6 文化祭 後編(脚本)
〇高い屋上
お母さんとバッタリ遭遇したあたし達は、お母さんの提案で屋上へ行く事に。
星宮母「改めまして、私はまどかの母親です・・・娘がいつもお世話になってる見たいでありがとうございます・・・」
鳥海宏斗「いえ、大した事して無いですよ・・・俺は只、やれる事やってるだけですから・・・」
星宮母「あらあら、随分と謙遜ね・・・家の娘をストーカーから助けてくれた事あったんでしょ?私あの時急用入っちゃってて・・・」
鳥海宏斗「え?まどか、あの時の事話したの?」
星宮まどか「あれ?言わなかったかな?」
鳥海宏斗「あ、いやまぁ・・・もう忘れてくれても良かったんだけどな・・・」
星宮母「何言ってるのかな君は・・・ストーカーから助けるなんて中々出来ない事よ?どう捉えるかは勝手だけど、」
星宮母「君はもっと自信を持って良いわ!」
鳥海宏斗「・・・ありがとうございます・・・」
星宮まどか「あ、ねぇお母さん、チャムのご飯は大丈夫?」
星宮母「安心しなさい、ちゃんと用意してあるわ・・・てかいつもやってるじゃ無い?」
星宮まどか「あぁ、ごめん、つい心配になっちゃって・・・」
鳥海宏斗「何か良かった・・・まどか、ご家族とも上手く行ってる見たいで・・・」
星宮まどか「宏斗?」
鳥海宏斗「ほら、まどかって一時期人間不信だったって聞いた事あったからさ・・・」
星宮まどか「そりゃあたしの家族だもの・・・」
星宮母「まぁ、そうよね・・・出来れば友達は沢山作って欲しいって思うけど、この娘ったら頑なにお母さんだけで充分だって」
星宮母「聞かなくて・・・」
鳥海宏斗「あぁ、何か想像出来ますね・・・」
星宮まどか「ちょ!ちょっとお母さん!もう昔の話でしょ!?あたしだって宏斗を通してお友達沢山出来たから!」
星宮母「もう!分かってるわよ!」
星宮母「でもそんなあなたに突然彼氏が出来たって聞いた時は本当驚いたわ・・・あんなに人と関わるのを怖がってたのに・・・」
星宮まどか「だって、宏斗なんだもん・・・他の女の子が告白しようとしてたの見てたら、居ても立ってもいられなくて・・・」
鳥海宏斗「ま、マジか・・・」
星宮母「宏斗君、改めてありがとう・・・もしあなたがいてくれなかったら、私の娘がどうなってたか回目検討も付かなかったわ・・・」
鳥海宏斗「いえ、本当に俺は、自分がやれる事やっただけですから・・・」
星宮母「あらあら、あなたのそう言う所、私が言っても直りそうに無いわね・・・」
星宮母「そう言えば宏斗君、まどかから聞いたんだけどね・・・」
鳥海宏斗「ん?どうしました?」
星宮母「聞いたわよ・・・あなた実の親がいないんですってね・・・しかも高校生になってから一人暮らしって、結構大変じゃ無い?」
鳥海宏斗「う〜ん・・・そうですね・・・実際大変じゃ無いと言えば嘘になりますが、今では生活も安定してますから・・・」
星宮まどか「お母さん、話したと思うけど、宏斗は今の家族と仲悪い訳じゃ無いんだよ・・・ちゃんと宏斗が自分で決めた事だから・・・」
星宮母「あぁごめんね・・・やっぱ私も一人の親だからさ、そう言うの気になっちゃって・・・」
鳥海宏斗「・・・大丈夫ですよ・・・一人暮らししたいって思ったのは本当ですし、俺を育ててくれたあの家族が、俺に取っての」
鳥海宏斗「本当の親なんです・・・仮に本当の親だって人が現れても、俺にはその実感は湧きませんから・・・」
星宮母「・・・なるほど、中々確りした子ね・・・まどかが惚れるのが分かるわ・・・」
鳥海宏斗「はい、でも、まどかは前までは近寄り難い感じでしたが、ハッキリ言って優しい子です・・・」
鳥海宏斗「まぁ、そのせいもあって、昔の友達に酷い事されたってのもありますけど・・・正直、俺にはそいつが許せませんね・・・」
星宮まどか「宏斗・・・」
星宮母「そっかそっか・・・宏斗君もちゃんとまどかの事見てくれてるのね・・・この子こう見えて強情な所あるから、」
星宮母「何かと手を焼くと思うけど、これからも仲良くしてね・・・」
星宮まどか「ちょ!ちょっとお母さん!もっと他に言い方あるでしょ!?」
鳥海宏斗「でも本当良かった、まどかが親にまで心開かなかったらそれこそ収拾付かないからな・・・」
星宮まどか「えちょ!宏斗までぇ!!」
何だかんだあたし達はお母さんとの会話で盛り上がり、あたし達はまた文化祭を観て回るのだった。
〇田舎の学校
数時間後。
星宮まどか「ただいま戻りました!」
黒部真由「あ、2人共お帰り!」
前川敦子「2人共お疲れ!どうだった?」
星宮まどか「はい!もう凄く楽しかった!」
鳥海宏斗「あれ?大島の姿が見えないけど・・・」
黒部真由「あぁ、大島君なら1時間位前に店巡り行ったよ・・・」
前川敦子「流石に休憩上げないと可哀想だからね・・・今どこにいるか分からないけど・・・」
鳥海宏斗「そっか・・・店の方はどうだった?」
前川敦子「いやはや!もう大忙しだったよ!お陰で儲かったのは本当だけど!」
鳥海宏斗「ま、マジか・・・なら早めに戻っても・・・」
前川敦子「いやいや!そこまで気にする事無いよ!現に乗り切ったからさ!」
黒部真由「本当本当!大変だったけど楽しかったよ!」
鳥海宏斗「そうか、なら良かった・・・」
星宮まどか「ねぇ宏斗・・・」
鳥海宏斗「ん?どうした?」
星宮まどか「2年生になったらまた一緒に文化祭見ようね・・・また新しい事に挑戦したりさ・・・」
鳥海宏斗「あぁ、また一緒にやろうな・・・」
こうしてあたし達に取っての初めての文化祭は終わった。皆でやったから楽しかったのもあるけど、やっぱり宏斗と一緒にいれた事が
何より嬉しかった。後日、あたし達は屋台の片付けに精を出すのだった。