プロゲーマーとあたし

夏目心 KOKORONATSUME

4 あたしの目標(脚本)

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〇教室
  あたしがダイゴに弟子入りしてから3ヶ月が過ぎた。ゲームのスキルは前より格段に上昇して、最近は小学生を相手する事も
  少なくなっていた。今となっては、何で小学生相手にイキってたのか、あたしにはサッパリ分からなかった。
  そんなある日。
木島真司「そっか、柏木さんの所の執事さんに正体バレちゃったのか・・・」
星宮ダイゴ「あぁ、まさかその人がゲーム好きだとは思っても無くて・・・」
木島真司「確かに、見た目だけじゃその人の事は分からないよな・・・」
柏木レナ「ダイゴ・・・」
星宮ダイゴ「あ、レナか・・・今日はどうしたの?」
柏木レナ「ねぇダイゴ・・・あたしと勝負してくれない?」
星宮ダイゴ「え?勝負?」
柏木レナ「あれからあたしも、前と比べて大分強くなったと思ってるの・・・ダイゴのお陰だし、今ならダイゴに勝てそうな気がして・・・」
星宮ダイゴ「そっか・・・分かった、やろうか・・・」
柏木レナ「・・・!ありがとう!直ぐ準備するから!」
西田サエ「あ!レナ様がまた星宮君に勝負を挑んでるわ!」
東野裕介「本当だ!こうしちゃいられない!レナ様を助けなくては!」
木島真司「はいはーい!外野は遠くから見学なぁ・・・」
東野裕介「お、おい!何邪魔してんだ!俺達はレナ様を!」
木島真司「馬鹿はお前らだし、邪魔してるのはお前らだろ?柏木さんが自分からやりたいって言ってるんだ・・・」
木島真司「いつまでも守ってやれるのか?立場なんて関係ねぇから、やりたい事やらせてやれよ?」
西田サエ「うぅ、そう言われたら・・・でも、レナ様は・・・」
木島真司「あの子はあの子で前に進もうとしてるんだ・・・そこの所応援してやれって・・・」
柏木レナ「あたしは今日伝説クラスは使わないわ・・・あたしなりに考えたベストメンバーでダイゴに挑むわ・・・」
星宮ダイゴ「そっか・・・楽しみにしてる・・・じゃあやろうか・・・」
  そしてあたし達はゲームで対戦を始めた。ダイゴはまた進化前のローレベルで挑んで来た。あたしは状態異常を駆使して
  ダイゴを追い込むも、眠るを使われて体制を建て直されたりもした。積み技も惜しみなく使い、削れなかった体力も少しずつ
  減らして、後少しで決着が着きそうだった。
柏木レナ「後少し!後少しで!」
星宮ダイゴ「良し、これなら!起死回生!」
柏木レナ「あぁ!後少しだったのに負けた!!」
星宮ダイゴ「ふぅ・・・ギリギリだったな・・・ここまで強くなってたなんて、正直驚いたよ・・・」
柏木レナ「・・・でも、何だか凄く楽しかった・・・色んなモンスターを使って、自分の納得できるパーティで挑んだんだもん・・・」
柏木レナ「負けこそしたけど、やろうと思って良かった・・・」
星宮ダイゴ「レナ・・・」
東野裕介「レナ様!」
柏木レナ「あら、あなた達・・・」
西田サエ「レナ様!大丈夫ですか!?」
柏木レナ「何を心配してるの?ゲームで負けただけよ?」
東野裕介「し、しかし!」
柏木レナ「弟子にして欲しいって言ったのも、自分で勝負を挑んだのもあたしだから、何も悔しく無い訳じゃ無いけど、」
柏木レナ「今日の勝負は楽しかったわ・・・」
東野裕介「レナ様・・・」
木島真司「星宮、今日はどうだったよ?」
星宮ダイゴ「あぁ、初めてやった時とは見違える程強くなってたよ・・・あれなら、もう俺が教えなくても大丈夫だよ・・・」
木島真司「マジか!お前が言うなら間違い無いな!」
星宮ダイゴ「あぁ、これで心置き無く行けるよ・・・」
柏木レナ「え?ダイゴ、今言った事ってどう言う意味?」
木島真司「あれ?柏木さん、星宮から聞いて無いのか?星宮は来週になったらゲームの世界大会があるんだよ・・・開催場所はカナダでな・・・」
木島真司「来週になったら星宮はカナダに行くんだ・・・そしたら1〜2週間は帰って来れないって・・・」
柏木レナ「ええぇ!?海外のゲーム大会に出るの!?」
星宮ダイゴ「まぁ、俺に取っては初めての事じゃ無いし、俺もまだまだ上を目指したいから・・・」
星宮ダイゴ「君に取って俺は強いかもだけど、世界にはまだまだ沢山の強豪がいるから、俺はそんな強い人達と対戦して見たいから・・・」
柏木レナ「・・・・・・」
柏木レナ「ダイゴ・・・あなたはやっぱ凄いわ・・・ゲームなんて一言で言えば只のお遊びなのに、極めてしまえばとっても誇れる物なんだって」
柏木レナ「あなたが教えてくれたんだもの・・・ダイゴはあたしの目標よ・・・必ず帰って来て・・・」
星宮ダイゴ「レナ・・・」
柏木レナ「ゲーム大会頑張ってね!ダイゴが帰って来るまで、あたしも強くなるから、またあたしと勝負して・・・」
星宮ダイゴ「・・・あぁ!俺行って来るよ!」
  それから一週間程経ち、ダイゴはゲーム大会に出る為にカナダへと旅立った。向こうへ行ってもダイゴの事はLINEのやり取りで
  大体理解できた。やがて、ダイゴはまたゲーム大会で優勝を果たして日本へと帰って来て、あたしは即座に勝負を挑んで、
  やっとの思いでダイゴに勝てたのは、また別の話になった。
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