2 氷姫からのお誘い(脚本)
〇おしゃれな受付
翌日。
ナルオシズム「なぁなぁ!今日は一緒してくれるよな!」
ナルオシズム「なぁなぁ!昨日は駄目だったけど今日は良いよな!」
ナルオシズム「なぁなぁ!氷華ちゃんってばぁ!」
氷室聡「あ、お早うございます、ナルオさん・・・」
ナルオシズム「ああん?またお前か氷室!僕ちゃんは今大事な仕事を!」
村瀬氷華「あ、氷室さんお早うございます・・・」
ナルオシズム「え?何で氷室なんかに挨拶を?僕ちゃんがしても無言だったのに!?」
氷室聡「あぁ、お早うございます・・・ナルオさん、真面目にプレゼン考えないとお互い拙いですから、早く行きましょう・・・」
ナルオシズム「だぁ引っ張るな!僕ちゃんは大事なぁ!!」
氷室聡「ここの仕事はナンパじゃ無いでしょ?行きますよ・・・」
村瀬氷華「あ、待って下さい氷室さん・・・」
氷室聡「ん?どうしました?」
村瀬氷華「氷室さん宛の手紙が届いてましたので後で確認お願いします・・・」
氷室聡「え?俺に?普通俺の家に届きそうだけど・・・」
村瀬氷華「い、いえ!本当に氷室さん宛に来てました!だから朝渡そうと思って!」
氷室聡「・・・?まぁ良いか・・・行きましょうナルオさん・・・」
ナルオシズム「だぁ!だから引っ張るなって!!」
村瀬氷華「・・・良かった・・・ちゃんと渡せた・・・早く仕事再開しないと・・・」
〇オフィスのフロア
氷室聡「さて、今日もやるか・・・」
ナルオシズム「お前〜・・・これ以上僕ちゃんの邪魔したらどうなるか分かってるのか?」
氷室聡「え?何かあるんですか?」
ナルオシズム「これ以上僕ちゃんの邪魔したら、僕ちゃんのパパに言い付けて、クビにしてやるからな?」
氷室聡「まぁ、確かにここはあなたの父の経営してる会社ですけど・・・」
ナルオシズム「良いか?次は邪魔するなよ?」
氷室聡「この際それも悪く無いかもな・・・仕事始める前に・・・」
氷室聡「切手も張って無いし、どっからどう見ても手作りの手紙だし、そもそも表側に俺の名前すら書いて無い・・・どれどれ?」
『氷室さんへ、昨日は助けてくれて本当にありがとうございました。昨日のお礼がしたいので、お昼になったら』
『私のいる受付に来て下さい。お待ちしています。村瀬氷華。』
氷室聡「何だそんな事か・・・別に気にする事・・・でも無いか・・・あんな酷い事されそうになったんだからな・・・」
氷室聡「さて、プレゼンはまだ決まらないし、やりながら考えるか・・・」
〇おしゃれな受付
昼休憩の時間、俺は一人で受付へと赴いた。
氷室聡「さて、名前もバッチリ書いてあった訳だし、村瀬さんは・・・」
村瀬氷華「あ、氷室さん、お待ちしてました!」
氷室聡「やぁ、村瀬さん、取り合えずお疲れ様・・・今日はどうしたの?」
村瀬氷華「氷室さんこれからお昼ですよね?良かったらご一緒しませんか?」
氷室聡「え?あぁ、良いよ・・・断る理由無いし・・・」
村瀬氷華「やった!それじゃあ直ぐ行きましょうか!パスタの美味しいお店知ってるんです!」
氷室聡「あ、あぁ・・・」
氷室聡「(この子、こんな風に笑顔見せるんだな・・・)」
ナルオシズム「お、おい・・・嘘だろ・・・」
〇古民家カフェ
氷室聡「へぇ・・・こんな所にこんな店があるなんて知らなかったな・・・」
村瀬氷華「そうですよね・・・ここ最近オープンしたばかりのお店なんです・・・知名度はそこまで高い訳じゃ無いけど、」
村瀬氷華「ここのパスタが美味しくて・・・」
氷室聡「そうか・・・村瀬さんがそこまで言うなら期待できるか・・・」
店員「いらっしゃいませ!2名様でお間違い無いですか?」
村瀬氷華「あ、はい!大人2人です!」
店員「畏まりました!それではご案内致します!」
俺達は店員さんに席に案内してもらい、メニューとお冷を渡される。
店員「それでは、ご注文がお決まりになりましたら、お呼び出し下さいませ!」
