吸血鬼との共存を頑張ろう

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6話 チクチクコミュニケーション(脚本)

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〇ゆるやかな坂道
如月天音「あーあ結局しずくちゃんと契約したんだ」
如月天音「いいなー僕も狙ってたのに」
赤城「早い者勝ちだから諦めるんだな」
如月天音「この世は残酷だよ・・・」
如月天音「まっ君の場合天涯孤独だったし」
如月天音「今回は心優しき友人として譲ってあげたってことで!」
赤城「譲ってもらった覚えはないんだが?」
如月天音「借りは必ず返せよ?このこの〜」
赤城「なんだこいつ・・・」
如月天音「あ、噂をすれば本人登場」
影野夜月「今日のテスト難しかったですね・・・」
藍原しずく「そうかな」
影野夜月「えっ藍原さん解けたんですか?」
藍原しずく「解けた」
藍原しずく「夢の中では」
影野夜月「そんなことだろうと思いました」
影野夜月「テストで寝るのは流石にまずくないですか?」
藍原しずく「眠気を誘うテストが悪い」
影野夜月「ひどすぎる責任転嫁!!」
藍原しずく「家庭科は自信あるよ」
影野夜月「おっ良いですね」
藍原しずく「食べ物の栄養についての解答」
藍原しずく「全部トマトジュースにしたから」
影野夜月「トマトジュースを信じすぎです!!」
藍原しずく「知ってた?トマトジュースは五大栄養素全てを含んでいるんだよ」
影野夜月「デマ情報流さないで下さい!!」
藍原しずく「ふわぁ・・・テストのこと思い出したらまた眠くなってきた」
影野夜月「藍原さん0点確定じゃないですか」
影野夜月「留年だけは絶対避けて下さいね?」
影野夜月「じゃないと僕また一人になって」
影野夜月「辛くてテストにも集中できないので・・・」
影野夜月「って藍原さん?」
藍原しずく「Zzz・・・」
影野夜月「藍原さーん!!」
如月天音「うわぁあの子道路の真ん中で立ったまま寝てるよ」
赤城「流石としか言いようがないな」
如月天音「中身ちょっとあれだけど」
如月天音「それを超えるほど内臓(血)良かったんだ?」
赤城「あぁ、中身で判断しちゃいけない」
赤城「人間は内臓が9割だ」
如月天音「それ僕が働いてる本屋で売りたすぎるな」
影野夜月「あっ天音さんだ、助けて下さい!」
影野夜月「何やっても起きないんです!」
如月天音「え〜頭蓋骨キックとかしてみたら?」
赤城「嫉妬の八つ当たりやめろ」
影野夜月「3mくらい助走つけてみますね!」
赤城「お前も乗り気になるな」
赤城「ここはパートナーの俺に任せろ」
如月天音「うわ調子乗ってる」
赤城「すぅっ・・・」
赤城「大変だートマトジュースの雨が降ってきたー(棒)」
藍原しずく「どこ?」
如月天音「えぇ・・・」
赤城「な、こいつチョロいだろ」
藍原しずく「快晴だけど嘘ついたの?」
赤城「嘘に決まってるだろ」
赤城「トマトジュースのことになると一層馬鹿になるな、はは」
藍原しずく「嘘ついたから針千本飲んでもらうね」
赤城「すまなかった」
藍原しずく「飲んでから謝って」
赤城「早くそれ仕舞おうか?な?」
藍原しずく「Let's天誅」
赤城「ギャアアア!!」
如月天音「うーわ契約しなくて良かったぁ・・・」
藍原しずく「あ、嘘つきと天音さんって友達だったんだ」
如月天音「ううん赤の他人」
赤城「傷を抉るな」

