美女と野蛮人

夏目心 KOKORONATSUME

5 部長の横暴 前編(脚本)

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〇オフィスのフロア
  作成会議当日。俺達は持てるだけのアイディアを持って会議に挑み、話し合いの末に結論が出た。
秋葉山翔「良く聞けお前ら、皆の意見を出し合って一つの結論に至った・・・次の新作は、俺が提案したゲームを作成する事とする!」
赤木瀬奈「ちょっとちょっと嘘でしょ!?部長の案って完全に独り善がりな奴じゃ無いですか!!しかも誰も意見に賛同して無かったし!!」
星川大悟「あぁ、やっぱりこうなったか・・・」
秋葉山翔「まぁ、当然の結果だよな!」
葛城真司「ぶ、部長、お言葉ですが、部長が考案したのってどんな感じでしたっけ?」
秋葉山翔「何だ?もう忘れたのか?苛められっ子の小学生がいじめっ子に復讐する為に色んな悪さをして最後にはいじめっ子に」
秋葉山翔「復讐するんだよ・・・」
葛城真司「えぇ・・・でもそれ、仮に出来たとしてもウケます?レーティング審査は出るとは言え・・・」
秋葉山翔「あぁ!何ゴチャゴチャ言ってるんだよ!俺が決めたんだからやるんだよ!上官の命令は絶対!破ればどうなるか分かってんのか!?」
葛城真司「え、えぇ・・・」
秋葉山翔「さて瀬奈ちゃん、今日の夜は空いてるよな?今日は俺と一緒に飲みに行くぞ・・・」
赤木瀬奈「え?ま、待って下さい!あたし今日用事が!」
秋葉山翔「良いから行くんだよ!大丈夫!俺が楽しませてやるからさ!」
星川大悟「部長!お言葉ですが、今一度考え直して頂けませんか?赤木さんが来てからの部長は横暴が過ぎます!だから!」
秋葉山翔「だから煩ぇなぁ!!お前と葛城は残って残業してろ!これは命令だからな!」
星川大悟「部長!!」
秋葉山翔「ま、どれもこれも決定事項だ・・・瀬奈ちゃん、早く仕事に戻ろうね・・・」
赤木瀬奈「は、はい・・・」
星川大悟「あぁ、正直ここまで行くとなぁ・・・」
葛城真司「あの、先輩・・・」
星川大悟「ん?どうしたんだい?」
葛城真司「部長の事、社長にも話してるんですよね?」
星川大悟「うん、そうだけど・・・」
葛城真司「俺も俺で部長の事見て来ました・・・部長が飲みに行くってなってますから、ちょっと相談したい事が・・・」
星川大悟「相談?何だい?」
葛城真司「はい、実は・・・」

