彼女いない歴=年齢の社畜男 30歳になる。

ジェットン

隣人と金曜日の夜(脚本)

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〇ファミリーレストランの店内
城之内 雄大「それにしても、混んでたとは言え、ファミレスで良かったのか?」
賀喜 春「うん。全然OK。 ファミレス好きだし」
賀喜 春「フフッ、それに今日の一番の目的は別にあるし」
城之内 雄大「?」
賀喜 春「でも、やっぱり高校生とか家族連れが多いよねー。 懐かしいなー。覚えてる?高校の最寄のガスト。あそこまだあるんだよ」
城之内 雄大「いや、友達がいなかったから、自慢ではないが高校時代はあそこに行った思い出は皆無だな」
賀喜 春「ハハハ、確かそうだったね。 雄くん、友達いなかったんだったね」
城之内 雄大「ああ、入学早々ちょっとした人間関係のいざこざで意固地になってしまった自分の自業自得なのだろうが、机が親友だったからな」
賀喜 春「ハハハ、机が親友って」
城之内 雄大「でも、そういえば」
城之内 雄大「前にもちょっと聞いたかもしれないけど、何で賀喜さんは俺なんかの存在を覚えていたんだ?」
城之内 雄大「そう。普通は彼女みたいな天上人が俺なんかの存在を覚えているのはおかしいこと」
城之内 雄大「現にぼっちだった俺の方は、ほとんどの同級生の名前を申し訳ないが覚えていない。まあ、嫌いだった奴の名前は普通に覚えてるけど」
城之内 雄大「だから実際、引っ越しの挨拶をした時に、彼女が俺のことを覚えていたことがわかって普通に驚きに驚いた記憶がある」
賀喜 春「フフッ、だって、雄くん。 色んな意味で面白かったんだもん」
城之内 雄大「ん?面白かった?ほぼほぼ誰とも喋らなかった俺が?」
賀喜 春「うん。 だってさ。地味に成績も学年トップだったでしょ?」
城之内 雄大「え?何で知ってんの? あれって、点数で自分の順位がわかるだけで名前は開示されてなかった記憶があるけど...」
賀喜 春「えへへ、内緒ー」
賀喜 春「あとはねー、そう。 地味に運動神経も良かったし」
城之内 雄大「ハハ、地味に。 そうだったかな。あまり自覚はないけど」
賀喜 春「うん。球技大会のサッカーとかでもさ。キーパー押し付けられて可哀想だなーと思っていたら、地味にファインセーブしまくりで爆笑」
賀喜 春「それに、フフッ。今思い出しても笑えるけど」
賀喜 春「文化祭で男子はさ。クラスで数グループに別れてバンド演奏みたいなことする出し物とかあったじゃん。強制のやつ」
城之内 雄大「あー、何かそんなこともあったな」
賀喜 春「そう。それに1人で登録してたからさ。それも正直、可哀想だなーなんて思ってたんだけど、フフッ」
賀喜 春「まさかの、1人でボーカルしながらギターソロ、さらにドラムソロとかやりだして。凄すぎて笑ったもん」
城之内 雄大「まあ、あの時。誰も俺に興味なくてほとんど皆、別の出し物見に行った記憶があるんだけど。 そっか、いたんだ...恥ずかしいな」
賀喜 春「ほんと、雄くんって地味に何でもできたよねー」
城之内 雄大「いや、別に自分では全く大したことをしたような覚えはないけど」
城之内 雄大「まあ、人並みのことは何でも独りでできるようになっておかないと、ぼっちは即詰みだったから」
賀喜 春「ハハハ、いやいや、人並み普通に超えてて超人だから」
賀喜 春「ま、ほとんどの人は気付いてなかっただろうけど」
城之内 雄大「ハハ、いやいや、俺はただの社会不適合者の協調性のないぼっちだったから」
城之内 雄大「今も、奇跡的にギリギリ社会人できているだけだからね」
賀喜 春「ふーん、奇跡的にあんな有名大企業に就職できるんだ。私、あそこ落ちたんだよー」
城之内 雄大「ハハ、大企業かもしれないけど、ブラックだから落ちて正解だよ。賀喜さんを落として俺を雇用した時点でみる目のない会社だからね」
賀喜 春「フフ、そんなお上手なお世辞なんて言えるようになっちゃって。 高校の頃は私が話しても無機質な返事しかしてくれなかったのにね」
