彼女いない歴=年齢の社畜男 30歳になる。

ジェットン

彼女いない歴=年齢の男 30歳になる。(脚本)

彼女いない歴=年齢の社畜男 30歳になる。

ジェットン

今すぐ読む

彼女いない歴=年齢の社畜男 30歳になる。
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇マンションの共用廊下
城之内 雄大「帰宅をしたが、今が...ちょうど20時か」
城之内 雄大「とりあえず飯にしたいが。 どうしようか。冷蔵庫に何もないことを、今まさに玄関の前で気が付いてしまった」
城之内 雄大「しかも金曜日の夜だからか、この時間でも駅前の飯屋街は混んでいた気がするし、外に食いに行くとしても結局今日も車か」
城之内 雄大「・・・・・・」
城之内 雄大「そういえば...俺は今、さらにまた別のことを思い出した。それも、俺としては別にどうでもいいが、人によってはそれなりのこと」
城之内 雄大「そうだ...。 忙しすぎて完全に忘れていたが、今日、確か俺の」
城之内 雄大「誕生日・・・だったな」
城之内 雄大「そうか。現実感は全然ないが今日で俺もとうとう30代...」
城之内 雄大「正直、自分が昔に思い描いていた30歳の自分と今の自分の現実があまりにも駆け離れすぎていて...」
城之内 雄大「子供の頃に思い描いていたその歳の自分は、結婚していて、子供がいて、一軒家を買って、大きな車を持って..」
城之内 雄大「いや、駄目だな...。 全て真逆の生活を送っていて、これ以上は考えたくもない」
城之内 雄大「現実は独身で、もちろん子供なんていない。住んでいるのも賃貸マンションだ...」
城之内 雄大「それに、幸いにも周りに恵まれて復活もしたが、一昨年にはメンタルを壊して1ヶ月ほど休職も経験する始末」
城之内 雄大「だから、正直、その時に結婚願望なんてものも完全に消滅した」
城之内 雄大「当たり前だ。自分1人支えられないのだから、しょうがないこと」
城之内 雄大「まあ、それでもだ。高校時代に、ぼっちだったあの時のことを考えると、全然マシな生活は送れている方なのだろう」
城之内 雄大「一応、大学も入りたかった有名私大に入れて、多くはないが友達もできて、それなりの企業に就職もできた」
城之内 雄大「生涯独身であろうが、あの頃の自分から考えると、俺にしては今の生活でも全然上出来だ...」
城之内 雄大「とりあえず、明日は休みだし、飯は筋トレでもしてから行こうと思う」
城之内 雄大「柄でもないのかもしれないが、メンタルを壊してからは軽くではあるが、筋トレやウォーキングを始めて今ではそれが日課」
城之内 雄大「おかげで、あの頃に比べると体重も20キロ落ちて、今では身長175センチに体重62キロ。一応、身体も心も健康体だ」
城之内 雄大「とにもかくにもだ。俺はこれ以上、多くを求めるつもりもない。独りは得意だし、ずっと独身で全然問題ない」
城之内 雄大「あっ、鍵。こっちにあったのか。 財布じゃなくてポケット。危ない」
賀喜 春「あ、雄くんも今、仕事から帰ってきたの?」
賀喜 春「フフッ、一緒だねー。 お疲れ様」
城之内 雄大「ん? ああ、お疲れ」
賀喜 春「ねぇ、もしかしてご飯。今週もこれから外にでも行く感じ?」
城之内 雄大「え、ああ。まあ」
賀喜 春「お、じゃあ。ちょっと待ってて。 今日も一緒に食べに行こうよ。雄くんも明日休みでしょ?」
城之内 雄大「まあ、そうだな。 わかった。車だけで準備してくる」
賀喜 春「OKー。 じゃあ10分後に駐車場に向かうねー」
城之内 雄大「あいよ」
城之内 雄大「さっきのは隣人の賀喜 春 彼女とは最近はよくよく考えれば毎週のように金曜日に一緒にご飯に行ってる気がする」
城之内 雄大「でも、まさか彼女と大人になってこんな感じでご飯に行く関係になるとは想像もしていなかったな・・・」
城之内 雄大「想像できるわけもない」
城之内 雄大「なんせ、彼女はぼっちだった俺の高校時代のクラスメイトで、あの頃はほとんど彼女と喋った記憶もないからな」
城之内 雄大「というか、自分で言ってて悲しくなるが、俺はそもそもクラスメイトの誰ともほとんど喋った記憶がなかったな...」
城之内 雄大「だからこそ、学校一の美女で人気もあった彼女と関わることなんてなかったし、あるはずかない」
城之内 雄大「そう。たまたま俺が去年にこのマンションに引っ越してきて、彼女が隣に住んでいただけだ」
城之内 雄大「それ以上でもそれ以下でもない」
城之内 雄大「まあ、そんな住んできた世界が天と地の差ほど違うであろう彼女だからこそ、俺も自然体でいられるのだがな」
城之内 雄大「そう。格が違いすぎで男女の関係とかを意識しようもないから」
城之内 雄大「そして、それは向こうも同じだろう。 俺のことは隣に住んでいる、暇潰し用の車の出せる犬ぐらいに思っているに違いない」
城之内 雄大「いや、それはちょっとまあ卑屈になりすぎか」
城之内 雄大「まあ、とにもかくにも、今まで彼女もできたことのない、彼女いない歴=年齢の俺と・・・」
城之内 雄大「学生時代もモテにモテていて、つい2ヶ月ほど前まで彼氏もいた賀喜とでは人間の性能があまりにも違いすぎる」
城之内 雄大「現に、一応彼女も今年30になる歳ではあるが、全く結婚に焦る素振りも全く見せない」
城之内 雄大「さすが、引く手数多かつ選べる側の人間は違う」
城之内 雄大「でも、ほんと。彼女が別れたぐらいのその辺りから毎週の様に一緒に飯行ってんな・・・」
城之内 雄大「まあ、足に使われているだけで、別に無理やり奢らされたりするわけでもないからいいんだけど...」
城之内 雄大「どうせ、もう少しすれば、彼女もまた新しい彼氏。いや、結婚でもして、こういうのもなくなるだろうし」
城之内 雄大「所詮、今だけだ」
城之内 雄大「まあ、何でもいいけど。とりあえず車が散らかってないかだけ先に見に行くとするか...」

次のエピソード:隣人と金曜日の夜

成分キーワード

ページTOPへ