吸血鬼との共存を頑張ろう

アクセシビリティ

13話 距離バグ(脚本)

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〇古いアパートの一室
華城みくる「バカ!!ほんっとバカ!!」
華城みくる「なんで勝手に契約しちゃうの!?」
華城みくる「友達って何よふざけてんの!?」
華城みくる「結局年下が良いの?ロリコンなの?」
華城みくる「でも私も当時JKだったし」
華城みくる「美少女で優しくて理解度もあったのに」
華城みくる「なんで・・・」
華城みくる「なんでセフレ止まりしちゃったのよおおお!!」
藍原しずく「みくるさん、寝てるのを良いことに」
藍原しずく「病人に腹パンしないで」
華城みくる「いやトンカチ持ってる奴に言われたくないのよ」
藍原しずく「セフレって何かなと思って」
華城みくる「え〜?何かしらね」
華城みくる「シュウくんと私の秘密♡」
  (頭の横をトンカチが通る)
華城みくる「3回3回!!」
華城みくる「3回ヤっただけよ!!」
藍原しずく「ならいいや」
華城みくる「基準よく分からないわね・・・」
華城みくる「まっそもそもセフレを咎める資格ないものね」
華城みくる「あんたもどうせ報酬目当ての契約なんでしょ」
藍原しずく「うんトマトジュース大好き」
華城みくる「トマトジュースって何よ」
藍原しずく「トマトジュースフレンド」
藍原しずく「略してトマフレ」
華城みくる「・・・・・・」
華城みくる「あんたまで私のこと馬鹿にしやがってえええ!!」
赤城「ちょ、病人の前で騒ぐ奴があるか・・・」
赤城「非常識にも程があるだろ・・・」
華城みくる「あっシュウくん起きた?」
華城みくる「今漢方薬飲ませてあげるからね♡」
赤城「ヒイッ漢方だけはやめろ!!やめてくれ!!」
華城みくる「も〜子供じゃないんだからこれくらい我慢しなさいっ」
  ゴクッ
赤城「んぐっ・・・」
赤城「ヴエエ喉死ぬ喉死ぬヴエエエ!!」
華城みくる「嘔吐酷いわね・・・」
華城みくる「でも大丈夫、すぐに収まるわ」
華城みくる「漢方は何にでも効くもの」
藍原しずく「吸血鬼って味濃い飲み物駄目なんじゃなかったっけ」
華城みくる「・・・・・・」
華城みくる「キャーッそうだった!!」
華城みくる「シュウくん特に漢方が駄目なんだった!!」
藍原しずく「理解ある彼女じゃなかったの」
赤城「バカはお前だろバカ女!!」
華城みくる「時経てば忘れるもの仕方ないでしょ!?」
藍原しずく「漢方が〜どんどん胃腸に降りてくる〜」
赤城「アッ・・・死・・・ァ・・・」
  バタッ
華城みくる「何連想させてんのよ」
藍原しずく「連想で気絶させられるの楽しい」
華城みくる「まぁこれで静かになったからいいけど」
藍原しずく「一番うるさかったのはみくるさんだけどね」
華城みくる「あ?うるさいわよ」
藍原しずく「痛い、暴力反対」
華城みくる「ハンマーで反撃体勢取りながら言うな」

〇安アパートの台所
華城みくる「あんたって料理できんの?」
藍原しずく「やったことない」
華城みくる「フッ所詮ガキねw」
華城みくる「名誉挽回の為に美味しいおかゆ作って」
華城みくる「シュウくんのただれた胃袋治してみせるから」
華城みくる「あんたはせいぜい指咥えて見ときなさい」
藍原しずく「赤城さんは血の方が喜ぶと思うけど」
華城みくる「だ、だから血おかゆにしようと思ってたところよ?」
華城みくる「とにかく料理できるって見せつけられればいいの!」
藍原しずく「おかゆって料理に入るんだ」
華城みくる「それ炎上ワードよ」
藍原しずく「台所もやけに綺麗」
華城みくる「家が綺麗って素敵♡」
藍原しずく「もしやここに住もうとしてる?」
華城みくる「一ヶ月以内に同棲したいわね」
藍原しずく「貪欲」
華城みくる「人生は欲張った者勝ちよ」
華城みくる「さてお米お米〜」
華城みくる「・・・・・・」
華城みくる「何もない!?」
華城みくる「いやいや流石に食材はあるはず・・・」
華城みくる「冷蔵庫も空っぽ!!」
藍原しずく「使ってないから綺麗なんだ」
華城みくる「ぽつんとトマトとモッツァレラチーズだけ置かれてるのは何?」
藍原しずく「何かの暗示かな」
藍原しずく「トマト、モッツァレラ・・・」
藍原しずく「ト、モ・・・」
藍原しずく「友ってことか」
華城みくる「あんたも馬鹿なの?」
華城みくる「とにかく信じらんない!!」
華城みくる「あいつどんな食生活してんの!?」

