事故物件サバイブ ~心霊現象総スルーな兄が最強すぎる、致死率150%呪いのロンダリング・バイト~

資源三世

5月25日 排水溝(脚本)

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〇中規模マンション

〇マンションの非常階段
  最上階から一階へ近づくにつれ、だんだんと強烈な悪臭が空気を汚染してゆくのがわかりました
妹「なにこれ、凄い臭い」
( ´∀`)「やべー、臭いだけで吐き気が・・・」
  ドブの臭いに、酸っぱい刺激臭の混ざったそれは、凶器ともいえる悪臭です

〇マンションのエントランス
  エントランスでは既に管理人が詰められていました
大家「排水溝に酷い詰まりがあってですね」
  休みの日に、こんな悪臭で起こされた住人達は、不機嫌極まりなく、解決を急かしますが、管理人はしどろもどろと問答するだけ
住民「水を止められて困ってるんだ。早く何とかしてくれ。こちとら高い金払ってんだぞ!」
( ´∀`)「そうだそうだ!」
妹「いや、お兄ちゃんは払ってないでしょ」
大家「今、水を流されると逆流しかねないので・・・」
住民「そもそも原因は何なの?」
大家「誰か変なものを流したのかと・・・」
( ´∀`)「変なものってなん・・・」
( ´∀`)「変?」
妹「どうしたの、お兄ちゃん。顔色悪いけど?」
( ´∀`)「いやいやいや、何でもないぞ?」
( ´∀`)(変って、まさかあのときの毛髪入りスムージー? いやまさか、あんな量でどうにかなるわけ)
大家「そのですね、長い髪の毛が、大量に絡まっていて・・・」
  突然の怪奇現象発言に、住民たちは一斉に真っ青になります。まさかの兄すらも血の気が失せていました
( ´∀`)(やっぱ俺なのか? スムージーの逆襲なのか?)
( ´∀`)「や、やれやれ、仕方ないな。そういうことなら、俺が掃除してきてやるよ」
  兄は強メンタル発言をして、スコップ片手に颯爽と排水溝へ挑んでゆくのでした
  私を連れて──

〇地下広場
妹「なんで私までドブ掃除・・・」
( ´∀`)「早いとこバレないように、スムージーを処理しなければ」
  兄はスコップを使い、排水溝に絡まった髪の毛を取り除いてゆきます
  スコップを持ち上げるたび、黒い藻のような塊が、汚れた緑の水をぼたぼたとこぼします
妹「うへぇ・・・」
  強烈な悪臭と、その見た目の悪さに思わず目が眩みます
  もっとも兄は感性が死んでるだけあって、何食わぬ顔で作業を進めました
  詰まりが解消されるにつれ、排水溝から止まっていた汚水が流れだしました
  どろりと白いものと、泡立った汚い緑色の水が溶けあうことなく、流れてゆきます
妹「なんだろ、これ。油?」
( ´∀`)「油だって? じゃあ、スムージーは関係ないのか?」
妹「スムージー?」
  ぴちゃ・・・
  気が抜けたところに、濡れた雑巾を落したような水音。薄気味悪い不協和音がその場に存在感を現しました
田中さん?「ねぇ、指輪がないの・・・」
( ´∀`)「指輪?」
妹(田中さん(?)!)
  恋人から貰った指輪を探し続ける霊。排水溝が詰まった原因はこの霊だったようです
妹(どうしよ、また適当なこと言ってどこかに行ってもらう? でも、同じ手がいつまでも通用するとも思えないし)
( ´∀`)「なんだ、まだ指輪探してたのか」
田中さん?「まだ見つからないの!!」
妹「恋人に貰った指輪が見つからないんだって。それでずっと探し続けてて」
( ´∀`)「おいおい、だからって探しすぎだろ」
田中さん?「見つからないの!!」
妹「お兄ちゃん、あまり怒らせない方が──」
( ´∀`)「なあ、大事なのは本当に指輪なのか?」
田中さん?「・・・」
( ´∀`)「あんたの彼氏はあんたより指輪が大事なのか?」
田中さん?「・・・」
( ´∀`)「違うだろ。指輪より、あんたが大事なはずだ。なのに、あんたはこんなところでいつまで探し続けるつもりなんだ?」
妹(ここへ送ったのお兄ちゃんなんだけどね? でも、なんかいいこと言ってるっぽい)
田中さん?「・・・でも・・・もうどうやって会いに行けば・・・わからないの・・・」
( ´∀`)「道が分からないのか? 待ってろ。タクシー呼んでやるから」
  兄はポケットから【AnoyoTaxi】の名刺を取り出し、連絡します
  すると、どこからか車の音がして――しかし、姿は見えません──
  田中さんはすぅーっと、消えてしまいました
  彼女の腕にくっ付いたままの悪霊も、一緒に連れてかれました
「ありがとう」
  どこからか、あたたかな声が聞こえ──
  あれだけあった髪の毛も消失し、後には毒々しいスムージーが流れるだけでした
妹「なにこのスムージー・・・。さっきのより体に悪そう」

次のエピソード:5月26日 おとりかくれんぼ ①開始 #シナリオ

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