フォビアインケージ Phobia in Cage

ふじのきぃ

Chart1-6.姉妹(脚本)

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ふじのきぃ

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〇研究施設の玄関前
リクハ「あわわ、ファーちゃん倒れちゃったよお!」
リクハ「大丈夫かなあ‥」
レン「ダストせんぱ〜い! こっちッスよ〜!」
ダスト「ほう‥ 他にも異能に覚醒せし者が居るとは‥」
ダスト「──って、ガキんちょかよ!」
フウリ「出たな、アーモンド!」
リクハ「お久しぶり〜亜門くん」
フウリ「まさかアンタもココに居るなんてね」
ダスト「アーモンド? あもん? 違うな‥」
ダスト「我が名は──大悪紋(ダイアモン) ・ド・堕澄人(ダスト)!」
ダスト「我を愚弄(ぐろう)するとは、命知らずな‥」
レン「パイセンの知り合いッスか?」
ダスト「──学園ン時のクラスメイトってヤァツ!」
レン「つまり皆さんも先輩って事ッスね?」
レン「オイラ、レンって言うッス! よろしくッス〜!」
ダスト(正直、あんま会いたくなかったンだが)
テトラ「うわー、モズ男そこまでやるー?」
テトラ「アタイにやり過ぎるなって言っときながら、 他人のコト言えないじゃん!」

〇菜の花畑
トバリノ「油断し過ぎだよ、ファーさん」
ファー(足が、動かない‥)
ファー「どうして‥こんな、ことを‥」
トバリノ「どうして、だって?」
トバリノ「言ったはずだ 『命懸けのサバイバルが行われる』と」
トバリノ「敵が正面から来るとは限らない‥ それをレクチャーしたまでの事」

〇黒
ファー(避けなきゃ‥!)
ファー(だめ、立てない‥!)

〇菜の花畑
トバリノ「どうした? 敵は待ってはくれないぞ?」
トバリノ「君のチカラは何の為に在るんだ?」
ファー「はぁ‥ はぁ‥」
ファー(先生は、本気で私を‥っ!)
トバリノ「一つ、大事な事を言っておこうか」
トバリノ「俺を含む管理者には、決まり事があってね」
トバリノ「フォビアを克服出来ない患者に──」
トバリノ「管理者は、どうしていると思う?」
ファー「どういう、ことですか‥?」

〇黒
トバリノ「『処分』するんだよ」
ファー「そん、な‥」
トバリノ「放っておけば、いつかは暴走し‥」
トバリノ「PiCの脅威になりかねない‥」
トバリノ「だから同じフォビックとして‥」
トバリノ「葬り、弔う使命があるんだ」

〇菜の花畑
トバリノ「今一度、問うぞ」
トバリノ「己のフォビアと向き合うのか?」
トバリノ「それとも──」
トバリノ「"恐怖症暴走-フォビアオーバー"を発症し、 俺達に始末されるのか?」
トバリノ「選ぶ事さえ出来ない、か」
トバリノ「残念だよ」
トバリノ「リコのナイフは 切った部位の生命活動を停止させる」
トバリノ「だから足が動かせない」
トバリノ「生かすも殺すも、俺達次第だよ」
トバリノ「次は──腕だ」

〇白

〇黒
  オ
  チ
  ロ

〇菜の花畑
トバリノ「リコ──ッ!?」
  せ る ふ ぜ ろ
  ぐ ら び てぃ

〇空
ファー?「ねえ」
ファー?「どうして"ファー"をいじめるの?」
ファー?「センセイたちも、ワルイヤツなの?」

〇黒
トバリノ「うわっ!?」

〇壁
トバリノ「かはっ!?」
  オ
  チ
  ロ
  オ オ
  チ チ
  ロ ロ
トバリノ「ぐあ、ア"ア"──! ?」

〇諜報機関
アン「重力波の威力、検知! 推定値は──っ! ?」
アン「100、トン、以上──!?」
ケージマスター「んー、これは "ルーム"が壊れてしまいそうだねぇ‥」
ケージマスター「こんな時は──」

〇サイバー空間
ケージマスター「彼等のルームを固定して‥」
ケージマスター「何重も部屋で"閉鎖"、と」

〇諜報機関
アン「迅速な対応、感謝するのです」
ケージマスター「PiCは僕のテリトリーだからね、ん〜」
ケージマスター「このくらい、お安い御用さ♪」
ケージマスター「あとは──モズ君とリコちゃん、 そして ファーちゃん が心配だ」
ケージマスター「皆んな、生きて戻るんだよ」

