こわいお兄さん(脚本)
〇シックなリビング
エース「・・・別れてほしい」
おっさん「それはできない」
エース「!?」
おっさん「ふられるなんて俺のプライドが傷付く」
エース「じゃあふってよ」
おっさん「それをする理由がない」
エース「!?」
おっさん「どうして別れたい」
エース「ひとりになりたい」
おっさん「無理だ 嬢ちゃんは一人になれない」
おっさん「勝手に死ぬことも許されない」
おっさん「俺の手を取ってしまったからな」
エース「やらかした」
おっさん「おい 逃げるな」
エース「!?」
おっさん「今度逃げようとしたら尻を叩く」
エース「ギャッ」
おっさん「嫌だろ」
エース「うん」
おっさん「また ひとりになりたいだの消えたいだの死にたいだの言ったら爆抱きするぞ」
エース「こわっ」
おっさん「だから・・・煽んなよ」
エース「承知」
おっさん「理解が早くてよかったよ」
エース「やはり 安易に手を取ってはならなかったのでは・・・」
おっさん「まだ言うか」
おっさん「傷付くわ」
エース「腹を切ってわび」
おっさん「嬢ちゃんの腹が切れたところで俺のなんになる?」
エース「あっ ハイ なんの影響力もない空っぽな人間です」
おっさん「ちーがーうーだーろーが!」
エース「はっ!?」
エース「無価値感が酷すぎて変な言動をしていた」
エース「やっとまともに戻った」
おっさん「よかった・・・」
おっさん「もう心配させんなよ」
エース「うん」
おっさん「はい 約束のギューな」
エース「うん(ぎゅー)」
おっさん「んふふふふ」
エース「希死念慮が消えた」
おっさん「人を頼ることができたな」
エース「成長した テレレレッテレー」
おっさん「めでたいから酒飲もうぜ」
エース「あ アニキ お酌しやす」
おっさん「いいね〜 嬢ちゃんが注いだ酒は旨い」
おっさん「ちっとでいいから飲んでみな」
エース「度数つよそ・・・」
エース「(ごく)へんな味」
おっさん「そか じゃあ 無理せんでええよ」
エース「うん」
おっさん「そんなとこにいないで 隣来てよ」
エース「う うん」
おっさん「空っぽな嬢ちゃんを俺色に染めたいなあ(ギュー)」
エース「え」
おっさん「その反応 傷付くわ」
エース「自分色にしか染まりたくない」
おっさん「俺の色が混ざってもいいじゃないか 嬢ちゃんの色を捨てろとは言ってない」
エース「そうだったんだ」
おっさん「うん」
おっさん「覚悟しろ 俺のことしか考えられなくなるくらい大切にする」
エース「あばばばば 逃げなきゃ」
おっさん「こら 尻を叩くよ」
エース「それは嫌だ」
おっさん「おとなしく大切にされなさい」
エース「承知」
おっさん「いい子だ」