〇安アパートの台所
  ☆赤城の適当な一日☆
赤城「毎日遅刻ギリギリなので朝食はない!」
赤城「昼食はサミゼリアの賄い!」
赤城「夕食は週2でしずくの血!」
赤城「無い日は気持ち程度に」
赤城「野菜のトマトと」
赤城「トマトに合うモッツァレラを食う!」
赤城「つまり俺の身体は」
赤城「9割がサミゼリア料理としずくの血」
赤城「1割がトマトとモッツァレラ」
赤城「で出来てるってわけだな☆」

〇古いアパートの一室
華城みくる「だから風邪引くのよバアアアカ!!」
  (肩揺さぶる)
赤城「の、脳が揺れる・・・」
藍原しずく「吸血鬼って血だけで生きられるんじゃないの?」
華城みくる「そうだけど血だけに依存すると気が狂うし」
華城みくる「吸収できる量が少なくても」
華城みくる「色んな栄養を摂るに越したことはないの」
華城みくる「ほら分かった!?」
華城みくる「吸血鬼だからって適当やってんじゃないわよ!!」
赤城「はい・・・」
藍原しずく「私も同じようなものだよ」
華城みくる「あ?」
  ☆しずくの狂った一日☆
藍原しずく「朝食は歩きながらトマトジュースで決める」
藍原しずく「授業中も休み時間もノンストップで飲み続ける」
藍原しずく「無くなったら即もう一本」
藍原しずく「まるでわんこそば状態」
藍原しずく「昼食はトマトパンとトマトサラダとトマトスープ」
藍原しずく「おやつは当然トマトジュース」
藍原しずく「夕食は家で保管してる高級トマトジュース」
藍原しずく「デザートにトマトゼリー食べて」
藍原しずく「トマトの入浴剤に浸かって」
藍原しずく「お風呂上がりにトマトジュースを一気飲み」
藍原しずく「羊の代わりにトマトを数えながら就寝」
藍原しずく「トマトの夢が見れますように・・・🍅」
「狂ってんのか!!」
藍原しずく「だってこれトマトに狂った一日だし」
赤城「あまりの狂気に目覚めたわ!!」
藍原しずく「私も吸血鬼みたいに好きな物食べて生きていく」
藍原しずく「好きな物で、生きていく」
華城みくる「カッコつけてんじゃないわよ!!」
華城みくる「人間は栄養偏ったら死ぬでしょうが!!」
藍原しずく「どうかな、トマトジュース依存症だから」
藍原しずく「トマトジュースだけで生きていける身体になってるかも」
華城みくる「何訳分かんないこと言ってるのよ」
赤城「え、それって吸血鬼紛いになったってことか・・・?」
赤城「いやそんなはずない」
赤城「だって不老不死じゃないだろ」
赤城「皮膚傷付けたら回復しないだろ」
藍原しずく「試してみる?」
赤城「いい、いい!!リスカになるから!!」
華城みくる「えっシュウくんこの子に何したの?」
赤城「初めて噛んだ時トマトジュース依存症になったんだ」
華城みくる「はぁ何それ!?」
赤城「知らない、俺も何が何だか・・・」
華城みくる「知らないで済まされる話じゃないでしょ」
華城みくる「吸血鬼の遺伝子がゾンビみたいに増えるなんて」
華城みくる「『噛まれた人は吸血鬼になる』っていう嘘の言い伝えが」
華城みくる「一部では該当し得るってことじゃない」
華城みくる「一大事だわ、血フレの仲間にも注意喚起しなくちゃ」
赤城「やっやめてくれ!!」
赤城「そんな悪評が広まったら血フレが」
赤城「吸血鬼の数少ない救いが消滅する!!」
赤城「吸血鬼がますます生きづらくなる!!」
華城みくる「だ、だって仕方ないでしょ?」
華城みくる「人間だって必死に生きてるんだから・・・」
藍原しずく「別に私は構わないよ」
華城みくる「いやあんただけの問題じゃないのよ」
藍原しずく「トマトジュース依存症になれて感謝してる」
藍原しずく「きっと皆も好きな食べ物ができれば喜ぶと思う」
華城みくる「もし吸血鬼になってても同じことが言えたわけ?」
藍原しずく「言えた」
華城みくる「なったことないくせにそんなの分かるわけないでしょ」
華城みくる「下手したら人類全員が吸血鬼になる可能性だって・・・」
赤城「だったらどうすれば良かったんだ」
赤城「俺はあの時死ねば良かったのか?」
赤城「そんなに俺に死んでほしいのか?」
華城みくる「あっ、ちが・・・」
赤城「お前昔からそうだよな」
赤城「吸血鬼に理解があるようで」
赤城「一番に吸血鬼のことを責めてくる」
赤城「だから会いたくなかったんだ」
藍原しずく「赤城さん言い過ぎ」
赤城「あ・・・すまん」
赤城「熱のせいでおかしくなってるんだな、忘れてくれ」
華城みくる「ううん、私が悪いの」
華城みくる「拒絶されてるって分かってるのに」
華城みくる「今も諦めがつかなくて」
華城みくる「一番馬鹿なのは私ね、ごめんなさい」
赤城「謝らなくていいから帰ってくれ」
赤城「俺といるともっと馬鹿になるぞ」
華城みくる「・・・じゃあバランスの良い食材だけ買ってくるわね」
  バタン
赤城「はぁ・・・頭痛が酷くなってきた」
赤城「寝るからお前も出てってくれ」
藍原しずく「私はずっとここにいるよ」
赤城「馬鹿になってるな」
藍原しずく「馬鹿でいいよ」
赤城「トマトジュースの量減らすぞ」
藍原しずく「それでもいる」
藍原しずく「友達だから」
赤城「・・・・・・」
赤城「なら頼むから静かにしててくれ」
藍原しずく「芸人がスベった時くらい静かにしてる」
赤城「気まずそうな沈黙はやめてくれ」

