12 息抜き(脚本)
〇兵舎
街の宿屋に戻った俺達は、とある事を話していた。
武藤和樹「え〜、皆に発表です!この度、レオナルドの屋敷調査の依頼を完遂した結果、報酬としてこんなに貰いました!」
飯塚隼人「うおすっげぇ!!これ本当に俺らのなんですか!?」
陣内香織「信じられない・・・こんなに沢山貰えるだなんて・・・」
武藤和樹「うん、これだけあれば武器の強化にも困らないだろうし、折角だからお祝いに美味しい物でも食べに行きたいと思うんだけど、」
武藤和樹「皆はどうかな?」
飯塚隼人「え?本当ですか!?そしたら俺、美味い物食えたり、ゲーセンがあったり、カラオケがあったり、ダーツも出来てそれから・・・」
陣内香織「いやいや隼人、それ何て名前の娯楽施設?てかあんまり使い過ぎたら後が困るからね?」
武藤和樹「あはは・・・」
遠藤かな恵「でも、お祝い事ならあたしも賛成です!最近あたし達依頼を受けてばかりだったし、たまにはこう言うのも良いと思いますよ・・・」
武藤和樹「決まりだね・・・取り合えず各々武器の強化をしたら、良さげな店を探そうか・・・」
飯塚隼人「はい!何だか楽しみになって来たなぁ!」
皆で話し合った結果、俺達は大金を手に入れたお祝いに武器の強化と食事へ行く事となった。
〇中華料理店
それから俺達は武器強化を済ませた後、街の人からの情報で良さげな店を見つけて足を踏み入れるのだった。
飯塚隼人「ムシャムシャムシャムシャ!かぁ美味ぇ!」
陣内香織「ちょっと隼人、そんなに慌てて食べなくてもご飯は逃げたりしないからさ!」
飯塚隼人「いやだって!真面目にここの飯美味くて・・・」
飯塚隼人「む!げほっ!ごほっ!」
陣内香織「あ〜言わんこっちゃない・・・ほら、これ飲んで・・・」
飯塚隼人「ご、ごめん、ありがとう・・・」
武藤和樹「良かった、何だかんだ楽しめてるな・・・」
遠藤かな恵「・・・・・・」
武藤和樹「あれ?かな恵ちゃん、食べてる?」
遠藤かな恵「え?あぁ!食べてますよ!ちょっとぼーっとしてただけで・・・」
武藤和樹「そう?でも具合悪くなったら言ってね?」
飯塚隼人「あ、かな恵さん、武藤さん・・・」
武藤和樹「ん?どうしたの?」
飯塚隼人「俺ちょっと気になる事があるの忘れてた・・・武藤さん、この前洞窟で爆発魔法使ってましたよね?」
武藤和樹「あ、やったね・・・それがどうしたの?」
飯塚隼人「ちょっと気になってたんですが、あの魔法どこで覚えましたか?流石に最初から使えたなんて事は無いと思いますが・・・」
武藤和樹「あぁ、あれは本を読んで覚えたんだ・・・」
飯塚隼人「え?それだけ?」
武藤和樹「不思議な話なんだけどね、魔法の杖を買って魔法を使える様になった後に、呪文の本を読んだら使い方が何と無く」
武藤和樹「頭の中に入って来たんだ・・・だから、実際使って見ると自然と出来る感じなんだよね・・・」
遠藤かな恵「あ、あたしもそうよ!本を読んでたら自然と出来る様になっててさ!凄く便利なの!」
飯塚隼人「へ、へぇ・・・何か別の意味で凄いな・・・」
遠藤かな恵「(まぁ、この世界に来ても病気を治す魔法はまだ見つからないけど・・・)」
武藤和樹「まぁそんな感じで、色んな本を読んでたらもっと凄い魔法も使えるかも知れないから・・・」
飯塚隼人「・・・!それ凄く楽しみです!俺ももっと頑張らないと!」
モブ「今日は宴だぁ!じゃんじゃん飲むぞぉ!!」
モブ「すみませーん!もっと酔えるお酒ありますかぁ?」
陣内香織「何か向こうも盛り上がってますね・・・大分酔っ払ってる見たいだけど・・・」
武藤和樹「まぁ、僕達には関係無いよ・・・変に突っかからなければ問題無いと思うし・・・」
陣内香織「まぁ、そうですよね・・・」
陣内香織「ん?」
店員「お客様、もうこの辺でお止めになった方が宜しいかと・・・」
アサド「ぷはー!これが止められずにいられるかってんだ!金ならあるからもっと寄越せ!」
店員「で、ですが!それ以上飲んだらお身体に障ります!何より、この後どうやってお帰りに・・・」
アサド「あぁん!俺が酒持って来いって言ったら持って来いよ!俺の話が聞こえないのか!?」
店員「お客様・・・」
陣内香織「ちょっとあんた!今日はもう止めといたら!?」
アサド「あぁん!?何だテメェは!?」
陣内香織「店員さんがもう止めとけって言ってるのが分からないの!?これ以上飲もうってんならこの街の自警団呼ぶわよ!?」
アサド「何だこいつぅ!!人が折角楽しく飲んでるってのに!!もう良い!!別の店で飲み直すわ!!」
店員「あぁ、ありがとうございます・・・何とお礼を申したら・・・」
陣内香織「いえ、何て事ありません・・・それより何なんですあいつ?」
店員「あ、はい、彼はこの街の資産家の1人なんです・・・ご両親からチヤホヤされてたのか、非常に我儘で、」
店員「色んな所でお酒を飲んで周ってて、そこにいるお客様にいつも迷惑を掛けてるそうで・・・」
陣内香織「ま、マジで?随分質が悪いわね・・・」
飯塚隼人「おぉおい香織!いきなり飛び出してどうしたんだよ!?」
陣内香織「あ、ごめん隼人、さっき凄く質の悪い奴見つけてさ・・・あたし的にちょっと見てられなくて・・・」
飯塚隼人「そ、そっか・・・」
陣内香織「(でも心無しか、あいつ内の父親にそっくりだった様な・・・)」
店員「ま、まぁ何がともあれです・・・もしあの様なお客様を見掛けても、なるべく関わらない様にする事をオススメします・・・」
陣内香織「はい、そちらも気を付けて・・・」
多少のトラブルが発生したが、幸い大事にはならなかった。各々気持ちを落ち着かせた後、俺達はまた自分のペースで
楽しむのだった。