2 剣道教室(脚本)
〇幼稚園
数日後。
鳥井健人「お待ちしておりました!本日は宜しくお願いします!」
暗森敬一「こちらこそ、お呼び頂きありがとうございます!」
鳥井健人「はい、資材等はこちらで用意してあります・・・えっと・・・」
暗森敬一「あ、あぁ・・・やっぱ分かりにくいですよね・・・僕は暗森(くらもり)です・・・」
鳥井健人「あぁ!大変失礼致しました暗森先生!どうぞこちらへ!」
鳥井先生は訪問して来た暗森先生を連れて園児達の元へ向かう。
鳥井健人「皆集まってるな?今から剣道教室を始める・・・今日は夏目高校に依頼して、臨時講師に来て頂いた先生を紹介する・・・」
暗森敬一「夏目高校の剣道部顧問の暗森です、今日は宜しくお願いします・・・」
大鳥秀樹「くらもり?何か聞いた事無い名前だね・・・」
一条一馬「まぁそんな事良いだろ?そんな事より、俺、剣って一度握って見たかったんだよな!」
赤木桜「うん、でもどんな感じにやるんだろうね?」
鳥井健人「これから皆に竹刀や防具を配る・・・各自着替えが終わったらここに戻って来て、暗森先生の話を確り聞く様にな・・・」
赤木桜「はーい!」
それから子供達は竹刀や防具を配られて、更衣室に行って着替えを済ませて外に戻るのだった。
暗森敬一「良し、皆準備は出来たかな?準備運動の後に竹刀の握り方と素振りのやり方を教える・・・」
一条一馬「はーい!」
それから、園児達は準備運動をしてから竹刀の持ち方を教わり、素振りを開始する。
暗森敬一「うん、その調子だ!竹刀は常に両手で握る事・・・途中で落としたりしない様に気を付けるんだ・・・」
鳥井健人「皆ある程度やり方が分かったら、練習試合を始める・・・確りやって覚えるんだぞ?」
三島真紀子「はーい!」
それから子供達に基礎を教えて、練習試合を始める事に。
暗森敬一「鳥井先生、試合はどの組み合わせでやりますか?」
鳥井健人「そうですね・・・」
一条一馬「鳥井先生!そしたら俺やりたい!」
鳥井健人「おぉ一馬・・・やる気満々だな・・・」
速水優「俺も!俺もやりたい!」
鳥井健人「そうか、それなら最初はこの2人で決まりだな・・・」
暗森敬一「分かりました!それじゃあ、2人共準備して・・・」
速水優「はーい!」
練習試合の最初は一馬と優の対決に決まり、早速準備に取り掛かる。
暗森敬一「それでは、お互いに礼をして・・・」
一条一馬「・・・・・・」
速水優「・・・・・・」
暗森敬一「始め!」
一条一馬「やぁ!」
速水優「それ!」
暗森敬一「あの2人、初めてにしては良い動きしてますね・・・」
鳥井健人「はい、一馬は内の園児達の中でも一番物覚えが良くて、優はスポーツが大好きですから・・・」
速水優「ぜぇ・・・ぜえ・・・」
一条一馬「今だ!面!」
速水優「うわ!」
一条一馬「やった!俺の勝ち〜!」
暗森敬一「そこまで!今の一本は残念ながら無効とする!」
一条一馬「え?どう言う事?」
速水優「暗森先生、俺やられたんだよ?」
暗森敬一「確かに先に一本を取ったのは一馬君だ・・・でも、これは公式のルールで、一本を取った後にガッツポーズを決めたらその一本は」
暗森敬一「取れない事になってるんだ・・・」
一条一馬「え?そうなの!?」
速水優「どうして取っちゃ駄目なんです?」
暗森敬一「そうだね・・・元々剣道は、身体を鍛えるってのは本当だけど、一番肝心なのは心を鍛える事なんだ・・・」
一条一馬「心を鍛える?」
暗森敬一「そうだ・・・一馬君、もし君が、剣道で誰かに負けてガッツポーズを取られたりしたらどう思う?」
一条一馬「あ、うん・・・ムカつく・・・」
暗森敬一「そう、そう言うのを防ぐ為にガッツポーズは禁止なんだ・・・剣道は礼に始まり、礼に終わるスポーツだ・・・」
暗森敬一「心と身体を鍛え、試合に置いては目の前の相手と自分自身の弱さや未熟さに打ち勝ち、相手に対して敬意を払う・・・」
暗森敬一「それが剣道ってスポーツなんだ・・・試合は一人じゃ出来ないし、相手をして貰えるのは嬉しい事なんだよ・・・」
一条一馬「あぁ、何かさっき当てられて喜んだのが恥ずかしくなったよ・・・優、ごめん・・・」
速水優「良いよ良いよ!また勝負しよう!な!」
暗森敬一「(事前に失敗して覚えさせて欲しい見たいには言われたけど、上手く言ったな・・・)」
赤木桜「暗森先生!私もやりたいです!」
三島真紀子「私も!やり方もっと教えて下さい!」
暗森敬一「あぁ分かった!順番にな?」
それから、暗森先生と鳥井先生の指揮の下、剣道教室は無事終了した。
〇役所のオフィス
その日の夕方。
小泉喜一「今日は遠い所からご足労頂き、誠にありがとうございました・・・」
暗森敬一「いえ、こちらこそ、貴重な経験をさせて頂きました・・・機会があれば、またご協力させて下さい・・・」
内山遊戯「剣道教室、上手く行ってた見たいですね!」
柴崎淳「本当ね・・・後で鳥井先生にゆっくり話聞いて見ましょう──」
鳥井健人「お陰で子供達も楽しくやれました・・・」
暗森敬一「良かった・・・普段はそこまで年齢層の低い相手に教える事が余り無くて・・・」
鳥井健人「そうですよね・・・ですが、来て頂いた甲斐はありました・・・また機会があった時は是非・・・」
暗森敬一「はい、是非やらせて頂きます・・・」
鳥井健人「・・・今日は大成功でした・・・」
小泉喜一「そうだな・・・だがこれでまた新しいプランが必要になったな・・・」
鳥井健人「そうですね・・・某有名カンフー映画見たいに掃除やらせて防御鍛えるとかどうでしょうか?」
小泉喜一「いや、何と戦わせるつもりだい?」
鳥井健人「いやはや!冗談ですよ!」
何がともあれ、今日のイベントは無事終了。俺達はまた新しいプランを考えるのだった。