5月3日 目覚まし時計(脚本)
〇中規模マンション
〇女性の部屋
真夜中に、目覚まし時計が鳴り響きました
真っ暗な中、けたたましい音に叩き起されます。手元のスマホで時間を確認すると、午前二時
妹(故障かな?)
ウトウトとしながら、手探りで時計を探します
妹「どこ置いたっけ? いつもはスマホのアラームを使ってるからなぁ」
妹「待って。そもそも、私、目覚まし時計なんて持ってない」
妹(じゃあ、この音は何? まさか、実は何人もの叫び声が重なってこんな音に聞こえて)
妹「違うか。普通の目覚ましの音だ」
どこからか鳴り響く目覚ましの音。お化けは、安眠妨害で、私を弱らせる作戦にでも出たのでしょうか
「早く消せよ」
妹「今の、誰?」
窓の外から、見知らぬ男の声がしました。低くくぐもった、背筋が凍るような声
不安を煽るように、目覚ましは鳴り響きました
〇女性の部屋
目が覚めると、あたりはまだ真っ暗です
妹「まさかの夢オチ」
うるさく鳴り響く目覚まし時計を、暗闇の中、手探りで探します。内心は呆れかえってました
妹「あれ? 目覚まし時計ないのは、本当だったはず」
妹「じゃあ、この音は?」
音のする方へ目を凝らすと、何かが震えています
妹「あれは・・・」
フライパンが激しく震えていました
妹「なんでフライパン?! 音が違うでしょ。あなた、ジリリリとかいうタイプでしょ」
〇女性の部屋
目覚まし時計が鳴り響き、目覚めると、まだ真っ暗です
妹「今は夢? 現実?」
私の部屋に目覚まし時計はないので、夢だと思います。が、ないものがあるのもこの家です
妹「人形は私の隣にある。つまり、まだ安全」
妹「なら、寝よう」
私は布団を被って眠りました
妹「うるさい」
目覚ましの音はいつの間にか、やんでいました
〇女性の部屋
妹「・・・今度は本当の朝?」
昨日のアレは何だったのでしょうか。ただの夢? それともお化けの仕業?
それを確かめることは出来ませんが、今、目の前にあるのは
妹「目覚まし時計・・・?」
それは床に転がっていました。かなり古いものなのか、部品は錆びで変色して、針は外れています
妹「なんでこんなものが?」
お化けが用意したか、それともこれ自体がお化けの可能性も否定できません
「おーい、起きてるかー?」
妹「どうぞー」
( ´∀`)「なあ、俺の目覚まし時計を知ら・・・」
( ´∀`)「俺の時計!」
妹「え?」
( ´∀`)「俺の時計が、壊れてる?! なんで、どうして?!」
妹「お兄ちゃんの時計?」
( ´∀`)「昨日、深夜番組を見ようとセットしたのに、鳴らなかったから探してみれば」
( ´∀`)「なんで、壊れてるんだよー!」
大きくないし、のっぽでもない、古時計。今は、もう、動かない、お兄ちゃんの時計
妹「なんで、ここにあるの?」
( ´∀`)「俺が知りたいわ!」
お化けのいたずら? それとも、何か意味があって、ここに置かれた?
理由は分かりませんが、私は知らず知らずのうちに難を逃れたのでしょうか?