〇近未来の闘技場
トバリノ(両腕、潰されたか‥)
トバリノ(今のが──万有引力による 超重力"スーパーグラビティ")
トバリノ(やはり、横向きでも可能か‥)

〇空
ファー?「ファー、たのしそうだったよ?」
ファー?「センセイと、リコねぇと、フウねぇと、 リクねぇ‥」
ファー?「ココにいる"ふぉびっく"たちみんな、 ファーのトモダチだとおもってたのに」

〇近未来の闘技場
トバリノ(よし、動かせる‥)
トバリノ「大切な事なんだよ、ファーさん」
トバリノ「──いや、 ファーさんの内なる人格、かな?」
トバリノ「君の力が暴走しないよう、 君自身がコントロールしなければならない」
トバリノ「もし制御出来ないなら、 君を排除しないといけないんだ」
トバリノ「俺の仲間を‥」
トバリノ「大事なものを守る為に‥!」

〇空
ファー?「こっちだって! ファーがタイセツだもんっ!」
ファー?「ファーがダイジにしてるモノ、 ゼンブまもりたいって!」
ファー?「ファーとなかよくなってくれたヒトタチも‥」
ファー?「ゼッタイゼッタイ、 タイセツにするんだって‥!」
ファー?「それなのに‥」
ファー?「センセイも‥」
ファー?「"ハカセたち"とおなじなの?」

〇魔法陣のある研究室
プロフェッサー「今日もフォビック検査でちゅよー?」
プロフェッサー「コワイかなー? それなら、お歌を唄いまちょー!」
プロフェッサー「て く て く て く の 〜 ♪」
プロフェッサー「て く て く の・ろ・爺 ぃ 〜 ♪ (てくのろ爺の歌 byプロフェッサー)」
プロフェッサー「ほうら、たかいたか〜い!」
プロフェッサー「ぴゅうううぅ〜・・・」

〇近未来の手術室
ファーの義父「処分──ですか!?」
ファーの義母「そんな‥どうして、あの子が!」
プロフェッサー「もう"捨て児"じゃ! 結果は変わらんぞ」
プロフェッサー「投薬でも抑制出来ぬ程に深刻じゃ ──諦めるがよい」
ファーの義父「しかし‥」
ファーの義母「なんとか、ならないのですか?」
プロフェッサー「情が移っとるのう?」
プロフェッサー「お前達の使命は何だ? 子育てか? たかが実験体に?」
プロフェッサー「フォビックを忌み嫌い、根絶するのだろう?」
ファーの義父「それは──」
ファーの義父「──仰る通りです」
ファーの義母「制御不能ならば、致し方ございません」
プロフェッサー「解ればよい」
プロフェッサー「──さて、処分の方法じゃが‥」
プロフェッサー「スカイピアッサータワーが良かろう」
プロフェッサー「聞けば、お前達とあの文化遺産に登っては 過剰に怖がっていたようじゃの」
ファーの義父「まさか── 意図的に"フォビアオーバー"を!?」
プロフェッサー「手っ取り早いじゃろ?」
プロフェッサー「奴等は発症すれば、 やがて自滅するのが解っておるからの」
ファーの義父「──承知致しました」
  頂
  上
  か
  ら
  突
  き
  落
  と
  し
  ま
  す
ファー?(・・・)

〇黒背景
ファー?「ファー、きがついて‥!」
ファー?「このままじゃ、ファーがしんじゃう‥!」
ファー?「こえ‥」
ファー?「とどいて‥」
ファー?「おねがい‥」

〇SHIBUYA SKY
ファーの義父「お前がフォビックにさえならなければ‥!」
ファーの義母「"捨て児"を匿えば、私達も処刑されるわ!」
ファー「ちゃんと、いうこと、きくから‥」
ファー「ぉとさなぃでぇ‥」
ファー「ぉねがぃ‥」

〇近未来の闘技場
トバリノ「そうか──君はプロフェッサーの‥」
トバリノ「"ゲノム・オー・プリンセス"の‥」
トバリノ(リコと同じ、クローン体──ッ!)

〇空
ファー?「センセイも、ハカセたちのナカマなんだ‥」
ファー?「やっぱり、オトナはキライ」
ファー?「やっと、アンシンできるとおもったのにね」

〇黒
ファー?「セ ン セ イ が  ダ イ ナ シ に し た ん だ よ」
  わ た し の ほ う そ く
  マイユニバーサル・グラビテーション
  プ
  ラ
  ス
  ちょ ー じゅ ー りょ く
  ス ー パ ー グ ラ ビ テ ィ

〇近未来の闘技場
トバリノ「違う──」
トバリノ「と、言っても聞かないか‥」
トバリノ「来い──ッ! !」
トバリノ(壁に模様が‥)
トバリノ(ファーさんの左手のアザと同じ‥)

〇黒
トバリノ(まさか、引力の印──)
  引き寄せられ──ッ!?

