美女と野蛮人

夏目心 KOKORONATSUME

3 野蛮な部長(脚本)

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〇オフィスのフロア
  俺が新入りの子を助けた翌日。俺はこれから始まるゲーム作成会議に向けて準備をしていた。
葛城真司「良し、取り合えず一段落か・・・」
赤木瀬奈「えっと、葛城先輩・・・」
葛城真司「ん?俺に何か?」
赤木瀬奈「えっと、星川さんに頼まれた資料やったんですが、葛城先輩に確認取りたくて・・・」
葛城真司「え?それなら直接星川さんに見て貰った方が早く無い?」
赤木瀬奈「あ、今星川さん不在なんです・・・だから・・・」
葛城真司「そっか・・・でも俺も慣れて無い所あるから、後で星川さんにも確認確りね?」
赤木瀬奈「分かりました・・・後もう一つ良いですか?」
葛城真司「何だい?」
赤木瀬奈「今日の午前の仕事終わったら、あたしと一緒にランチ行きませんか?良いお店知ってるんです・・・」
葛城真司「え?まぁその位なら・・・」
赤木瀬奈「・・・!ありがとうございます!後で必ず!」
葛城真司「あぁ、取り合えず資料見せて・・・」
赤木瀬奈「はい!」
秋葉山翔「・・・・・・」

〇レトロ喫茶
  それから俺は赤木さんの誘いでランチに行く事に。
葛城真司「おぉ、こりゃまたオシャンティな所だな・・・」
赤木瀬奈「はい、あたしの個人的な行き付けなんです・・・ここのパスタが凄く美味しくて・・・」
葛城真司「なるほどね・・・何か楽しみになって来たな・・・」
  それから俺達は店員さんに案内されて席に座り、各々注文を決めるのだった。
赤木瀬奈「えっと、ミートソース単品とクリームパスタ単品・・・後ドリンクバーで以上になります・・・」
店員「畏まりました!今暫くお待ち下さい!」
葛城真司「いやはや、午前も何だかんだ頑張ったな・・・」
赤木瀬奈「あの、葛城先輩・・・」
葛城真司「ん?どうした?」
赤木瀬奈「何と言うかその、昨日はありがとうございました・・・昨日のあれ、あたしの事助けてくれたんですよね?」
葛城真司「あぁ、うん・・・流石に見てられなかったから・・・」
赤木瀬奈「本当に助かりました・・・あたし自身はあの部長に対して何もして無いんですが、多分あの人、あたしの容姿を見て」
赤木瀬奈「声掛けたんですよね・・・」
葛城真司「あぁ言う経験は何度かあるの?」
赤木瀬奈「あ、はい・・・ナンパされる事は何度かありましたが、寄りに寄って就職先にあんなタイプがいるなんて思っても無くて・・・」
葛城真司「まぁ、君俺から見ても美人だし、そんな目に合うのも無理無いかな・・・」
赤木瀬奈「本当、迷惑してますよ・・・」
葛城真司「まぁ、困った事があれば言ってね?少し位は何か出来ると思うから・・・」
店員「お待たせ致しました!ご注文のお品物になります!」
赤木瀬奈「あ、ありがとうございます!」
店員「それではごゆっくり!」
  それから俺達は食事と会話を楽しみ、割り勘して店を後にした。