〇簡素な一人部屋
  〜しずくの部屋〜
赤城「あー今日も美味かった、ご馳走様」
藍原しずく(血を与え続けて一ヶ月経つけど)
藍原しずく「痛い」
赤城「ん?」
藍原しずく「毎晩痛みが残って寝れない」
赤城「道路の真ん中で寝る奴がか?」
藍原しずく「今はベッドの上ですら寝れない」
赤城「道路で寝てきたらどうだ」
藍原しずく「次はどこに刺そうかなー」
赤城「ね、寝れないなんて大変だなぁ!」
赤城「強力な睡眠薬買ってきてやろう!」
藍原しずく「そういうことじゃない」
藍原しずく「根本的に解決してほしい」
赤城「んなこと言われても吸血ってそういうもんだからな」
赤城「そのうち慣れるだろ」
藍原しずく「あなたの吸い方が悪いんじゃないの」
赤城「は?」
赤城「お前、吸血のプロに、何てことを」
藍原しずく「優しく噛む練習しといて」
藍原しずく「次まで改善されなかった場合」
藍原しずく「あなたにも痛い目に遭ってもらうから」
赤城「いつも遭ってる気がするが」
藍原しずく「そうなんだ」
赤城「お前だよ」
藍原しずく「ちなみに今までで何が一番痛かった?」
赤城「アンケート取るな」
藍原しずく「次に活かすから」
赤城「じゃないんだよ」
藍原しずく「やっぱスタンガンかな、スタンガンでしょ」
赤城「い、意外とそこまででもないぞ」
藍原しずく「食らいたくなくて嘘ついてる?」
藍原しずく「針飲みたがってる?」
赤城「いやぁそんなことは・・・」
赤城「嘘ついてることを針飲みたがってるって言うな」
藍原しずく「じゃあ色々試してもらおうか」
赤城「え?」
藍原しずく「法律の問題で試せない武器沢山あるんだよね」
赤城「吸血鬼は法律適用外だって言いたいのか?」
藍原しずく「どれにしようかなー」
藍原しずく「手始めにダイナマイトで爆発でもしとく?」
赤城「善処する!!善処するから!!」
  バタン
藍原しずく「ふわぁ・・・最近冗談の会話が多いから疲れた」
藍原しずく「まだ7時だけど寝よっと」
藍原しずく「Zzz・・・」
  ※寝れてる

〇古いアパートの一室
  〜赤城の部屋〜
赤城「つい善処するとは言ったものの、一体何すりゃ良いんだか」
赤城「まぁなんとかなるだろ、寝よう」
  〜30分後〜
赤城「・・・夜行性なせいで目が冴えて眠れん」
赤城「強力な睡眠薬が欲しいのは俺の方だ」
赤城「あー寝たい寝たい・・・」
  ♪ピロン
赤城「チッうるさいな」

〇水色(ライト)
  〜LIME画面〜
秋「深夜に連絡してくるな」
天音「おかしいと思わない?この世は」
秋「深夜に連絡してくる方がおかしいぞ」
天音「少女は女が少ないって書くし」
天音「男気は男が強いこと前提だし」
天音「吸血鬼には鬼ってついてるんだよ!!」
天音「勝手に悪だと決めつけて排除してるんだよ!!」
天音「人間だって十分悪のくせに!!」
秋「お前飲んでるだろ」
天音「飲む気も起きない!!」
秋「シラフでそんな怒れるのすごいな」
天音「日々ストレスを募らせてるからね」
秋「モテる分際でストレスとか言わないでほしいが」
天音「その点創作物は良いよ〜」
天音「吸血鬼を魅力的な善として描いてくれる」
天音「特に少女漫画なんて最高だよ」
天音「吸血鬼ってだけでモテるし」
天音「血吸っただけで女の子発情して喜ぶし」
秋「イケメンってのが大前提だけどな」
天音「もう僕少女漫画の世界行きたい!!」
天音「吸血鬼イメージアップに大いに役立ちたい!!」
秋「さも自信がお有りのようで」
天音「君だって自信持ちなよ」
天音「こんなに性格あれなのにパートナーGETできたんだよ」
秋「それがなぁ、吸い方が面倒とかほざき出して面倒なんだ」
天音「パートナーがいる分際で面倒とか言わないでほしいんだけど」
天音「そうだ、僕のお気に入りのTL漫画」
天音「『ヴァンパイアと秘密のKISS』」
天音「略してヴァンKISS貸してあげるから」
天音「女子を喜ばせる噛み方でも参考にしなよ」
秋「暇潰しに読んでみるか」

