キューピットちゃんは、引籠り君に苦戦中っ‼

無知の無知

エピソード5 「キューピット、クレアの過去」(脚本)

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〇本棚のある部屋
小山 叶真(こやま とうま)「・・・・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・・・・・・・・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「あぁ、僕はダメだなぁ・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「僕程度の人間が、恋愛をしたいなんておこがましかったんだろうなぁ・・・」
恋のキューピット クレア(叶真、この前の件で完全にダウンしちゃってる・・・)
恋のキューピット クレア(早く、元気になって欲しいけど・・・)
小山 叶真(こやま とうま)「おっこがまし~や~、おっこがまし~や~、寝た方がまし~や~」
小山 叶真(こやま とうま)「そ~いやっ」
恋のキューピット クレア「そんな暗くて変な歌、歌わないでもらえる?」
小山 叶真(こやま とうま)「は~い、は~い」
恋のキューピット クレア「あとさ、寝間着! なんか戻ってないっ!?」
小山 叶真(こやま とうま)「なんか、もうどうでもいいかなぁって」
小山 叶真(こやま とうま)「どうせクレアだし、いいかなぁって」
恋のキューピット クレア「おぃぃい、失礼っ!!」
小山 叶真(こやま とうま)「あぁ、唯一の女性すらをも怒らせてしまった・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「やっぱり僕はダメなんだなぁ・・・」
恋のキューピット クレア「いや、それは元からだから・・・」
恋のキューピット クレア(早く、戻って欲しいなぁ・・・)
恋のキューピット クレア(めんどくさいし・・・)
恋のキューピット クレア「ね、ねぇ、今日は気分転換に遊びに行かない?」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・クレアと」
小山 叶真(こやま とうま)「かぁ・・・」
恋のキューピット クレア「ちょっと、失礼過ぎないかいっ!? 君っ!?」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「クレアまで、僕を避けようとするんだ・・・」
恋のキューピット クレア「叶真が避けてるんでしょうがぁっ!!」
小山 叶真(こやま とうま)「臆病風が吹き抜けて、僕の足をすくませて・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「僕の背中をつかもうとする」
小山 叶真(こやま とうま)「こうして僕は、何も出来ないクソ根暗として、生涯を終えるのであった」
恋のキューピット クレア「あの、叶真君。私は貴方の事を見捨ててもよろしいでしょうか」
小山 叶真(こやま とうま)「よろしくないです、助けてください」
恋のキューピット クレア「じゃあ、さっさと着替えて出かける準備しろ、この根暗♪」
小山 叶真(こやま とうま)「い、行きます、すいませんでした・・・」

〇住宅街の道
恋のキューピット クレア「もう、グダグダ準備してたから夜になっちゃったじゃんっ!!」
小山 叶真(こやま とうま)「大丈夫、クレアよりもこの星空達の方が綺麗だよ」
恋のキューピット クレア「星より下なのっ、私っ!?」
小山 叶真(こやま とうま)「大丈夫、僕より綺麗だよ、クレアは・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「そして、僕はゴキブリ以下・・・」
恋のキューピット クレア「なんかそれだと、私とゴキブリが同等みたいな感じじゃん・・・」
恋のキューピット クレア「とりあえず、美味しい物でも食べて元気出そうよ・・・。このままだと本当に出会いが無くなるよ?」
小山 叶真(こやま とうま)「僕には、クレアがいるから大丈夫でしょう」
小山 叶真(こやま とうま)「あぁ、可哀想なクレア。こんなゴミ男の世話をし続けなければいけないなんて・・・」
恋のキューピット クレア「このまま暗い事ばかり言ってると、私も見限るけど」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・ごめんなさい、見捨てないで」
恋のキューピット クレア「この後の会話次第だね」
恋のキューピット クレア「まぁ、お酒でも飲んで、忘れようよ」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「そうだね、ありがとう」

〇シックなバー
  店員「こちら、サイドカーです」
恋のキューピット クレア「うわぁ、綺麗・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「着てくる服、間違えたなぁ・・・」
恋のキューピット クレア「それは、叶真が適当な服を選ぶからでしょ・・・」
恋のキューピット クレア「ま、とりあえず気を取り直して」
恋のキューピット クレア「乾杯!」
小山 叶真(こやま とうま)「乾杯」
恋のキューピット クレア「とうま~、らいじょうぶらって~」
恋のキューピット クレア「もうひょいしたら美人が、現れるから~、って、そんな美人だったらとうまが緊張しひゃうか~」
恋のキューピット クレア「あはははははっ♪♪♪♪」
小山 叶真(こやま とうま)「クレア、バーで呑んだ時の酔い方じゃないんだけど・・・」
恋のキューピット クレア「でも、適当にやっれ、わたしみたいに失敗するなよ~?」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・?」
小山 叶真(こやま とうま)「失敗? 失敗って、何かあったの?」
恋のキューピット クレア「え? あ~」
恋のキューピット クレア「あー・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・何かあったんだ」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・良かったら、話してくれない? 何か力になれるかも」
小山 叶真(こやま とうま)「嫌なら大丈夫だけど」
恋のキューピット クレア「・・・・・・」
恋のキューピット クレア「・・・はなしゅ」
恋のキューピット クレア「・・・まだ、私が人間の時の話なんだけど」

