キューピットちゃんは、引籠り君に苦戦中っ‼

無知の無知

エピソード2 「運命の相手を探すなら、努力は怠るなっ!!」(脚本)

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〇本棚のある部屋
小山 叶真(こやま とうま)「・・・・・・」
小山 叶真(こやま とうま)(今日はクレアさんが昼の1時に家に来るというのに・・・)
小山 叶真(こやま とうま)(・・・なんで、もう昼の1時なんだろう)
小山 叶真(こやま とうま)「・・・・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「寝坊って、したくない日にしちゃうよなぁ・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・あ」
  クレア「小山さーん、来ました・・・」
  クレア「なんでまだ寝間着なんですかっっっっ!!!!」

〇本棚のある部屋
恋のキューピット クレア「私、言いましたよね? 今日の昼、1時から来るって。なんで寝間着なんですか?」
恋のキューピット クレア「しかも、その様子だと寝起きですよね? 今の今まで寝てたって事ですよね?」
小山 叶真(こやま とうま)「凄い観察眼ですね、さすがエリート天使ですね、尊敬します」
恋のキューピット クレア「褒められても全ッ然、嬉しくないですからっ!!!!」
小山 叶真(こやま とうま)「さて、今からご機嫌を取って逃げ切れるだろうか・・・」
恋のキューピット クレア「あー、リアル矢でリアルハートを打ち抜いて、あなたも天使にしましょうか?」
小山 叶真(こやま とうま)「その折は宜しくお願い致します」
小山 叶真(こやま とうま)「死ぬ前に、せめて僕の見苦しい言い訳を聞いてください」
恋のキューピット クレア「えー、見苦しいから聞きたくないです~」
小山 叶真(こやま とうま)「久しぶりに女性が来るということで、何かしなくてはと使命感に僕は駆られまして」
小山 叶真(こやま とうま)「そのため、色々と準備した訳なんですよ・・・」
恋のキューピット クレア「そんな、準備しているようには見えませんけど・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「例えば、こんな具合に」
恋のキューピット クレア「・・・え、これ小山さんの手作りですか?」
小山 叶真(こやま とうま)「まぁ、女性を招くのであればこのぐらいは。ただ初めてなもので、朝方6時くらいまでかかってしまい」
小山 叶真(こやま とうま)「やっと出来たと思って気を抜いたら、寝ていたみたいですね。気が付くと昼の1時でして・・・」
恋のキューピット クレア「そういう事だったんですか・・・」
恋のキューピット クレア「・・・・・・」
恋のキューピット クレア「ケーキ、ありがとうございます! すっごく嬉しいです!!」
恋のキューピット クレア「むしろ、私も怒り過ぎちゃってすみません」
小山 叶真(こやま とうま)「よし、耐えた」
恋のキューピット クレア「その一言は余計ですけどもっ!!」
恋のキューピット クレア「ただ、やっぱり困るんですよ。これから運命の相手を見つけるって話なんですから」
恋のキューピット クレア「お洒落せずとも、せめて身なりぐらいは整えてもらわないと」
小山 叶真(こやま とうま)「寝間着は、駄目ですか?」
恋のキューピット クレア「論ッ外です♪」
小山 叶真(こやま とうま)「殺意の満ちた笑顔、麗しいです」
恋のキューピット クレア「真面目な話、清潔感は大事なんですよ。小山さんだって、臭そうな女性と付き合いたくはないですよね?」
小山 叶真(こやま とうま)「まぁ、人間の本能的に」
恋のキューピット クレア「だから、まずは清潔感を整えましょうよ。運命の相手探しは、それからですよ」
小山 叶真(こやま とうま)「わかりました、全身全霊、力の限り頑張りたいと思います」
恋のキューピット クレア「そこまで頑張る程の事では無いです。当たり前の事ですから」
小山 叶真(こやま とうま)「反省しまーす」

