絆の先にあるもの

Kazunari Sakai

エピソード2(脚本)

絆の先にあるもの

Kazunari Sakai

今すぐ読む

絆の先にあるもの
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇空
  出会いは不思議
  例えばその人が
  生まれた場所
  進学先や就職先
  それが変わると・・・
  そう・・・
  全く違った絆が生まれる
  エピソード 2
  ──仲直り──

〇綺麗なダイニング
前田美里「それじゃあ改めてプロポーズをやり直したの?」
倉田典子「うん。だってこの前は真っ暗な部屋で 「別れないで」とお願いされてからの プロポーズでしょ」
倉田典子「だから和英がもう一度最高のプロポーズにしたいからって」
前田美里「この流れだとどういったプロポーズだったか聞いた方がいい?」
倉田典子「うん、それがね。和英の会社の新作ゲームがVR対応なんだけど」
倉田典子「そのゲームソフトを仮使用した仮想空間でのプロポーズだったの」
倉田典子「そしてその場所が宇宙」

〇カラフルな宇宙空間
倉田典子「その仮想空間で和英が私に」
大宮和英「典子。絶対に幸せにするから結婚して下さい」
倉田典子「どう?素敵でしょ!そしてその後」

〇綺麗なダイニング
倉田典子「これも全て美里のおかげだね。あの魔法は完璧だったわ」
前田美里「男は単純。誘導尋問なんて赤子の手をひねるようなものよ。それで結婚の日取りは決まったの?」
倉田典子「私も和英も今は仕事が忙しいからお互い落ち着いてからになるかな」
倉田典子「とりあえず婚約だけって事で」
前田美里「典子は前進私は後退か」
倉田典子「えっ?まだ信雄と仲直りしてないの」
前田美里「当たり前よ。彼女に内緒でキャバクラ行ってしかもご指名を繰り返した女性まで発覚したのよ」
倉田典子「男のお遊びだから私は気にならないけど。まあ長い交際期間だから喧嘩する事もあるよ」
前田美里「その交際期間中に3回別れましたけど」
倉田典子「3回別れたって事は4回元に戻ったって事でしょ。今回も許してあげなよ」
前田美里「それは無理。スマホのビデオ通話で「何で夜遅かったの?」って尋ねたら」
前田美里「アイツ平気な顔で言ったのよ!和英に悩みがあってその相談に乗ってたって。今でもあの顔が思い浮かぶわ」
倉田典子「信雄は深く反省してると思うよ。そういう美里だって信雄に隠し事ぐらいあるでしょ?」
前田美里(典子が言うように私には絶対信雄に悟られてはいけない事がある)
前田美里(確かにそれは後ろめたいけど)

〇ネオン街

〇シックなバー
大宮和英「典子の喜んだ顔。マスターにも見せてやりたかったよ」
大宮和英「VRを駆使したプロポーズだったから典子も喜んでね」
マスター「和英君もうその話は」
大宮和英「いいでしょ!この輝く指輪」
木本信雄「黙れこの裏切者!」
マスター(だから言ったのに)
大宮和英「俺何か悪い事したかな?」
木本信雄「お前記憶喪失かよ!」
大宮和英「そんなに美里とやり合ったの?」
マスター「店が破壊されるかと思ったよ。とりあえず凶器になりそうな物は美里ちゃんから離したけど」
大宮和英「さすがドS女」
木本信雄「笑うな!ちゃんと打ち合わせたよな!お互い「何で夜遅いの?」って聞かれた時はお前の悩み相談を聞いてた事にしようと」
木本信雄「それが何で上司と飲み会に変わった?」
大宮和英「だって典子にお迎え頼む時、やっぱ信雄じゃ役不足。お前だと典子が怒る。それに俺の悩み相談なんてそもそも変だろ」
大宮和英「お前の作戦ミスだ」
大宮和英「まあ今日は俺がおごるから許せよ」
木本信雄「そもそもキャバクラ行ったという行為はお前も一緒なのに、何で被害は俺だけ?典子は怒ってないのかよ?」
大宮和英「俺も典子には正直に話したけど、キャバクラぐらい好きに行っていいと言ってたぞ?男性たるもの遊びも必要だって」
大宮和英「だから師匠!今からマリンちゃんに会いに行こうぜ」
木本信雄「マスター。こいつを一撃で倒せる固い物用意して」
大宮和英「冗談だよ」
木本信雄「いいな!今後マリンという活字は絶対に使うなよ。特に美里の前ではな」

〇空
  休日

〇トレーニングルーム
木本信雄(いないか・・・)
  現在電波の届かない
木本信雄(電源オフにしてるのかな?典子に聞くか)

〇テーブル席
倉田典子「この前ネットで紹介してたから」
大宮和英「確かに美味しいよ」
倉田典子「でしょ!」
倉田典子「んっ? 信雄だ」
倉田典子「信雄どうしたの?」

〇トレーニングルーム
木本信雄「美里がいるかなと思ってジムに来たけど、アイツいないからお前と会ってるかと」

〇テーブル席
倉田典子「美里とは一緒じゃないよ。外で和英とランチしてるから」
倉田典子「連絡取れないの?」

〇トレーニングルーム
木本信雄「ああ。スマホの電源切ってるみたい。 アイツの事何か聞いてないか?」

〇テーブル席
倉田典子「・・・そういえば一人になりたいから休日に出かけると言っていたかな?場所は聞いていないけど」

〇トレーニングルーム
木本信雄「そっか・・・ありがと」
木本信雄(一人になりたい?)

