書類の中身に婚姻届が混ざってた件

夏目心 KOKORONATSUME

5 裕二の答え 前編(脚本)

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〇オフィスのフロア
赤羽サヤカ「ぶ、部長・・・差し出がましい様ですが、今裕二君が何と申しましたか?」
部長「ん?だから、宮下君が前から希望してた部署への転勤が正式に決まったのだよ・・・寮の手配も終わってるし、」
部長「1週間後には行ってもらう事になった・・・」
赤羽サヤカ「じょ、冗談でしょ!?」
宮下裕二「・・・部長、その話本当ですか?」
部長「こう言う時に嘘を付いてどうするのだ?」
宮下裕二「・・・!やった!俺この街を出られるんだ!!」
赤羽サヤカ「え、えぇ・・・??」
部長「詳細は追って連絡する・・・今日も宜しくな・・・」
赤羽サヤカ「ねぇ、裕二君、一体どう言う事なの?」
宮下裕二「あれ?言ってませんでしたか?俺前から田舎の部署で働きたいって部長に相談してて・・・」
赤羽サヤカ「い、田舎!?色々と不便じゃ無い??」
宮下裕二「・・・?そんな事無いと思いますよ?山や森に囲まれて、綺麗な風景に包まれながら働くのが俺の夢でしたから・・・」
赤羽サヤカ「ま、マジで?都会に未練は?」
宮下裕二「ありません・・・」
赤羽サヤカ「そ、そうよね〜・・・」
赤羽サヤカ「(まずい・・・色んな意味でまずいわ・・・転勤なんかされたら、あたしのこれまでの苦労が水の泡じゃ無い!)」
赤羽サヤカ「(こうなったら、もう先手必勝しか無いわよね!?)」

〇おしゃれな受付
  その日の夕方。
白川美穂「良し、終わった・・・これの次は・・・」
白川美穂「ん?あれは?」
白川美穂「赤羽さん?あんなに慌てて何かあったのかな?いつもより血相変えてたけど・・・」
宮下裕二「あ、白川さんお疲れ様!」
白川美穂「あ、宮下さんお疲れ様です!今日はもうお帰りですか?」
宮下裕二「あぁ、これから忙しくなるからな・・・」
白川美穂「ん?何かあるんですか?」
宮下裕二「いやさぁ!俺1週間後に念願だった田舎の部署に転勤が決まってさぁ!荷造りとかやらないとだから!」
白川美穂「て、転勤!?それ本当ですか!?」
宮下裕二「あぁ、もう今から楽しみで仕方無くてさ!」
白川美穂「・・・そうなんですね・・・あの、さっき赤羽さんが慌てて帰ってた見たいですが・・・」
宮下裕二「赤羽先輩?あぁ、何か良く分からないけどやる事あるから先に帰るって・・・」
白川美穂「・・・・・・」
宮下裕二「取り合えず俺も荷造りとかあるから帰るね・・・」
白川美穂「あ、はい・・・」
白川美穂「・・・・・・」
白川美穂「・・・こうしちゃいられない!」

〇アパートの玄関前
宮下裕二「さてと、早く引っ越しの手続きとかしないとな・・・費用は会社が出してくれる訳だし、準備位はして置かないと・・・」
宮下裕二「ん?」
赤羽サヤカ「だから、何で高卒風情がここにいるのよ!?」
白川美穂「それはこっちの台詞です!エリート気取りが、早く帰ったらどうですか!?」
赤羽サヤカ「あんたこそ帰りなさいよ!まだ子供なんだから10時までには寝なさいよ!」
白川美穂「あなたこそ!早く寝ないと明日に響きますよ!?」
宮下裕二「な、何であの2人がここに!?何か喧嘩してる見たいだけど・・・」
宮下裕二「ちょ!ちょっと2人共!!」
赤羽サヤカ「あ、裕二君お帰り!」
宮下裕二「お帰りじゃ無いですよ!こんな所で何喧嘩してるんですか!?」
白川美穂「宮下さん!私どうしても渡したい物があって!!」
宮下裕二「あぁ何か良く分からないけどこっち来て!こんな所誰かに見られたら!」
  自宅の前でどう言う訳か先輩と白川さんが喧嘩してたので慌てて止める事となり、俺は直ぐ様自宅へ2人を招くのだった。

〇アパートの台所
  それから、俺は2人を部屋に招いて説教をする事に。
宮下裕二「一体何してたか知りませんが、2人共もう立派な社会人なんですから!あんな人目の付く場所で喧嘩するの辞めて下さい!」
宮下裕二「それが分からない程あなた方は馬鹿じゃ無いでしょう!?」
赤羽サヤカ「ご、ごめんなさい・・・流石に熱くなり過ぎてたわ・・・」
白川美穂「す、すみません・・・私も焦ってました・・・」
宮下裕二「・・・分かってくれれば良いです・・・それで、こんな時間帯に俺の家の前で何してたんですか?」
宮下裕二「多分俺に用があって来たと思うんですが・・・」
赤羽サヤカ「・・・!そうよ!こんな奴と喧嘩なんかしてる場合じゃ無かったわ!大事な話があるのよ!」
白川美穂「私も、大事な話があって来ました!」
宮下裕二「何です?」
赤羽サヤカ「裕二君、あなた結婚は考えた事はある?」
宮下裕二「はい?」
白川美穂「私もそれが聞きたくてここに来たんです・・・どうお考えで?」
宮下裕二「いやそんな事聞かれても、そんな事考えた事全く無いし・・・」
赤羽サヤカ「ま、まぁこんな質問されたら大体は困るわよね!ねぇ、あたしがお嫁さんになるってなったらどう思う?」
宮下裕二「え?それは流石に・・・」
赤羽サヤカ「え?嫌なの?」
宮下裕二「先ず俺、あなたの事苦手ですから・・・」
赤羽サヤカ「え、えぇ・・・」
宮下裕二「もしかして、白川さんも?」
白川美穂「あ、はい!実は、私もこれ用意して来て!」
宮下裕二「え?これって・・・」
赤羽サヤカ「え?ちょ!これ婚姻届じゃ無い!何であんたがこんなの持ってるのよ!?」
白川美穂「あぁこれ、前に宮下さんが持って来た資料の中に紛れてて、私が勝手にもらう事にしました・・・」
赤羽サヤカ「な、何ですって!?」
白川美穂「私も最初、こんなのあっても仕方が無いと思ってました・・・でも、これを見た時に一歩踏み出すチャンスだと思いました・・・」
白川美穂「これのお陰で宮下さんにアタックできる様になったのは本当です・・・でも、いきなりこれを差し出すのは怖かったけど、」
白川美穂「宮下さんの転勤を聞いたら、もう今しかチャンスは無いと思って持って来ました・・・」
宮下裕二「白川さん・・・」
白川美穂「宮下裕二さん!私はあなたが好きです!結婚と行かずとも、私と付き合って下さい!」
宮下裕二「・・・・・・!?」
宮下裕二「・・・・・・」
宮下裕二「ごめん、俺は君とは付き合えない・・・」
白川美穂「え・・・」

次のエピソード:6 裕二の答え 後編

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