エピソード1 「キューピットの矢がキャッチされたっ!?」(脚本)
〇学校脇の道
恋するモブ男「学祭の準備、疲れたぁ・・・」
恋されるモブ美「モブ男、めちゃくちゃ頑張ってたもんね~」
恋されるモブ美「本当に、ありがとう! モブ男と一緒のグループで良かった~!」
恋するモブ男「別に、大した事してないよ」
恋されるモブ美「改めてだけど、モブ男って優しいよね」
恋するモブ男「え、いや、そこまででも///」
恋するモブ男「//////」
恋されるモブ美「//////」
恋のキューピット クレア「えーっと、この辺から恋の匂いが・・・」
恋のキューピット クレア「あ、居た居た! 恋が芽生える目前のカップル、発見!」
恋のキューピット クレア(この子達の恋愛を成就させて、今日の仕事は終わりかな)
恋のキューピット クレア(この子達の幸せを願って・・・)
〇教会の中
〇学校脇の道
恋のキューピット クレア(イメージ、オッケー! この恋の矢で、狙って・・・)
恋のキューピット クレア「せいっ!」
恋するモブ男「なぁ、モブ美」
恋するモブ男「今度の学校祭、一緒に回らない?」
恋されるモブ美「え、それって・・・」
恋されるモブ美「二人で、ってこと?」
恋するモブ男「まぁ、うん///」
恋されるモブ美「え、えと・・・」
恋されるモブ美「わかった。・・・楽しみに、してるね」
恋するモブ男「良かった~! ありがとう、モブ美!」
恋するモブ男「正直、断られるかと思って不安でさぁ・・・」
恋されるモブ美「そんな、私が断る訳ないじゃん!」
恋されるモブ美「・・・嬉しかった///」
恋するモブ男「・・・ありがと///」
恋のキューピット クレア「・・・・・・」
恋のキューピット クレア「ふぅ・・・」
恋のキューピット クレア「はい、おっけ~! 今日も、無事に成功!!」
恋のキューピット クレア「愛し合う二人が結ばれる瞬間、なんて尊いの! 尊さで消えちゃいそう♡」
恋のキューピット クレア「しかも、これで99組目、ノーミス! あと1組で一人前キューピットの仲間入り!!」
恋のキューピット クレア「さぁ、我を崇め奉れ~!!」
恋のキューピット クレア「・・・・・・」
恋のキューピット クレア「ねぇ、誰か褒めてよぉ・・・」
恋のキューピット クレア「・・・・・・」
恋のキューピット クレア「・・・帰ろ」
〇古いアパート
恋のキューピット クレア(だいぶ遅くなっちゃった。キューピットと言えども、お腹は空くよぉ・・・)
恋のキューピット クレア「あれ、お隣の、小山さんだっけ」
恋のキューピット クレア(あの人、絶対に恋愛下手だよねぇ。普段から引き籠っているし、愛想悪いし・・・)
恋のキューピット クレア(あ、でも、あの人に恋の矢を当てたら、記念すべき100組目達成?)
恋のキューピット クレア(小山さんみたいな恋愛下手な人には、恋の楽しさを教えてあげたいし。なら、ここで私が一肌脱いで・・・)
恋のキューピット クレア「・・・・・・」
恋のキューピット クレア(よし、決めた!)
