勇者にはほしい才能がある

東龍ほフク

37/ヒ・ルセル(脚本)

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〇源泉

〇怪しげな祭祀場
オージュ・ウォゲ「あれ‥‥‥『もう充分、魔物や気候で世界が 壊れて満足したし』の意味だったんだけど」
マモ「‥‥‥すみません 意味がよくわからないのですが」
オージュ・ウォゲ「え? そのままの意味だけど?」
マモ「つまり、あの異常な暑さと魔物発生の 原因はオージュ先生の仕業‥‥‥ という事でよろしいのですか?」
オージュ・ウォゲ「ん? うん」
  ※そこらの片付けを始めるオージュ
オージュ・ウォゲ「本当はもうちょっと早めに止めるつもり だったんだけど、原稿に忙しくて コッチ来れなくてね」
オージュ・ウォゲ「ごめんごめん」
「‥‥‥‥‥‥‥」
マッチョ兵士「すみません、オージュ先生」
マッチョ兵士「ちょっと、事情聴取したいので 城まで同行願えますか?」
オージュ・ウォゲ「え? なんで? やだよ」
オージュ・ウォゲ「ん? 昔、盛大に割った城のガラスの事?」
オージュ・ウォゲ「あれは、叙情酌量で許されたんだけど?」
マッチョ兵士「‥‥‥その事じゃないっす」
マッチョ兵士「魔物の大量斡旋、及び‥‥‥気象操作の件に ついてですよ」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥」
マッチョ兵士「!!」
オージュ・ウォゲ「原稿中に読めなかった積み本を消化 しなきゃだから、ヤですぅ」
マモ「── おい!」
オージュ・ウォゲ「何? 君も王様にチクるとか言い出すの?」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥」
マッチョ兵士「我々がオージュ先生を連れて行くから、 念の為にそこの治癒師くんは先に 城に報告向かってくれるかな?」
マモ「── ! は、はい‥‥‥」
マッチョ兵士「こういう時、なんて言うんだっけ‥‥‥」
マッチョ兵士「『子供はとっとと帰って  ママのおっぱいでも吸ってな!!』」
マッチョ兵士「‥‥‥だっけ?」
マモ「頭悪いけど、そのぶん『強い』って 信じてますからね!?」
オージュ・ウォゲ「やはり、軍人はアホだなぁ‥‥‥‥」

〇洞窟の深部
マモ((マジか?! 魔物発生と、この暑さが  オージュ・ウォゲのせい‥‥‥?!))
マモ((城‥‥‥の前に、ギンに相談‥‥‥))
マモ((いや、ギンはアイツになついてる‥‥‥))

〇怪しげな祭祀場
マッチョ兵士「だわぁ!!」
オージュ・ウォゲ「泣いて癇癪(かんしゃく)を起こした エルム・ナキュの方がまだ手応えあるぞ」

〇洞窟の深部
オージュ・ウォゲ((走って追うの面倒くさいなぁ))
オージュ・ウォゲ「‥‥‥やはり、事前にやっておいてよかったなぁ」

〇赤い花のある草原
マモ「うっわ、さみぃ‥‥‥」
マモ「──── つっ‥‥‥‥?!」
倒れるマモ「なっ‥‥‥‥?!」
  何が起きた?
  身体が激痛に襲われた。
  動けない。
  まずい。
  ── しかし、なんだ?
  俺はこの“痛み”に覚えが‥‥‥‥‥

〇黒

〇赤い花のある草原
オージュ・ウォゲ「おはよう」
  ※足で仰向けにされる血まみれマモ
ボロボロマモ「‥‥‥‥ァ ƕ ナ ̵̲ 、お ૠ に ד֝ժ՝にを ᒐ ナ ̵̲‥‥‥?」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「治癒魔法を使えると、こういう事ないかい?」
  「う〜ん、治癒魔法をお願いします‥‥‥」
  「治癒料は、これくらいで‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「はいはい」
  「‥‥‥‥‥」
  「ありがとうございます! イェーイ!」
オージュ・ウォゲ「支払いは‥‥‥‥‥?」
オージュ・ウォゲ「── みたいな」
オージュ・ウォゲ「治療した後で、手の平を返すような輩を」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥あいつもな、あいつもそうだった」

〇戦地の陣営
オージュ・ウォゲ「‥‥‥ったく、傷は塞いでやるけど しばらく休めよな?」
エルム・ナキュ「イェーーイ!!!! 完治ーー!!!!」
エルム・ナキュ「本屋に行ってきます!!!!!」
オージュ・ウォゲ「おどれぇ!  「安静にせぃ」言うたそばから 何、逆らっとんかぁ!!!!」
オージュ・ウォゲ「クッソぅ‥‥‥あいつにかけた回復魔法を ”なかった事に”してやりたい‥‥‥!」