〇白いバスルーム
小山 叶真(こやま とうま)「別に、髭剃りにまでついて来なくても大丈夫なのですが」
恋のキューピット クレア「あ、いえ、男性が髭を剃る所を見たことがなくて、気になっちゃって」
小山 叶真(こやま とうま)「そうなのですか、意外ですね」
小山 叶真(こやま とうま)「そういえば気になっていたんですが、運命の相手を見つけるって、具体的に何をするんですか?」
恋のキューピット クレア「ひとまず、マッチングアプリをしましょう!」
小山 叶真(こやま とうま)「天使らしくない、現実的な手法ですね」
恋のキューピット クレア「最近の文明の利器はバカに出来ませんし、運命の相手なんて自分から探さないと現れないですから」
小山 叶真(こやま とうま)「そうなんですか、てっきりコンビニに行く曲がり角で食パンを咥えた美女とぶつかるものだと思っていました」
恋のキューピット クレア「そんなわけ無いじゃないですか・・・。でも、一定数いるんですよね。運命は待つだけでなんとかなると思っている人」
恋のキューピット クレア「相性抜群の人と、偶然ばったりと出会う訳が無いんです! 何百の出会いがあって初めて会えるんですよ、運命の相手は!!」
恋のキューピット クレア「運命の相手なんて、自分で掴み取るものですから!! そのための努力を怠るなっ!!」
小山 叶真(こやま とうま)「熱いですね、ついて行けないかもです」
恋のキューピット クレア「いえ、引きずってでも運命の相手を探させます!」
小山 叶真(こやま とうま)「なんとまぁ、恐ろしいこと」
恋のキューピット クレア「そんなわけで、身なりを整えたらお洒落な服を買いに行きますよ! あと、美容室でヘアスタイルも整えて!!」
小山 叶真(こやま とうま)「誰のお金で、ですか?」
恋のキューピット クレア「え、小山さん?」
小山 叶真(こやま とうま)「僕、別にそこまでして・・・」
恋のキューピット クレア「じゃあ凄くイケメンになったら、半分出します! どうでしょう!」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・乗りましょう」

〇繁華な通り
恋のキューピット クレア「あのぉ、なんでそんなボロボロの服しか無いんですか?」
小山 叶真(こやま とうま)「普段、外に出ないものですから、探してみたらこのぐらいの服しか無くて」
恋のキューピット クレア「こんな服装だと、女性は離れていきますよ、本当に」
恋のキューピット クレア「隣を歩いている私でさえも、恥ずかしいぐらいですし・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「そこは、私も運命の相手探しで頑張ってますし、クレアさんも頑張っていただければいいかなと」
恋のキューピット クレア「そんな努力、したくないんですけど」
小山 叶真(こやま とうま)「しかし、恋愛にここまで努力がいるとは、想像もしていませんでしたね・・・」
恋のキューピット クレア「全然、小山さんはまだまだ大丈夫ですよ」
恋のキューピット クレア「小山さんは、素敵な方なので!」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・え?」
小山 叶真(こやま とうま)「僕がですか? 寝坊、無精ひげ、汚れた服、無表情の会話、モテないレッテルをほぼコンプリートしていますが」
恋のキューピット クレア「自覚があるなら、直してもらえます?」
恋のキューピット クレア「でも、その辺りはなんとでもなります。問題は性格を拗らせてる方。自分勝手だったり他人を思いやれなかったり・・・」
恋のキューピット クレア「こういう方はキューピットの私でも幸せに出来ないんですよ。破局したり、結婚しても離婚したり・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「そんな方も相手にしなければいけないのですね。大変そうで何よりです」
恋のキューピット クレア「その点、小山さんは優しいですし、気遣いが出来る方だと思いますし、魅力的な方だなって思います」
恋のキューピット クレア「あとはその魅力が正しく発揮されて、正しい相手に届くだけです! もう一歩じゃないですか!」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「そんな、魅力的と言ってもらえるなんて、嬉しいですね」
小山 叶真(こやま とうま)「そこまで褒められたら、もう少し頑張ってみようかな」
恋のキューピット クレア「やった! ぜひ、一緒に頑張りましょ!」
恋のキューピット クレア「あ、え、やば!」
小山 叶真(こやま とうま)「どうかしましたか?」
恋のキューピット クレア「ご、ごめんなさい。この辺りから恋の匂いがしまして・・・」
恋のキューピット クレア「す、すぐに行かなきゃ。で、でも・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「僕は、大丈夫ですよ。行ってきてください」
恋のキューピット クレア「小山さん・・・」
恋のキューピット クレア「す、すみません。すぐ戻りますから!」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「努力かぁ・・・」

