絆の先にあるもの

Kazunari Sakai

エピソード3(脚本)

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〇大きいマンション
  出会いは不思議
  例えばその人が
  生まれた場所
  進学先や就職先
  それが変わると・・・
  そう・・・
  全く違った絆が生まれる
  エピソード 3
  ──再会──
  美里の暮らすマンション

〇豪華なベッドルーム
前田美里「信雄起きろ!」
木本信雄「まだ眠い」
前田美里「こいつ深酒してこれかよ。おい!寝ぼけてないで早く起きろ」
木本信雄「何?」
木本信雄「えっ?もうこんな時間」
  美里。急いで着替え化粧
前田美里「ちゃんと起こせよ。この年で遅刻なんて学生か!」
前田美里「必ず起こすと言ったから泊めたのに。 私は先に出るからちゃんとカギ閉めて帰れよ・・・返事!」
木本信雄「はい」
木本信雄(夜は優しい子猫ちゃんだったのに朝起きたらライオン?怖っ!)

〇ビジネス街
  芸能プロダクション「F」

〇オフィスのフロア
前田美里「部長すみません」
梶山厚志「君が会議に遅れるとは珍しいな。彼氏が離してくれなかったか?」
  梶山厚志51歳。
  芸能プロダクション「F」の企画部長。
梶山厚志「おっと!これはセクハラ発言になるか? この発言は取り消すよ」
梶山厚志「早速だが今日の朝会での事案を報告する」

〇小さい会議室
  「F」会議室
梶山厚志「前田君。君はマリンという音楽家を知ってる?」
前田美里「マリン?いいえ知らないです」
前田美里(マリン? 嫌な響き)
梶山厚志「俺も知らなかったが最近SNSのフォロワー数を驚異的に伸ばしている音楽家だ。今送る」
梶山厚志「送ったから聞いてみて」
前田美里(んっ?)
前田美里(あれ?)
梶山厚志「えっ?もしかして泣いてる?」
前田美里「あっ!すみません。ちょっと無意識に」
前田美里「それで部長。この音楽家が何か?」
梶山厚志「うん。今までは謎の音楽家として表舞台に出る事はなかったが、わが社の努力で連絡が取れてね」
梶山厚志「他社に抜かれる前にわが社でデビューさせたいと交渉する事が決まった」
梶山厚志「そこでだが、君が交渉を担当してくれ」
前田美里「私が?部長、交渉は私の仕事ではありませんよ」
梶山厚志「それがなあ・・・相手が君を指名してる」
前田美里「えっ? 私をですか?」
梶山厚志「住所は送った。時間は今日の13時。頼んだぞ」

〇オフィスのフロア
前田美里(何度聞いてもこの曲調。似てる・・・)

〇タクシーの後部座席
山田孝雄「前田課長。まもなく到着しますよ」
  山田孝雄27歳。
  芸能プロダクション「F」の企画部勤務。美里の部下
前田美里「了解」

〇西洋の住宅街
山田孝雄「高級住宅ですね」
前田美里「この音楽家まだ若かったよね?親が資産家なの?」
山田孝雄「年齢不詳ですが、ネットの情報だと22歳が有力ですね。それとごく一般的な家庭で育ったらしいですよ」
前田美里「そんな女の子が何でこんな高級住宅に住めるわけ?」
山田孝雄「ですよね?」

〇玄関の外
  山田。インターホンを押す
  はい(男性の声)
山田孝雄「芸能プロダクション「F」の山田と前田です」
  お待ち下さい
  ドアが開く
前田美里「えっ?」
前田美里「何で?」
氷室幸治「久しぶりですね前田さん」
  氷室幸治31歳。
  大学時代美里の同級生。
  現在マリンのマネージャ―
氷室幸治「マリンのマネージャ―。氷室です」
前田美里「氷室君確か証券マンだったよね?どうしてここに?」
氷室幸治「マリンからスカウトされてね。それとマリンの資産管理も任されている」
氷室幸治「入って」

〇白い玄関
氷室幸治「どうぞこちらへ」

〇貴族の応接間
氷室幸治「こちらでお待ち下さい」
山田孝雄「課長。立派なお屋敷ですね」
  ドアが開く音
マリン「お待たせしました」
前田美里「えっ?」
  マリン。本名 福山満里奈。現在22歳。
  バイク事故で亡くなった福山春斗の妹
マリン「会いたくなかったかしら?」
前田美里「満里奈ちゃん」
マリン「お久しぶりね美里さん」
山田孝雄「課長のお知り合いですか?」
前田美里「あなたがマリンなの?」
山田孝雄「それは良かった。お知り合いなら交渉もスム―ズに行えますね」
マリン「それはどうかしら。スム―ズにはいかないと思いますよ。そうでしょ美里さん」
前田美里(・・・)
マリン「理由は言わなくても分かるよね。あの頃はあなたのせいで人間不信になった」
前田美里(・・・)
山田孝雄「何の話ですか?」
前田美里「それなら何で私を交渉人に選んだの?」
マリン「あなたの会社がしつこく頼むから、お話だけは聞いてあげようかと」
マリン「それなら恨んでいても知っている人のほうが話やすいでしょ」
前田美里(何がしたいの?)
マリン「あれ?久しぶりに会ったのに私の近況とかも興味無し?」
前田美里「高校卒業したのは知ってる。大学は?」
マリン「大学?何それ笑っちゃうわ」
マリン「兄をみればそれがいかに無駄な時間か分からない?くだらない友人関係。しかもその友人に人生を抹殺されて」
前田美里「あれは偶然が重なって」
マリン「認めないなら交渉決裂。もう帰って」
山田孝雄「それは困ります。今日はこれで帰りますが次回の交渉をお願い出来ませんか?」
マリン「そうね」
マリン「いいよ。でも条件がある」
山田孝雄「何でもおっしゃって下さい」
マリン「お兄さんメモして」
山田孝雄「はい」
マリン「日の丸テレビの音楽プロデューサー。名前が木本信雄」
前田美里「えっ?」
マリン「その木本さんとまた会わせて」
前田美里「何で信雄と?」
マリン「あれ──?彼女なのに木本さんから聞いてないの?ずっと指名してくれたのに最近来てくれないの」
前田美里「えっ!あなたがキャバクラのマリン?」
マリン「木本さん私と何回も会ったのに私に気づかないのよ」
マリン「でもこれで私の素性が分かったから、今度会った時思い出話に花が咲くね。私の両親が離婚した話もしないと」
前田美里「その件は信雄も知ってるから話す必要ないわ」
マリン「美里さん動揺してるの?まあいいわ、あなたはもう帰って。後はこのお兄さんに必要な事話しておくから」
マリン(今の動揺で確信したよ美里さん。今度木本さんと会った時、私の仮説を証明させるわ)
マリン(あなたが私から離れていった理由をね)

