Chart1-5.≒念動力(脚本)
〇近未来の闘技場
【4日目】
PiC:トレーニングルーム
リクハ「待雪想々(マツユキソウソウ)──」
リクハ「"スノーフレークス"」
〇氷
ファー「これが、雪──」
リクハ「もしかして、初めて見たのかな?」
リクハ「喜んでくれてよかったよ〜」
リクハ「私はね、北の大地の出身なの」
リクハ「だから"雪"のステキなところ、 たっくさん知ってるんだ〜」
〇白
ファー「真っ白になっちゃった‥」
「ホワイトアウトって、いうんだよ〜」
リクハ「何も見えなくなるから、気をつけないとね〜」
リクハ「そうだ〜ぁ!」
「今から鬼ごっこしても、いいかな〜?」
ファー「鬼ごっこ──ですか?」
リクハ「はい、ファーちゃんの鬼ぃ〜♪」
リクハ「私を捕まえたら、 ファーちゃんの勝ちだよ〜」
「ふふふ〜、スタート〜ぉ!」
ファー(き、強制‥!?)
〇氷
フウリ「あったけ〜ぇ」
トバリノ「寒冷恐怖症"サイクロフォビア"── 相変わらず凍えてしまうな‥」
トバリノ「ふぅ‥あったけ〜ぇ」
フウリ「寒さで相手を弱らせ、仕留める」
フウリ「あの子、親が狩猟を生業にしてたんだって ‥血筋みたいなんだ」
フウリ「普段のんびりしてるけど、 やる時はやる子なんだよね」
〇白
ファー(一体、どこに‥)
リクハ「こっちこっち〜」
リクハ「ハズレだよ〜」
ファー「あいたた‥」
リクハ「大丈夫? ケガしてない?」
「足元も、気をつけてね?」
リクハ「難しいかもだけど、頑張って!」
「ファーちゃんなら、できるできる!」
リクハ「貴方のチカラ、見てみたいなあ!」
ファー(全然見えない‥)
ファー(この霧をどうにかしないと‥!)
ファー("チカラ"‥)
〇黒
ひ だ り て を あ げ て
ファー(あの声だ‥)
ファー(あなたは、誰なの‥?)
わ た し は
あ な た
あ わ
な た
た し
と は
ふ た り で
ひ と つ
さ
あ
モ ヤ モ ヤ を
ふ
っ
と
ば
し
ち
ゃ
え
〇氷
リクハ「わあっ!?」
〇近未来の闘技場
ファー?「はい、タッチ!」
ファー?「勝っちゃった♪」
ファー「冷たっ!?」
ファー「景色が、元に戻って‥」
リクハ「すご〜い! 霧が一瞬で吹き飛んじゃったよ〜!」
リクハ「まるでフーちゃんみたいなチカラだね〜」
リクハ「なんかこう、ずどーんって パワーで押し切っちゃう感じがそっくり──」
フウリ「リクハ〜? それはどーいうコトかなー?」
フウリ「あたしが 脳筋ゴリラーとでも言いたいのかー?」
リクハ「ちがうよ〜! フーちゃんみたいにカッコいいんだよ〜!」
フウリ「お世辞言ったって遅いんだぞー?」
ファー(また、助けてくれた‥)
〇黒
あ わ
な た
た し
と は
ふ た り で
ひ と つ
〇近未来の闘技場
ファー(いつだったか‥)
ファー(パパとママから聞いたことがある‥)
ファー(きっと"あの子"は──)
私
と
一
緒
に
生
ま
れ
る
は
ず
だ
っ
た
子
〇中華料理店
【5日目】
PiC:レストラン-しぇ〜しぇ〜堂-
フウリ「──でね? 2日目の演習で相手が口説いてくるワケ!」
フウリ「あまりにもしつこいもんだから、 風船をくれてやったわ!」
ファー「まさかその風船って‥」
リクハ「その"まさか"だね〜」
〇黒背景
それ
爆弾だから
〇中華料理店
ファー「あ、そういえば‥」
ファー「フウリさんが能力を使ったとき、 風船みたいな生き物が現れたのですが‥」
ファー「あれは何ですか?」
フウリ「ああ、ばろんの事ね!」
フウリ「いいよ、紹介したげる!」
「か わ い い 〜 ! !」
フウリ「でしょでしょ〜?」
フウリ「だって、この子は──」
フウリ「あたしの大事なパートナーだもん!」
〇荒廃した遊園地
ファーちゃんは‥
"チャイルドマンズパーク惨殺事件"
を
知っている?
