絆の先にあるもの

Kazunari Sakai

エピソード4(脚本)

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〇商業ビル
  出会いは不思議
  例えばその人が生まれた場所
  進学先や就職先
  それが変わると・・・
  そう・・・
  全く違った絆が生まれる
  エピソード4
  ──ウソの露呈──

〇シックなカフェ
  カフェ「ロ―ズ」
  ──ランチタイム──
大宮和英(おっ! 来た)
木本信雄「お待たせ」
大宮和英「案の定テンションだだ下がりだな」
木本信雄「まあな。せっかく美里と仲直りしたのにまた難題抱えたよ」
大宮和英「確かに前途多難だな。まあ昼飯でも食いながら話そうぜ。みなみちゃん注文お願い」
浅田みなみ「お待たせしました。あれ? 木本さん今日は何か元気ないですね?」
木本信雄「顔に出てる?みなみちゃんに慰めて欲しいよ」
浅田みなみ「木本さん、ここはそういったお店じゃありませんよ」
大宮和英「みなみちゃん。こいつに近寄らない方がいいよ。呪われてるから」
浅田みなみ「えっ?」

〇商業ビル

〇シックなカフェ
木本信雄「春斗の妹だったとは今でも信じられないよ」
大宮和英「そうだよ。鈍感にも程がある。俺は一回店で会っただけだから責任はないが」
大宮和英「お前は何回も通って気づかなかったわけだから弁解の余地はない」
大宮和英「この件でせっかく忘れた春斗の事を、美里に思い出させた不届き者でもある」
木本信雄「それ聞くと気持ちがへこむな」
大宮和英「まあ今悩んでも無駄だ」
大宮和英「今日お前が満里奈と会った後考えろ」
大宮和英「当事者ではない俺は力になれないが、何とか一人でこの難局を乗りきってくれ」
木本信雄「まるで他人事だな。薄情なヤツめ!」

〇渋谷のスクランブル交差点
木本信雄「・・・」
山田孝雄「木本さんですよね?」
木本信雄「ああ」
山田孝雄「芸能プロダクション「F」の山田です。 そしてこちらが」
梶山厚志「同じく芸能プロダクション「F」の梶山です」
木本信雄「日の丸テレビの木本です」
山田孝雄「今日はお忙しい中お越しいただきありがとうございます」
木本信雄「俺一人行けばいいと思うけどね」
梶山厚志「お気持ちは分かりますが当社としても何とかマリンと交渉成立したいので」
木本信雄「分かりました。では行きましょうか」

〇ホストクラブ
  キャバクラ「キャンドル」
木本信雄「・・・」
山田孝雄「華やかなお店ですよね。部長」
梶山厚志「山田。あくまでも会社の経費だから出費は抑えるようにな」
山田孝雄「はい」
マリン「木本さんいらっしゃいませ。来てくれて嬉しいわ」
木本信雄「ああ」
マリン「ボ―イ」
ボ―イ「お待たせしました」
マリン「私は木本さんにつくから、そちらのお二人には別の子をつけてあげて」
ボ―イ「かしこまりました」
ボ―イ「未来さん蘭さん3番テーブルです」
未来「いらっしゃいませ未来です。ダンディーで素敵なおじさまですね。今日は宜しくお願いします」
梶山厚志「梶山です。宜しく」
蘭「いらっしゃいませ蘭です。こちらはフレッシュなお兄様。今日は楽しんで下さいね」
山田孝雄「山田です。こちらこそ宜しく」

〇渋谷のスクランブル交差点

〇ホストクラブ
木本信雄「早速理由を聞かせてくれる?何で俺なの満里奈」
マリン「店ではマリンでいいですよ」
木本信雄「君のマネージャ―は氷室だってね。俺は彼からここに通って君を指名するようお願いされていた」
マリン「フフ」
木本信雄「その思惑がわからない」
マリン「その理由はね、美里さんの彼氏である木本さんがどんな男性か知りたかったの」
マリン「だからあなたの事を直接確かめる為、氷室さんに頼んで何度もここに来るよう仕組んだ」
マリン「私の仮説を立証するためにね」
木本信雄「何だよその仮説って?俺みたいなつまらない男調べても何も出ないよ」
マリン「いいえ。あなたの優しさに触れた事で間違いなく美里さんはあなたから私を遠ざけたと確信した」
木本信雄「遠ざけた?」
マリン「木本さんは美里さんの事を全く理解していないようですね」
木本信雄「いったい何の話?美里は俺の大切な人だ。彼女の事は全て理解してるよ」
マリン「大切な人がいるのに何度もこの店に通って私に会いに来たんだね。嫌なら断れば良かったのに。何で?」
木本信雄「それは」
マリン「美里さんへの一途な愛に疲れた。もしくは今でも兄の幻影に怯えてる?」
木本信雄「それは違う」
マリン「そうかな?核心を突かれたって感じだけど」
木本信雄「どちらも違うが君の魅力に惹かれた事は認めるよ」

〇ネオン街

〇シックなバー
  「ランボ―」
倉田典子「今頃満里奈と会ってるね」
大宮和英「対策は信雄からの報告を聞いてからだ」
倉田典子「美里大丈夫?」
前田美里「全然平気よ」
マスター「美里ちゃん心配ないよ。信雄君は美里ちゃんに夢中だから」
大宮和英「マスター説得力ないよ。満里奈に何度も会いに行ったのは信雄だぜ」
倉田典子(こいつ空気を読めよ)

