踏み出す一歩 セカンドシーズン

夏目心 KOKORONATSUME

7 まどかの誕生日(脚本)

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夏目心 KOKORONATSUME

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〇アパートの台所
鳥海宏斗「良し!出来た!」
鳥海宏斗「・・・・・・」
鳥海宏斗「はむ・・・」
鳥海宏斗「・・・・・・」
鳥海宏斗「駄目だ・・・まだ何かが足りない・・・」

〇教室
  翌日。
鳥海宏斗「ふわぁ・・・」
大島武「鳥海おっはー!」
鳥海宏斗「あ、大島お早う・・・」
大島武「あれ?その様子また徹夜でもしてたのか?」
鳥海宏斗「まぁ、そんな所・・・」
大島武「精が出るなぁ・・・でもあんまりやり過ぎると後で自分が参るぜ?休日位は確り寝て置かないと・・・」
鳥海宏斗「分かってる・・・でも俺には余り時間が無いから・・・」
大島武「彼氏になるのも楽じゃ無いわな・・・今日もバイトか?」
鳥海宏斗「勿論さ・・・」
大島武「そっか・・・まぁ困った事があれば言えよ?ちっとは足しになれると思うからさ!」
鳥海宏斗「・・・何としても免許皆伝にならないとな・・・」

〇テーブル席
  放課後、宏斗は単身でバイトに赴く。
鳥海宏斗「エスプレッソとチーズケーキ、2人分で宜しいですね?」
モブ「はい、お願いします!」
鳥海宏斗「承りました!」
モブ「あぁ、今日も頑張ったなぁ!」
モブ「本当!頑張った後のデザートって格別だよね!」
鳥海宏斗「お待たせ致しました!ご注文のお品物になります!」
モブ「あ、ありがとうございます!」
鳥海宏斗「それではごゆっくり・・・」
モブ「さて、今日もお疲れ様会やろうか!」
モブ「えぇ!」

〇テーブル席
  数時間後。
鳥海宏斗「・・・・・・」
草壁真由美「はむ・・・」
鳥海宏斗「・・・・・・」
草壁真由美「・・・・・・」
草壁真由美「・・・・・・」
鳥海宏斗「ど、どうでしょうか・・・」
草壁真由美「・・・あえて言うなら・・・」
草壁真由美「79点と言った所かしら?」
鳥海宏斗「え?ギリギリ不合格!?」
草壁真由美「ここ最近宏斗君がケーキ作り頑張ってるのは私から見ても分かったわ・・・でもハッキリ言うと、」
草壁真由美「80点をちょっと超えた位で満足されても店側としても困るのよね・・・」
鳥海宏斗「は、はぁ・・・」
草壁真由美「ねぇ宏斗君、最近ケーキ作り頑張ってる見たいだけど、何かあった?」
鳥海宏斗「え?」
草壁真由美「そもそも興味が無ければここまで頑張るなんて事は出来ないけど、宏斗君、何か焦って無い?」
草壁真由美「私で良ければ話聞くよ?」
鳥海宏斗「・・・そうですね・・・隠してた訳じゃ無いんですが・・・俺、彼女がいて、もう直ぐ誕生日なんですよ・・・」
草壁真由美「え?もしかして宏斗君、その彼女さんの誕生日ケーキ・・・」
鳥海宏斗「はい、自力で作りたいんです!その為にも、免許皆伝にならないと行けなくて・・・」
草壁真由美「・・・何だ、最初からそう言ってくれれば良かったのに・・・」
鳥海宏斗「先輩?」
草壁真由美「何で今まで言ってくれなかったかは聞かないけど、そう言う事なら早めに相談しなさいよね!あなたがやる気なら、」
草壁真由美「幾らでも力貸すから!」
鳥海宏斗「・・・先輩・・・」
草壁真由美「さて、そう言う事なら私もボサッとしてられないわね!宏斗君ちょっと待ってて!改善メモ書いて来るから!」
鳥海宏斗「・・・はい!」
  宏斗は宏斗で彼氏として頑張っていた。あたしの誕生日はもう直ぐで、宏斗があたしの為にケーキ作りの練習をしてる事を、
  今はまだ知らなかった。

〇明るいリビング
  数日後。
星宮まどか「あ、来た来た!」
星宮まどか「あ、皆さん待ってました!」
大島武「お待たせ〜!」
前川敦子「誕生日おめでとう!」
黒部真由「今日はめい一杯楽しもうね!」
星宮まどか「はい!ありがとうございます!取り合えず上がって!」
  今日はあたしの誕生日だ。今までやった事こそ無かったが、あたしは思い切って皆と一緒にやりたいと思い、
  家へと招いて見た。
黒部真由「あ!チャム君久し振り!元気だった?」
星宮まどか「あ、あの・・・」
黒部真由「ん?どうしたの?」
星宮まどか「宏斗・・・じゃ無かった、鳥海君にも声掛けたんですが、鳥海君は一緒じゃ無いんですか?」
大島武「あぁ、鳥海?言って無かったか?あいつは遅れるってよ?」
星宮まどか「そ、そうですか・・・」
チャム「・・・・・・」
前川敦子「安心しな、あいつはやる事やって必ず来るから!」
星宮まどか「あ、はい・・・」
  宏斗がいない事に思う所があったけど、あたしは皆とジュースを飲みながらパーティーを楽しむのだった。
星宮まどか「あ、もしかして・・・」
前川敦子「来たか、ほらまどか、行って来なよ?あたしらは大丈夫だから!」
黒部真由「宏斗の事待ってたんでしょ?」
星宮まどか「あ、はい!行って来ます!」
大島武「鳥海の奴、ちゃんと出来たっぽいな・・・」
黒部真由「うん!宏斗ならまどかちゃんを喜ばせられるよ!」
前川敦子「まぁ、後はあいつ次第だね・・・」
星宮まどか「はい、星宮です!」
鳥海宏斗「あぁ、まどかお待たせ!」
星宮まどか「あぁ!宏斗!今日はどうしたの?何かやってたの?」
鳥海宏斗「遅くなってごめん・・・やっとこれが上手く行ったんだ!」
星宮まどか「えぇ!誕生日ケーキ!?もしかして、これを選んで遅れてたの!?」
鳥海宏斗「いや、これ俺が作ったんだ・・・やっと先輩から免許皆伝って言われてさ!」
星宮まどか「え、えぇ!?宏斗の手作り!?しかも免許皆伝って!?」
鳥海宏斗「いやはや・・・俺、今まで彼氏らしい事した事無かったから、何かやりたくてさ・・・」
鳥海宏斗「痛た!!」
星宮まどか「え?どうしたの!?どこか痛いの!?」
鳥海宏斗「あ、あぁ・・・手を使い過ぎて、腱鞘炎になっちゃって・・・」
星宮まどか「宏斗、そこまでして・・・」
鳥海宏斗「あはは・・・もう皆来てるんだろ?早く皆でこれ食おうぜ?」
鳥海宏斗「お、おい、どうした!?」
星宮まどか「馬鹿!大好き!!」
鳥海宏斗「お、おう・・・」
  宏斗があたしの為に誕生日ケーキを作ってくれた事を今知らされて、しかも自分の手を痛めてまで免許皆伝となってまで
  ケーキを作ってくれた事が心から嬉しかった。皆と合流した後、宏斗が作ってくれたケーキが、
  今まで食べた物の中で一番美味しかったと感じて、今日の事は忘れられなくなった。

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