フォビアインケージ Phobia in Cage

ふじのきぃ

Chart1-7.敵(脚本)

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ふじのきぃ

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〇集中治療室
リコ「お は よ う」
リコ「気 分 は ど う ?」
  え・・・?
リコ「食 欲 は あ る か な ?」
リコ「食 べ た い も の‥」
リコ「遠 慮 な く 言 っ て ね」
  え・・・えっ!?
ファー「リコさんがしゃべった!?」
リコ「お は よ う ファ ー ち ゃ ん」
ファー「おお、おはようございますっ!」
ファー「いい、いつから、 話せるようになったんですか?」
トバリノ「俺が話すよ」
トバリノ「おはよう、調子はどうだい?」
ファー「トバリノ先生‥」
リコ「モ ズ ちゃ ん と 謝 っ て」
トバリノ「そう──だったね‥」
トバリノ「ファーさん、ゴメン!」
トバリノ「潜在能力を引き出す為とはいえ、 やり過ぎたと反省している‥」
トバリノ「本当に済まない‥」
ファー「先生‥」
ファー「私こそ、ごめんなさい‥」
ファー「"あの子"が迷惑かけちゃったみたいで‥」
トバリノ「もう一人のファーさんの事かい?」
トバリノ「いや〜強かったなあ」
トバリノ「完膚なきまで、コテンパンにされたよ」
ファー「やっぱり‥!」
リコ「ファ ー ちゃ ん は 悪 く な い」
リコ「私 こ そ ご め ん な さ い」
リコ「貴 方 に 怖 い 思 い を さ せ て し ま っ て‥」
リコ「私 は 何 度 も‥」
リコ「死 を 体 験 し て い る か ら」
リコ「"痛 み"に 慣 れ て し ま っ た か ら‥」
ファー「リコさん‥」
トバリノ「ネクロフォビアは 元々、リコの恐怖症なんだ‥」
トバリノ「俺が──」
トバリノ「"奪ってしまった"んだ」
  俺
  の
  身
  勝
  手
  の
  所
  為
  で

〇教会内
  行かないでくれ!
  ぐああああアァッ!
トゥルード「失せなさい」
トゥルード「穢(けが)らわしいワよ、下衆め!」
リコ「あぁ‥」
リコ「ごめんなさい‥ ごめんなさい‥っ!」
  そ の 子 を 奪 う な
  俺 か ら 奪 う な

〇黒背景
  失
  う
  く
  ら
  い
  な
  ら
  :
  奪
  っ
  て
  や
  る
トゥルード「プリンセス‥!?」
トゥルード「離れなさい、下衆異童(ゲスイドウ)が! !」
  が
  あ
  ア
  ァ
  :
  リ
  :
  コ
  :

〇集中治療室
トバリノ「リコの恐怖症の力で 腐りかけた身体を治す事が出来た‥」
トバリノ「その後、PiCに保護され‥ 戦闘のノウハウを学んだんだ」
トバリノ「全てはアガペジオ潜入の為、 そして──リコの奪還の為に」
トバリノ「だが、遅かった」

〇黒背景
トバリノ「駆けつけた時にはもう‥」
トバリノ「変わり果てた姿だったんだ‥」
トバリノ「あの"トゥルード"という男によって‥!」

〇集中治療室
トバリノ「アガペジオを脱出し、リコの蘇生を急いだ‥」
トバリノ「PiCのサポートもあって、 辛うじて肉体は修復できたものの‥」
トバリノ「記憶が全く無い状態だったんだ‥」
トバリノ「自分自身の事も‥」
トバリノ「己の恐怖症の事も‥」
トバリノ「俺と出逢った時の事も──な」
ファー「そんな、ことって‥」
ファー「悲しすぎます‥」
リコ「だ い じょ う ぶ」
リコ「ほ ん の 少 し ず つ だ け ど‥」
リコ「思 い 出 し て い る か ら」
トバリノ「喋れなかったのも、 声に出す事を忘れていたのかもな」
トバリノ「ほんの、些細なことなんだ」
トバリノ「それでも──」
トバリノ「──君がキッカケを与えてくれたんだ」
トバリノ「君達が姉妹だから、 リコは自分を取り戻せるんだよ」
ファー「私とリコさんが──姉妹??」
リコ「私 も ビ ッ ク リ し ちゃ っ た」
リコ「妹 が 居 た ん だ な っ て」
  なでの((👋🏻))よしよ
ファー(なんだろう‥)
ファー(リコさんの妹なんだって思うと‥)
ファー(照れてきちゃった‥)
ファー「あの、それで‥ 演習最終日の結果はどうなったのですか?」
トバリノ「ああ、その事か」
トバリノ「勿論、合格だ」
トバリノ「君ともう一人の君は、 互いに支え合っている‥」
トバリノ「それが解っただけで充分だよ」