城之内 雄大「いやいや、あんま覚えてないんだけど、もしそうならば、本当にすみません。 あの頃はちょっと色々と俺も頭がおかしくなっていて」
城之内 雄大「しかも、賀喜さんみたいな女性から話しかけられることなんてまずあの頃の俺は想定してなかっただろうから」
賀喜 春「まあ、でも雄くんはやっぱり優しかったんだけどね。 フフ、それは私に向けてではなかったんだけど」
城之内 雄大「?」
賀喜 春「ハハ、ごめんごめん。こっちの話」
賀喜 春「あっ、そうだ」
賀喜 春「忘れないうちに渡しておくね。 はい、これ」
城之内 雄大「え? ネクタイ? 俺に」
賀喜 春「うん。何回かご飯奢ってもらった時の御礼」
城之内 雄大「いやいや、あれは勝手に俺が出したけだし。 これ、何かかなり高そうな気が...さすがに」
賀喜 春「ん?何かまずかった? 別に今、雄くんって彼女いないんだよね」
城之内 雄大「ま、まあ、ずっといないけど」
賀喜 春「もー、もったいないなー。 やっぱり前も言ってたけど、いらないの?」
城之内 雄大「いやいや、いらないわけではなく、できないし、俺みたいな男ではどうせ相手を不幸にするだけだから諦めただけ」
賀喜 春「えー、絶対そんなことないのになー 面白いし、清潔感もあるし、昔に比べてかなり痩せてほどよく筋肉質」
賀喜 春「実際は引く手数多なんじゃないのー?」
城之内 雄大「いやいや、そんなわけないし 引く手数多はそっちでしょ。賀喜さんこそ、昔からモテにモテているのに結婚とか考えなかったのか?」
賀喜 春「んー、フフッ、いや、考えてるよ。 だから、前の彼氏とは別れたんだもん。さすがに私も浮気されたりしてムカついてたしね」
賀喜 春「ま、正直なところ。できれば30歳になるあと数ヶ月の間には結婚したい気はあるかな」
賀喜 春「だから、私は次付き合う人と結婚したいと思ってるよ」
城之内 雄大「そ、そうなんだ。 それは頑張ってください」
城之内 雄大「ま、賀喜さんなら頑張らなくても余裕だろうけど」
賀喜 春「フフ、実際そんなことは全くなさそうだけどね。 まあ、頑張っちゃうけど」
賀喜 春「とりあえずはい。 一応このネクタイ、誕生日プレゼントも兼ねてるから受け取ってほしいなー」
城之内 雄大「え?何で知ってんの? 俺自身も忘れてたのに」
賀喜 春「ハハハ、自分の誕生日忘れちゃうんだ。 私はほら、LINEの機能でもうすぐ誕生日の友達で偶然でてきたから」
城之内 雄大「あー、あれかー」
賀喜 春「うん」
城之内 雄大「でも、とりあえず、あ、ありがとう。 かなり驚いたけど、そういうことならせっかくなのでいただきます。 ありがとうございます」
賀喜 春「うんうん。 ちなみに私の誕生日は来月末だからよろしくね」
城之内 雄大「・・・」
賀喜 春「よろしくね」
城之内 雄大「はい...」
賀喜 春「まあ、とりあえずこれからも隣人同士、仲良くしようね。 雄くん」
城之内 雄大「え、ああ。もちろん」
城之内 雄大「でも、雄くん...か。 最近はそう呼ばれるのも慣れてきたかと思ったけど」
城之内 雄大「そんな感じで笑顔でそう呼ばれてしまうと、意識などしてなくても本能的にドキッとしてしまうことがたまにある」
城之内 雄大「確か、中学の頃の男友達がたまたま家にきた時に、俺のことをそう玄関前で呼ぶ彼のことを見てからだったのだろうか」
城之内 雄大「いつの間にか、彼女からも、俺は雄くんと呼ばれるようになっていたんだよな。 さすが、昔からコミュ力高い人は凄い」
城之内 雄大「息をはくように、そうやって誰とでも距離をつめて仲良くなってしまうのだろう」
城之内 雄大「まあ、そんなことは別に今は正直どうでもいいけど」
城之内 雄大「・・・」
城之内 雄大「来月末の彼女の誕生日にするお返し。 どうすればいいんだこれ...」
城之内 雄大「相手のレベルが高すぎてやばすぎる...」

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