5 文化祭 前編(脚本)
〇田舎の学校
数日後。いよいよ文化祭当日となった。
前川敦子「そんじゃ男共、あたしらはお言葉に甘えて先に店巡りさせて貰うね・・・」
大島武「おぉ!いってらぁ!」
星宮まどか「宏斗、後でクレープお願いね?」
鳥海宏斗「勿論さ・・・皆ごゆっくり・・・」
黒部真由「ねぇねぇ!先ずはどこ行こうか!」
前川敦子「大丈夫だよ真由!急がなくても店は逃げないからさ!」
大島武「んじゃ、俺らも準備するか!」
鳥海宏斗「あぁ、やるか!」
宏斗達がクレープの調理を開始してから直ぐ、何人かの人達が店に足を運んで来た。
大島武「鳥海!注文入った!チョコバナナと苺クリーム1個ずつ!」
鳥海宏斗「分かった!直ぐやる!」
モブ「すみませーん!あたし苺欲しいです〜!」
モブ「トッピングってどんなの出来ますかぁ?」
モブ「う〜ん、どれにしようかな・・・」
大島武「はいはーい!順番にお伺いしますから慌てないで下さーい!」
鳥海宏斗「こりゃ、思ったより忙しくなりそうだな・・・」
クレープ屋には思ったより人が来ていて、男2人は悪戦苦闘しながらもクレープを販売していた。
鳥海桃香「お父さん早く早く!」
鳥海父「待て桃香、そんな急がなくても宏斗は逃げないから・・・」
鳥海桃香「それは分かるけど、義兄さんのクレープが待ち切れないんだよ!早くしないと在庫無くなっちゃうよ!」
鳥海父「全く・・・あれで昔は宏斗を避けてたのが嘘見たいだな・・・」
鳥海桃香「義兄さん!」
鳥海宏斗「あれ?桃香に義父さん、来てくれたんだ!」
鳥海父「夏休み最後の日以来だな宏斗・・・見た所元気にやってる見たいだな・・・」
鳥海宏斗「うん、俺は何とも無いよ・・・」
鳥海父「良かった・・・母さんにも良い土産話が出来たよ!」
鳥海宏斗「ありがとう・・・それはそうと、何か食べてく?」
鳥海桃香「あ!食べる食べる!でもどれにしようかなぁ!」
宏斗はご家族にクレープを買って貰って、そこからもクレープ作りを頑張ってた。数分後。
黒部真由「ねぇねぇ、せっかくだから私達の番になる前に私達もクレープ食べない?調理始めたら私達食べれないでしょ?」
星宮まどか「あ、賛成です!やっと宏斗のクレープが食べれる!」
前川敦子「あぁ、それならもう戻ろうか・・・時間過ぎちゃうのは良く無いからね・・・」
黒部真由「やった!なら早く行こう!クレープが私達を待ってるから!」
前川敦子「全く、そのエネルギー他にも活かせないのかね?まぁ良いけど・・・」
それからあたし達はクレープ屋に戻り、
鳥海宏斗「はい、お待たせ・・・」
黒部真由「わぁ!ありがとう!」
星宮まどか「・・・・・・」
鳥海宏斗「ん?どうしたまどか?」
星宮まどか「う〜ん、いざ食べるとなると、何か抵抗があるって言うか・・・勿体無いと言うか・・・」
黒部真由「え〜・・・アイスも入ってるから早くしないと溶けちゃうよ?」
星宮まどか「だってこれ、宏斗が作ってくれたんですよ?何かこのまま食べるのは・・・」
前川敦子「あんたも馬鹿だねぇ!そう思うなら写真か何かに残して置けば良いじゃん!」
星宮まどか「は!何で思い付かなかったんだろう!?」
鳥海宏斗「お、おいおい・・・」
前川敦子「さて、大島、真由、店の仕事やるよ!」
黒部真由「は〜い!」
大島武「あ、あれ?何で俺交代じゃ無いの!?」