〇テーブル席
大宮和英「信雄何だって?」
倉田典子「美里と連絡取れないみたい」
大宮和英「まだ喧嘩してるの?」
倉田典子「うん。美里も当分許すつもりないと言っていたから。ねぇ?そもそもどういう経緯でそのキャバクラに行ったの」
大宮和英「大学時代の山田教授覚えてる?」
倉田典子「うん何となくだけど」
大宮和英「信雄の話だと2ヶ月ほど前に当時の山田教授ゼミメンバーで同期会があったらしいんだ」
大宮和英「その二次会に同期の氷室に誘われて行ったらしい」
倉田典子「氷室? 知らないなあ」
大宮和英「俺もゼミが違うから覚えてないけど」
大宮和英「その時氷室に言われたらしいんだ。毎回ボトルキ―プはしておくので、この店に通って特定の女の子を指名して欲しいと」
大宮和英「その女の子がマリン。これが大まかな経緯だな」
倉田典子「毎回ボトルキ―プしておく?その氷室って相当羽振りがいいよね?何でそんな事するなかなあ」
倉田典子「まあ何度もその店に通っていた事は事実だし、美里が怒るのも当然か」
大宮和英「春斗の死から信雄はずっと美里に対して一途な愛を貫いてきたしキャバクラぐらい大目にみて欲しいけど。チクった俺の責任かな」
大宮和英「反省しないと」
倉田典子「そうよ反省しなさい」
大宮和英「反省反省」
大宮和英「はい反省終──了──! 典子食べようぜ。奴らの問題に首を突っ込むのもバカらしいし」
倉田典子「そうそう和英が正解。2人で解決するしかないよ」
倉田典子「ねぇ!今度はお味噌汁食べてみてよ。岡崎の八丁味噌を使っているらしいよ」

〇空

〇墓石
前田美里(あれからもう9年よ。そっちの世界では幸せに暮らしてる?)
  9年前

〇コンサート会場
  音楽フェスティバル会場
倉田典子「美里ゴメン。場所間違えて春斗にメ―ルしてた」
前田美里「えっ?だから来てないの?」
大宮和英「美里!今何処にいるかすぐに聞いて!」
前田美里「分かった」

〇お祭り会場
  W公園 祭り会場
  福山春斗。バンド「J」の作詞作曲家兼
  キ―ボーダ―。
福山春斗「んっ?」

〇コンサート会場
前田美里「春斗W公園だって」
大宮和英「マジか!演奏まで後40分だぞ」
倉田典子「ゴメンね私のせいで」
大宮和英「美里!スマホで春斗に最短ルートの地図送って」
前田美里「分かった」

〇お祭り会場

〇大きい交差点
福山春斗(・・・)
トラック運転手(んっ?赤信号!マズイ)

〇コンサート会場
  ──メ―ル──
  春斗。演奏の順番最後に変えてもらったから急がなくていいよ。安全運転で来てね❤️

〇大きい交差点
  居眠り運転らしいわよ
  亡くなった子まだ若いよね

〇墓石
前田美里(満里奈ちゃんを見捨てて関係を壊した事)
前田美里(許せないよね?春斗の大切な妹なのに)
前田美里(本当にゴメンね。あなたを失ったあの時。信雄だけが私の支えだった・・・ じゃあそろそろ帰るね)
前田美里(今度ここに来る時はまた歳を重ねてるから、私を見てがっかりしないでね)

〇墓石
前田美里(えっ?)
木本信雄「み―つけた!」
前田美里「何で分かったの?」
木本信雄「俺の脳内GPSがここを指してた」
前田美里「私まだ許したわけじゃないけど」
木本信雄「分かってるよ。でも春斗の前では仲直りしようぜ」

〇空

〇墓石
木本信雄「なあ美里?もし春斗が生きてたら俺たちの人生も大きく変わっていたよな」
前田美里「そうね。うちの事務所からデビューも決まっていたし」
木本信雄「今頃お前も春斗からプロポーズされてたかもな」
前田美里「その話はしない約束でしょ!」
木本信雄「でもお前の頭の中にはまだ春斗が住み着いているだろ?」
前田美里「この場所でそれ聞く?あなたにはデリカシーないの?」
木本信雄「だって美里の気持ちが気になるからさ」
前田美里「私を暗闇から救ってくれたのはあなたでしょ。いつまで春斗をライバルにしてるの?自信持ちなさい」
木本信雄「でもまだ俺春斗には負けてるだろ?」
前田美里「はあ?私がここへ来たのは謝りに来てるのよ!頭の中が信雄で充満して春斗を忘れていくから」
木本信雄「えっ?」
前田美里「それなのにあなたは他の女と遊んで!」
前田美里「あ──ムカつく! またキャバクラの事思い出した!」
木本信雄「プッ・・・」
前田美里「何笑ってるのよ!ふざけてる?」
木本信雄「いや春斗に感謝してる。ここでお前の気持ちを聞かせるために、春斗がこの場面を用意してくれたんだなって」
前田美里「都合のいい事言わないで!分かってるの?私はまだあなたを許して・・・えっ?」
  信雄は美里にキス・・・
前田美里「いきなり何よバカ!」
木本信雄「美里帰ろっか!」
前田美里「一緒に帰るけどまだ許さないからね❤️」

〇霊園の入口
木本信雄「なあ美里。今日お前ん家に泊まっていい?」
前田美里「いいわけないだろ!キスしたぐらいで調子に乗るな!」
  こうしてもう一組のカップルは何とか仲直りをしたのだが
  この時はまだ新たな危機が訪れる事など知る由もなかった
  エピソード3へ

次のエピソード:エピソード3

ページTOPへ