〇赤い花のある草原
地べたのマモ「ま、ㄜ תʅ ‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「そう、君にかけた回復魔法を “キャンセル”したんだ」
オージュ・ウォゲ「『ヒール・キャンセル』だよ」
オージュ・ウォゲ「『ヒ・ルセル』って略し方、 カッコよくない?」
ボロボロマモ「‥‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「── というわけで、君のその 1番大きい痛みはアレだよ」
オージュ・ウォゲ「ギン君とハイタッチして、ぶっ飛ばされて 背骨やら腕やら損傷した時の怪我」
オージュ・ウォゲ「それを治癒する際のついでに治した 他の傷も戻させてもらったよ」
ボロボロマモ「── !!」
オージュ・ウォゲ「── 傷も、疲労も」

〇森の中
  足のだるさは、アレだろうか。
  あいつ、サクサクと獣道を歩いてくから
  それに着いていくのに必死な時があって。

〇古書店
マモ「‥‥‥‥‥‥」
  あいつが何時間も本屋で立ち読みするのに
  付き合ったり。

〇可愛らしいホテルの一室
マモ「‥‥‥‥で、〜〜じゃないのか?」
ギン「お前、面白いこと言うなぁ〜!」
マモ「──── つっ‥‥‥!!」
  奴の『軽く叩く』は、だいぶ痛くて。

〇おしゃれな廊下
編集者「ひ、ひぃい‥‥‥!」
マモ「── おい! やめろ!」
  ※ギンを取り押さえようとして、
   運悪く 腹にギンのヒジが当たる
マモ「つっ ── !」
ギン「‥‥‥んだよ、邪魔すんなよ」
倒れているマモ「──── !!!(ㆆ ㆆ)」
  ※腹を足蹴にされるマモ
床のマモ「ガハッ‥‥‥!」
編集者「だ、大丈夫か キミ‥‥‥」
編集者「‥‥‥なんか、殴られまくってた僕より 痛そうだね‥‥‥?」
編集者「いや、もちろん僕も痛いんだけど‥‥‥」
マモ「‥‥‥‥‥」
マモ「もしかしたら『殴る』と自分の意志で 決めている時は、自然と手加減していて 逆に痛くない、のかもしれません‥‥‥」
マモ「流れ‥‥‥というか、馴れ合いで 何気なしにはたいたりした時のほうが 力入ってて痛い、のかも‥‥‥」
マモ「今の蹴りも‥‥‥軽くやったつもり、 でしょうけど‥‥‥」
マモ「胃が‥‥‥‥」
編集者「大丈夫?!」

〇厩舎
ギン「陽きャ תʅ゙ 卜いレにあつま ʓ ၈ 、 王里 由 क ʓ っ!」
マモ「いっ ──!」
  掴んでくる腕の力が痛い。

〇山並み
ギン「マもまモォ才ォぉーーーーー??!!!?!」
  あれは「死んだ」と思った。

〇黒
  あと、さすがに鼓膜は破れていないだろうが
  アイツが急に出す大声に、
  耳をつんざかれたかと思った事が何度か。
  ‥‥‥‥‥‥‥
  そのダメージと、疲労の蓄積。

