5月15日 人面瘡(脚本)
〇中規模マンション
〇高層マンションの一室
編集長「我らに危機が迫った今、私の秘密を打ち明けておこうと思う」
( ´∀`)「編集長の・・・秘密?」
編集長「まずはこれを見て欲しい」
編集長はそういうと、股引きを降ろし、パンツに手をかけて──
( ´∀`)「ちょっと待て。俺はノンケです! そういうのは、同類と共有して頂きたい」
編集長「違う、そういうのじゃない! 今まで隠してきた秘密というのは・・・」
( ´∀`)「秘密とは?」
編集長「人面瘡だ。私は恐るべき人面瘡に取りつかれている!」
( ´∀`)「そんな、まさか、あの人面瘡に!」
編集長「今までずっと誰にも話せずにいたが、最も信頼するお前には打ち明けておきたくてな」
( ´∀`)「編集長!」
( ´∀`)「人面瘡ってなんですか?」
編集長「知らずに盛り上がってたのか?! お前、それでもオカルト雑誌のバイトか?」
( ´∀`)「金になればなんでも良かったので」
編集長(なんでこんなの雇ったんだろう)
編集長「人面瘡はな、皮膚が爛れ、人の顔になって浮かび上がる妖怪の類だ。中には人語を介し、飯も食うものまでいるという」
( ´∀`)「妖怪タダ飯食らい・・・嫌な奴ですね」
編集長「私がオカルト雑誌の編集長となったのも、この人面瘡の治療法を求めてだ」
( ´∀`)「そんな昔から・・・」
編集長「そういうわけだから、まずは見て貰おう」
編集長はそう言って、パンツを降ろそうとする
( ´∀`)「だから、なんでズボンを脱ぐんですか?!」
編集長「ここにあるんだから仕方ないだろう」
( ´∀`)「あぁ、股に出来たんですか」
編集長「いや、股じゃなくて玉だ」
( ´∀`)「またまたー。御冗談を」
編集長「たまたま、出来たのが玉なんだから仕方ないだろう?」
( ´∀`)「たまたま、玉に出来るわけないでしょう! つーか、玉なんてたまにも見ないでしょ。なんで気づけたんですか」
編集長「まだまだ青いな。いつでも使えるよう風呂で温まっときに確認するものだ。そのとき、玉に人の顔があるのに気づいたんだ」
( ´∀`)「またまたー。既に枯れ果てて、たまの使い道もないくせに」
編集長「また勝手な推測で語って」
( ´∀`)「まだまだ現役のつもりですか? たまには玉じゃなく、自分の頭の調子でも見ては?」
編集長「黙って聞いてれば、頭ごなしに決めつけおって。今までは玉に瑕だと見逃してきたが、たまにはお前も痛い目をみるべきだ」
ポロン
( ´∀`)「ぎゃー! 玉にしこたま顔がついてる! しかも本人に似て、これまた不細工な!」
編集長「またしても不敬な! 頭にきた、お前も感染しろ!」
( ´∀`)「待った、待った! 俺の玉にはまだ輝かしい未来の可能性がある! 明日にもまたとないチャンスが訪れるかも知れないんだ」
編集長「また痛ましい夢を! まだまだ世間の厳しさを分かってないな。幸せなど学生時代で頭打ちだというのに」
( ´∀`)「またそんなこと言って、俺の玉の未来が妬ましいから、妨げたいだけでしょうが! そんな邪な人面瘡、削り取ってやる!」
編集長「やめろ、殺す気か? まったく、たまには頭を使わんか!」
( ´∀`)「くくくっ、痛まないよう、瞬く間に終わらせますから」
編集長「や、やめろー!」
妹「ただいまー。いやー、卵のタイムセールをまだかまだかと待ったら、遅くなっちゃ・・・った?」
妹は見た。股引きを降ろして怯える編集長と、カミソリを片手にまたとない笑顔を見せて迫る兄の姿を
〇中規模マンション
「きゃーっ!!」
〇中規模マンション
この日、編集長と兄は警察に捕まった
たまにはいい薬になったのでは? そんなことを考える妹であった