〇オフィスの廊下
秋葉山翔「あぁ!やっと見つけた!!」
葛城真司「あれ?どうしたんです部長?そんな血相変えて・・・」
秋葉山翔「どうしたもこうしたも無い!葛城お前!何俺の部下を勝手に連れ出してるんだ!?しかも俺の許可も無く!!」
葛城真司「え?普通に食事してただけですが?」
秋葉山翔「食事だぁ!?俺の部下を誘おうってなら普通俺に許可を貰いに行くだろう!!何でやらなかった!?」
赤木瀬奈「部長、お言葉ですが、あたしは葛城先輩に誘われたんじゃ無くて、あたしが自分からさそったんです・・・」
赤木瀬奈「それで怒るのは何かおかしいですよ?」
秋葉山翔「そんな訳無いだろ!!瀬奈ちゃん!こいつに何か弱みでも握られてるのか?だったら俺が助けてやるよ!!」
星川大悟「ちょっとちょっと!これは一体何の騒ぎですか!?」
葛城真司「あ、先輩・・・」
秋葉山翔「聞いてくれよ星川!葛城の奴が俺の部下を勝手に食事に連れ出したんだ!!」
星川大悟「はぁ?」
赤木瀬奈「あの、違うんです!あたしから葛城先輩を誘ったんです!だから葛城先輩は何も悪く無いんです!」
星川大悟「えぇ、一体どうなってるんだ?とにかく話を聞くから、部長も一度落ち着いて下さい・・・」
秋葉山翔「ぐぬぬ・・・」
星川大悟「それで何があったんだい?」
葛城真司「星川さん、彼女が言ってる事は本当です・・・断る理由も無かったので誘いには乗りました・・・」
秋葉山翔「だから!それは葛城の嘘だろ!!」
星川大悟「う〜ん、葛城君のこれまでを見て、遊び半分で嘘を付く様なキャラじゃ無いのは分かるんだよね・・・」
秋葉山翔「はぁ!!星川!お前はそいつの味方するのかよ!?」
星川大悟「そりゃ、彼の担当教育したのは僕ですから・・・」
秋葉山翔「お前〜!」
葛城真司「う〜ん、やっぱ昨日のあれ隠すのは良く無いよな・・・」
星川大悟「ん?どうしたんだい?」
葛城真司「星川さん、実は昨日、部長が赤木さんにしつこく迫ってた所見たんですよ・・・」
葛城真司「その時俺、たまたま通り掛かったから助けたんです・・・」
星川大悟「えぇ!?またやったんですか!?」
秋葉山翔「だからぁ!あれは教育的指導だって前から言ってるだろ!?」
葛城真司「え?前もやってた感じなんですか?」
星川大悟「あ、うん、そうなんだ・・・女性への悪癖が酷くて、それが原因で離婚したそうだけど・・・」
秋葉山翔「はぁ!?お前それ今は関係無いだろ!!」
星川大悟「部長、忘れましたか?次問題を起こせば部長が危ないんですよ?」
星川大悟「ねぇ赤木さん、その時一体何があったの?」
赤木瀬奈「あ、はい・・・昨日突然呼び出されて、あたしの個人情報聞いて来て・・・」
星川大悟「どうやら悪いのは部長の方だな・・・そしたら、別の部署に異動させようか?上に頼んで確認取って貰うから・・・」
秋葉山翔「おいこら星川!!そんな勝手な事俺が許すと思うかぁ!!」
星川大悟「忘れたんですか?次女性に手を出したら後が無いって社長にも言われましたよね?」
秋葉山翔「あいつが怖くてナンパが出来るかぁ!!もう良い!瀬奈ちゃん!今日の仕事が終わったら一緒に飲むぞ!!」
赤木瀬奈「え?あの、あたしまだ18で・・・」
秋葉山翔「良いから!俺が飲もうと言ったら飲むんだよ!!これは命令だからな!!」
赤木瀬奈「もう、あたし今日用事あるのに・・・」
葛城真司「赤木さん、心配無いよ・・・俺がこっそり着いてって、危なくなったら助けるからさ・・・」
赤木瀬奈「先輩・・・」
星川大悟「ごめんね赤木さん・・・僕の方からも異動出来るか調べて置くから・・・」
赤木瀬奈「はい、ありがとうございます・・・」
  その後、赤木さんは本当に飲みに連れてかれる事となり、俺は密かに着いて行ったが、幸い飲まされる事も無く、
  飲み過ぎた部長をタクシーへ運ぶのを俺も手伝うのだった。

次のエピソード:4 入社の経緯

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