〇綺麗な会議室
お客様(佐久間 美奈)「でも、私には恋愛経験が無くて、不安で・・・」
春野 来愛(はるの くれあ)「美奈さん、お気持ちはわかります。私も、恋愛経験は少ない方ですから」
春野 来愛(はるの くれあ)「でも、初めは皆さま未経験ですので、ご安心ください!」
春野 来愛(はるの くれあ)「では、お相手は引っ張り上手な方の方がよろしいですかね、そしてガツガツしておらず落ち着いた方とかどうでしょうか」
お客様(佐久間 美奈)「・・・い、いいですね。そういう方だと、安心できます」
春野 来愛(はるの くれあ)「では、お調べしますので少々お待ちくださいね」
春野 来愛(はるの くれあ)「・・・・・・あれ」
春野 来愛(はるの くれあ)「あの、美奈さん!? 希望条件の年収5000万は、そうそういませんよっ!?」
お客様(佐久間 美奈)「ご、ごせんっ!? あ、間違いです、打ち間違いですっ!!」
  クレア「私は、人間の頃は結婚相談所で働いていたの」
  クレア「好きな人同士が仲良くなる姿を見るのが好きだったから」

〇綺麗な会議室
春野 来愛(はるの くれあ)(はぁ、今日の仕事やっと終わったぁ・・・。そういえば、今日は土曜日だっけ。皆は楽しそうでいいなぁ)
春野 来愛(はるの くれあ)(まぁ、休日だとしても、私にやることなんてないけど)
真紀先輩「来愛ちゃん、ちょっといい?」
春野 来愛(はるの くれあ)「あ、真紀先輩。何かありましたか?」
真紀先輩「来愛ちゃんに、来客!」
春野 来愛(はるの くれあ)「来客、ですか? 予定は入っていませんけど・・・」
お客様(佐久間 美奈)「お久しぶりです、来愛さん」
春野 来愛(はるの くれあ)「あ、美奈さん、お久しぶりです!」
お客様(佐久間 美奈)「来愛さんのおかげで、彼との結婚する事が出来たのでご挨拶に来ました」
お客様(佐久間 美奈)「本当に、ありがとうございました!」
春野 来愛(はるの くれあ)「いえいえ、美奈さんが幸せな結婚が出来て、私も嬉しいです!」
お客様(佐久間 美奈)「また、何か機会があれば、ぜひお話しさせてください!」
春野 来愛(はるの くれあ)「はい、ぜひ!」
お客様(佐久間 美奈)「じゃあ、光、行こっか」
旦那さん(内海 光)「おう」
春野 来愛(はるの くれあ)「結婚、いいなぁ・・・」
真紀先輩「良かったね、お客様が無事に結婚出来て」
春野 来愛(はるの くれあ)「はい、本当に!」
真紀先輩「それで、来愛ちゃんはそろそろ結婚しないの?」
春野 来愛(はるの くれあ)「私は、お客様の幸せな姿が見れれば、それで十分ですから」
真紀先輩「そう? ならいいけど・・・」
真紀先輩「後悔しないようにだけ、気を付けてね」
春野 来愛(はるの くれあ)「は、はい!」

〇更衣室
  クレア「それから、数十年。私はずっと結婚相談所で働いてて・・・」
春野 来愛(はるの くれあ)「はぁ・・・」
春野 来愛(はるの くれあ)(やっと仕事が終わった。腰が痛い・・・)
春野 来愛(はるの くれあ)「もう、私も歳だねぇ・・・」
茉莉ちゃん「来愛さん、お疲れ様でーす」
春野 来愛(はるの くれあ)「茉莉ちゃん、お疲れ様」
茉莉ちゃん「来愛さんのアドバイスのおかげで、仕事がすごく順調で! 本当にありがとうございます!」
春野 来愛(はるの くれあ)「本当に? そう言ってくれると嬉しいわぁ」
茉莉ちゃん「あ、私が後片付けとか終わらせますので、来愛さんは帰って大丈夫ですよ」
春野 来愛(はるの くれあ)「そう? じゃあお言葉に甘えて。戸締りだけ、お願いね」
茉莉ちゃん「はい、わかりましたー」
春野 来愛(はるの くれあ)「うっ・・・」
茉莉ちゃん「来愛さん?」
茉莉ちゃん「来愛さんっ!? 来愛さんっ!!」