〇空
ファー?「こっちだって! ファーがタイセツだもんっ!」
ファー?「ファーがダイジにしてるモノ、 ゼンブまもりたいって!」

〇集中治療室
ファー「──あの子が、そんなことを‥」
トバリノ「本来、フォビアは危険な存在なんだ」
トバリノ「人間に干渉する事で、 恐怖を超常現象に変える事は知ってるよね」
トバリノ「その恐怖を克服しなければチカラに呑まれ、 支配され──やがて死に至る事も」
トバリノ「でも──君達は共存している」
トバリノ「ごく稀(まれ)に、 フォビアが意思を持つ事があってね」
トバリノ「ファーさんが、その一例なんだよ」
リコ「フ ウ リ ちゃ ん も 似 た よ う な 感 じ ね」

〇中華料理店
フウリ「だって、この子は──」
フウリ「あたしの大事なパートナーだもん!」

〇集中治療室
トバリノ「確かに、 あの風船生物は意思がありそうだな」
トバリノ「"ばろん"って、名前だったか‥」
トバリノ「そういえば、 もう一人のファーさんに名前はあるのかい?」
ファー「あ!」
ファー「言われてみれば‥」
ファー「というより、名前が無いのかも‥」
リコ「ファ ー ちゃ ん‥」
ファー「だから──これから決めます!」
ファー「あの子にピッタリな名前を!」
トバリノ「それは楽しみだね!」
トバリノ「なんて名前だい?」

〇花模様
  花 々
  (ファーファ)
  私の花(ファー)は
  ママが名付けてくれたから
  私と繋がっているから
  あ
  の
  子
  と
  私
  は
  ふ
  た
  り
  で
   
  ひ
  と
  つ
  だ
  か
  ら

〇集中治療室
トバリノ「花々(ファーファ)──か」
トバリノ「良い名前じゃないか」
リコ「と て も 素 敵 ね !」
リコ「今 度 会 え た ら‥」
リコ「名 前‥ 呼 ん で も い い か な ?」
ファー「もちろんです!」
ファー「きっと、喜んでくれますから!」
  ファーファ
  これからも、よろしくね!

〇ホールの広場
フウリ「なん、でよ‥」
フウリ「どうして‥」
フウリ「どうしてアンタが居るのよ!?」
シャープネス「まあまあ、そうカッカせずに! 俺ッチとT・T(てぃーてぃー)で落ち着いt」

〇ホールの広場
  PiC:エントランス
  サ
  バ
  イ
  バ
  ル
  当
  日
ファー「なんだか、騒がしいですね‥」
トバリノ「──だな」
???「トバリノ先生ぇ〜っ! !」
リクハ「大変だよぉ〜!」
リクハ「はぁ‥ はぁ‥ふーちゃんが!」
シャープネス「痛でぇよぉ‥ お茶に誘っでみだだげなのにぃ〜」
リクハ「シャープネスさんゴメンねぇ、 ふーちゃんが迷惑かけちゃって‥」
シャープネス「なあに、心配ないよ嬢ちゃん!」
シャープネス「俺ッチは女ゃの子(おにゃのこ)と T・Tで交流を深めたいだけ」
シャープネス「嫌われる事だって覚悟の上、さ」
トバリノ「──そろそろ状況を説明してくれ」
リクハ「わっわ! ごめんなさい先生〜!」
シャープネス「悪りぃ! えっと、アンタら管理者なんだろ?」
シャープネス「あのカワイコちゃん、何とか止めてくれぇ!」
フウリ「どいてよ!」
ダスト「そ、そうだゾー! ケンカは良くないゾー?」
ダスト「‥てかレンよ、なンでソッチ側?」
  Name:レン・ホォアロン
  Phobia:火炎恐怖症-Pyrophobia-
  Name:トコヨミ・G・ブックマザー
  Phobia:書籍恐怖症-Bibliophobia-
レン「ココは公共の場ッスよ」
トコヨミ「ザッツライト(その通り)‥」
トコヨミ「貴方の判断は ミステイク(間違い)よ、ミス・カンナギ」
レン(──今の、ダジャレ‥ッスか?)
トコヨミ(あはは──つい‥)
ダスト「フッ、「mistake」のミスと 「Ms.」を掛けたという事か──面白い」
フウリ「解説しなくていいから!」
フウリ「皆んな"ソイツ"を知らないの?」
フウリ「"ソイツ"は5年前の──」
フウリ「"あの事件"の凶悪犯なのよ!?」
フウリ「──そうよね?」
  ピエール・チャイルドマン! !
トコヨミ「5年前‥ ピエール‥」
トコヨミ「まさか──あの悲惨な事件の!」
レン「オイラも知ってるッス‥」
レン「有名ッスもんね、あの遊園地の事件は」
レン「その経営者であり主犯が なぜPiCに保護されているんスかね?」
トコヨミ「ぁあっ! ! マイ・バイブル(ワタシの本達)がっ! ?」
レン「す、すんませんッス!! ついアツくなってしまったッス!!」
ダスト「なーにやってんだか‥」
ダスト「ったく、仕方ねぇなあ‥」