村瀬氷華「さて、私は何にしようかな・・・」
氷室聡「・・・・・・」
村瀬氷華「ん?氷室さん、どうしました?」
氷室聡「え?あ、いや・・・何か不思議だなって思って・・・」
村瀬氷華「不思議?何がです?」
氷室聡「俺は村瀬さんと余り関わった事が無いから何とも言えないんだけどさ・・・村瀬さん、異性と一緒に食事した事ある?」
村瀬氷華「え?そりゃ、父と食事した事はありますよ?」
氷室聡「あぁ、言い方が悪かったね・・・俺が言いたいのは、家族以外の人、特に異性の誰かと食事した事あるのかなって思って・・・」
村瀬氷華「・・・私、同性と食事した事は何度かありますけど、異性の方は氷室さん以外とした事無いですよ?」
氷室聡「え?あ、そうなんだ・・・でも何でまた急に?」
村瀬氷華「え?決まってるでしょ?この前助けてくれたお礼ですよ?」
氷室聡「お礼?いや、そこまでする程じゃ無いでしょ?」
村瀬氷華「な、何言ってるんです!?私の事助けてくれて、それではい終わりなんて失礼じゃ無いですか!」
氷室聡「い、いやいや!あの位やって当然と言うか、無我夢中って言うか!」
村瀬氷華「いやいや、謙遜し過ぎですよ・・・そのやって当然の事って、意外とできない事ありますから・・・」
氷室聡「お、おう・・・」
村瀬氷華「私、本当に感謝してます・・・あの時は本当突然だったので混乱しちゃってましたが、氷室さんがいなかったら」
村瀬氷華「今こうしてる事もありませんでした・・・この程度で恩返しできるとは思って無いので、困った事があったら相談してくれませんか?」
氷室聡「あ、あぁ・・・困ってる事と言えばこれからのプレゼンどうしようか迷ってる所だけど、本当に相談したくなったら宜しく・・・」
村瀬氷華「・・・はい!」
それから、俺達は各々注文を決めて食事を始めた。村瀬さんの言う通り、ここのパスタは中々に美味く、思わずまた行こうと
思う程だった。
ナルオシズム「な、何だよこれ・・・」
食事に夢中になってたのもあり、この光景をナルオさんに見られてた事は、この時の俺達は気付かなかった。
〇オフィスのフロア
その日の仕事終わり。
ナルオシズム「おい氷室・・・」
氷室聡「ん?ナルオさんどうしました?」
ナルオシズム「お前、氷華ちゃんに何をした?」
氷室聡「え?何もしてませんが?」
ナルオシズム「とぼけるな!お前今日氷華ちゃんと飯行ってただろ!僕ちゃんが幾らやっても誘いに乗ってくれなかったのに、」
ナルオシズム「何でお前が氷華ちゃんと飯食ってるんだよ!」
氷室聡「え、えぇ・・・それ何か問題あります?村瀬さんが誰と食事しようと村瀬さんの勝手だと思いますが・・・」
ナルオシズム「うるさい!お前なんかが氷華ちゃんに釣り合うと思うな!氷華ちゃんは僕ちゃんの女だからな!」
氷室聡「いや、それナルオさんが決める事じゃ・・・」
ナルオシズム「ほう?口答えするとは良い度胸だな・・・だったら次のプレゼンでどっちが選ばれるか勝負しようじゃ無いか・・・」
ナルオシズム「僕ちゃんが勝ったら、二度と氷華ちゃんに近付くな・・・良いな?」
氷室聡「ま、待って下さい!俺はそんなつもりで村瀬さんと食事した訳じゃ無いし、そもそもプレゼンはそんな事する物じゃ・・・」
ナルオシズム「黙れ!僕ちゃんと勝負するのが嫌なら、今直ぐ退職するんだな!」
氷室聡「おいおい・・・冗談になってねぇぞ・・・」
何だか一方的に勝負を持ち掛けられた俺は困惑する事しかできなかった。只でさえ何をしたいか分からないのに勝負しろとか、
俺の悩みの種は尽きなかった。
昨日は機器がフリーズしてコメントが入れられなかったので・・・
三角関係から始まっていて面白いですね!!
特に僕ちゃんのキャラが立ってて楽しいです。しかし彼は怒らせると何をするかわからない、不安もありますね。職場の雰囲気がリアリティがあっていいなと思いました😊