8 調査依頼(脚本)
〇兵舎
俺達がこの世界に来てから1ヶ月程経った。最初に蜘蛛退治の依頼を受けてから、俺達は数多の依頼を熟し、
着実に腕を上げて行った。そんなある日。
受付屋「よぉ!今日も来てくれたのか!あんたら最近腕が良くなったって評判だぜ!」
武藤和樹「そうなんですか・・・それは光栄です・・・」
武藤和樹「まぁ、本音を言うとキャンセル料が怖くて・・・」
受付屋「たりめぇよ!依頼を申し出るって事は、それだけ相手が困ってるって事だからな!一度引き受けた後にやっぱ止めますじゃ、」
受付屋「依頼主も怒りたくもなる!」
武藤和樹「本当、責任重大ですね・・・」
受付屋「ははは!」
受付屋「それはそうと、今日はお前さん達向けの依頼があるんだが見てくかい?」
武藤和樹「僕達向け?どう言う事です?」
受付屋「あぁ、時折お前さん達を含て他所から来た連中に対してちょっと変わった依頼を申し出る奴が来る事があるんだ・・・」
受付屋「その時いる奴に寄って内容は変わって来るが、見て行くかい?」
武藤和樹「そうですね・・・お願いします・・・」
受付屋「あいよ!」
武藤和樹「えっとどれどれ?」
武藤和樹「これは?」
それから、武藤さんは俺達の元へと戻って来て、依頼の報告に来た。
飯塚隼人「調査任務、ですか?」
武藤和樹「そうなんだ、どうも僕達向けの依頼だって話でさ・・・」
陣内香織「あたし達向け?てか調査って言っても何したら良いんですか?」
武藤和樹「うん、行き先は街外れにあるお金持ちの豪邸なんだけど、その家の主人の生活状況を調査して欲しいって・・・」
陣内香織「は?あたしらこれまで討伐系の仕事ばかりしてたじゃ無いですか・・・これどっからどう見ても管轄外ですよね?」
武藤和樹「うん、でもこれ僕ら向きだって話だし・・・」
飯塚隼人「う〜ん、香織の言う通り今まで討伐系の仕事ばかり受けて来たのは本当だし、この仕事、何か裏とかありません?」
飯塚隼人「例えば、裏で何か悪い事してるとか・・・」
陣内香織「うげ、確かにそう言うのありそう・・・」
武藤和樹「ま、まぁまぁ!ここでウジウジ考えてるより実際行って確かめた方が色々と分かるだろうし!」
武藤和樹「何より、もし向こうが悪い奴だったら逃げるなり戦うなりすれば良いから!」
飯塚隼人「・・・まぁ、そうですよね・・・」
遠藤かな恵「あ、皆さんこれからお仕事ですか?」
陣内香織「えちょ!かな恵さん!起きてて大丈夫なの!?」
遠藤かな恵「えぇ、大丈夫よ!」
陣内香織「かな恵さん・・・あなた依頼受けてる最中に咳き込んで動けなくなる事あるから、無理にあたしらに付き合わない方が・・・」
遠藤かな恵「大丈夫だよ!今は何とも無いし、何よりあたしもチームの一員だもの!お荷物になるつもりは無いわ!」
飯塚隼人「えぇ、本当に大丈夫かな・・・かな恵さん、病院とか行った方が良いんじゃ無い?」
遠藤かな恵「もう、何度も同じ事言わせないでよ!入院生活なんてハッキリ言って暇だし・・・」
陣内香織「暇?かな恵さん入院生活の経験あるの?」
遠藤かな恵「え?あぁごめんね!今の上辺だけの感想だから!」
飯塚隼人「まぁ、本当にヤバかったら言ってね・・・確かに俺達、仲間だから・・・」
遠藤かな恵「ありがとう・・・あたしも連れてってくれるよね?」
飯塚隼人「・・・勿論さ・・・」
武藤和樹「話は決まったね・・・皆準備が終わったら直ぐ出発しよう・・・」
そして俺達は、旅支度を済ませて依頼屋を後にした。
〇立派な洋館
武藤和樹「着いた!ここが目的地だ!」
陣内香織「へぇ、結構立派に構えてるんですね・・・」
レオナルド・カーター「やぁやぁ!君達が家の仕事を受けたいと言う傭兵君達かい?待ってたよ!!」
飯塚隼人「おぉ、確かに如何にもな感じの人が出て来た・・・」
武藤和樹「そうです・・・僕達が依頼を受けました・・・」
レオナルド・カーター「そうかそうか!私はレオナルド!このカーター家の当主だ!これから君達には、家の家事を徹底的にやって貰うよ!」
武藤和樹「はぁ、家事ですか・・・」
