〇オフィスのフロア
　　翌日。滝沢社長の意向で次の部長は星川さんに決まり、俺達は会議をやり直していた。
星川大悟「以上で、皆さんの意見を統合した結果、次の新作の案は赤木さんの物を採用及び、開発指揮官を赤木さんに任命する事と致します！」
赤木瀬奈「えぇぇえぇ!?あたしの案が採用で、あたしが指揮官ですかぁ!?」
葛城真司「おぉ！マジでか！おめでとう！」
赤木瀬奈「ま、待って下さい！あたしまだ荒削りで！」
星川大悟「分かってる・・・でもそう言うのは作る過程で修繕すれば良いだけの話だから大丈夫だよ・・・」
星川大悟「経験者で在る僕達がサポートするから、そこまで気負いしないでね・・・何より、実際やるのは貴重な経験になるよ・・・」
赤木瀬奈「は、はぁ・・・」
星川大悟「では、これにて会議を終了します！各自、次の仕事に遅れない様に！」
葛城真司「いやでも凄いよ！赤木さんの案、俺も見たいと思ってたからさ！」
赤木瀬奈「えぇ・・・ですが、あたしなんかで大丈夫ですか!?」
葛城真司「そりゃそうだよ・・・最初から出来る奴なんていないよ・・・」
赤木瀬奈「え？」
葛城真司「誰でも失敗や経験を積み重ね成長するからね・・・寧ろ失敗しないで一人前になれる奴はいないから・・・」
葛城真司「何より失敗したからこそ出来る事だってあるのは本当だし、こうやって経験を積めばもっと先にだって行けるからさ・・・」
赤木瀬奈「葛城さん・・・」
葛城真司「分からない事があれば聞けば良い、失敗したらまたやり直せば良い・・・これから大変になるけど、また一緒に頑張ろう・・・」
赤木瀬奈「・・・はい！」
赤木瀬奈「あの、葛城さん、このゲームが上手く行ったら、あたしとデートしてくれませんか？」
葛城真司「あぁ、落ち着いたらね・・・」
赤木瀬奈「・・・！約束ですからね！」
　　秋葉山部長とは色々あったとは言え、俺達はここから再スタートを切るのだった。
　　部長がクビになってからの職場は大分静かになり、俺達の仕事も以前よりやり易かった。
　　俺達が新作ゲームを完成させて俺が赤木さんとデートをする事になるのは、また別の話だ。

〇繁華な通り
秋葉山翔「くそ！また面接落ちた！どいつもこいつも分かってねぇな!!」
　　一方、秋葉山部長は解雇されてから１人で他社への面接を試みていたが、年齢の事もあって中々受からないでいた。
秋葉山翔「経験豊富で即戦力になれるこの俺が何で面接に受からないんだ!?あいつらの目と考えが腐ってるのかぁ!?」
モブ女「あら？おじ様ここに１人ですか？」
秋葉山翔「あぁん？何だお前？俺は今金が無いんだ、他を当たってくれ・・・」
モブ女「え？もしかしてお金無い感じ？」
秋葉山翔「あぁ、前の職場で可愛い女の子を恋愛対象に見ただけでクビになっちまったんだ・・・だから今就活しててな・・・」
モブ女「そうなんだ！ならおじ様、私の働いてるお店見てかない？」
秋葉山翔「へ？君のお店？」
モブ女「うん！私バーで働いてるんだけどね、凄く簡単に稼げる方法があるの！」
秋葉山翔「えぇ！それ本当かい!?」
モブ女「えぇ！難しい事とかしなくて大丈夫だから、行って見ない？」
秋葉山翔「行く行く！今直ぐ行く!!」
モブ女「決まりね、じゃあ行きましょうか・・・」

〇ジャズバー
秋葉山翔「へぇ、ここが君の働いてる店か・・・それで、簡単に稼ぐ方法って？」
モブ女「それはこれよ・・・」
秋葉山翔「これは？」
モブ女「簡単なゲームよ・・・指定されたカードを当てるゲーム・・・でもこれをやるには幾らかお金を払って貰う事になるわ・・・」
モブ女「勝てばお金は倍になって手元に戻り、負ければ全額損失・・・面白そうでしょ？」
秋葉山翔「えぇ？要するにギャンブルじゃん・・・出来るかなぁ？」
モブ女「大丈夫！怖いのは最初の内だけよ！楽してお金を稼ぎたいと思わない？」
秋葉山翔「う〜ん、そうだな・・・」
秋葉山翔「良し！君に会えたのも何かの縁だ！やって見るよ！」
モブ女「ありがとう・・・じゃあ幾ら駆けるか選んでね・・・」
　　怪しいお店に入った秋葉山部長は危険なギャンブルに手を染めてしまった。最初の内こそ上手く行っていたが、後々になって
　　上手く行かなくなって来てしまい、部長は引くに引けなくなってしまった。やがて部長はギャンブルの魅力に取り憑かれてしまい、
　　気が付けば多額の借金が残ると言う事実と直面するのは、時間の問題だった。
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