キューピットちゃんは、引籠り君に苦戦中っ‼

無知の無知

エピソード6 「運命の相手に出会う…っ!?」(脚本)

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〇本棚のある部屋
小山 叶真(こやま とうま)「あぁ、駄目だなぁ・・・」
恋のキューピット クレア「叶真、また暗くなってるぅ・・・」
恋のキューピット クレア「この前の男らしかった叶真はどこに行ったのさぁ・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「あれは、アルコールが生み出したもう一人の僕なのです」
恋のキューピット クレア「あぁ、叶真も酔っていたのね・・・」
恋のキューピット クレア「とうまぁ、元気出してよぉ・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「元気ですよぉ、絶望しているだけで」
恋のキューピット クレア「叶真、絶望と元気って基本的に共存しない言葉ってこと、知ってる?」
恋のキューピット クレア「大丈夫だって、もう少ししたら出会いだってきっとあるからさぁ・・・」
恋のキューピット クレア「元気出してよぉ・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・え?」
恋のキューピット クレア「・・・・・・」
恋のキューピット クレア「・・・ん?」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・出会いはあったよ?」
恋のキューピット クレア「・・・どゆこと?」
小山 叶真(こやま とうま)「マッチングアプリでチャットが盛り上がって、明日デートすることになって」
小山 叶真(こやま とうま)「それで、緊張しちゃっているわけです」
恋のキューピット クレア「・・・え、」
恋のキューピット クレア「えぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええっっっっっっっっ!!!!????」

〇ハチ公前
小山 叶真(こやま とうま)「うぁぁ・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「吐くぅ・・・」
恋のキューピット クレア(うわぁ、また具合悪そうな顔してる・・・)
恋のキューピット クレア(本当に、大丈夫かなぁ・・・)
恋のキューピット クレア(っていうか、やり取りが上手くいっているなら、私に言ってくれても良いのにっ!)
  ?「あ、と、叶真さん、ですか?」
恋のキューピット クレア(・・・来たっ!)
小山 叶真(こやま とうま)「あぁ、う、うぇぇ・・・」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「あ、ち、違いますか!? と、叶真さんじゃないで、すか・・・?」
小山 叶真(こやま とうま)「い、いえ、叶真です、よろしくどうぞ・・・」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「あ、合ってて良かったです!」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「わ、わたしの名前は、ふ、ふゆきあさ、あす、あすあすみ、あす、・・・」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「・・・そんな感じです」
  クレア(二人共、大丈夫っ!?)
小山 叶真(こやま とうま)「・・・ひょっとして、愛澄さんも緊張されていらっしゃいますか?」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「うぇぇ!? あ、ば、バレましたっ!?」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「す、すみません、ずっと女子とばっかり一緒にいて、男の人とお話しした事がほとんどなくて」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「そのせいで、男性は女性とは別の存在だと感じる癖がついちゃってしまって、それで、だから、臆病になっちゃって」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「男性への憧れと恐怖心に板挟みになっちゃって、板挟みの間のぬくもりと、寂しさと言いますか、孤独と切なさが、えっと・・・」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「・・・そんな感じです」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・どんな感じだ?」
  クレア(どんな感じっ!?)
小山 叶真(こやま とうま)「・・・僕と似ていますね。僕も凄く緊張していまして」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「え、ほ、本当ですか? そうやって、私を安心させようとしても、そうはいきませんよ!?」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「叶真さんは、落ち着いていますから!!」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・そんな事は無いのですが」
  クレア(変わった人・・・)
小山 叶真(こやま とうま)「・・・でも、なんだか落ち着きました。緊張しているのが自分だけじゃないってわかって」
小山 叶真(こやま とうま)「ありがとうございます」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「え、あ、こ、こちらこそ・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「じゃあ、愛澄さん、行きましょうか」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「あ、は・・・」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「は、はい!」

〇ゲームセンター
小山 叶真(こやま とうま)「それにしても、ビックリしましたよ。まさか僕と同じ趣味の人がいるとは思いもしませんでした」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「そ、それは、思いました! 私も、同じ趣味の方を見つけて、やった! って思っちゃって、気が付いたら話し込んじゃって」
  クレア(そっか。愛澄さんって方も、叶真と同じゲーム好きなんだ)
  クレア(口調からして絶対に悪い人じゃないし、これなら叶真と上手くいくかも!)
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「で、でも女性でゲーム好きって、変、ですかね・・・?」
小山 叶真(こやま とうま)「いえ、全然。むしろ、僕は一緒に楽しめてすごく嬉しいですよ」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「そ、それって、お付き合いして欲しいって、事ですかっ!?」
小山 叶真(こやま とうま)「えっ!? いえ、そういう訳では。いや、愛澄さんが嫌いって訳ではないですが・・・」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「あ、あぁぁごめんなさい! 私、本当に不慣れで、全くわかっていなくて・・・」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「なんか、気分を害してしまったら本当にごめんなさい・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「いえ、全然気にしませんよ」
小山 叶真(こやま とうま)「せっかくですし、どれかゲーム一つ、やりましょうか」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「は、はいっ!」
  クレア(すごい、叶真がデートを引っ張ってる。・・・なんか新鮮かも)
小山 叶真(こやま とうま)「じゃあ、このアクセサリーでも取ってみましょうか」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「えぇぇっ!? プロポーズですかっ!?」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・はい?」
  クレア(叶真より恋愛下手な人って、いるんだなぁ。・・・世界は、広いなぁ)