〇黒
ダスト「封印──解放(リバレーション)」
ダスト「我──血の契約により命ずる」
ダスト「大悪魔よ── その大いなるチカラを我に与えたまえ」
  🕶️(スチャ)
ダスト「我──大悪紋・ド・堕澄人 "ダイアモン・ド・ダスト"なり!」

〇ホールの広場
ダスト(決まっちまったぜ‥!)
フウリ「──早く消しに行ったら?」
ダスト「あ、ハイ、直ちに」
レン「ダストセンパイ、ナイスッス〜!」
トコヨミ「でも、ワタシの本‥」
  🕶️(スチャ)
ダスト「ま っ た く、こ ン な コ ト で‥」
ダスト「血 を 使 わ せ ン じゃ ねェ──」
ダスト「ぞ」
レン「ダストセンパァーイッ! !」
トコヨミ(グッバイ、マイ・バイブル‥)
  Name:ダイアモン・ド・ダスト
  Phobia:血液恐怖症-Hematophobia-
フウリ「いや緊張感無さすぎ‥」
ピエール「ピアッ、ピアッ、ピアッ!」
ピエール「ナカナカの茶番劇に、 面白可笑シク堪能させて頂きマシタ」
ピエール「ソレにしてモ、吾輩をご存知とハ‥ イヤハヤ有名になったものデスネェ」
ピエール「マァ──手に掛けた観客達についてハ‥」
  因
  果
  応
  報
  自
  業
  自
  得
フウリ「──何笑ってんの?」
フウリ「ふざけるな! !」
フウリ「あたしの家族も巻き込んでおきながら!」
ピエール「オヤ‥?」
ピエール「これはコレハ、貴方でしたカ」
ピエール「どうデス、フォビアの調子ハ?」

〇白
ピエール「参 考 に な り マ シ タ カ ?」

〇ホールの広場
フウリ「──粉々に‥」
フウリ「吹(ブ)ッ 飛 ば す ! !」
フウリ「『参考になりましたか』って?」

〇ホールの広場
フウリ「お 前 と 一 緒 に す る な ! !」
レン「フウリ姐さん止めるッス!」
トコヨミ「止めなさい、こんなのミステイクよ!」
ダスト(あー、貧血‥ なンか、アメ玉、浮いてら‥)
ピエール「落ち着いて下サイ 吾輩は訳あって能力が行使出来ないのデス」
ピエール「無防備な人間を蹂躙(ジュウリン)デスカ? 全ク、正気の沙汰ではないデスネェ」
フウリ「五月蝿い黙れ虫唾(むしず)が走る‥」
フウリ「極悪非道の分際が 他人の事言えるのかよ! !」
リクハ「ふーちゃん、お願い止めて!」
シャープネス「オイオイオイ‥! どんだけ短気なカワイコちゃんだよ‥」
トバリノ「フウリさん、能力を解除するんだ!」
ファー「みんなが、巻き込まれちゃう‥!」
トバリノ(やはり── アイツを会わせるべきじゃなかったか‥!)
フウリ(お父さん、お母さん、ソヨギ‥)
フウリ(今、仇を取るから‥!)
  風
  船
  祭
  り
フウリ「バルーンズ・カーニバル──」

