第4話(後編)「ヒロイン登場!?謎の少女、冥響寺スイ!!」(脚本)
〇橋の上
野朗 仁太「ジャ、ジャックぅ〜〜! 待ってくれよぉ〜!」
野朗 仁太「オイラもう・・ 走れ・・・ない・・」
大禅師ジャック「頑張れ仁太くん! 次だ!次こそは当たりのハズだ!」
大禅師ジャック「橋の下、海岸公園、 コンビニの駐車場・・」
大禅師ジャック「色々な場所を探し回って 日も暮れ始めたが・・」
大禅師ジャック「ここまで光星くんは勿論、 獄亜久すら見つけられなかった」
大禅師ジャック「さすがに次の場所には いてくれよ・・?」
大禅師ジャック「いくぞ仁太くん! 次は工場や倉庫の廃墟跡だ!」
大禅師ジャック「ボクの予想で獄亜久のいる 可能性が1番高いっ!」
野朗 仁太「そうなの!?」
野朗 仁太「じゃあきっといるね!」
〇古い倉庫
大禅師ジャック「よしっ・・この近くに 廃墟の倉庫があった筈・・!」
大禅師ジャック「ボクの調べでは金網のどこかに 人が通れそうな穴が・・」
大禅師ジャック「あった!アレだ!」
大禅師ジャック「あそこから中に入れば 廃墟の倉庫に着く・・」
大禅師ジャック「・・・?」
大禅師ジャック「金網の穴をくぐって・・ 何か出てきたぞ?」
大禅師ジャック「アレは・・ネコ?」
クロサビ「にゃっしゅにゃっしゅ!」
???「待ってよ、クロサビ あんまり急かさないで」
クロサビ「にゃんにゃ にゃっにょにゃん」
???「クロサビッ!? 待って!置いてかないで!」
???「金網にフードが・・ 引っかかって・・」
???「あっ!」
大禅師ジャック「あの顔はっ!!」
大禅師ジャック「なぜアイツがここに・・!」
野朗 仁太「ふぅっ・・ふぅ・・・」
野朗 仁太「やっとジャックに追いついたぁ・・」
野朗 仁太「えぇ!ジャック! また走るのかい!?」
「待ってよぉ〜!」
〇古い倉庫
???「・・フード、少し脱げちゃった 面倒だな、この格好」
???「はやく帰って寝たい・・」
「・・待ちたまえ」
「帰る前に聞きたいことがある」
???「・・誰?」
大禅師ジャック「・・まさかこんな形で会えるなんてね」
大禅師ジャック「キミほどのエフェクターが なぜこんな場所に・・と問いたいが」
大禅師ジャック「おおかた察しはついている」
大禅師ジャック「獄亜久との騒動に乗じて・・ 光星くんを試したな?」
???「・・・」
大禅師ジャック「まさかの展開だが、これは ボクにとってもチャンスだ」
大禅師ジャック「仁太くんには悪いが・・ この際ボクも借りを返したい」
大禅師ジャック「タップギアを出しなよ エフェクトバトルで決着を──」
???「どちら様?」
大禅師ジャック「なっ──!?」
???「ごめん、今日はもうムリ 疲れたから、また今度」
野朗 仁太「ジャックぅ! 待てって言ってんじゃんかぁ!」
???「あっ、タップギア取られた大きい子」
野朗 仁太「ん?なんだ? ジャックのお友達かい?」
???「なんだ、これなら今渡せばよかった」
???「・・奥に壱天光星がいる アナタのタップギアもあるよ」
???「じゃ、帰る バイバイ」
野朗 仁太「光星がいるだって!? オイラのタップギアもある!?」
野朗 仁太「ということは・・・ 光星、オジちゃんに勝ったんだ!」
野朗 仁太「早く行こうよジャック! 光星がオイラのタップギア 取り戻してくれたんだ!」
「うわ〜〜い! やったぞぉ〜〜〜!」
大禅師ジャック「・・・」
大禅師ジャック「・・・」
大禅師ジャック「ど、どちら様・・だって?」
大禅師ジャック「あの、え? ボク、忘れられてた?」
「お〜いジャック! はやく来なよぉ〜〜!」
「って・・・うわぁ!? 光星倒れてる!!」
獄亜久 飛童「うるせーぞクソガキィ! 喚くな騒ぐな取り乱すなぁ!」
「えぇ!オジちゃん!? なんで!光星が勝ったんじゃ・・」
獄亜久 飛童「ああ゛っ!? 誰がオジちゃんだこの野朗!」