〇ビジネス街

〇小さい会議室
山田孝雄「彼女はお兄さんの死亡保険金を受け取った後氷室マネージャ―に運用を託し、その間で莫大な運用益を手にしたそうです」
梶山厚志「・・・」
山田孝雄「高卒ですが英語検定準1級。これは留学などの英語環境でも不安なく生活出来るレベル」
梶山厚志「・・・」
山田孝雄「そして音楽の才能は亡くなったお兄様からの英才教育で・・・」
梶山厚志「山田。彼女の情報はもういい。もう一度聞くが今度の交渉条件というのが」
山田孝雄「はい。前田課長の彼氏がマリンさんのお店に行って指名する事です」
梶山厚志「本当にそれだけ?」
山田孝雄「はい」
梶山厚志「それなら簡単な話じゃないか?なあ前田君」
前田美里「それは了承出来ません」
梶山厚志「何で?費用も接待費で落とすから心配ないぞ」
前田美里「だから彼氏をキャバクラに行かせる事もマリンに会わせる事も嫌なんです」
梶山厚志「君の個人的意見は聞いていない。 山田、課長は無視して事を進めろ!」
山田孝雄「はい」

〇ビジネス街

〇ネオン街

〇シックなバー

〇マンションの入り口

〇綺麗なダイニング
倉田典子「ねぇ?ドラマ録画してあるけど一緒に見る?」
大宮和英「いいね」
大宮和英「んっ? マスターだ」
大宮和英「こんな時間にどうしたの?」

〇清潔なトイレ
マスター「それがね。美里ちゃん一言も喋らないんだ」

〇綺麗なダイニング
大宮和英「また飲み過ぎで泥酔状態?信雄が行くまでほっとけばいいよ」

〇清潔なトイレ
マスター「いや。信雄君今日は収録日だからここには来れない。それはいいけど美里ちゃん明らかに様子が変なんだ」
マスター「和英君。悪いけどここに来れないか?」

〇綺麗なダイニング
大宮和英「分かった!すぐ行くよ」
  和英。通話を終える
大宮和英「典子着替えて!美里がピンチらしいから行くよ」
倉田典子「えっ!今から?」

〇ネオン街

〇シックなバー
倉田典子「ちょっと待って!もう一度整理するよ?」
倉田典子「信雄が通っていたキャバクラのマリンが、春斗の妹の満里奈だった」
前田美里「うん」
倉田典子「そしてそのキャバクラ店に信雄を連れて行った大学同期の氷室が、現在満里奈のマネージャー?」
前田美里「そう」
倉田典子「それって?」
大宮和英「凄い偶然だな?」
倉田典子(こいつはバカなのか?)
倉田典子「何呑気な事言ってるのよ。完全に意図的じゃない。それに和英!春斗の妹だって分からなかったの?」
大宮和英「化粧もしてるし全く分からなかった。それに俺は昔数回しか会った事ない」
倉田典子「それで美里。信雄を満里奈の所にまた行かせるの?」
前田美里「会社命令だから一度は行かせないと」
マスター「質問だけど。何で満里奈ちゃんは信雄君と会う事を交渉条件にしてるの?」
大宮和英「確かに?」
倉田典子「そうよ?何か企みがあるはずよ!」
前田美里「思い当たる節がある。たぶんその嫌がらせかな?今は話したくないけど」
前田美里「それは私の責任だから批判は受け入れるけど、それより彼女と会って思った事は」
前田美里「満里奈が凄く魅力的になってる事。だから信雄が彼女の虜になった事も納得出来たわ」
前田美里「ゴメンもう帰るね」
大宮和英「信雄には俺から連絡しようか?」
前田美里「大丈夫。私から説明する」

〇ネオン街
  ──信雄へのメ―ル──
  まだ収録中だよね。仕事で疲れてるのに申し訳ないけど。終わったら話したい事あるから連絡して
前田美里(大丈夫。満里奈には後一回会わせるだけ。何も悪いことは起きないわ)

〇シックなバー
マスター「美里ちゃん。やっと春斗君の事忘れたのに、満里奈ちゃんとの再会でまたあの時の悪夢で落ち込まないかな?」
大宮和英「あの事故の後は信雄の支えで何とか復活出来たけど、今回は信雄と満里奈の件が足かせになるかも」
  この時はまだこれから起こる試練を
  誰も知る事はなかった
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