〇渋谷のスクランブル交差点

〇ホストクラブ
マリン「兄は我が家のホ―プだった。頭が良くて音楽の才能もある兄。両親はいつも自慢してたわ」
木本信雄「春斗の才能は俺も良く知ってる」
マリン「そんな幸せな家庭が兄の死で変わった」
木本信雄「それは本当に申し訳ない。俺たちにも少なからず責任があったよな」
マリン「じゃあ私の両親が離婚してたの知ってた?」
木本信雄「離婚?嘘だろ!美里は家族で仲良く暮らしていると」
マリン「やっぱりね。今のあなたの言葉で私の仮説が確信に変わる。美里さんは知ってるのにあなたに教えなかった訳だから」
木本信雄「美里が教えなかった?そんなはずはない」
木本信雄「春斗の事故後俺たち「J」のメンバーで話し合い、春斗の家族をサポートする事を誓ったんだ。美里がそれを裏切る理由がないだろ?」
マリン「木本さんが私の両親の離婚を知っていたとして、私があなたに相談を持ちかけたら、あなたは親身になって対応するでしょ?」
木本信雄「親友の妹だ。当然だろ」
マリン「それが理由。木本さんを取られないようそれらしい女性を遠ざけるの。それが美里さんの手口」
木本信雄「美里はそんなことする女性じゃないよ」
マリン「いいえあなたは騙されている。確かに兄が亡くなった頃の美里さんは頻繁に私に会いに来てくれた」
マリン「ところが両親が離婚した頃を境に全く会いに来なくなった。なぜか分かる?」
木本信雄「いや?」
マリン「子供だった私が大人の女性に変わったからよ」
木本信雄「そんなバカな」
マリン「これが真実よ」
木本信雄「信じられない」
マリン「美里さんの口から真実を聞いた時はショックよね。そして私が予言しておくわ」
マリン「あなたは美里さんが信じれなくなり別れる」
木本信雄「そんなわけないだろ!」
梶山厚志「木本さんいつまで深刻な話をしてるの!そんな顔してると場がしらけるからやめなさい」
木本信雄(話しかけるなよ!)
梶山厚志「もっと楽しまなくちゃ!さあジャンジャン飲んで」
未来「梶山さん飲み過ぎですよ」
山田孝雄「部長。私もお言葉に甘えてジャンジャン飲んでもう酔っぱらいました。ベロベロです」
蘭「山田さん大丈夫?キャラが変わってますけど」
山田孝雄「エヘヘ・・・僕はもともと陽気なお兄さんなの。今日はもっと楽しむぞ」
マリン「木本さん。あなた1人来てくれれば良かったのに何で連れてきたの?」
木本信雄「申し訳ない」

〇ネオン街

〇シックなバー
倉田典子「信雄まだスマホに出ない?」
大宮和英「うん」
大宮和英「満里奈の魅力に時間を忘れてるな」
倉田典子(こいつ!美里の気持ち考えろよ!)
前田美里「・・・」
  メ―ルする美里
  信雄・・・無理なお願い頼んでゴメンね。終わったら連絡して。何時になっても待ってるから
前田美里「マスター。今日はこれで帰るわ」
マスター「了解。美里ちゃん心配しないで大丈夫だから。信雄君を信じてあげて」
前田美里「ありがと・・・マスター」
  店を出ていく美里
倉田典子「和英!何が満里奈の魅力に時間を忘れてるだ!あんたは空気が読めないの?」
大宮和英「ゴメン・・・心の声がすぐ出てしまう」

〇渋谷のスクランブル交差点
山田孝雄「木本さんお疲れ様でした。私たちはここで失礼します」
梶山厚志「山田君早くタクシー頼む。もう歩くの無理」
木本信雄(何しに来たの?)
梶山厚志「木本さん。今日は申し訳ない。また連絡しますわ」
木本信雄「ではまた」
  メ―ルを見る信雄
  信雄・・・無理なお願い頼んでゴメンね。終わったら連絡して。何時になっても待ってるから
  ──回想──

〇ホストクラブ
マリン「木本さん。今度美里さんに会ったらまず「春斗の両親離婚してたのか?」と訪ねて」
マリン「おそらくそれをを認めるよ」
マリン「そしてその後こう尋ねるの「満里奈と俺を会わせないようにするため離婚の話を隠したのか?」と」
マリン「その表情で事実だったと認識出来るわ」

〇渋谷のスクランブル交差点
木本信雄(気持ちの整理がつかない)

〇更衣室
未来「満里奈お疲れ!今日も忙しかったね。早く帰ってお肌のお手入れしなくちゃ」
マリン「二人ともお疲れ様」
蘭「ねぇ!聞いて。山田さんまた直ぐ来て指名してくれるって」
未来「えっ、本当に?いいなあ・・・梶山さん酔っ払ってたからきっと私の事覚えてないよ」
マリン「それと・・・私もうすぐここを卒業すると思う」
未来「えっ?本当に辞めるの?」
蘭「辞めても友達だよ」
マリン(これが始まり。まずは美里さん。あなたの大切な人を奪ってあげる)

〇飲み屋街

〇大衆居酒屋
  居酒屋「寄り路」
木本信雄(満里奈の話は本当なのか?だとしたら完全に裏切り行為だ)
木本信雄(美里に全て任せた俺の責任もあるが・・・)
木本信雄「大将。もう一杯熱燗宜しく。今日は飲むわ」
渋谷建造「はいよ!」

〇大きいマンション
  美里が暮らすマンション

〇豪華なベッドルーム
前田美里(結局連絡なしかよ!)
  美里にはこの時何とも言えない不安感が心を支配していた
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