3 星宮ダイゴ(脚本)
〇一軒家
柏木レナ「ここね・・・」
「『はい、星宮です!』」
柏木レナ「あ、ダイゴの声・・・お待たせ!レナよ!」
「『あ、もうそんな時間か・・・分かった、直ぐ行くから!』」
柏木レナ「えぇ!待ってるわ!」
それから数分後。
星宮ダイゴ「ごめんお待たせ!」
柏木レナ「いえ、そこまで待って無いわ・・・今日から宜しくね・・・」
星宮ダイゴ「こちらこそ、と言っても初めてやるから上手くできないと思うけど・・・」
柏木レナ「そんな固くならないで!分かる事を教えてくれたら良いから!」
星宮ダイゴ「そっか・・・まぁ宜しくね・・・」
柏木レナ「えぇ、行きましょうか・・・」
柏木レナ「セバスチャン、お待たせ!」
セバスチャン「レナ様、ご準備の方は宜しいですか?」
柏木レナ「えぇ、いつでも行けるわ・・・ダイゴ、行きましょう・・・」
星宮ダイゴ「あぁ・・・」
セバスチャン「え?ダイゴ?」
柏木レナ「ん?どうしたのセバスチャン?」
セバスチャン「い、いえ!何でもありません!只、どこかで聞いたお名前だなと・・・」
星宮ダイゴ「え?おじさん、どこかでお会いしましたか?」
セバスチャン「あ、いえ・・・失礼致しました、我々は初対面です・・・では、参りましょう・・・」
〇城の客室
星宮ダイゴ「おぉ!凄く綺麗だな・・・!」
柏木レナ「いつもこんな感じよ?ダイゴはこう言うの初めて?」
星宮ダイゴ「そりゃね・・・普段こう言う所に行く機会無いから尚更・・・」
柏木レナ「えぇ、最初は戸惑う事もあるけどゆっくりしてってね・・・早速だけど・・・」
星宮ダイゴ「あ、やるんだ・・・」
柏木レナ「えぇ・・・あなたに勝つ為に、あなたのやり方教えてね・・・今ゲーム起動してるから・・・」
あたしはゲーム機を起動して、データを閲覧できる様にしてダイゴに機材を引き渡す。暫くして、ダイゴから返答が来る。
星宮ダイゴ「なるほどね・・・レナは、トレーニングモードはやった事ある?」
柏木レナ「トレーニングモード?」
星宮ダイゴ「モンスターの基礎ポイントを上げるシステムだよ・・・例えば、物理攻撃を上げると普通にレベル上げした時より」
星宮ダイゴ「数値が上がる様になってるんだ・・・一応を言うと、基礎ポイントは道中で遭遇する野生モンスターを倒す時にも得られるから・・・」
柏木レナ「え?もしかしてダイゴのモンスターのライフ減らないのって・・・」
星宮ダイゴ「そうだよ・・・使ってたのが進化前だったから物理防御か特殊防御、スピードを重点にチューニングしてたから・・・」
柏木レナ「そうなんだ・・・だから幾ら攻撃しても駄目だったのね・・・」
星宮ダイゴ「そうだね・・・見た感じ、レナはそう言うのやって無かった見たいだし、技構成も補助技や状態異常も採用して無いから、」
星宮ダイゴ「フルアタばかりだと本物相手には絶対敵わないよ・・・」
柏木レナ「ま、マジで・・・何だか今の自分の実力が小学生以下に見えて来たわ・・・」
星宮ダイゴ「でも大丈夫・・・アイテムの中には基礎ポイントを下げられる物もあるし、仮にレベルが最大値でもそこから下げて」
星宮ダイゴ「また振り直す事もできるから・・・ちゃんとしたチューンをすれば、レナの使ってる伝説クラスも、今よりもっと強くなるよ・・・」
柏木レナ「・・・そっか・・・そう聞くと何だかやって見たくなるわね・・・オススメの技構成とかも教えてくれる?」
星宮ダイゴ「・・・勿論!ネットにも乗ってるから自分が納得するの選んで見て!」
そこからあたしはダイゴのアドバイスの元、自分の持ってるモンスター1体を使ってチューンをして見た。技構成もオススメの物を
使って、バトルできる位に仕上げて見て、実際に戦わせたら何だかいつもよりそのモンスターが強くなったと自分でも感じ取れた。
柏木レナ「凄い・・・やり方を変えただけでこんなに変わるなんて・・・!?」
