樹「でも結局最後は自分で決めるからね・・・僕らは気にして無いから・・・」
陣内香織「皆・・・本当ごめん・・・それと、ありがとう・・・」
　　思わぬ形で香織と再会と和解を果たして、俺達は盗賊のアジトへと乗り込むのだった。