勇者にはほしい才能がある

東龍ほフク

36/脳みそイジられた奴 vs 脳みそに少しはシワが増えた奴(脚本)

勇者にはほしい才能がある

東龍ほフク

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〇暗い廊下
ヴァガ「待てぃ、コラァああ!!!!!」
  『いやぁぁぁぁああ、なの』
  ※ちっさいのとちっさいの(+厚い封筒)が
  空中追いかけっこしてる
ヴァガ「おんどれ! ギン先生があんなボロボロに なりながら書いたモン燃やすのかよっっ!!」
ヴァガ「薄情者! 人でなし! 悪魔! 魔物! 人外! 種!」
  『実際そうだから、悪口になってない‥‥』

〇屋敷の書斎
  『だん、ろぉお』
ヴァガ「おやめぃ!!!!!!」
  『どぉいてぇえええ』
  『未来のオージュせんせぇのライバル
   つぶすぅうう』
ヴァガ「‥‥‥‥‥んだとぉ! うるせー、返せ‥‥‥」
ヴァガ「‥‥‥‥‥‥‥」
ヴァガ「お‥‥‥」
ヴァガ「思い出してごらんよ、ほら」
  『?』
ヴァガ「あの怖いカオの先生は、そんなの 望んでると思うかい‥‥‥?」
  『‥‥‥‥‥‥』

〇屋敷の書斎
オージュ・ウォゲ「ギン君×2! 万年筆、どっち使う? 新品? 古い方?」
ギン「あっ、いえ、古いので‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「遠慮しないで、新品使いなよ新品!」
ギン「はぅ‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「インクは?  漆黒と、ちょっと濃紺がフチに残る 美しいインクがあるんだけど」
ギン「‥‥‥‥漆黒‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「濃紺ね!」
ギン「‥‥‥自分の意見をそんな通すのなら、 最初から俺に訊かなきゃいいのでゎ‥‥‥?」
オージュ・ウォゲ「── って、ハッキリ自分の意見を言えるなら もう大丈夫そうだねぇ」
オージュ・ウォゲ「まぁ、頑張りなさいな」
ギン「は、はい‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「あ。どれをどう使おうと何でもいいよ〜」

〇屋敷の書斎
ヴァガ「ギン先生が小説書こうとしてるの 超楽しみにしてたじゃん、顔 怖い人」
ヴァガ「顔 怖い人、むしろ 『自分のライバルになってくれや』 くらいの感じなんじゃないのかな‥‥‥」
  『‥‥‥‥‥‥』
ヴァガ「だから、ギン先生の小説を燃やしなんか したらメッチャ怒られると思うよ‥‥‥」
  『怒られゆ‥‥‥‥』

〇テクスチャ
オージュ・ウォゲ「ほわぁ?! ギン君の小説を燃やした?!」
オージュ・ウォゲ「ナキュの息子が息も絶え絶えになりながら 書いた小説‥‥‥楽しみにしてたのに‥‥‥」
  『あっ、あっ、あっ‥‥‥』
  『だって、あいつ‥‥‥センセェの
   ライバル宣言してムカついたから‥‥‥』
オージュ・ウォゲ「タネくんのバカー!!! うんこー!!!! もう知らなーーい!!!!」
  『あ〜〜〜センセェ〜〜💦💦
   あ〜〜イヤァァァア💦💦💦💦💦』

〇屋敷の書斎
  『ううぅ‥‥‥センセェ‥‥‥』
ヴァガ((自分で勝手にダメージ受けてる‥‥‥))
ヴァガ((こ、これであきらめてほしいなぁ‥‥‥))