恋のキューピット クレア「えーい!」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・なんだこれ、矢?」
恋のキューピット クレア「・・・え?」
恋のキューピット クレア「ぇぇええ!? 恋の矢、キャッチされたっ!?」
小山 叶真(こやま とうま)「あれ、お隣の方、でしたっけ?」
恋のキューピット クレア「え、しかも私の事、見えるのっ!?」
小山 叶真(こやま とうま)「何を言っているんですか? 見えるに決まってるじゃないですか」
恋のキューピット クレア「あ、いや、だって、私はキューピットで、その・・・」
恋のキューピット クレア「あっ・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「晩御飯、まだなんですか?」
恋のキューピット クレア「あ、いや、まぁ・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「丁度良かった、かな」
小山 叶真(こやま とうま)「実は、出前でピザを取ったんですけど、セールだからって頼み過ぎちゃって」
小山 叶真(こやま とうま)「良かったら少し、持って行きません?」
恋のキューピット クレア「え、いいんですか?」
小山 叶真(こやま とうま)「まぁ、飢えた貧しい人を見捨てる訳にはいかないと言いますか・・・」
恋のキューピット クレア「し、失礼ですね! 別に、帰れば食べる物ぐらいありますよ!!」
小山 叶真(こやま とうま)「すみません、言葉選びを間違えました。えーっと・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「疲れている貴方に、ピザでも食べて笑っていただきたいと思いまして」
小山 叶真(こやま とうま)「貴方は疲れている顔よりも、笑顔の方が可愛いですから」
恋のキューピット クレア「えっ///」
恋のキューピット クレア「・・・って、からかわないでください!!」
小山 叶真(こやま とうま)「真剣なんですけど、会話が苦手なもので」
小山 叶真(こやま とうま)「どうしましょうか。やっぱり、いらないですか?」
恋のキューピット クレア「えっと、じゃあ・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「持って行くってことで、決まりですね」
恋のキューピット クレア「あ、ありがとうございますぅ・・・」
〇本棚のある部屋
恋のキューピット クレア「ピザ、ありがとうございます! すっごく美味しいっ!」
小山 叶真(こやま とうま)「あぁ、いぇ、それは良かった・・・」
恋のキューピット クレア「おいし〜♪」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・・・・」
恋のキューピット クレア「あ、どうしましたか? ひょっとして、私、食べ過ぎちゃいましたか?」
小山 叶真(こやま とうま)「いえ、それは全然お気になさらず。僕は少食なので」
小山 叶真(こやま とうま)「ただ、自分としては玄関先でピザを手渡しするつもりだったので」
小山 叶真(こやま とうま)「なんで部屋に上がってきたのかな~って、不思議に思っていただけです」
恋のキューピット クレア「えぇっ!? それ、玄関に入る時に言ってくださいよ!! 私、すごい失礼な人じゃないですか!!」
小山 叶真(こやま とうま)「久しぶりに、部屋に人を招く事が出来て、自分としては楽しいですよ」
小山 叶真(こやま とうま)「しかも、こんな綺麗な方とご一緒出来るなんて、そうそうあることじゃないですし」
恋のキューピット クレア「や、やめてくださいって。からかわないでくださいよ」
小山 叶真(こやま とうま)「いえ、女性との話し方がわからないので、とりあえずおだててみただけです」
恋のキューピット クレア「それ、口に出しちゃ駄目ですよっ!!」
小山 叶真(こやま とうま)「すみません、失言しました」
小山 叶真(こやま とうま)「でも、全て本音です。ぜひ、くつろいでください」
恋のキューピット クレア「わ、わかりました。ありがとうございます」
小山 叶真(こやま とうま)「その代わりと言ってはなんですが、少し質問してもいいですか?」
小山 叶真(こやま とうま)「もし、答えたくなければ断ってもらって構わないので」
恋のキューピット クレア「はい! なんですか?」
小山 叶真(こやま とうま)「名前と、その恰好について教えてください」
小山 叶真(こやま とうま)「何か、特殊なお仕事をされているのかなと、気になっていまして」
恋のキューピット クレア「そ、そりゃそうですよね。こんな格好していたら、変だと思いますよね」
小山 叶真(こやま とうま)「変ではないですよ、個性的ですが」
恋のキューピット クレア「私はクレアと言いまして、実は・・・恋のキューピットなんです」