〇大衆居酒屋
  それから今日の仕事終り、赤木さんは部長に連れられて居酒屋へ赴くのだった。
秋葉山翔「ぷはー!やっぱ仕事の後はこれに限るなぁ!」
赤木瀬奈「部長、あたし本当未成年なのでお酒類は無理ですから・・・」
秋葉山翔「分かってるってぇ!でも一緒に飲める日が楽しみだなぁ!」
赤木瀬奈「もう・・・やりたい事あったのに・・・」
秋葉山翔「あのさぁ・・・前は聞きそびれちゃったんだけどさぁ・・・瀬奈ちゃんって彼氏いるのぉ??」
赤木瀬奈「え?いませんが・・・てかあたし好きな人いますから・・・」
秋葉山翔「好きな人がいる!?それって俺?俺だよな!!?」
赤木瀬奈「いえ、部長じゃ無くて・・・」
秋葉山翔「俺に決まってるよなぁ!!そう言う事なら今夜は君の家に行こう!そしたら結婚もして子供も作って、それから!」
赤木瀬奈「ちょ!ちょっと待って下さい・・・あたしは・・・!」
「なるほど、彼らの話は本当だったか・・・」
秋葉山翔「あん?誰が喋った?」
「翔、暫く成績が良く無いが、またちゃんとやってくれると信じていたんだがな、こんな風になられては、」
「もう救いようが無いな・・・」
秋葉山翔「おぉい、だから誰だよ?」
滝沢龍太郎「翔、久し振りだな・・・」
秋葉山翔「えぇ!?龍太郎!?龍太郎じゃ無いか!!」
秋葉山翔「何だよ!お前も飲みに来てたのか!言ってくれりゃ一緒に飲んでたってのに!!」
滝沢龍太郎「翔、お前の事はお前の部下から聞いてる・・・随分好き放題してるそうじゃ無いか・・・」
秋葉山翔「あぁん?何言ってるんだよ?そんな事より飲もうぜ?」
赤木瀬奈「す、すみません、あなたは?」
滝沢龍太郎「あぁ、君とは初めましてだったな・・・私は夏目ゲームスの社長の滝沢だ・・・君の上司とは幼馴染でね・・・」
赤木瀬奈「え!夏目ゲームスの社長さんで、しかも部長の幼馴染って!?」
滝沢龍太郎「驚くのも無理は無いが、それはまた後にしよう・・・」
秋葉山翔「おおい龍太郎!何さっきからブツブツ言ってるんだよ・・・御託は良いから飲もうぜ・・・」
滝沢龍太郎「翔、先ずは水を飲んで酔いを覚ませ・・・話はそれからだ・・・」
秋葉山翔「あぁ、折角良い気分だったのに台無しにしやがって・・・んで、ここで何してるんだよ龍太郎?」
滝沢龍太郎「翔、お前の部下から聞いたぞ・・・お前、その女性社員の子にセクハラしてるんだってな?」
秋葉山翔「セクハラ?そんな事してねぇよ?ちょっと話し相手になって貰っただけだし・・・」
滝沢龍太郎「なるほど、本人には自覚が無いと言う訳か・・・今日お前がここに来る事は部下の面々から聞いてな・・・」
滝沢龍太郎「お前に対して言伝を言いに来た・・・」
秋葉山翔「えぇ!?もしかして昇進か!?幾らくれる様になるんだ!?」
滝沢龍太郎「あぁ、現時刻を持って、秋葉山翔、お前を解雇する・・・」
秋葉山翔「は、はぁ!?何でだよ!?夏目ゲームスを創設してから一緒に頑張って来た仲間だろ!?お前がここまでこれたのは」
秋葉山翔「誰のお陰だと思ってるんだよ!?」
滝沢龍太郎「確かにお前には感謝するべき所もある・・・」
滝沢龍太郎「だがそれ以前に、部下に対するパワハラやセクハラ!自身の独り善がりなプラン進行の強制!」
滝沢龍太郎「お前はいつからそんな風になってしまったんだ・・・ハッキリ言って見損なったぞ!!」
秋葉山翔「ちょ!ちょっと待て龍太郎!俺はこれまで会社の為に毎日残業したりやる気の無い部下を叱咤激励して来たんだぞ!」
秋葉山翔「俺はいつだって社会貢献して来たんだ!本当に悪いのは物覚えの悪いあいつらだ!!」
滝沢龍太郎「・・・そうか・・・なら彼らの意見も聞いて見るか・・・」
滝沢龍太郎「おい、来てくれ・・・」
星川大悟「部長、お疲れ様です・・・」
秋葉山翔「え?お前ら?残業してたんじゃ無いのか!?」
星川大悟「まだ分からないんですか?今日はこれ以上やるべき事は無いんですよ?」
秋葉山翔「はぁ!?無いなら自分で探せよ!!そんな事も出来なくなったのか!?」
葛城真司「部長、あなたのこれまでの事は全部社長に報告してます・・・初めて赤木さんに迫った時の事とか、」
葛城真司「その他それまでやらかしてた事全部・・・」
秋葉山翔「は?どう言う事だ?」
葛城真司「あの時の事は確り動画撮影機能で録画させて頂きました・・・訴える要素としては充分でしたよ・・・」
秋葉山翔「は、はぁ!?いつの間にそんな事してたのかぁ!?」
  そうだ、俺は初めて彼女が入社したあの日、俺は密かに当時の事を撮影してたのだった。

次のエピソード:6 部長の横暴 後編

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