獄亜久 飛童「光星・・?あぁ、この赤ガキか はっ!こいつは負けだよ!」
「光星の負け・・? そんな!嘘だぁ!」
大禅師ジャック「・・・負け?」
大禅師ジャック「光星くんが・・負けた!?」
大禅師ジャック「その話、ちょっと待て! ボクも詳しく聞こう!」
〇廃墟の倉庫
獄亜久 飛童「ああ゛ん!? まだガキがいたのか!」
獄亜久 飛童「そこのガキィ! テメーは何者だっ!?」
大禅師ジャック「最低限の礼儀として名乗ろう ボクは大禅師ジャックだ」
大禅師ジャック「キミより強いエフェクターの名だよ ・・別に覚えて欲しくもないけど」
獄亜久 飛童「ああ゛っ!?なんだテメェ ケンカ売ってんのか?」
獄亜久 飛童「俺様が誰か分かった上で 口きいてんのかコラ!?」
大禅師ジャック「もちろん理解しているよ」
大禅師ジャック「キミが仁太くんからタップギアを 奪った獄亜久か・・」
大禅師ジャック「なるほど、噂通りのチンピラだね 品性のかけらもない」
獄亜久 飛童「へぇ・・・言うじゃねぇか えらくスカした偉っそうなガキが」
大禅師ジャック「褒め言葉として受け取っておこう キミこそよく似合ってるよ」
大禅師ジャック「黒いスーツに・・ その悪趣味な紫シャツもね」
獄亜久 飛童「コレはお母さんが買ったヤツだ! バカにするとぶっ殺すぞ!」
大禅師ジャック「・・・」
大禅師ジャック「・・それは失礼だったね キミの母をバカにする気はないよ」
獄亜久 飛童「ほぉ、少しは素直・・」
大禅師ジャック「問題は服じゃなくて・・ 獄亜久、キミ自身にあったんだな」
獄亜久 飛童「やっぱケンカ売ってんなテメェ!」
獄亜久 飛童「いいぜ、こっちも負けたばっかで ムシャクシャしてんだ」
獄亜久 飛童「テメーで発散してやるぜ キザガキィ!」
野朗 仁太「ちょっと待ってオジちゃん!」
獄亜久 飛童「オジちゃんじゃねぇ! 何回言わせんだこの野朗!」
野朗 仁太「そうだった!お兄さん!」
野朗 仁太「さっき光星の負けって言ったよね? なのにオジ・・お兄さんも負けたの?」
野朗 仁太「三本勝負だったの?どういうこと? オイラ、全然わかんなくて・・」
獄亜久 飛童「・・・チッ」
獄亜久 飛童「負けたんだよ、俺様も そこで寝てる赤ガキも」
獄亜久 飛童「ちょうどお前らぐらいの・・ フード被った小さなガキにな」
野朗 仁太「えぇ!?フード被った子供って・・」
〇古い倉庫
〇廃墟の倉庫
野朗 仁太「さっきすれ違った・・あの子かい!?」
獄亜久 飛童「その様子じゃ・・テメェらの 友達って訳じゃねぇようだな」
獄亜久 飛童「あのフードガキ、俺様が 馴染みの場所でくつろいでたら」
獄亜久 飛童「いきなり現れてこう抜かしやがった」
〇廃墟の倉庫
「勝負しよ」
「勝ったら何でもあげる」
「負けたらタップギアをもらう」
「拒否したら・・臆病者って言いふらす」
「勝負する?」
〇廃墟の倉庫
獄亜久 飛童「上等だこのガキィ!」
獄亜久 飛童「・・ってな具合にフードガキとの 勝負を受けたがな」
獄亜久 飛童「軽くあしらわれてこのザマだ」
獄亜久 飛童「で、俺様が倒れてる間に・・ そこの赤ガキが来やがった」
獄亜久 飛童「あとは・・想像できんだろ?」
野朗 仁太「ひゃ〜〜!じゃあ光星もオジっ・・ お兄さんもその子に負けたんだ!」
野朗 仁太「オイラより強い光星、 より強いエフェクター・・」
野朗 仁太「つまり、すっごく強いってことだね!」
獄亜久 飛童「そりゃそうだが・・」
獄亜久 飛童「チッ・・我ながら何やってんだ ガキども相手にペラペラと・・」
獄亜久 飛童「無駄話が過ぎた、俺様は帰る」
獄亜久 飛童「ほらよ、クソガキ コイツは返すぜ」
野朗 仁太「オイラのタップギア!」
獄亜久 飛童「あのフードガキ、俺様から 勝ち取ったブツを即捨てやがった」
獄亜久 飛童「勝って奪うのがおもしれぇんだ 負けて拾うのはクソつまんねぇ」
獄亜久 飛童「つっても、次は覚悟しとけよ? 速攻で潰して奪い取ってやるよ」