レオナルド・カーター「あぁ、それはそうと・・・」
陣内香織「ん?あたし達に何か?」
レオナルド・カーター「おぉ!女の子の傭兵までいるのか!」
遠藤かな恵「そうですが、それが何か?」
レオナルド・カーター「どうだ?今晩私と一緒に過ごさないか?」
陣内香織「えぇ、それって・・・」
ローナ・ベイカー「レオナルド様!何をしておられるのですか!」
レオナルド・カーター「あん?何だローナか!私は客人を迎え入れているだけだ!お前こそ何持ち場を離れている!?」
ローナ・ベイカー「私にはまた知らない女性を口説いてる様にしか見えませんでした!そう言うのはもう辞めて、仕事に精を出して頂かなければ、」
ローナ・ベイカー「先代のカーター様に顔向け出来ませんよ!」
レオナルド・カーター「先代の事等イチイチ知るか!もう良い!私は屋敷に戻るから、後は勝手にやれ!」
ローナ・ベイカー「全く、あの性格さえ何とかなってくれれば・・・」
陣内香織「あの、あなたは?」
ローナ・ベイカー「あ、傭兵の方々ですね!申し遅れました、私はカーター家のメイド長を務めている、ローナと申します!以後お見知り置きを・・・」
遠藤かな恵「メイド長さんなんですね!あの、取り合えず荷物の整理の後にお仕事の事聞かせてくれますか?」
ローナ・ベイカー「勿論です!お部屋にご案内しますので、どうぞこちらへ!」
〇城の客室
ローナ・ベイカー「こちらが皆様にお使いして頂くお部屋になります・・・足りない物があれば、遠慮無くお申し出下さいませ・・・」
陣内香織「はぁ・・・こう言う所来た事無いから何か新鮮・・・」
遠藤かな恵「本当よ・・・子供の頃に見せて貰ったおとぎ話でしか縁が無いと思ったけど・・・」
ローナ・ベイカー「確かに、こうも豪勢だと驚きは隠せませんよね・・・私も不慣れな時は同じ事思いましたよ・・・」
武藤和樹「あはは、やっぱ誰が見ても新鮮ですよね・・・」
武藤和樹「あの、僕達は何をしたら宜しいですか?」
ローナ・ベイカー「あ、はい、お仕事の説明ですね・・・皆様の荷物整理が終わり次第説明させて頂きます・・・」
その後俺達は荷物整理を終わらせ、メイド長の話を聞く事に。
ローナ・ベイカー「準備は出来た様ですね・・・それでは皆様にお仕事の説明をさせて頂きます・・・」
武藤和樹「はい・・・」
ローナ・ベイカー「皆様にはこのお屋敷のお掃除をして頂きます・・・また、有事の際には戦闘に参加して頂く事もありますので、」
ローナ・ベイカー「そちらに関してはご了承して頂けたらと思います・・・」
陣内香織「え?メイド長さん戦えるんですか?」
ローナ・ベイカー「あはは!こんな見た目ですが、防衛術の心得はありますよ!」
ローナ・ベイカー「自慢になりますが、あなた方よりも腕に自信があります・・・」
武藤和樹「へ、へぇ・・・敵に廻したら後が大変そうですね・・・」
ローナ・ベイカー「はい、それはそうと・・・」
飯塚隼人「ん?俺の顔に何か?」
ローナ・ベイカー「あなた、見た所剣を扱ってる見たいね・・・」
飯塚隼人「あ、はい・・・外でモンスターと戦った際に、初めて握ったのが剣だったので・・・」
ローナ・ベイカー「そうなのですね・・・あなた様は今後も剣を使って戦うおつもりで?」
飯塚隼人「え?そのつもりですが?」
ローナ・ベイカー「分かりました・・・あの、宜しければ剣の使い方をお教えしましょうか?」
飯塚隼人「え?俺に?」
ローナ・ベイカー「はい!私は部下達にも武術や剣術の指導もしておりますので、これから剣を極めるのであれば、悪い話では無いと思いますが、」
ローナ・ベイカー「如何なさいますか?」
飯塚隼人「・・・確かに、折角だからやって見ようかな?」
ローナ・ベイカー「畏まりました!タイミングが宜しければ、私にお声を掛けて頂ければと思います!」
飯塚隼人「はい!」
陣内香織「隼人、やるのは良いけど、掃除もちゃんと手伝ってね?」
飯塚隼人「あぁ、分かってる・・・」
今後の方針が決まった俺達は、これからの仕事に備えるのだった。