8 まどかの忘れ物(脚本)
〇アパレルショップ
あたしの誕生日が過ぎてから暫く。
星宮まどか「う〜ん、どれが良いかなぁ・・・」
星宮母「まどか、こっちは買い物終わったわ・・・」
星宮まどか「あ、お母さん、ごめん任せっきりにしちゃって・・・」
星宮母「良いわよ・・・それより、あなたは何買うか決めたの?」
星宮まどか「う〜んそれなんだけどね・・・中々良さそうなのが見つからなくて・・・」
星宮母「まぁ悩んで当然よね!まさか宏斗君が手作りケーキをご馳走してくれるんだもの!」
星宮まどか「本当ビックリしたよ・・・ケーキ作り教えて貰ってるって聞いてたのは本当だけど、まさかあそこまでして貰えるなんて」
星宮まどか「思わなかったから・・・」
星宮母「本当、あの子には感謝してもし切れないわ・・・だからこそ、めい一杯のお返しをしないとね!」
星宮まどか「うん!」
星宮母「それで、何渡すか決めたの?」
星宮まどか「その、全然分からなくて・・・」
星宮母「う〜んそうね・・・そしたら・・・」
お母さんと一緒に買い物に来てたあたしは、宏斗へのプレゼント選びに迷ってた。お母さんが買い物を済ませて合流したので、
あたしはお母さんからアドバイスを貰うのだった。
〇教室
翌日。
大島武「あぁ、やっと期末期間終わった・・・」
前川敦子「本当、良く頑張ったよ・・・あんたら何点位だった?」
黒部真由「私はいつも通りかな・・・大島君は?」
大島武「安心しろ・・・赤点は取らなかった・・・うん・・・」
前川敦子「大島、あんたもっと元気だしなよ・・・因みにあたしは学年9位だよ・・・」
大島武「く〜!嫌味か!!」
前川敦子「勉強してないあんたが悪い!」
大島武「く〜!覚えてろよぉ!!」
黒部真由「あぁ、まぁまぁ!」
星宮まどか「・・・宏斗は、まだ来て無いか・・・」
黒部真由「あ、まどかちゃんお早う!」
星宮まどか「あ、お早うございます真由さん・・・」
黒部真由「大丈夫だよ、宏斗ならまだ来て無いよ・・・」
星宮まどか「え!?あたしまだ何も・・・」
黒部真由「まどかちゃん、いつも教室に入ったら真っ先に宏斗の事探すでしょ?流石に慣れちゃったよ・・・」
星宮まどか「え?見てたんですか!?」
黒部真由「そりゃ友達だもん・・・て言うか、まどかちゃんって案外分かり易い所あるからさ・・・」
星宮まどか「え、えぇ・・・」
鳥海宏斗「皆お早う!」
星宮まどか「あ、宏斗!」
鳥海宏斗「まどかお早う・・・」
星宮まどか「あ、宏斗、ちょっと時間良いかな?」
鳥海宏斗「・・・?」
星宮まどか「確かにここに・・・って・・・」
星宮まどか「あ、あれ?ここに入れた筈なんだけど・・・」
鳥海宏斗「まどか、どうしたんだ?」
星宮まどか「え?あぁ!何でも無いよ!ごめんね!大丈夫だから!」
鳥海宏斗「ん?そうか?何かあれば言ってくれよ?」
星宮まどか「う、うん!」
星宮まどか「・・・・・・」
星宮まどか「・・・プレゼント、忘れた・・・」
〇学校の廊下
昼休憩。
前川敦子「まどか!」
星宮まどか「あ、敦子さん、真由さん・・・」
前川敦子「ねぇ、今朝何かあったのかい?」
星宮まどか「え?あたし何も・・・」
黒部真由「今朝言わなかった?まどかちゃん分かり易い所あるって!」
星宮まどか「あ・・・」
前川敦子「鳥海に言えない事あるなら、あたしらが聞くよ・・・」
星宮まどか「・・・・・・」
星宮まどか「あ、それなら、屋上に行きたいです・・・」
前川敦子「決まりだね!行こう!」
〇高い屋上
星宮まどか「良かった・・・誰もいない・・・」
前川敦子「んで、何があったんだい?」
星宮まどか「あぁ、実はですね・・・昨日お母さんの買い物に付き合ってて、あたし宏斗にこの前手作りケーキくれたから、」
星宮まどか「何かお返ししたくて昨日買ったんですが・・・今朝鞄に入れたつもりが、忘れちゃった見たいで・・・」
前川敦子「ありゃりゃ、マジか・・・」
黒部真由「それで元気無かったんだね・・・大丈夫だった?」
星宮まどか「う〜ん・・・あんまり大丈夫では無いです・・・」
前川敦子「事情は良く分かった・・・んで、家に忘れたのかい?」
星宮まどか「はい、多分・・・」
前川敦子「そっか・・・なら学校が終わったら早めに取りに行った方が良いよ!そんなに気を落とさないで!」
星宮まどか「敦子さん・・・」
黒部真由「そうだよ!誰でも失敗する事はあるから、深く考え過ぎないでね!」
星宮まどか「・・・!ありがとうございます!」
2人に励まされながら、あたしは午後の授業に打ち込み、直ぐに家に帰るのだった。
〇女の子の一人部屋
星宮まどか「さて、早く探さないと!」
星宮まどか「あ、あれ?」
星宮まどか「ど、どうしよう・・・どこに置いたっけ・・・」