〇近未来の闘技場
ファー?「──そっか、あしが‥」
ファー?(ゴメンね‥)
ファー?(ファーを、まもりたかったから‥)
ファー?「なん、で‥」
ファー?「つぶれてたのに‥」
ファー?(ダメ‥! これいじょう、チカラをつかえば‥)
ファー?(ファーのカラダが、もたない──)

〇近未来の闘技場
  ご
  め
  ん
  ね
ファー?「どう、して‥」
ファー?「なく、の‥?」

〇SHIBUYA SKY
ファーの義父「国の為だ‥」
ファーの義母「パパとママを、許して‥」
  あ
  の
  ふ
  た
  り
  だ
  っ
  て

〇白
  イ
  ジ
  メ
  て
  た
  の
  に

〇空
ファー?(わからない‥)
ファー?(わかりたくも、ない──)
  閉
  鎖

〇ホールの広場
ファー?(ここ、どこ──)
  よ
  う
  こ
  そ

〇ホールの広場
ケージマスター「そんなに傷だらけになって‥」
ケージマスター「んーっ! なんて可哀想な少女なんだっ!」
テトラ「どっから声出してんのよ‥」
トバリノ「俺達が治します」
トバリノ「──リコ」
ケージマスター「もう安心したまえ」
ケージマスター「キミを歓迎するよ、んっん〜♪」

〇近未来の闘技場
ファー?「わからなぃ‥」
ファー?「わ か ら な ぃ よ ぉ ・ ・ ・」

〇花模様
  そっ──と
  包み込むように
  生まれて間もないように
  泣き噦(じゃく)る少女を
  眠るまで
  あやし続けた

〇近未来の闘技場
  全
  身
  粉
  砕
  骨
  折
  :
  五
  臓
  六
  腑
  破
  裂
  :
トバリノ「流石に治療に骨が折れたよ」
トバリノ「文字通りに、ね」
リコ「──モ ズ」
リコ「こ の 子 達 は 奪 わ な い で」
トバリノ「──解っている」
トバリノ「リコの"妹でもある"んだろう?」
トバリノ「同じ環境で育ってきたんじゃないかい?」
トバリノ「ヤボな事はしないさ」
リコ「あ り が と う」
トバリノ「どういたしまして」
トバリノ「声、出せるようになったんだね」
トバリノ「本当に、良かった」
リコ「う ん」
リコ「き っ と」
リコ「こ の 子 の お か げ だ か ら」

〇研究施設の玄関前
フウリ「ファー・・・」
リクハ「つらかったね‥ 悲しかったよね‥」
レン「オイラ、人情に弱いんス‥」
ダスト「えーっと、つまり、どゆコト?」
テトラ「まれに有るのよ、こういったケースが」
テトラ「フォビアに"意思"が宿る事が、ね」
ダスト「ナルホド‥」
ダスト「まるで我のようだな、クハハ!」
テトラ「アンタの場合、設定でしょ?」

〇諜報機関
リム「むー・・・」
リム「ワタクシなら 止める事くらい可能でしたのに‥」
ケージマスター「確かに、リムちゃんの能力なら 無力化出来ちゃうだろうけど‥」
ケージマスター「今回は流石に危険だったかな、ん〜」
リム「出番は無さそうですわね‥」
ケージマスター「ん〜ん、そんな事はないさ」
ケージマスター「リムちゃんには 重要な役を任せているではないか!」
リム「それもそうですわ!」
リム「フフフ♪」
  明
  日
  が
  待
  ち
  遠
  し
  い
  で
  す

次のエピソード:Chart1-7.敵

コメント

  • 色々と新キャラも出て新展開ですね!!
    ケージマスターの狙いが気になります!
    そして残酷な過去、恐ろしい運命も待ち受けている🫣
    ドラマチックに進みますね!

  • 更新待ってました。
    まさかファーちゃんもリコさんも造られた存在だったとは……。
    そしてリコさんが話せる様に。
    (立ち絵の口元を映す演出が光りますね)

    新たに登場した男キャラ2名。そしてリムさんの恐怖症と与えられた使命。目が離せませんね。

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