〇黒
  - 閉 鎖 -
  シャットアウト
フウリ「──え?」
???「んー、困るんだよねー?」
ケージマスター「騒ぎを起こし、 挙句に能力で暴れるのは、ね」
ケージマスター「という訳で、ペナルティー♪」
フウリ「ね・・・こ?」
ケージマスター「ん〜♪ いつ見ても即効性が凄いねぇ!」
ケージマスター「ついでにコッチもお願いね〜」
リム「ハァ‥」
リム「貴方、こちらを向いてくださる?」
ピエール「嫌デス」
ピエール「先ホドの能力、 「目を合わせる」事デ発揮するのデショウ?」
ピエール「「ハイ、ソウシマス」と 誰ガ振り向くものデショウカ?」
リム「むー、困りましたわね‥」
ピエール「ソ・レ・ニ! 能力ヲ封じられ、子供ニ罵られるナンテ‥」
ピエール「残酷ニモ限度がアリマス‥」
リム「──ワタクシ、 成人を迎えておりましてよ?」
ピエール「ソレハ本当デスカ──」
ピエール「シマッ──! ?」
ピエール(ツイ、好奇心ガ‥)
リム「ふわぁ‥」
リム「完了、ですわ♪」
ケージマスター「ご協力、ありがと〜う!」
リム「とりあえず、 二人とも例の場に送り込んでおきました」
リム「説明──二度手間になりますわね‥」
ケージマスター「ルール説明は、現地でもOKさ♪」
ケージマスター「ん〜それじゃ、スタンバイよろしく〜」
リム「承(うけたまわ)りました」
リム「では──」
ケージマスター「さてと──」
ケージマスター「キミねぇ‥」
ケージマスター「挑戦者達を煽るのは止めたまえよ?」
ケージマスター「君には大いに役立ってもらうんだから」
ケージマスター「己の立場を自覚するように!」
ケージマスター「──いつでも始末出来るからね?」
ケージマスター「"フォーティーン"」

〇ホールの広場
ケージマスター「やあ、待たせたね!」
ケージマスター「ん〜全く、皆んな血の気が多いんだから〜」
リクハ「あ、あの‥ふーちゃんは大丈夫ですか?」
ケージマスター「落ち着かせているから、心配無いよ」
ケージマスター「あの道化師も、 厳重に隔離しているから安心したまえ」
リクハ「良かったぁ〜」
シャープネス「一時はどうなるかと思ったぜ‥」
トコヨミ「マイ・ノベル‥ マイ・ポエム‥(ぶつぶつ)」
ケージマスター「だ・け・ど! 騒ぐのは、サバイバルで!」
ケージマスター「能力行使も控える事!」
ケージマスター「いいね?」
テトラ「様子を見に来たら、なんてザマなのよ‥」
テトラ「ホラ、飲んで! "テトラ特製レッドバイパー"!」
ダスト「オエッ、きっっつ!? ウロコ入ってら!」
テトラ「入ってねぇわよ! !」
テトラ「てか、ぷっふ! 相変わらず変な顔〜っ!」
ファー「何もないところから現れましたね‥」
トバリノ「あの人の能力だからね」
トバリノ「この空間も演習場も、彼の力で作られたんだ」
リコ「も ち ろ ん、 ファ ー ちゃ ん の 部 屋 も、ね」
トバリノ「俺達がPiCで生活出来るのも、 彼の能力のおかげなんだよ」
  Name:ケージマスター
  Phobia:閉所恐怖症-Craustrophobia-
ケージマスター「それじゃあサバイバル会場へ 案内しようじゃあないか!」
ケージマスター「んっん〜♪」

コメント

  • ご無沙汰してました、最近タップから離れていたものですから・・・
    久しぶりに読ませていただいて、やはりSFと映像感覚が素晴らしいなと思いました!!
    スチルは、ふじのきぃ様が何枚も上手ですね💦
    センスと映像感覚が素敵です。骸骨の使い方はカッコイイです。
    ぜひ映像作品も見たいものだと思いました😄
    新しい仲間も加わり、SF的に興味が増してきてとても面白いですね!

  • とっても面白くて、一気読みしてしまいました!
    恐怖を克服することは、自分を助ける能力になる!そう思わざるを得ないお話に感動です✨
    拙宅の立ち絵を使ってくださってありがとうございます!思いがけないキャラで嬉しいです☺️
    続きが気になります!!

  • 最新話読ませて頂きました。
    リコさんが話せなかった理由と深い関係にある先生の過去が明かされたり、ファーちゃんの人格に名前が付きましたね。
    ファーファ。パンダみたいな愛嬌あって良き。中国語良き。撫で撫でしたい。

    そして新キャラ達とマスターの恐怖症が判明したものの、未だピエールが事件を起こした動機や厳罰されないのかが不穏ですね……。
    サバイバルで何かが起きてしまう。そんな予感がします。

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