〇古いアパートの一室
藍原しずく「・・・・・・」
赤城「・・・・・・」
藍原しずく「名前、シュウさんって言うんだ」
赤城「ほら喋ってるじゃないか」
藍原しずく「そっちがいつまでも起きてるから」
赤城「お前がいるせいで寝れないんだ」
藍原しずく「存在が邪魔ってこと?」
赤城「邪魔ではないが」
赤城「寝たらまたあの悪夢を見そうで」
赤城「変な寝言を聞かれたくない」
藍原しずく「私は聞いてみたい」
赤城「絶対揶揄う気だろ」
藍原しずく「面白かったら揶揄うけど」
藍原しずく「ちゃんとした声だったらちゃんと聞く」
赤城「ちゃんと、なぁ・・・」
赤城「ちゃんと・・・」
赤城「俺ちゃんとしてたことあったか・・・?」
藍原しずく「これ寝言?」
赤城「面白い方のな」
藍原しずく「りょ」
赤城「ちゃんとできない度に思うんだ・・・」
赤城「吸血鬼って」
赤城「俺って醜いよなぁって・・・」
藍原しずく「ふぅん・・・」
赤城「ほら面白いだろ、揶揄ってくれ・・・」
藍原しずく「ねぇ、シュウさんが人を襲ったのって」
藍原しずく「私が初めてでしょ」
赤城「え?そうだが」
赤城「それがどうした?」
藍原しずく「あの夜、意を決して私の前に立ちはだかったんでしょ」
藍原しずく「頑張って生きようと思ったんでしょ」
藍原しずく「そんな姿が醜いわけない」
藍原しずく「醜くたって」
藍原しずく「私は吸血鬼が嫌いじゃないから」
藍原しずく「ううん」
藍原しずく「好きだから」
赤城「し、しず・・・」
赤城「う、うっ・・・」
藍原しずく「あれ、泣いてる」
赤城「駄目だ、熱でおかしい・・・」
赤城「あと無性に血が吸いたい・・・」
藍原しずく「流石吸血鬼だね」
赤城「でも一日に2回も吸ったらまた貧血になるよな」
藍原しずく「大丈夫、トマトジュース飲めば回復する」
赤城「そういうもんか?」
藍原しずく「そういうもん」
赤城「その言葉信じるぞ」
藍原しずく「うん、信じて」
赤城「・・・あ、しまった」
赤城「だるくて起き上がれん」
藍原しずく「じゃあじっとしてて」
赤城「え?何を」
  (口に指突っ込む)
赤城「んぐっ」
藍原しずく「はい、指から吸っていいよ」
赤城「指から吸っていいよ!?」
藍原しずく「だってシュウさんこういうの好きでしょ」
赤城「俺を何だと思ってるんだ!!」
赤城「寝たまま指咥えさせられるのは」
赤城「ちょっとあまりにも」
藍原しずく「好きでしょ(圧)」
赤城「・・・好きだな」

〇線路沿いの道
華城みくる「チッ何なのこれ!!」
華城みくる「全然友達の距離感じゃないわ!!」
華城みくる「盗聴器なんか仕込まなきゃ良かった」
華城みくる「これじゃ余計に辛くなるだけだわ」
華城みくる「あいつ私の前で泣いたことないくせに・・・」
華城みくる「やっぱり私じゃ何か足りない」
華城みくる「こうなったらどんな手を使ってでも」
華城みくる「シュウくんを奪ってみせるんだから・・・!!」
  つづく🍅

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