ABS

山本律磨

十五話(脚本)

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山本律磨

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〇カラフルな宇宙空間
  伊邪那岐神、伊邪那美神
  くみどに興して生める子は水蛭子。
  この子は葦船に入れて流し去うてき。
  亦、子の例には入れざりき。
シバ「嗚呼、ひとりがみ」
シバ「何処より来て何処へ行く」
シバ「誰にも知られず。誰からも祈られず」
シバ「否」
シバ「娘が祈りを捧げた神はお前ではない」
シバ「娘が願いを求めた者はお前ではない」
ミコ「私はエビス様が好ですよ」
ミコ「もっと戯れごとを 言い合ってみたかったです」
  そうだ。
  それで充分だった。
  左様な日がいつかまた訪れれば。
  生きてさえおれば、もう一度左様な日が。
シバ「自分が。自分が。自分が」
シバ「それでも、神?」
  そうだ。
  我は神にあらず。
  頭も四肢もない。
  姿なき、光の化け物。
シバ「なんだ」
シバ「ちゃんと言えたじゃねーか」
シバ「やっぱつれーわ?ってか?」
シバ「だったら自動制御装置を解除して」
シバ「化け物らしく暴れろや」
シバ「あひゃひゃひゃ!あひゃひゃひゃ!」

〇先住民の村
アシハラの民「何だ!夜だってのに、この光は!」
アシハラの民「光が・・・光が荒れ狂っておる・・・」
アシハラの兵「逃げろーーッ!光から逃げろーーッ!」
ヒルコ「グガアアアアアーーッ!」
  『ヒャハハハ!いい調子だなヒルコ!』
ヒルコ「・・・!?」
ヒルコ「ガアアアッ!」
カグツチ「熱いか?」
カグツチ「でも楽しいだろ?」
カグツチ「絶対的な力で弱者の運命を弄ぶ」
カグツチ「それを強者の責務とうそぶいてな」
カグツチ「全部タカマガハラがやって来たこと」
ヒルコ「グウゥウッ・・・」
カグツチ「そうだ、それが神、これが神」
カグツチ「俺達が神なんだよ!」
ヒルコ「グアアアアアーーッ!」
カグツチ「そうだ!もっと怒れ!もっと恨め!」
カグツチ「この世の全てを俺達の光で焼き尽くせ!」
ヒルコ「ガアアアアアアアアッ!」
アシハラの兵「光から逃げろ!光から逃げろーーッ!」
アシハラの民「あ・・・あれは」
アシハラの兵「アメノトリフネ!」
アシハラの民「ああ・・・お助け下さい神様!」
アシハラの民「助けてくれーーッ!神様ーーッ!」
シバ「ハア?バカじゃねーの?」
シバ「お前らが神を捨てたんだろ」
  『然り。これが自由の代償』
シバ「アマテラス。君も随分エグイね」
  『光は時に全てを晒す残酷なもの』
  『我らは神。そして精霊』
  『人がおらずとも宇内と共に在る』
  『故に見つめよう』
  『故に見守ろう』
  『故に見届けよう』
  『この島国の行き着く果てを』
シバ「精霊(SPIRIT)ねえ・・・」
シバ「なーんだ。ボクがわざわざ来なくても」
シバ「ここには最初から、 神(GOD)なんていなかったんだ」

〇先住民の村
アシハラの兵「ドキさま!お逃げ下さい!」
アシハラの兵「アシハラは・・・最早・・・」
アシハラの兵「ドキさま・・・」
シバ「ちょっとスイマセーン 今、一応クライマックスってヤツで~」
シバ「イケメンヒーローならともかく、 小汚いお爺さんの出る場面じゃ ないんですけど~」
ドキ「光の神に話がある。 邪魔するな、もの狂い」
シバ「あ~もう。ド脇役の分際で 衝撃のバッドエンドの邪魔しないでよ」
シバ「てかイライラするな~ ブッ細工なジジイがさ~ いい加減退場してくんないかな~?」
シバ「分からぬか?消えろと言っているのだ」
シバ「この目障りな老木めがあああああッ!」
シバ「・・・!」
ヒルコ「シ・・・バ・・・」
ヒルコ「オマエガ・・・キエロ」
シバ「クッ・・・この私が押されている?」
シバ「この、大暗黒天がッ・・・!」
ヒルコ「ド・・・キ・・・」
ドキ「ヒルコよ」
ドキ「ミコが招いたひとりがみよ」
ドキ「これが、おぬしの望む未来か?」
ヒルコ「・・・」
ヒルコ「ミラ・・・イ?」

〇カラフルな宇宙空間
エビス「・・・未来?」
  『ぼっちゃん』
  『ぼっちゃん』
ミコ「ぼっちゃん」
エビス「ぼっちゃんではない」
エビス「我は神」
エビス「いや、ヒルコ」
エビス「いや・・・」
エビス「ただのエビスじゃ」
ミコ「そんな顔して笑うんですね」
エビス「笑う?」
エビス「・・・我が?」
  つづく

次のエピソード:十六話

コメント

  • エフェクトいっぱいで、クライマックス盛り上がって楽しいですね!!

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