獄亜久 飛童「よ〜く覚えとけ、クソガキ」
野朗 仁太「うん!わかった! 返してくれてありがとう!」
獄亜久 飛童「「ありがとう」・・?」
獄亜久 飛童「奪ったのは俺様だろうが なにお礼言ってんだ?」
獄亜久 飛童「チッ・・・くだらねぇ」
「じゃーなクソガキども せいぜい夜道に気をつけな」
野朗 仁太「うん!またねオジちゃん!」
「お兄さんだこの野朗!」
野朗 仁太「・・・」
野朗 仁太「ってそれより! 光星!光星は!?」
大禅師ジャック「落ち着きなよ仁太くん 光星くんなら、あそこだ」
壱天 光星「・・・」
壱天 光星「・・んぐぅ〜 すぅ──」
大禅師ジャック「よく眠ってるようだね まるで眠り姫、いや、眠り王子・・」
大禅師ジャック「・・上手い例えが思いつかないな」
大禅師ジャック「とにかく、日も暮れた もう起こした方がいい」
大禅師ジャック「ほら!光星くん! 起きたまえ!」
壱天 光星「・・・ぐぅ」
大禅師ジャック「参ったな、ピクリともしない」
野朗 仁太「光星を起こすのかい? なら簡単だよ」
野朗 仁太「へへっ、オイラに任せて!」
野朗 仁太「光星のヤツ、一度眠ると 全然起きないけど・・」
野朗 仁太「ピッタシな目覚まし時計が ちょうど戻ってきたからね!」
野朗 仁太「タップギア起動!」
野朗 仁太「え〜っと、眠気覚ましには・・」
野朗 仁太「よし!コイツだ! エフェクトオン!」
壱天 光星「──・・ハッ! 今のエフェクトはっ!?」
壱天 光星「画面効果のエフェクト! 「連発花火」だな!」
壱天 光星「何が狙いかわかんねーけど、 ならこっちは・・・!」
壱天 光星「・・・」
大禅師ジャック「おはよう、光星くん よく眠れたかい?」
壱天 光星「あ、ああ・・」
壱天 光星「・・ってそうだ! そうじゃなくて、オレ」
壱天 光星「ゴメン仁太ッ! オレ負けちまった!」
壱天 光星「仁太のタップギアを 取り戻せなかった!」
壱天 光星「でも待ってろよ! すぐにリベンジして」
壱天 光星「そのタップギアは・・」
野朗 仁太「うん!オイラのだよ!」
野朗 仁太「よく分かんないけど、戻ってきた!」
大禅師ジャック「正確には、あのフードの子供が 獄亜久から勝ち取り、」
大禅師ジャック「光星くんとの勝負のあと、 キミの近くに捨てたようだ」
野朗 仁太「光星!ありがとう! お陰で戻ってきたよ!」
壱天 光星「・・・そっか」
壱天 光星「よかったな!仁太!」
野朗 仁太「うん!」
大禅師ジャック「問題は解決した さあ、もう帰ろう」
大禅師ジャック「急がないと家族を 心配させてしまうからね」
野朗 仁太「げ!ホントだ! 外暗いや!」
「急いで帰らなきゃ〜!」
大禅師ジャック「光星くん、キミも早く行こう」
壱天 光星「・・・なぁ、ジャック」
壱天 光星「さっきお前・・ 「あのフードの子供」って言ったな」
壱天 光星「服装まで分かってるってことは・・ オレが寝てる間に、会ったのか?」
大禅師ジャック「・・ああ、会った ちょうど立ち去る途中だったよ」
大禅師ジャック「あの子が相手なら・・ 光星くんの敗北も頷ける」
壱天 光星「アイツが何者か知ってるのか!?」
大禅師ジャック「うん、キミには以前・・ 話したことがあったろう?」
〇池のほとり
大禅師ジャック「ボクは今まで数千人の エフェクター達と戦ってきた・・」
大禅師ジャック「その中でボクを打ち負かした相手は 4人しかいない」
〇古い倉庫
大禅師ジャック「──そう、ボクを打ち負かした4人」
大禅師ジャック「うち1人が、あのフードの子供だ」
壱天 光星「アイツ、ジャックに勝ったのか 道理で強いハズだぜ・・」
壱天 光星「じゃあさ、名前とか顔とかも 知ってるのか?」
大禅師ジャック「ああ、かのじ・・」
大禅師ジャック「・・・いや」
大禅師ジャック「──悪いが、ボクも詳しくないね」
壱天 光星「そっかー、ジャックも 知らないのか・・」