〇城の客室
マモ「おい、バカ」
ヴァガ「なっ、何‥‥‥?」
マモ「ギンの小説に何かあったら、 お前を”天ぷら”にするからな」
マモ「── で、食べずに捨てる」
ヴァガ「揚げられ損?!」
ヴァガ「せめて、食べろよ!!」
マモ「‥‥‥お前が以前、ギンの右手を ぶった切ろうとしたみたいにアイツを 空間転移の際に両断できないか?」
ヴァガ「あの時は別にぶった切ろうと したわけじゃないし!」
ヴァガ「っていうかぁ!  別にまだ何もしてないタネくんに ヒドすぎない?! マモマモ!!!!」
マモ「何にせよ、原稿を守らなかったら 天ぷらか唐揚げにして捨てるからな」
マモ「本を読んで知識ついて、魔力も上がったろ? あんなのくらい切断できるのでは?」
ヴァガ((知識ついたらわかったけど‥‥‥  この人、人の話あんま聞かない‥‥‥?))

〇屋敷の書斎
ヴァガ((だから、折れてくれないと  転移魔法で切断せざるをえない事に‥‥‥))
ヴァガ((そもそも、そんなコトできるんかね‥‥?!))
  『‥‥‥‥』
  『‥‥‥うん、わかったなのぉ』
  『燃やすの、やめるのぉお』
ヴァガ「よ、よかった‥‥‥」
ヴァガ「ありがとうね、タネくん‥‥‥」
  『ところで、おまえはぁ‥‥‥』
  『あのガキとオージュせんせぇの作品、
   どっちが好きぃいい?』
ヴァガ((どう答えるのが正解?!?!))

〇屋敷の書斎
ヴァガ「オージュ先生の小説、怖くて頭に残って すごいよね!」
ヴァガ「読んだ後に『自分がどれだけ恵まれて いるか』を痛感してしまうほどの 主人公の不幸さには心がしびれる‥‥‥」
  『タネのほうがぁぁ!!!!
   オージュせんせぇ好きだもぉおん!!!』

〇屋敷の書斎
ヴァガ「そりゃあもちろん‥‥‥ ギン先生の小説のほうが勢いあって 若々しくて、ヴァに合う‥‥‥」
  『オージュせんせぇのほうがぁぁ!!!!
   才能あるもぉおおんん!!!』

〇屋敷の書斎
ヴァガ「待って‥‥‥えーと‥‥‥‥」
ヴァガ「か、カオ怖い人は『ホラー』じゃんるで ヒトキワ、異彩を放ってて‥‥‥」
ヴァガ「”た”の ついづいを ゆるさない‥‥‥ヨネ‥‥‥」
  『タネのほうがオージュせんせぇ
   好きだもん‥‥‥』
ヴァガ「知ってる!!!!!!!!」
ヴァガ「タネくんが買い出し行ったり サポートしてたから、カオ怖い人も そんな名作を書けてたんだよネッ!!!」
ヴァガ「いやぁ、すごいねッ!!!! タネ君がいてこそのオージュ・ウォゲだよっ!」
  『‥‥‥‥‥』
  『オージュせんせぇ、タネいなくても
   立派なヒトだもぉん‥‥‥』
  『タネに会う前からぁ、成功してるしぃいい』
ヴァガ「うぎゃああああぉおぉおぉぉっっ!!!!」
ヴァガ「殴った手が痛い!!!!!!」
ヴァガ「やはり、キサマ‥‥‥『梅干しの種』だな?!」
  『あ、うん‥‥‥』
ヴァガ「‥‥‥それはそうと」
ヴァガ「矛盾を見つけたぜ!!!!!」
ヴァガ「『タネがいなくてもオージュ先生は立派』 ‥‥‥たしかに、そう言ったな?!」
  『‥‥‥‥‥』
ヴァガ「じゃあ、タネくんが 『ギン先生の小説を燃やすジャマ』なんて しなくてもダイジョーブではなかろうかっ!!」
  『‥‥‥‥‥‥』
  『‥‥‥それもぉ、そうかぁ』
  『オージュせんせぇ‥‥‥大丈夫かぁ‥‥‥』
  『あんなガキにおびやかされない‥‥‥よね?』
ヴァガ「そ、そうだよぉ!  オージュ・ウォゲのイカレポンチ 感性には誰もかなわないよぉ!」
  『それは、褒めてるんだよなぁああ?』
ヴァガ「ぜぜぜ絶賛だぜ!!!!」
ヴァガ「さ、さぁ!  原稿を郵便局に持っていこうよ!」
  『うにゅ‥‥‥』
ヴァガ「‥‥‥‥‥」
ヴァガ「つ、つかれた‥‥‥‥」
ヴァガ((昔、あれくらいの知能だった  ヴァなんかの相手してくれたギン先生、  何気にすごくね‥‥‥?))