〇繁華な通り
恋のキューピット クレア「うわ、もう夕方・・・」
恋のキューピット クレア(最悪、思ったよりも時間かかっちゃった。結局の恋の出所はわからなかったし・・・)
恋のキューピット クレア「・・・・・・」
恋のキューピット クレア「小山さん、帰っちゃたよね・・・」
  小山「クレアさん」
恋のキューピット クレア「えっ?」
小山 叶真(こやま とうま)「お仕事、お疲れ様です」
恋のキューピット クレア「こ、小山さん・・・!」
小山 叶真(こやま とうま)「クレアさんに勇気づけられて、ちょっと頑張ってみました」
小山 叶真(こやま とうま)「美容院さん、洋服の店員さん、言われるがままにお洒落してみましたが・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「どうですかね?」
恋のキューピット クレア「あ、えと・・・」
恋のキューピット クレア「に、似合っています・・・」
恋のキューピット クレア「・・・とても///」
小山 叶真(こやま とうま)「本当ですか? 良かったです」
小山 叶真(こやま とうま)「本当はクレアさんと一緒にお買い物したかったのですが、もう夕方ですし・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「今日はもう、帰りましょうか」
恋のキューピット クレア「え、あ・・・」
恋のキューピット クレア「・・・・・・」
恋のキューピット クレア「あ、あの!」
小山 叶真(こやま とうま)「どうか、しましたか?」
恋のキューピット クレア「今日、いくらかかりましたか?  そ、その・・・」
恋のキューピット クレア「・・・ハンブン」
小山 叶真(こやま とうま)「半分?」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・クレアさん」
小山 叶真(こやま とうま)「じゃあ、どこか食べに行きましょうか。がっつり、奢ってもらいますからね」
恋のキューピット クレア「はい、行きましょ!」

〇黒
  ここからおまけ

〇おしゃれなレストラン
  補足話 天使との会話
小山 叶真(こやま とうま)「そういえば、気になったんですけど。僕とクレアさんの会話って、周りからどう見られてるんですかね」
恋のキューピット クレア「え、どういうことですか?」
小山 叶真(こやま とうま)「だって、天使は普通の人に見えないんですよね? だったら、この会話も僕の独り言に見えてしまうのかなって」
恋のキューピット クレア「あぁ、えぇと、その辺りは大丈夫だと思うんですが、」
恋のキューピット クレア「なんて、言えばいいんだろう・・・」
恋のキューピット クレア「あ、子供の頃、大勢で遊んだ時に居た面識の無い友達みたいな感じです!」
小山 叶真(こやま とうま)「すみません、よくわかっていません。詳しく教えていただければ」

〇狭い畳部屋
  クレア「友達が大勢いる時、面識の無い友達って印象に残らないじゃないですか」
  クレア「天使の存在も、同じ感じです。確かにそこに居ますけど、存在を認知しないと言いますか」
  小山「えっと、『○○君? いたっけ?』みたいな感じになるってことですね」
  クレア「あ、そうです! そんな感じです!」

〇おしゃれなレストラン
小山 叶真(こやま とうま)「でも、なんで僕だけクレアさんを認知出来るのですかね」
恋のキューピット クレア「私も、よくわかっていないんですよね。こんな事例は今までなくて・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「まぁでも、甲斐あってクレアさんに出会えたんですから、ご褒美みたいなものです」
恋のキューピット クレア「え、ご褒美なんて・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・あるいは、売れ残りのセット販売」
恋のキューピット クレア「人の事を、勝手に売れ残りにしないでください!」
恋のキューピット クレア「あと、自分の事を売れ残りって表現するのもやめましょうよ・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「では、限定販売で」

次のエピソード:エピソード3 「好きな事を楽しんでいる時の笑顔が一番、素敵ですよ」

コメント

  • 優しい天使と優しい男性でほのぼのしますね、とても可愛いです。
    朝まで掛かったホットケーキの味が気になりますね。
    たとえまずくても優しい天使さんなら、美味しいと食べてくれたのかなと思いました💦
    映画好きからしたら、天使物といえば名作揃い。
    『ベルリン・天使の詩』『素晴らしき哉、人生!』『天国から来たチャンピオン』
    でも皆古いから、天使物は今が狙い目かも知れないですね!!😲

  • クレアさんと小山さんの恋愛にかかる温度差から広がるトーク、もう楽しすぎます😂
    現代の恋愛事情に詳しい作者様って、もしかしてリアルなキューピット様であらせられるのでしょうか😊 ぼっち事情の描写もリアル感アリで😂

  • 天使の助言で外見を意識する様になった主人公。
    確かな1歩を踏み出しましたね。続き待ってます。

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