フウリ「え‥」
フウリ「父さん! 母さん!」
〇血しぶき
フウリ「ソヨギまで‥」
フウリ「嘘、だ‥」
「ウソだウソだウソだウソだ──ッ! !」
あ
の
風
船
に
あ
の
遊
園
地
に
あ た し の 家 族 は
奪 わ れ た
フウリ「もう、ダメ──!」
〇荒廃した遊園地
フウリ「あ、れ‥」
フウリ「生きて、る‥」
〇中華料理店
フウリ「この子が守ってくれてたの」
フウリ「後に、あたしが 能力で生み出したって分かったんだ」
ファー「カッコいい〜!」
リクハ「ばろんはフーちゃんのヒーローなんだね〜」
ファー(けれど、 フウリさんも大切な家族を失ったんだ‥)
フウリ「ヒーローだって! よかったね、ばろん!」
フウリ「あの事件を思い出すたびに‥」
フウリ「あたしは能力を行使できる」
〇黒背景
フウリ「家族の仇を──」
フウリ「あの道化師を 粉々に吹(ブ)ッ飛ばすチカラを、ね」
〇諜報機関
【6日目】
PiC:モニタースペース
アン「これまでの演習記録を展開──」
〇近未来の闘技場
Name:フウリ・カンナギ(覡 風理)
Phobia name:
風船恐怖症-Globophobia-
Ability:風船爆弾、風船生物生成
フォビアマターシンクロ率──90%
Name:リクハ・タマユキ(珠雪 六葉)
Phobia name:
寒冷恐怖症-Psychrophobia-
Ability:氷雪生成
フォビアマターシンクロ率──80%
〇諜報機関
トバリノ「彼女ら3人で演習させたのは正解だったな」
トバリノ「おかげさまで成果が出ているようだ」
アン「二人共、シンクロ率が高いのです」
アン「特にフウリさんは上位レベルなのです」
トバリノ「確かに、アイツには驚かされたよ」
トバリノ「協調性があって面倒見がいい」
トバリノ「もしサバイバルで勝ち残れたなら、 教育担当に入ってもらおうかな」
アン「それは名案なのです!」
アン「ただでさえ、管理者が少ないので 是非とも仲間に加わってほしいのです」
トバリノ「──だな」
トバリノ「あとは──あの子だ」
〇近未来の闘技場
〇諜報機関
トバリノ「このチカラ──どう思う?」
アン「重力波が横方向に発生しているのです」
アン「というより、この現象は恐らく‥」
トバリノ「斥力(せきりょく)──いや、違うな」
トバリノ「あの子の能力は、磁力では無い筈だ」
アン「はい」
アン「彼女は──」
アン「"万有引力"(ばんゆういんりょく)を 様々な方向へ操作可能と思われるのです」
トバリノ「引力‥」
〇白
トバリノ「背後に吸い寄せられるような──まるで‥」
トバリノ「"落ちている"ような感覚──ッ!?」
〇諜報機関
トバリノ("オチル"──)
トバリノ(あの感覚を あの子は直(じか)に体感しているのか‥)
トバリノ(その恐怖によって得た能力‥"重力操作")
トバリノ(人や物の重力を制御し、 宙に浮かせたり、重さで動けなくしたり‥)
トバリノ(周囲ごと、向けた方向に落とす‥ あたかも吹き飛ばすかのように)
トバリノ(まるで"念動力-サイコキネシス"だな)
アン「ただ、彼女のシンクロ率は50%未満‥」
アン「リコさんの能力のおかげで 本来の訓練期間を短縮出来ているのですが‥」
アン「このままではサバイバル生存は絶望的かと‥」
トバリノ「そうか‥」
トバリノ(強大な能力ほど、熟練までが長くなる)
トバリノ(リコで力の負担をカバーしていたが、 やはり甘かったか‥)
最終日は
強引な手段になりそうだ
〇菜の花畑
【7日目】
演
習
最
終
日
トバリノ「よくここまで頑張ってきたね」
トバリノ「まだ小さいのに、凄いじゃないか」
ファー「こ、子供扱いしないでください‥!」
トバリノ「はっはっは、済まない済まない」
トバリノ「もう、君の事は仲間だと思っているよ」
トバリノ「だからこそ、 今日は最後の仕上げが必要だと思うんだ」
ファー「わかりました」
ファー「詳しく教えてください!」
トバリノ「ああ」
トバリノ「その内容は──」
〇白
〇菜の花畑
トバリノ「君の足は‥」
トバリノ「今、死んだ」
トバリノ「それじゃあ──」
トバリノ「命懸けの演習を、始めようか」
相変わらず演出力すごいですね!!
スノーフレークス、美し過ぎるシーンでした。
画面の構成力と言うか…見入ってしまいますね😮
悪役道化師の凄惨な事件もあり💦
過酷すぎる訓練…足はどうなったんだ⁉
とても映画っぽい引きです!
続きが楽しみですね👍
リクハさんの恐怖症はやはり雪……冷気に関する恐怖症でしたか。
そしてあの道化師はフウリさんの恐怖症の元凶だった訳ですね。
ファーちゃんの瞳の謎。生まれてくる筈だったもう1人……。辛いな……。
演習最終日に待ち受けていたのは……今までよりも過酷な訓練……!
先生は「足は死んだ」と言っていましたが、リコさん一体何を……。