〇教室
　　翌日。
柏木レナ「さて、彼はどこかしら・・・」
柏木レナ「ん？」
木島真司「なぁ、この戦術はどうやってやるんだ？」
星宮ダイゴ「あぁこれ？一発耐えられる為の道具持たせて、確実に状態異常を撃てる様にするだけだよ・・・」
星宮ダイゴ「一応言うと、先手で変化技を撃てる道具を持たせるか、その特性を持ったモンスター用意するのがオススメかな？」
木島真司「おぉ、聞いて見ると意外と行けそうだな・・・俺もやって見るわ！」
柏木レナ「あなた達、ご機嫌よう！」
木島真司「あ、柏木さんおはー！」
星宮ダイゴ「あ、昨日の弱い者虐めの子・・・」
柏木レナ「ちょ！どう言う覚え方してるのよ！」
星宮ダイゴ「いや、まぁ、悪趣味な子だなぁって・・・」
柏木レナ「悪かったわね！ダイゴ、今直ぐあたしと勝負しなさい！」
星宮ダイゴ「え？また？」
柏木レナ「あんな負け方してはい終わりなんて納得できないわよ！今度は負けないわよ？」
木島真司「あの、柏木さん、こいつの相手するならちゃんと対策しないと・・・」
柏木レナ「御託は良いから掛かって来なさい！まだ時間あるでしょ!?」
星宮ダイゴ「まぁ、そこまで言うなら勝負するよ、弱い者虐めさん・・・」
柏木レナ「ダイゴ、あたしの事はレナと呼びなさい・・・」
星宮ダイゴ「あ、はい・・・」
　　ダイゴを見つけてあたしは昨日のリベンジマッチを申し込んだ。あたしは昨日と同じく伝説クラスのモンスターで固めたパーティで
　　挑んだのだけれど。
柏木レナ「う、嘘でしょ!?幾ら傷付けても直ぐ回復されるし、伝説モンスターの攻撃がこれっぽっちも効かないなんて!!」
星宮ダイゴ「レナさん拍子抜け過ぎるよ・・・昨日の敗北から何も学んで無いと言うか・・・」
柏木レナ「ぐ、ぐぬぬ！もう一回！もう一回よ！」
木島真司「いやいや、柏木さん、これ以上は止めて置いた方が・・・」
柏木レナ「外野は引っ込んでなさい！さぁダイゴ、勝負よ！」
星宮ダイゴ「う〜ん・・・仕方無い、本当に後一回だけだからな？」
　　それからあたしはダイゴにまた勝負を挑んだけど、あたしは何をしてもダイゴには勝てなかった。
　　防御は硬過ぎるし、後少しの所で回復される。時間切れになって負けたりと、あたしの心はボロボロに擦り減るばかりだった。

〇教室
　　それからあたしは懲りずに何度もダイゴに勝負を挑んだ。ある時は授業の合間に、ある時はお昼休憩に、事ある事に
　　勝負を挑むも、あたしはダイゴに一度も勝てないでいた。
柏木レナ「何で・・・何で勝てないのよ〜・・・」
東野裕介「あぁレナ様！仇なら俺が取りますよ！だからそんな顔しないで！」
西田サエ「そうですよ！私達二人がかりなら、星宮君なんてイチコロです!!」
柏木レナ「む、無理よ・・・あなた達じゃダイゴには勝てない・・・あたしが勝てないんだもの・・・」
東野裕介「そ、そんな事！やって見ないと分からないじゃ無いですか！レナ様の仇は俺達が打ちます！」
柏木レナ「う、うん・・・責めて暴力は無しね？あたしも怒られるから・・・」
星宮ダイゴ「木島、その後やって見たか？」
木島真司「あぁ、さっきやっと揃えた！まだ実戦して無いから宿題終わった後にやるよ！」
星宮ダイゴ「マジか！あの戦術は長期戦向きだから絶対オススメだぜ？」
木島真司「あぁ！後で感想言うよ！」
柏木レナ「ダイゴ・・・」
星宮ダイゴ「うげ、レナさん・・・また勝負しに来たの？もう簡便してくれない？」
柏木レナ「しないわよ・・・さっきまで負け続けて、今やってもダイゴに負ける結末しか見えないわ・・・」
東野裕介「お前！よくもレナ様をコテンパンにしてくれたな！今度は俺達が相手になってやる!!」
西田サエ「そうよ！一人で駄目なら二人で相手してあげるわ！」
星宮ダイゴ「あ、うん・・・何かご苦労様・・・」
柏木レナ「あなた達、下がりなさい・・・」
東野裕介「えぇ、何を仰られるのですか!?こいつはレナ様を完膚なきまでに叩きのめした身の程知らずですよ!?」
柏木レナ「あたしは仇討ちして下さいなんて言って無いわよ・・・あなた達がいると話ができないから、今日はもう帰りなさい・・・」
柏木レナ「言いたい事なら、後で聞いてあげるから・・・」
西田サエ「レナ様がそう仰られるのなら・・・」
東野裕介「・・・分かりました・・・」
柏木レナ「あぁ、これでやっと話ができる・・・」
星宮ダイゴ「レナさん、話って？」
柏木レナ「あ、レナで良いわよ？あたし、ダイゴに負けてく内に考えて見た事があるの・・・」
星宮ダイゴ「考えた事？」
柏木レナ「単刀直入に言うわ・・・ダイゴ、あたしを弟子にして頂戴！」
星宮ダイゴ「え？何でさ？」
柏木レナ「決まってるでしょ？あなたに勝つ為よ！」
木島真司「おいおい・・・何だか見覚えのある展開だが・・・」
星宮ダイゴ「え？自分のプライドへし折ってまで俺に勝ちたいの？」
柏木レナ「勝ちたいわよ！もし断ったりしたら、卒業するまで勝負を挑み続けるわ！」
星宮ダイゴ「マジか・・・それはまた迷惑な話で・・・」
柏木レナ「さぁ、答えて頂戴！するの？しないの？」
木島真司「なぁ星宮、何だか面白くなって来てないか？」
星宮ダイゴ「おい木島・・・他人事だと思って無いか？」
木島真司「まぁそう言うなって！これも一つの経験だろ？」
星宮ダイゴ「いやいや、俺弟子なんて取った事無いし・・・具体的に何したら良いのさ？」
木島真司「まぁまぁ！こう言うのは自分のやりたい様にやれば良いと思うぜ！ウジウジ悩むより、先ずはやって見れば良いからさ！」
木島真司「ほんじゃ、俺先帰るぜ！」
星宮ダイゴ「お、おい待て木島！って、何ていい加減な・・・」
柏木レナ「ねぇ、弟子にしてくれるの？してくれないの？」
星宮ダイゴ「わ、分かった！明日丁度休みだし、宿題終わった後にでも！」
柏木レナ「・・・！やった！明日あたしの方から迎えに行くから、家で待っててね！」
星宮ダイゴ「そっか・・・じゃあ待ってる・・・って・・・」
星宮ダイゴ「え？迎えにってどこか行くの？」
柏木レナ「え？あたしの家で教えて欲しいから迎えに行くんだけど？」
星宮ダイゴ「え？マジで??」
柏木レナ「え？マジよ？」
星宮ダイゴ「そ、そっか・・・」
星宮ダイゴ「（俺、何かとんでも無い事引き受けちゃったか？）」
　　半ば強引にあたしはダイゴに弟子入りをした。ダイゴ本人はどこか引き気味だったけど、ダイゴがどんな風にやってるのか、
　　今から楽しみだった。