〇古いアパートの一室
  〜後日〜
赤城「うぉ、普通にエロ漫画だ(歓喜)」
赤城「これ成年向けじゃないの無理があるだろ」
赤城「吸血鬼を淫らなイメージで描かれるのは嫌だが」
赤城「持ち上げられて悪い気はしない」
赤城「この通りの行動で本当にあいつが喜ぶのか見ものだな」

〇簡素な一人部屋
赤城「約束通り練習してきたぞ」
赤城(漫画読んだだけだが)
藍原しずく「ふぅん、お手並み拝見」
赤城「何様だ・・・」
赤城「じゃあ痛かったら言ってくれ」
藍原しずく「おけ」
赤城「いくぞ・・・」
藍原しずく「目キマってるけど大丈夫?」
赤城「大丈夫だ」
  ドサッ(ベッドに押し倒す)
藍原しずく「全然大丈夫じゃないね」
藍原しずく「何してるの」
赤城(手を紐で固定して)
赤城(足をM字に開かせて)
藍原しずく「そんなに武器試されたい?」
赤城「ちょっ黙っててくれ、今集中してるから」
赤城(太ももの内側にかぶりついて)
赤城(あと何だったっけ)
赤城(淫語責め?)
藍原しずく「分かった、試すね」
赤城「え?いや今実践中で」
赤城「カハッ・・・!!」
藍原しずく「見事な吐血だね」
藍原しずく「吸血鬼の血も赤なんだ、面白い」
赤城「ヴエェェ!!」
藍原しずく「嘔吐はやめて」
赤城「自分の血飲めん!!気持ち悪い!!」
赤城「気持ち悪ヴエェッ・・・」
藍原しずく「うるさい」
赤城「い、今どこから刺した!?」
藍原しずく「背中がガラ空きだよお間抜けさん」
  (足の指でナイフを操る)
赤城「足の指でナイフを操るだと!?」
赤城「なかなか器用なもんだな」
藍原しずく「でしょ」
赤城「で、なんで刺した?」
赤城「痛い痛い滅多刺しやめろ!!」
藍原しずく「今までで一番痛い?」
赤城「今までで一番痛い!!」
藍原しずく「不動のスタンガンを抑え」
藍原しずく「王道の短刀ナイフが一位か」
藍原しずく「やはりシンプルイズベスト」
赤城「何の話をしてる!?」
赤城「理由分かれば謝るから!!」
藍原しずく「謝ればいいと思ってるでしょ」
赤城「謝っても駄目なパターンってあるのか?」
赤城「アアアアア!!」
藍原しずく「せいぜい反省しながら眠れば」
藍原しずく「永遠にね」
赤城「た・・・確かに寝たいとは願ったが・・・」
赤城「こういう意味じゃ・・・ない・・・」
  バタッ
藍原しずく「もうくたばっちゃった」
藍原しずく「さて、後はこれをどうするか」
藍原しずく「ラッキー、お間抜けさんのスマホロックかかってない」

〇水色(ライト)
秋「邪魔な荷物運ぶの手伝って」
秋「場所はバス停近くの灰色の家」
秋「byしずく」
天音「え?飲んでる?」
天音「それともガチ?」
天音「おーい」
天音「未読スルーかい」
天音「とりま暇だし行ってみよう」