壱天 光星「くっそ〜!今すぐにでも リベンジしたいのにっ!」
大禅師ジャック「それはボクも同感だ」
壱天 光星「よしっ!明日からまた特訓だぜ!」
「うおおおおおおっ! 次はゼッテー負けねぇぞ!」
大禅師ジャック「まったく・・・ ジッとできない性格だな、キミは」
大禅師ジャック「・・・」
大禅師ジャック「すまない光星くん ボクは少し嘘をついた」
大禅師ジャック「ボクはあの子供・・ いや、あの少女を知っている」
大禅師ジャック「顔も、名前も、そして推測だが ・・バトルの目的も」
大禅師ジャック「だけど」
〇黒背景
〇古い倉庫
大禅師ジャック「彼女は深くフードを被っていた それはつまり」
大禅師ジャック「顔を見られたくない、言い換えれば 『正体がバレたくない』」
大禅師ジャック「光星くんに対してか、それとも 獄亜久に顔を知られたくないのか・・」
大禅師ジャック「理由は読めないが、強いて挙げるなら 報復されないため・・かな?」
大禅師ジャック「ボクを忘れてたのは腹立たしいが・・」
大禅師ジャック「しばらくは黙っといてやるか・・」
〇住宅街
壱天 光星「・・・」
壱天 光星「オレ・・・負けたんだな」
壱天 光星「ゴメン・・・父ちゃん オレ、負けちゃった」
壱天 光星「──でも、次は負けねぇ!」
壱天 光星「そうだ!次はゼッテー勝つ!」
壱天 光星「うおおおおおっ! 見てろよあのフード!!」
壱天 光星「もっともっとバトルして 強くなって・・・」
壱天 光星「次のエフェクトバトルで・・ ブッ飛ばしてやるぜっ!!」
「次のエフェクトバトル・・・ねぇ」
「アンタに次はないわよ」
壱天 光星「なっ──!?」
壱天 光星「だっ・・誰だっ!!」
母ちゃん「アンタの母ちゃんだっ!!!!」
壱天 光星「あっ・・・母ちゃん」
壱天 光星「たっ・・ただいま〜〜」
母ちゃん「おかえり、光星」
母ちゃん「・・・ところで、昼間に 私が言ったこと覚えてる?」
壱天 光星「昼間?え〜っと・・ オレが家から出発した時だよね」
壱天 光星「「行ってらっしゃい」・・とか?」
母ちゃん「ええ、そうね 正解よ」
母ちゃん「──半分は、ね」
壱天 光星「は、半分・・?」
母ちゃん「私はこう言ったわ」
母ちゃん「行ってらっしゃい “日が暮れる前に”帰ってくるのよ」
壱天 光星「あっ・・!?」
母ちゃん「で、確か私の記憶では 光星の返事はこうね」
母ちゃん「「オッケー!」・・だったかしら?」
壱天 光星「え〜〜っと、母ちゃん」
壱天 光星「母ちゃん待って、待って さっきからエフェクト漏れてる・・」
母ちゃん「だから?」
壱天 光星「母ちゃんっ!?」
壱天 光星「そのエフェクト、感情カテゴリの 「邪悪」って言うんだけど・・・」
壱天 光星「優しくてキレ〜な母ちゃんには 絶対似合わないと思うな〜〜!」
壱天 光星「なんて・・・」
母ちゃん「光星」
母ちゃん「約束を守らなかった罰よ」
母ちゃん「明日から・・・ エフェクトバトル禁止っ!!!!」
壱天 光星「かっ、母ちゃん!?」
母ちゃん「さ、家に入ろっか 晩御飯を温め直さなきゃね」
「今日のは美味しいわよ〜♪」
壱天 光星「いや、え? エフェクトバトル禁止って・・」
〇宇宙空間
「そんなぁ〜〜〜〜っ!!!!」
仕事終わりのエフェクターは効くぜ…。やさぐれていても心が潤う…ていうか、顔出んのかーい!
今回も獄亜久が忘れずに野朗絡みをしてくれて楽しかったです。
お兄さんの服…お母さん、いいセンスすぎる 笑
大禅師とフードガキ、光星とと父ちゃん、各キャラの過去?もチラチラ見えてきましたね
因縁が深まっていきどうなる…?と思ったところで、最後にまさかの事態が 笑
子供にとって、親の禁止令は天変地異レベルですからねぇ…
おまけも楽しみです!
ゴクアクもジャックみたいに根はいいヤツっぽいのがアツいです😆
謎のヒロインの正体気になります!
そしてお母さんの強キャラ感(笑)