〇赤い花のある草原
  “それ”を一度に戻されたのなら、なるほど。
  動けないだろう。
オージュ・ウォゲ「『心優しいヒーラーあるある』でさ」
オージュ・ウォゲ「”他の人の回復はするけど、自分のは 疎かにして自然治癒に任せちゃう”の」
オージュ・ウォゲ「前衛で頑張ってる人を優先させて‥‥‥さ」
オージュ・ウォゲ「君も『ギン君を回復するための魔力を 節約して、自分をおざなりにしていた』 クチだね?」
雪積もるマモ「‥‥‥推㇟には、ιϯ゙ խ き で ɭ ɿ てほしいか ᣡ な ‥‥」
オージュ・ウォゲ「ファンの鑑だなぁ」
オージュ・ウォゲ((ん?))
オージュ・ウォゲ((彼の顔色が若干、良くなっ‥‥‥))
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「回復魔法を使ってたのなら『パァアア✨』 って効果音を出さなきゃダメでしょ」
オージュ・ウォゲ「こっそり回復してたなんて、やらしいなぁ」
マモ「うるせぇ! クソが!!」
オージュ・ウォゲ「っていうか、攻撃魔法も使えたんだね 君もメーラー(※メイジ+ヒーラー)か」
オージュ・ウォゲ「それで、ヒーラー職の方を選ぶの? 珍しい‥‥‥っていうか、お人好し‥‥‥」
マモ「うるせぇな!  親父と姉がよく怪我するから、 やらざるをえなかっ‥‥‥」
マモ「今、ソレ関係ねぇだろ!!!」
オージュ・ウォゲ「自分から言ったんじゃん‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥」
マモ(ㆆ ㆆ)「‥‥‥‥‥‥?!」
のたうつマモ「──── ?!  ぁ゙、ד֝ժ՝ っ‥‥‥?!」
オージュ・ウォゲ「お腹 痛い?」
オージュ・ウォゲ「そりゃそうだ マンドラゴラなんて飲み食いしたから」
マモ(ㆆ ㆆ)「‥‥‥‥?!?!」
オージュ・ウォゲ「── まぁ、12歳ほどの免疫力なら 摂取しても何も問題ない毒性なんだけどね」
オージュ・ウォゲ「君の体の免疫力を低下‥‥‥劣化させて、 マンドラゴラ如きの毒が効くようにしたよ」
  ‥‥‥‥何だ、コイツ。
  そんな用意周到に毒を盛っていたのか?
  何かあった時の為に、いつでも
  発動させられるように?
  なんっ‥‥‥‥
オージュ・ウォゲ「ちょ‥‥‥何よ、その憐れむような目」
オージュ・ウォゲ「別に『人を信用していないから、 毒を盛っておいた』わけじゃないよ」
オージュ・ウォゲ「信用してようがしてなかろうが、 まぁとりあえずしといたっていいじゃん?」
オージュ・ウォゲ「そしたら案の定、こうして使えたわけだし」
吐血マモ「‥‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「というか、私だってこんな事したくないのよ?」
オージュ・ウォゲ「まずは話を聞いてよ。ねっ?」
オージュ・ウォゲ「私のしたことは、読み専の人も 得する事だと思うよ?」
マモ「‥‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「あぁ、いいかげん寒いね」
オージュ・ウォゲ「とりあえず、移動しようか」

〇黒
オージュ・ウォゲ「ほぉ」
オージュ・ウォゲ「雪の画板に血は美しいものだな」

〇雪洞

〇坑道
オージュ・ウォゲ「大丈夫? 耳、聴こえてる?」
マモ「‥‥‥‥‥‥死ね」
オージュ・ウォゲ「じゃ、話すね」

〇空
  あれは、エルム・ナキュが隣国に
  渡航してしばらく経った頃かな。

〇綺麗な教会

〇黒

〇教会の中
「おい! 無事か?!」
「ったく! 空中型が炎を吐いてくるとか‥‥‥ 進化でもしたのかよ!」
マッチョ兵士「オージュ! もう逃げ遅れた人は いないよな?!」
オージュ・ウォゲ「あぁ‥‥‥これで全部だろう‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「お前らは休んどけ、扉は私が抑えておく」
兵士「はぁ‥‥‥頼んだよ、オージュ‥‥‥」
  ちょっと、運が悪くて魔物に
  追い詰められたことがあってね。
オージュ・ウォゲ「魔物っ ──── ?!」
???「おーい! 入れてくれー!」

〇綺麗な教会
シグ・スヌゾィ「俺だよ! シグだよ!」
シグ・スヌゾィ「開けてくれ!」

〇怪しげな酒場
  ※26話の酒場でのコイツ

次のエピソード:10.5/ギン君はぴば!……だが、メインは親父だ。

コメント

  • マモ死なないで……(この発言、逆に死亡フラグ臭が😅)
    いやマモさん、マジボロボロなんですけど、この原因ほぼギンなんですよね😇なんだろう…この状態のマモ見て、オージュ先生にギンが怒ってもツッコミが不可避。
    オージュ先生がやっぱり怖い😱別にそういう目的があったわけじゃないけど、抜け目がなさすぎる程の保険のかけてるんですよね…今回の締めの展開、予想できてないんですけどあのキャラすぐ死ぬんですね😅

  • ギン君こんなに暴力的でしたっけ!?それにしてもマモたん激痛挿し絵がカッコいいです!
    オージュ先生はもう何やっても驚かないですっwww
    しかしマモたん攻撃魔法も使えるなんて!魔物そっちで倒した方がグロくなかったのでは!?(笑)

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