4 最初の一歩(脚本)
〇原っぱ
ウェヌス「さぁ、着いたわ・・・」
飯塚隼人「別の世界に繋がる道とは言ってたから、もっとこう、見慣れない風景とか想像してたけど・・・」
武藤和樹「うん、僕達のいる世界でもありそうな風景だね・・・」
飯塚隼人「ウェヌス、俺達のいる世界とこっちの世界に違いとかあるの?」
ウェヌス「えぇ、その質問を待ってたわ・・・この世界には人間は勿論存在するわ・・・でもこの世界には、」
ウェヌス「スライムや恐竜、悪魔の様な外見の生物も存在するわ・・・」
飯塚隼人「えぇ!?冗談でしょ!?」
陣内香織「そんな漫画見たいな話・・・まさか、そいつらと戦ったりするの??」
ウェヌス「えぇ、出来るわよ・・・この世界には力の上下関係も存在するし、魔王クラスの強さなんて珍しく無いもの・・・」
遠藤かな恵「うわぁ・・・で、でも、もしここで負ける様な事があれば・・・」
ウェヌス「当然死ぬわ・・・」
飯塚隼人「ま、マジかよ・・・良くあるVRとかじゃ無くて、現実・・・」
ウェヌス「そうよ、あなた達の世界で言うゲームオーバーは、その意味の通り一度死んだらそこで終わりよ・・・」
ウェヌス「さっき言った生物は確かに存在するけど、蘇生アイテムなんて物はどこの世界にも存在しないから・・・」
飯塚隼人「えぇ・・・何そのガチ展開・・・」
ウェヌス「後にも先にも、ここに行きたい、死ぬ前に何かを成し遂げたいと思ったのはあなた達よ・・・」
ウェヌス「一度決めたら最後までやり切らないと・・・」
遠藤かな恵「まぁ、確かに・・・」
武藤和樹「初対面の面子とは言え、この中の誰かに死なれたりしたらそれはそれで嫌だな・・・」
ウェヌス「まぁ、そう言う事よ・・・」
飯塚隼人「な、なぁ、俺らここで何と戦ったら良い訳?」
ウェヌス「う〜ん、そうね・・・」
スライム「・・・・・・」
ウェヌス「あ、こいつなんか丁度良いわね!」
飯塚隼人「え?本当にスライムが?」
ウェヌス「こいつを使って練習しましょう!あなた達の中で誰でも良いわ、こいつを倒して見て!」
飯塚隼人「え?何か武器は無い訳?」
ウェヌス「先ずあなた達この世界の通貨とか持って無いでしょ?だから何も手に入って無いわ・・・」
飯塚隼人「あ・・・」
ウェヌス「まぁそれは冗談よ・・・今はこれ一つしか無いから、こいつを倒して見たい人は受け取って・・・」
飯塚隼人「おぉ!良し、やってやる・・・」
陣内香織「ちょ、ちょっと隼人!本当に大丈夫!?」
飯塚隼人「だ、大丈夫!ちょっと静かにして!」
俺はウェヌスから剣を受け取り、スライム目掛けて剣を振り下ろす。
飯塚隼人「う、うおぉぉぉ!!」
スライム「・・・・・・!!」
飯塚隼人「や、やった・・・」
陣内香織「隼人!あんたやるじゃん!」
飯塚隼人「香織・・・」
武藤和樹「いや君凄いよ!皆やりたく無い筈なのに踏み切るだなんて!」
飯塚隼人「は、はぁ・・・」
遠藤かな恵「ね、ねぇ君大丈夫!?いきなりあんな事させられて!」
飯塚隼人「あ、うん・・・大丈夫・・・と思います・・・」
ウェヌス「隼人君、あなたやれば出来るじゃ無い!身体を鍛えたりとかしてたの?」
飯塚隼人「ウェヌス・・・俺は特にこれと言った事は・・・」
ウェヌス「それでも、あなたのその勇気は感じる物があったわ!これからが楽しみね!」
遠藤かな恵「あ、あのウェヌス!この世界には、さっきのスライムより強いのが・・・」
ウェヌス「当然いるわ・・・でもこの世界には、剣だけで無く魔法や銃も存在するから、何れも極めて置けば怖い物は何も無いわ・・・」
遠藤かな恵「・・・・・・」
ウェヌス「そうね、先ずはこの先にある街に行って見ると良いわ・・・あそこでなら働き口も豊富だし、欲しい装備もそこで用意出来るわ・・・」
ウェヌス「後は自分達の目で見て確かめてね・・・それじゃあ!」
飯塚隼人「え?ちょま!」
飯塚隼人「ま、マジかよ・・・」
武藤和樹「ど、どうやらここから先は僕達だけで何とかしないと行けない見たいだね・・・取り合えず、その街に行って見ようか・・・」
飯塚隼人「そ、そうですね・・・」
見知らぬ世界へ踏み出した寄せ集めの俺達は、ウェヌスの助言を頼りにこの先にある街へと進むのだった。