美女と野蛮人

夏目心 KOKORONATSUME

6 部長の横暴 後編(脚本)

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〇オフィスの廊下
  赤木さんが入社したあの日。
葛城真司「ん?あれは・・・」
秋葉山翔「・・・・・・」
葛城真司「あれ、部長と新入りの子だよな?何か迫ってる様に見えるけど・・・」
葛城真司「そうだ・・・」
葛城真司「念の為録画して・・・」

〇大衆居酒屋
  そして現在。
秋葉山翔「んな!そんな事が本当に!?」
葛城真司「あの時たまたま見掛けたのは本当です・・・録画した物を社長に見て貰ったら直ぐ信じて貰えて、状況が悪化する前に」
葛城真司「出てこさせて頂きました・・・」
秋葉山翔「お、お前ぇ!!良くもそんな勝手な事ぉ!!」
星川大悟「勝手なのはどっちですか?」
秋葉山翔「あぁ!?」
星川大悟「赤木さんへのセクハラ、今回やった会議での押し売り・・・残業や飲み会の強制、僕からも社長に報告させて頂きました・・・」
星川大悟「正直僕ら、ウンザリしてたんですよ・・・」
秋葉山翔「な、何だとぉ!!今まで誰が面倒見てやったと思ってるんだ!?お前ら俺への恩を仇で返す気か!!」
星川大悟「もう・・・あなたの考えは古いんですよ・・・」
秋葉山翔「龍太郎!こいつら社会人として成ってねぇよ!!こいつらこそクビになるべきだろ!!」
滝沢龍太郎「それは出来ない相談だな・・・彼らをクビにする理由は無い・・・」
秋葉山翔「な、何でだよ!!俺がいなくなったらどうなるか分かってんだろ!!何より、瀬奈ちゃんは俺の事が好きなんだよ!!だから!!」
赤木瀬奈「あたし、あなたの事何とも思ってません・・・」
秋葉山翔「え?何でさ・・・色々教えてやっただろ・・・今回の会議だって、俺のカッコよさを見せる為に・・・」
赤木瀬奈「あたしも皆さんと同じ気持ちです・・・部長の考え方にはもうウンザリしてました・・・」
秋葉山翔「え?」
赤木瀬奈「あたしはまだ成人して無いのに飲みに連れてかれて、仕事場でもいつもしつこく絡まれて、そんなあなたがあたしに対して」
赤木瀬奈「何をしてくれたんです?これって独り善がりですよね?しかも自分をカッコよく見せる為に自分を押し売りするって、」
赤木瀬奈「馬鹿なんじゃ無いですか?ハッキリ言ってみっともないですよ?」
秋葉山翔「そ、そんな!俺じゃ無いなら、誰が好きなんだよ!!」
赤木瀬奈「決まってるでしょ?あたしが好きなのは葛城真司さん、只1人ですよ・・・」
葛城真司「え?俺が何だって?」
秋葉山翔「そ、そんな!嘘だ・・・嘘だ!!なぁ龍太郎!やっぱこいつらクビにするべきだ!こんな奴ら!!」
滝沢龍太郎「一体何度言わせるつもりだ?私はお前以外をクビにする気はどこにも無い・・・」
秋葉山翔「・・・!!」
秋葉山翔「何でだよ!何でだよ!!何でなんだよぉ!!!」
滝沢龍太郎「・・・長い事世話になったが、それもこれも今日までだな・・・」
星川大悟「社長、今日は本当にありがとうございました・・・」
滝沢龍太郎「いや、寧ろ良く報告してくれた・・・この様な事がもう起こらない様、私も社内を見直す必要があるな・・・」
滝沢龍太郎「今後の決定は、追って連絡する・・・それまで少し待っててくれ・・・」
赤木瀬奈「葛城さん・・・」
葛城真司「あ、うん・・・大丈夫だよ・・・さっきのあれ、部長から逃げる為の嘘なんだよね・・・俺は気にして無いから・・・」
赤木瀬奈「え?あたしそんなつもりで言ってませんよ?」
葛城真司「え?マジなの?」
赤木瀬奈「はい、だってそうじゃ無いですか?あたしの原案見て貰う為に態々好きでも無い人の家に上がったりしないですよね?」
葛城真司「あぁ、確かに言われて見れば・・・てっきり俺が話し易い方だと・・・」
赤木瀬奈「もう、それだけで行く女の子はいませんよ・・・でも葛城さんもあたしも、まだそこまでお互いの事知りませんよね?」
赤木瀬奈「だから、あたしとお友達になってくれませんか?教えて欲しい事、聞きたい事沢山あります・・・」
葛城真司「あ、あぁ・・・まぁ、宜しく・・・」
  確して、滝沢社長の意向により、秋葉山部長は正式にクビとなり、先の会議の決定も全て白紙となった。
  そして俺は赤木さんから好かれている事が分かったので、今日から友達となるのだった。

次のエピソード:7 栄光の道と堕落の道

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