小山 叶真(こやま とうま)「恋のキューピット?」
恋のキューピット クレア「はい、信じられないと思いますが・・・」
〇雲の上
クレア「私達キューピットは、愛の神様と言われています」
クレア「私達のお仕事は、人間界に下りて想い合う男女を恋の成就へと導く事です」
〇レストランの個室
クレア「自分で言うのもアレですが、私の成績はなかなかの物ですよ。私のおかげで結婚したカップルは数知れず!」
クレア「私のキューピットの矢は、百発百中なんですからっ!」
クレア「そして今日、99組目の成就を果たしまして、いよいよ次が100組目なんです!!」
〇本棚のある部屋
小山 叶真(こやま とうま)「99組、お疲れ様です。凄い成績ですね、尊敬します」
恋のキューピット クレア「いえいえ、そんな。ありがとうございます」
小山 叶真(こやま とうま)「そんな中、すみません。百発百中の矢をキャッチしてしまって」
恋のキューピット クレア「本当ですよぉ、百発百中の記録が途絶えちゃったんですから」
小山 叶真(こやま とうま)「なんか、すみません」
恋のキューピット クレア「でも、私の矢がキャッチされたのは初めてです。今まで、こんな事は無くて・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「さっきのミス、帳消しになればいいんですけどね」
恋のキューピット クレア「そうですねぇ・・・」
恋のキューピット クレア「・・・・・・」
恋のキューピット クレア「・・・あ、そうだ」
恋のキューピット クレア「小山さん。恋、してみたくないですか?」
小山 叶真(こやま とうま)「恋、ですか?」
恋のキューピット クレア「はい、そうです! 小山さんは今、もしかして恋が出来ていないんじゃないですか?」
恋のキューピット クレア「そんな小山さんの恋を成就に導きます! これで失敗も帳消しですね!! 小山さんも恋が出来てウィンウィン!!」
小山 叶真(こやま とうま)「帳消しになるんですか? ならないと思うんですけど・・・」
恋のキューピット クレア「なるんです! そこは誤魔化します!!」
恋のキューピット クレア「どうですか? 良い提案だと思いますよ!」
小山 叶真(こやま とうま)「・・・・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「確かに、恋愛には興味がありつつ動けなかったので、僕にとってもありがたいですね」
小山 叶真(こやま とうま)「なんとなく、クレアさんは悪い人じゃなさそうですし・・・。わかりました、その方向で行きましょう」
恋のキューピット クレア「はい、お願いします!」
小山 叶真(こやま とうま)「では、不束者ですが、僕とのお付き合い、宜しくお願いします」
恋のキューピット クレア「・・・・・・」
恋のキューピット クレア「えぇ、私と付き合うんですかっ!? 違う違う、私じゃなくて、小山さんの運命の相手を探すんですよ!」
小山 叶真(こやま とうま)「てっきり貴方と付き合うと思っていたのですが。僕と付き合うの、嫌、なんですか?」
恋のキューピット クレア「い、いえ、嫌じゃないですけど、まだ会ったばかりですし、小山さんの事、よくわからないし・・・」
恋のキューピット クレア「小山さんこそ、そんな適当に相手を決めちゃっていいんですか?」
小山 叶真(こやま とうま)「ここでクレアさんと付き合えば、手っ取り早いかなと思いまして」
恋のキューピット クレア「手っ取り早いとか、言わないでください!」
小山 叶真(こやま とうま)「見た目も、可愛いですし」
恋のキューピット クレア「え、あ、いや///」
恋のキューピット クレア「と、とにかく、運命の相手、探しますよ!! 今までの恋愛経験、教えてください!!」
小山 叶真(こやま とうま)「25年間、母親以外の女性と話した事は無いですけど」
恋のキューピット クレア「えぇぇ・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「ここ数年は人と会話していません」
恋のキューピット クレア「あぁぁ・・・」
恋のキューピット クレア「だ、大丈夫かな・・・」
小山 叶真(こやま とうま)「じゃあ、頑張ってください、クレアさん。応援しています」
恋のキューピット クレア「一緒に頑張るんですよ、これからっ!!」
小山 叶真(こやま とうま)「はーい」
とにかく楽しいです😊 キューピットの矢のキャッチから始まるラブコメ……何てステキな設定✨ この先の展開が全く予想できない第一話、最高です😂
クレアさん、僕にも恋の矢を下さい。←黙りなさい
余計な言葉を口にしてしまう無神経な彼の恋愛はどうなってしまうのか楽しみです。
奇想天外で明るくて楽しい話ですね!!
恋のキューピットが、恋をする側に回るのは、意外性があってとても良かったです👍 意表を突いてますね!!
私の周りにも優秀なキューピットはいません。残念です💔