〇一戸建て
如月天音「表札が藍原だ」
如月天音「しずくちゃんの家からあいつのスマホで?」
如月天音「ということはまさか・・・」

〇シックな玄関
  ガチャッ
如月天音「君、僕の友達に一体何を・・・!」
  (血だらけの赤城が倒れている)
如月天音「ウワアア人殺し!!」
藍原しずく「人じゃないけどね」
如月天音「その死体どうしたの!?」
藍原しずく「死んでないけどね」
藍原しずく「脱力した生き物って重いから」
藍原しずく「二階の部屋から玄関まで引きずってきた」
藍原しずく「階段で勝手に落ちてくれるのは楽だった」
如月天音「あぁだから手足が変な方向にねじ曲がってるのか〜」
如月天音「じゃなくて!!」
如月天音「どうして殺しちゃったのかな・・・?」
如月天音「怒らないから正直に話してごらん?」
藍原しずく「それ言う人100%怒る」
如月天音「99.9%怒らないから!」
藍原しずく「怒ってるのは私の方」
藍原しずく「開き直って性犯罪に走ったゴキブリを駆除したまで」
如月天音「性犯罪?」
如月天音「あ〜あのエロ漫画鵜呑みにしちゃったんだ」
如月天音「AVをフィクションと分かれないタイプだったかぁ」
藍原しずく「あなたが教えたの?」
如月天音「あっいや僕は相手を愛しく想う大切さを・・・!」
藍原しずく「私も教えてあげようか」
藍原しずく「連帯責任の大切さ」
如月天音「よく存じております!!」
如月天音「もう漫画貸さないから許して!!」
藍原しずく「ちなみになんて漫画?」
如月天音「ん、読みたいの?」
藍原しずく「面白ければ」
如月天音「それはもう」
如月天音「本屋で看板男を務める僕が勧めるんだから間違いないよ」
藍原しずく「じゃあ読む」
如月天音「まさかの布教成功!」
藍原しずく「漫画に免じて許してあげる」
如月天音「漫画の力ってすごい!」

〇アパートの玄関前
藍原しずく「GPSで把握してる住所はここ」
如月天音「うわーボロいアパートだな」
藍原しずく「ゴキブリにお似合いだね」
藍原しずく「ベランダにでも捨てといて」
如月天音「扱いが雑」
如月天音「まぁどうせ生き返るからいっか」
  ドサッ
如月天音「よし遺棄完了」
如月天音「にしてもここまでやるとはね」
如月天音「そんなにこいつ嫌い?」
藍原しずく「行動が嫌だっただけ」
藍原しずく「天音さんも同じことされたら嫌でしょ」
如月天音「僕意外といけるかも」
藍原しずく「私腐女子じゃないよ」
如月天音「死ぬほど嫌に決まってるじゃん」
藍原しずく「媚売りがすごい」
如月天音「女子って皆腐女子だと思ってたよ」
如月天音「まぁ現実とフィクションを一緒にするのはどうかと僕も思うけどね」
藍原しずく「私はトマトジュースにしか興味無いから」
如月天音「またまた、エロ漫画読みたがってるくせに」
藍原しずく「それは・・・」
藍原しずく「自分の声が小さいから練習しようかと」
如月天音「・・・喘ぎ声の練習ってこと?」
藍原しずく「だってエロ漫画って」
藍原しずく「“エロキューション”」
藍原しずく「つまり発声技術について解説する漫画でしょ」
如月天音「違うよ!?」
藍原しずく(違うって知ってるけど)
藍原しずく(そういうの、練習しておけば良かったのかな)
藍原しずく(ちゃんと大きな声で話せれば)
藍原しずく(殺す必要もなかったのに)
藍原しずく(何も伝わらなかったし)
藍原しずく(伝わってこなかった)

〇アパートのベランダ
赤城「ん・・・」
赤城「んぁーよく寝たな」
赤城「ここ十年で一番良く眠れた」
赤城「布団ならもっと寝れたのにな」
赤城「なんでベランダなんだ」
赤城「ヒッ、手足に蟻集まってきてるし」
赤城「服が血塗れだし」
赤城「まるで殺されたみたいな・・・」
赤城「・・・・・・」
赤城「殺されたんだったなぁ!!」
赤城「あいつ虫取りの要領で殺してくるな!!」
赤城「人間の皮被った鬼だろ!!」
赤城「でもおかげで身体が快適だし」
赤城「怒りより感謝が勝つような・・・」
赤城「そんなことは全然ないか」
赤城「あいつ、殺すほど吸血鬼が嫌いなんだな」
赤城「そんなのは当然だと分かってはいるが」
赤城「・・・やっぱり痛いもんだな」
  つづく🍅

次のエピソード:7話 過ち探し

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