星宮ダイゴ「でしょ?システムの使い方が分かると普通にやるより何倍も楽しくなるから・・・」
柏木レナ「本当それ・・・伝説クラスでこんな風に調整して上げれば、他のモンスターでもこんな風にできるのね・・・これなら」
柏木レナ「通常モンスターもバッチリ強くなるし、技の使い方で相手を追い詰められる・・・」
星宮ダイゴ「やり方が分かれば後はどんな風にやるかが大事だよ・・・それで納得行くパーティを作って見て?」
柏木レナ「・・・えぇ!」
「レナ様、少し宜しいですか?」
柏木レナ「ん?セバスチャン?良いわよ、入って・・・」
「畏まりました・・・」
セバスチャン「失礼致します、レナ様・・・」
柏木レナ「どうしたの?お茶菓子ならメイドに頼むから・・・」
セバスチャン「そうではございません・・・お客様の事で気になる事がありまして・・・」
星宮ダイゴ「・・・?俺ですか?」
セバスチャン「はい、失礼ですが、お客様はダイゴ君でしたよね?もしかして、名字は星宮で?」
星宮ダイゴ「はい、そうですが、良く分かりましたね?」
セバスチャン「あぁ、やっぱり・・・」
柏木レナ「ちょっとちょっと、セバスチャン、一体何を盛り上がって?」
セバスチャン「レナ様、ご存知では無いのですか?星宮ダイゴ氏は、昨年のゲームの世界大会の優勝者なのですよ?」
柏木レナ「・・・え?」
セバスチャン「ですから、彼はゲームの世界大会の優勝経験者なのですよ?」
柏木レナ「えええぇぇぇ!!?ダイゴって、そんなに凄い人だったの!?」
星宮ダイゴ「え?俺が優勝者だって良く分かりましたね・・・極一部の人しか知らない事なのに・・・」
柏木レナ「いやいやいや!何でそんな凄い事黙ってたのよ!?」
セバスチャン「レナ様、普通の人としてはこの様な栄光は、大騒ぎの元になりますから・・・だから彼は言わなかったのです・・・」
星宮ダイゴ「あ、うん・・・はい・・・」
柏木レナ「そ、そうだったの・・・」
セバスチャン「ですが、昨年だけではありません・・・彼は過去にも、対戦格闘やシューティング等、あらゆるジャンルのゲーム大会での」
セバスチャン「優勝を経験しております・・・彼はゲームのシステムを使いこなすのが人一倍上手いのですよ・・・」
セバスチャン「私もゲームが好きなので、この手の情報には精通しています・・・ダイゴと言う名前を聞いて、」
セバスチャン「勝手ながら気になって調べさせて頂きました・・・」
柏木レナ「・・・通りでゲーム上手い訳だわ・・・」
セバスチャン「ダイゴ氏は、プロゲーマーを目指してるのですか?」
星宮ダイゴ「・・・はい、あなたの言う通り、ゲームは好きでやってましたから、やってく内に気付いたらこうなってて・・・」
星宮ダイゴ「賞金とかももらってますし、学校出たらゲームやプログラミングで食って行きたいと・・・」
柏木レナ「た、たまげた〜・・・ゲーム極めたり、将来の事まで・・・」
星宮ダイゴ「ま、まぁ、それが俺のやりたい事だからさ・・・でも、俺がプロゲーマーだって事は・・・」
柏木レナ「う、うん!誰にも言わないから・・・」
セバスチャン「ともあれ、貴重なお時間を割いてしまい申し訳ありませんでした・・・引き続き、ごゆっくりお寛ぎ下さい・・・」
柏木レナ「あぁ・・・あなたがプロなら、あたしが勝てないのは当たり前か・・・」
星宮ダイゴ「う、うん・・・少しは手加減した方が良かったかもね・・・」
柏木レナ「いやいや、それはそれで何か嫌だな・・・そしたらあたし、ずっと天狗になってたと思うから・・・」
星宮ダイゴ「そっか・・・」
柏木レナ「ねぇ、今までどんな感じのゲームしてたの?良かったら教えてくれる?」
星宮ダイゴ「あぁ、分かった、折角だしね・・・」
それからあたしはダイゴの話を聞く事にして見た。彼の話を聞いたり、あたしが負け続けた事を踏まえたら、
ダイゴがプロゲーマーだと言うのは本当だと確信した。その後も、あたしはゲームのやり方を教えてもらい、
今日と言う日を楽しんだ。