前川敦子「大島、ここは空気読んで!」
大島武「って、あぁ・・・まぁそう言う事なら・・・」
鳥海宏斗「え?良いのか?」
前川敦子「何ぼさっとしてるのさ?ここはあたしらに任せて、まどかと店巡りして来なよ!」
星宮まどか「え?敦子さん、あたしまだお店の事・・・」
前川敦子「もう何度も言わせないでよ!あんたらは早く行きなよ!」
鳥海宏斗「・・・まぁそう言ってくれるなら遠慮無く・・・まどか、行こうか・・・」
星宮まどか「あ、うん!」
前川敦子「さてと、あたしもやろうか・・・」
大島武「お前もお人好しだな前川・・・」
前川敦子「当たり前じゃん・・・鳥海とあいつが付き合うってなったなら応援したくもなるよ・・・」
前川敦子「昔色々あったんだろうけど、楽しめる内は楽しまないとさ・・・」
大島武「・・・なるほどね・・・」
黒部真由「2人共!お客さん来てるから!早くやろう!」
大島武「あぁ分かった分かった!直ぐ行くぜ!」
前川敦子「おっと、あたしらも頑張らないとね!はい!ご注文どうぞ!」
星宮母「すみません・・・」
前川敦子「はい、ご注文ですか?」
星宮母「ここに、家の娘がいるって聞いたんですが・・・」
大島武「娘?」
〇体育館の中
敦子さんの計らいであたしは宏斗と一緒にライブを見る事にして、体育館へと赴いていた。
鳥海宏斗「おぉ皆やってるやってる!こう言うの一度見て見たかったんだよなぁ!」
星宮まどか「ねぇ宏斗、宏斗は好きな歌手とかいるの?」
鳥海宏斗「う〜んどうだろう・・・J-POPとかアニソンとかは良く聴く方かも・・・」
星宮まどか「そっか・・・あたしも流行り物とか良く聴くよ?自分で歌うとなったらちょっと自信無いけど・・・」
鳥海宏斗「まぁ、実際歌って気にする所多いよな・・・これの後どこ行く?部活体験コーナーもあったし・・・」
星宮まどか「え?そしたらさ!あたし弓道部行って見たい!弓って一度やって見たくてさ!」
鳥海宏斗「え、そりゃまた意外だな・・・じゃあそこ行こうか!」
星宮まどか「うん!」
〇学校の廊下
星宮まどか「弓道部ってどの辺だったっけ?」
鳥海宏斗「外だよ・・・使ってる資材とか分かり易いから直ぐ分かると思うよ・・・」
星宮まどか「そっか・・・早く行こう!」
星宮母「あ、まどか!やっと見つけた!」
星宮まどか「あれ?お母さん?何でここに!?」
鳥海宏斗「お母さん?」
星宮母「ちょっと何をそんな驚いてんのよ?まどかのいる学校の文化祭に来てくれって言ったのまどかでしょ?」
星宮母「ちゃんと休み取ったんだから行けるに決まってるでしょ?」
星宮まどか「あ、そうだった・・・ごめん、色々と夢中になってて・・・」
星宮母「あはは!その位良いわよ!」
星宮母「ねぇ、お隣の彼、宏斗君でしょ?」
鳥海宏斗「あ、はいそうです・・・」
星宮母「娘からは耳にタコが出来る位話を聞いてるわ・・・良かったらどこかで話さない?」
鳥海宏斗「あ、俺は構いませんよ?まどかはどうする?」
星宮まどか「あ、うん!お母さんには、前から宏斗の事紹介したかったし・・・」
星宮母「決まりね!なら屋上にでも行きましょう!あそこならゆっくり出来そうだし!」
廊下であたしのお母さんにバッタリ会ったのはちょっと驚いたけど、良い機会なのであたしはお母さんに宏斗を紹介する事にした。