アニメと現実 令side(1)(脚本)
〇女の子の一人部屋
目が覚めると、俺は女性の部屋にいた。
「え⁈」
この声は俺の声じゃない。
高い声だ。
近くにあった鏡で自分を見る。
そこには俺と同じ歳ぐらいの女性が映っていた。
平 あい(まさか、入れ替わった?!)
平 あい「取り敢えず名前を・・・・・・」
勉強机の上にあったノートを見た。
2−B 平あい
平 あい「平あい・・・・・・」
呟いてみたが、聞いたことのない名前──知らない人だ。
「あいー?ご飯だよー」
平 あい「はーい」
俺は駆け足でダイニングに行った。
〇おしゃれなリビングダイニング
朝食を食べていると、平あいの母がこちらをまじまじと見つめている。
平 あい「え?」
平 早苗「いや、沢山食べて驚いちゃった」
と母が言い、
平 賢司「沢山食って背を伸ばせ」
と父が言った。
〇飾りの多い玄関
平 あい「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
〇教室
杜 爽加「あい!おはよ!」
平あいの友達だろうか。
平 あい「あ、おはよ。ってか誰?」
杜 爽加「え?忘れたの?私は杜 爽加(もり さやか)だよ」
杜 爽加「ってかどうしたのー?元気ないじゃん」
「あ、いや、何でもない」
本当のことを言えない。
いや、100%入れ替わったとは言い切れない。
だけど気になる。
平 あい「あのさ、入れ替わりって信じる?」
思い切って言ってみた。
杜 爽加「んー。信じないけど、そういうサイトはあるよ」
サイト・・・・・・?
平 あい「サイト?」
杜 爽加「うん。“入れ替わりサイト”って言うんだけど」
平 あい(きっとこれだ!)
平 あい「ぱ、パソコン、持ってる“か”?」
あ、いつもの癖で“か”と言ってしまった。
杜 爽加「パソコン?パソコン室ならあるけど・・・・・・」
バレていないみたい。
俺は少しほっとした。
平 あい「どこ?」
杜 爽加「忘れたの?あそこを右で・・・・・・図書室を左に曲がるとあるよ」
平 あい「ありがとう」
杜 爽加「今日のあい、何かおかしい・・・・・・」
〇インターネットカフェ
入れ替わりサイト
俺はすぐに調べた。
平 あい「これだ!」
平 あい「何これ・・・・・・」
少し不気味だった。
俺はやってみたが、
エラーが発生しました。もう一度お試しください。
と表示されてしまった。
平 あい「何で・・・・・・?」
もしかしたら、俺は2度と戻れないかもしれない。
誰がやったのか・・・・・・
どうしよう。
俺は焦った。