〇繁華な通り
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「叶真さん、先ほどはありがとうございます! すっごく楽しかったです!」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「お揃いのブレスレットが取れて、すっっっごく嬉しいです!」
小山 叶真(こやま とうま)「はい、僕も二つ取れるとは思ってなかったので、嬉しいです」
小山 叶真(こやま とうま)「それに、愛澄さんもゲームが上手でビックリしちゃいましたよ」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「まぁ、伊達に毎週ゲームセンターに行っていませんからねっ!」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「・・・・・・」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「あ、ちゃんと稼ぎの範囲内ですよ! その点は、大丈夫ですからね!」
小山 叶真(こやま とうま)「大丈夫、わかってますよ」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「叶真さんが優しくて、良かったぁ!」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「あ、あの、夕ご飯も一緒に食べませんか? もう少し、お話したくて・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「いいですね、行きましょうか」
恋のキューピット クレア(叶真と愛澄さん、お似合いだなぁ。雰囲気、すっごくいい感じ)
恋のキューピット クレア(じゃあ、そろそろ恋の矢の準備を・・・)
恋のキューピット クレア「・・・・・・」
恋のキューピット クレア「・・・準備、しなきゃ」

〇古民家カフェ
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「ここのお店、前にお友達が紹介してくれたお店なんです! 凄く美味しいみたいで!」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「実は、私は初めてなんですけど・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「いえ、僕もずっと前から行ってみたかったので、ちょうど良かったです」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「本当ですか? 喜んでいただけて、すっごく嬉しいです!!」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「叶真さんと一緒にいると、すっごく楽しいなぁ・・・」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「ずっと一緒に居たいって、思っちゃいますっ!!」
小山 叶真(こやま とうま)「本当ですか? 僕も楽しいですよ」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「あっ、えっと・・・」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「・・・今のは、私なりの告白です///」
小山 叶真(こやま とうま)「えっ・・・」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「私、本当に男の人と会うのが初めてで、すっごく緊張しちゃって、変な事ばっかり言っちゃって・・・」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「で、でも、叶真さんはそんな私の事を気にせず、笑顔で私に接してくれて・・・」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「男の人とのデートが、こんなに楽しいだなんて、思いもしなかったです」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「だ、だから、その、私、もっと叶真さんと一緒にいたいなって、思っちゃいまして・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「そう言っていただけると、嬉しいですね」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「だから、その、友達関係で構いませんので、その・・・」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「・・・お付き合い、してみませんか?」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「・・・あ、ご、ごめんなさい! こんな会ってすぐに無理を言ってしまって!! 無理な場合は、全然大丈夫なのでっ!!」
小山 叶真(こやま とうま)「いえ、無理だなんて、全然」
恋のキューピット クレア(・・・叶真、やったじゃん。やっと、凄い良い出会いに巡り合えて)
恋のキューピット クレア(よし、二人の幸せな姿を思い描いて・・・)
恋のキューピット クレア「・・・・・・」
恋のキューピット クレア(早く、思い描かなきゃ・・・)

〇教会の中

〇古民家カフェ
恋のキューピット クレア(あ、あれ、う、うまくいかない・・・)
恋のキューピット クレア(え、えっと、えっと・・・)

〇教会の中

〇古民家カフェ
恋のキューピット クレア(えっ、あ、あれっ!? ち、違う! そうじゃなくて、そうじゃなくて・・・)
恋のキューピット クレア「・・・叶真」
恋のキューピット クレア「・・・・・・」
恋のキューピット クレア「叶真・・・」
恋のキューピット クレア「・・・っ!」
小山 叶真(こやま とうま)「っ・・・!」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「どうか、しましたか?」
小山 叶真(こやま とうま)「あ、いえ、すみません・・・」

〇黒
  叶真「クレア・・・」

〇黒
  ここからおまけ

〇女の子の一人部屋
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)(ダメぇ、緊張するぅ・・・)
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)(明日のデート、叶真さんと上手くいくといいけど、もし万が一の事があったらどうしよう・・・)
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「・・・お腹痛くなってきた」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)(よしっ! 過去に友達から聞いたアドバイスを思い出せ、私っ!!)
  『一緒に居て楽しいという言葉は、愛澄に好意があるって事だからっ!!』
  『アクセサリーをプレゼントするって事は、もはやプロポーズの意味だからっ!!』
  『アクセサリーを付けてきた男は、お洒落に努力しているかチャラ男の二択っ!!』
  『あと、男は基本的にクソだから、気を付けてねっ!!』
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「・・・・・・」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)「・・・頭、痛くなってきた」

〇ハチ公前
小山 叶真(こやま とうま)「・・・・・・」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)(あ、あの人が叶真さんっ!? アクセサリーを付けてるって事は、お洒落に努力しているか・・・)
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)(・・・チャラ男って、ことっ!?)
小山 叶真(こやま とうま)「おぇぇ・・・」
冬紀 愛澄(ふゆき あすみ)(・・・チャラ男では、無いかも)

次のエピソード:エピソード7 「ごめんね、ありがとう」

コメント

  • お似合いのカップルと言うか
    とても微笑ましい話で素敵ですね!
    悪い人が1人もいないのがいいですね。
    そんな中、クレアの葛藤からの矢がどんな波乱を呼び起こすか楽しみです😃

  • クレアさんは小山君と結ばれる運命を脳内で描いてしまってるようですね。
    そんな葛藤の最中、クレアさんが矢を放ちましたが果たして小山君はクレアさんを選ぶのか。それとも……。

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