〇結婚式場のテラス
ヴァガ「にーちゃあん」
ヴァガ「コレのここ、キャラのきもちが おかしいとおもうんだけど」
ヴァガ「わかんない!」
ギン「あん?」
ギン「それはさぁ‥‥‥‥」
ギン「この前のページで『母親が、息子を 見殺しにした友人の事をどう思ってるか』 書いてあるだろ?」
ヴァガ「おぉ、そこかぁ‥‥‥」
ギン「そこから推測するに、じゃあ この後の行動は妥当では?」
ヴァガ「えぇ〜? そぉかなぁ? そぉなるもん?」
ギン「母親の年齢を考えろよ」
ヴァガ「‥‥‥‥そぉなのかぁ」

〇荷馬車の中
ヴァガ「にぃちゃあん、コレどういう イミ‥‥‥」
マモ「ギンは執筆中だから、失せろ」
ギン「もぉ〜‥‥‥そんな冷たいこと言うなよぉ」
ギン「よぉ、何わかんねぇって?」
ヴァガ「あのさぁ‥‥‥‥」

〇西洋風の受付
  ※郵便局
ヴァガ((あんなアホの相手をしてくれてた  ギン先生は偉いなぁ‥‥‥))
ヴァガ((そんな先生の原稿、守ったぜ!!!))
  『おぉい』
  『宛先ぃ、コレで合ってるぅん‥‥‥?』
ヴァガ「ん?」
  ※ギンの原稿の送り先を見る
ヴァガ「‥‥‥‥‥‥」
ヴァガ「‥‥‥ん?」
ヴァガ「‥‥‥‥‥‥」
ヴァガ「は?」
ヴァガ((‥‥‥?))
ヴァガ「‥‥‥‥‥」
ヴァガ「ジョブジョブ! 送ろうぜぃっ!」
  『いいのぉお?』
ヴァガ「イイヨォオオオ」
  『はぁあい』
ヴァガ「‥‥‥‥‥」

〇貴族の部屋

〇空

〇源泉

次のエピソード:37/ヒ・ルセル

コメント

  • 初登場した時は理解力の低さ故に話の通じないところもあったヴァガが、相手の矛盾を突くまでになって…!ギン君が本を介してヴァガへ懇切丁寧に教えた結果、巡り巡ってギン君自身の原稿を守り、そしてヴァガをここまで成長させたんですね。良かった…!宛先を巡るやり取りが意味深でしたが、まずは投函できて安心しました。オージュ先生が何を思って行動したのか、気になるところです(・ω・; )

  • ミッションコンプリート🎉おめでとうヴァカ、偉いぞヴァカ👏✨
    タネの説得に成功してるのもいいですけど、過去の自分を振り返り、バカな自分に付き合ってくれたギンへの感謝に気づく…成長したなぁ😳と感じますね。宛先の確認のところもちゃんとわかった上での「大丈夫」だから、本当に成長してる!
    次、とうとうオージュ先生側なんですね😨(不穏………)

  • あれ!?住所確認してましたよね!?💦
    え…あの間が怖すぎるっ😰
    それにしてもヴァガちゃんほんとに知能指数上がったよね!!賢くなって可愛さと頼もしさが増した😭
    そして惣菜屋の息子は天ぷら刑と唐揚げ刑をwww
    ギンくんの原稿が無事に届きますように…ヴァガちゃんが唐揚げにされませんように…🍗

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