〇綺麗な病室
春野 来愛(はるの くれあ)「・・・・・・」
春野 来愛(はるの くれあ)(・・・まさか、こんな日が来るなんて)
春野 来愛(はるの くれあ)(お医者さんの口ぶりからすると、もう先は長くないみたいだし・・・)
春野 来愛(はるの くれあ)「・・・・・・」
春野 来愛(はるの くれあ)(まぁ、別に生きててやりたいことも特になかったし)
春野 来愛(はるの くれあ)(それなりに楽しかった、かな・・・)
  母「あー、よしよし、大丈夫でちゅよー」
  母「ほら、あなたもあやして!」
  父「え、あ、えっ!? あ、あっ、べろべろばー・・・」
  父「あ、今の無し、無しっ!!」
春野 来愛(はるの くれあ)(・・・あのご家族、赤ちゃんが生まれたんだ。いいなぁ)
春野 来愛(はるの くれあ)「・・・・・・」
春野 来愛(はるの くれあ)「・・・・・・」
春野 来愛(はるの くれあ)「いい、なぁ・・・」
  クレア「赤ちゃんの声を聞いて、初めて気づいたんだよね。私は、本当は幸せな結婚がしたかったんだって」
  クレア「素敵な旦那さんに出会って、子供に恵まれて、幸せな家庭を築いて・・・」
  クレア「でも、その自信が無かったから、結婚相談所で働いて、幸せな夫婦を見て自分に当てはめて、喜んでいた」
  クレア「そうやって、自分の気持ちから逃げていたの。逃げて、逃げて、逃げて・・・」
  クレア「・・・逃げなきゃ良かったって、思った」

〇シックなバー
恋のキューピット クレア「それで、今に至るの。生まれ変わってキューピットになったのは、私が天職だったからかな・・・」
恋のキューピット クレア「・・・でも、だからこそ」
恋のキューピット クレア「私はこんな後悔をしたからこそ、みんなに後悔して欲しくないの、叶真にも!」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・そっか」
小山 叶真(こやま とうま)「だからクレアは、僕の事を・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「改めて、ありがとう」
小山 叶真(こやま とうま)「だけどね、クレア」
恋のキューピット クレア「な、なに?」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「クレアは、それでいいの?」
恋のキューピット クレア「え、わ、私?」
小山 叶真(こやま とうま)「結婚したいって夢を掲げて、今もまた他人の事ばっかりで」
小山 叶真(こやま とうま)「それでいいのかなぁって」
恋のキューピット クレア「うっ・・・」
恋のキューピット クレア「だ、だって、キューピットで人間と恋愛は出来ないし、キューピットと恋したいなんて思う人、いるわけないし・・・」
恋のキューピット クレア「・・・・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「確かに、そうだね」
小山 叶真(こやま とうま)「キューピットになっちゃったから、前よりも恋愛が難しくなったのは、わかるかも」
小山 叶真(こやま とうま)「でも、今度は僕がいるよ?」
恋のキューピット クレア「え、と、叶真?」
小山 叶真(こやま とうま)「クレアが僕の恋愛を応援してくれるように、僕だってクレアの事を応援したいから」
小山 叶真(こやま とうま)「もし、クレアが幸せな結婚に憧れているのだったら、僕はそのために力を尽くしたい」
小山 叶真(こやま とうま)「それぐらい、いいでしょ?」
恋のキューピット クレア「叶真・・・」
恋のキューピット クレア「・・・ありがと」
小山 叶真(こやま とうま)「まぁ、恋愛経験の無い僕がどこまで手伝う事が出来るかは未知数だけど」
恋のキューピット クレア「そう言われると、あんまり期待できなぁい・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「でも、一人じゃないから、ね?」
恋のキューピット クレア「・・・ありがとう///」
小山 叶真(こやま とうま)「じゃあ、今日はもう少し、飲もっか」
恋のキューピット クレア「うんっ!」

〇黒
  ここからおまけ

〇住宅街の道
恋のキューピット クレア「きもちわるぃぃ・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「クレア、飲みすぎなんだって。今日はもう帰って・・・」
恋のキューピット クレア「やーだーっ!! 帰りたくなーいっ!!」
小山 叶真(こやま とうま)「クレア、幼稚園児じゃないんだから」
恋のキューピット クレア「帰りたくないぃ・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「赤ちゃんじゃないんだから・・・」
恋のキューピット クレア「叶真、どこにも行かないで・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「どこにも行かないよ、家には帰りたいけど・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・わかったよ。ここからは宅飲みにすればいいんじゃない?」
小山 叶真(こやま とうま)「コンビニでお酒でも買って」
恋のキューピット クレア「やったーーーっ!!!! 買うーーーっ!!!!」
小山 叶真(こやま とうま)(クレアは、酔うとあれだなぁ・・・)
  クレア「叶真ーー!! どこにも行かないでって言ったのにーー!!」
小山 叶真(こやま とうま)「クレアが勝手にどっか行ったんじゃん・・・」

次のエピソード:エピソード6 「運命の相手に出会う…っ!?」

コメント

  • いつでも人の世話ばかり焼いて優しいクレア!!
    泣ける話ですね~😭
    来愛というのはいい名前ですね。名前に反して愛が来なかったのが寂しいです。
    また人間に生まれ変わる事があれば、自分の為に生きて欲しいですね。
    確かに自信は大事でしょう。失敗なんて年を取ると笑い話ですから、思い切りやった方が良いですね😃

  • クレアさんの生前の姿、春野さんの過去。
    独身を貫いてしまった後悔が、彼女の原動力だったんですね……。
    小山君、クレアさんの夢叶えてあげなよ。
    続きを待ってます。

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